富良野線

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富良野線
夕張山地をバックに走る富良野・美瑛ノロッコ号(2022年6月 鹿討駅 - 学田駅間)
夕張山地をバックに走る富良野・美瑛ノロッコ号
(2022年6月 鹿討駅 - 学田駅間)
基本情報
日本の旗 日本
所在地 北海道
種類 普通鉄道在来線地方交通線
起点 旭川駅
終点 富良野駅
駅数 一般駅:1駅
旅客駅:17駅
貨物駅:0駅
信号場:0か所
電報略号 フラセ[1]
路線記号 A旭川駅
F神楽岡駅 - 学田駅間)
T(富良野駅)
路線記号については当該記事も参照
開業 1899年9月1日
民営化 1987年4月1日
全通 1900年8月1日
所有者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
運営者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
(全線 第一種鉄道事業者
車両基地 旭川運転所
使用車両 使用車両の節を参照
路線諸元
路線距離 54.8 km
軌間 1,067 mm狭軌
線路数 全線単線
電化区間 全線非電化
最大勾配 28.6 美馬牛駅 - 美瑛駅間)
閉塞方式 特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
保安装置 ATS-SN
最高速度 85 km/h
路線図
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富良野線(ふらのせん)は、北海道上川管内旭川市旭川駅富良野市富良野駅を結ぶ北海道旅客鉄道(JR北海道)の鉄道路線地方交通線)である。

旭川や美瑛、富良野という有名観光地を沿線に持つ、北海道を代表する観光路線である一方、近年は周辺地域が旭川のベッドタウンとして発展しており、旭川方面への通勤通学路線としての一面も持ち合わせている。

なお、線路名称では起点が富良野駅、終点が旭川駅となっているが、『鉄道要覧』ではその逆となっている。

存廃問題

元々は北海道官設鉄道によって旭川と釧路を結ぶ幹線鉄道(十勝線、釧路線)の一部として建設されたもので、富良野駅までは1900年明治33年)8月1日に十勝線の一部として開通している[2]1913年大正2年)11月10日滝川駅 - 下富良野駅(現在の富良野駅)間の新線が下富良野線として開通し[3][4][新聞 1]、釧路本線(現在の根室本線)の起点が旭川駅から滝川駅に変更されたのに伴い[3][4][5]、下富良野駅 - 旭川駅間が富良野線として分離された[2]

2020年令和2年)に全線開通120周年を迎え、7 - 10月にかけて記念行事が開催された(5駅でのパネル展示やスマートフォン動画配信[報道 1][新聞 2]、10月10日の「山紫水明号」運行[6][報道 2][新聞 3])。

2016年平成28年)11月18日、JR北海道は厳しい経営状況を理由に「自社単独で維持することが困難な路線」として、10路線13区間を発表した[報道 3]。本路線は「自社単独では老朽土木構造物の更新を含め『安全な鉄道サービス』を持続的に維持するための費用を確保できない線区」とされ[報道 3]、今後は経費節減や運賃値上げ、利用促進策、上下分離方式への転換などを軸に沿線自治体と協議する予定とした[報道 4]

なお、北海道による総合交通政策検討会議が2018年(平成30年)2月10日に発表した『北海道の将来を見据えた鉄道網(維持困難線区)のあり方について』では「観光客の利用だけで鉄道を維持していくことは難しいことから、関係機関が一体となって、観光路線としての特性をさらに発揮するよう取組を行うとともに、地域における負担等も含めた検討・協議を進めながら、路線の維持に最大限努めていくことが必要と考える」としている[報道 5]

歴史

北海道官設鉄道

  • 1899年明治32年)
    • 9月1日北海道官設鉄道十勝線(とかちせん)として、旭川駅 - 美瑛駅間が開業[2]。同区間に辺別駅、美瑛駅[7]を開設。
    • 11月15日:十勝線の美瑛駅 - 上富良野駅間が延伸開業[2]。同区間に上富良野駅を開設[7]
  • 1900年(明治33年)8月1日:十勝線の上富良野駅 - 下富良野駅間が延伸開業[2]。同区間に中富良野駅[7]、下富良野駅[8][7]を開設。

国有鉄道

十勝線→釧路線

官営鉄道北海道線 1905年の地図

富良野線

  • 1913年大正2年)11月10日滝川駅 - 下富良野駅間 (57.6 km) が開業し[3][4][新聞 1]、滝川駅 - 下富良野駅 - 帯広駅 - 釧路駅(後の浜釧路駅)間が釧路本線(くしろほんせん)に改称[3][4][5]。これに伴い、旭川駅 - 下富良野駅間 (54.8 km) が釧路本線から分離され、富良野線(ふらのせん)に改称[2]
  • 1926年(大正15年)
  • 1936年昭和11年)9月10日:西神楽駅 - 美瑛駅間に千代ヶ岡駅を開設[7]
  • 1942年(昭和17年)
    • 4月1日:下富良野駅を富良野駅に改称[11]
    • 10月1日:辺別駅を西神楽駅に改称[11]

日本国有鉄道

民営化以後

運行形態

定期列車は普通列車のみが運転されており、全ての列車がワンマン運転を行っている[新聞 5]。旭川駅 - 富良野駅間の直通列車と旭川駅 - 美瑛駅間の区間列車が設定されており、全体の4割程度が区間列車である(2015年5月25日時点で、富良野線の列車19往復中7往復[14][報道 9])。一部列車は西中駅、鹿討駅、学田駅を通過する(朝と夜の旭川駅行き2本はさらに北美瑛駅、西聖和駅、西瑞穂駅も通過)。朝の一部は平日・土曜日のみの運行である。旭川駅 - 美瑛駅間は毎時1本程度運転されている。

かつて富良野線で運用されていたキハ150形気動車方向幕。「マイタウン列車」の愛称入り方向幕は2010年代頃まで一部の車両に残存していた。

国鉄時代の最末期に当たる1986年11月1日国鉄ダイヤ改正では当時の旭川鉄道管理局が旭川・北見近郊エリアの普通列車を「マイタウン列車」と称し、運転線区や区間毎に沿線の名所に因んだ愛称を付けたことがあった。富良野線では旭川駅 - 富良野駅間の直通列車に「ラベンダー」、旭川駅 - 美瑛駅間の区間列車に「しろがね」(美瑛町内にある白金温泉に因んでいる)の愛称が与えられ、民営化後の1990年代頃まで北海道内の列車時刻表や駅構内の案内放送などに使用されていた。『JTB時刻表』1988年3月号では旭川駅 - 美瑛駅間運行の列車に「しろがね」、旭川駅 - 富良野駅間運行の列車に「ラベンダー」の名称が確認できる[15]。しかし翌1989年3月号では列車名が消去されている。

その後は愛称名のない「普通列車」として案内されるようになったが、当時の名残でキハ150形気動車方向幕の一部に2010年代頃まで「マイタウン列車」の表記が残存したケースがあった。また、旭川駅 - 帯広駅間で臨時快速「ホリデーおびひろ」「ホリデーあさひかわ」も運転されていたが、2003年(平成15年)1月5日を最後に運行を終了している。

2023年3月18日のダイヤ改正より、全ての普通列車がH100形気動車で運転されている[報道 10][16]

また、観光路線として充実が図られており、毎年6月から10月にかけてトロッコ列車の「富良野・美瑛ノロッコ号」などの臨時列車が運転される[17]

2023年7月の土日祝日を中心に札幌 - 富良野間で運行される特急フラノラベンダーエクスプレスが富良野線に乗り入れ旭川まで乗り入れていた。線内は快速とし、停車駅は富良野・中富良野・ラベンダー畑(通過日あり)・上富良野・美馬牛・美瑛・旭川[18]

使用車両

現在の使用車両

過去の車両

  • 気動車
    • キハ40形 - 2020年3月14日ダイヤ改正以降富良野線での定期運用がない[19]
    • キハ54形 - 2023年3月17日まで運用されていた[16]
    • キハ150形 - 1993年4月1日から[20]2023年3月17日まで運用されていた[16]
  • 客車

データ

路線データ

全区間が旭川支社の管轄であるが、富良野駅構内のみ本社鉄道事業本部直轄となっており、同駅の下り場内信号機が支社境界となっている。

輸送密度

輸送密度は以下の通り。データが公開されている1975年(昭和50年)度以降では、全体的に減少傾向にあるが、2004年(平成16年)以降、微増傾向にあり、2016年(平成28年)に発表された「自社単独で維持することが困難な路線」(後述)の中では最も高い。

年度 輸送密度
(人/日)
備考 出典
富良野駅
- 旭川駅間
1975年(昭和50年)度 3,587   [報道 11]
1980年(昭和55年)度 3,196  
1984年(昭和59年)度 2,316 [新聞 10]
1985年(昭和60年)度 2,213   [報道 11]
1987年(昭和62年)度 2,056  
1988年(昭和63年)度 2,059  
1989年(平成元年)度 2,031  
1990年(平成2年)度 2,060  
1991年(平成3年)度 2,094  
1992年(平成4年)度 2,050  
1993年(平成5年)度 2,041  
1994年(平成6年)度 1,918  
1995年(平成7年)度 1,882  
1996年(平成8年)度 1,913  
1997年(平成9年)度 1,709  
1998年(平成10年)度 1,676  
1999年(平成11年)度 1,641  
2000年(平成12年)度 1,562  
2001年(平成13年)度 1,461  
2002年(平成14年)度 1,397  
2003年(平成15年)度 1,341  
2004年(平成16年)度 1,282  
2005年(平成17年)度 1,301  
2006年(平成18年)度 1,322  
2007年(平成19年)度 1,335  
2008年(平成20年)度 1,358  
2009年(平成21年)度 1,380  
2010年(平成22年)度 1,406  
2011年(平成23年)度 1,366  
2012年(平成24年)度 1,417  
2013年(平成25年)度 1,452  
2014年(平成26年)度 1,406   [報道 11][報道 12]
2015年(平成27年)度 1,477   [報道 11][報道 13]
2016年(平成28年)度 1,545 台風10号による影響を除くため、9 - 12月を除いた数値 [報道 11][報道 14]
1,487 9 - 12月を含む数値
2017年(平成29年)度 1,597 同年度分より集計方法見直し[注釈 4] [報道 15]
2018年(平成30年)度 1,505   [報道 16]
2019年(令和元年)度 1,419 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大の影響等により、前年度比減少 [報道 17]
2020年(令和2年)度 1,027 COVID-19の影響により、前年度比大幅減少 [報道 18]
2021年(令和3年)度 960   [報道 19]
2022年(令和4年)度 1,053   [報道 20]
2023年(令和5年)度 1,233   [報道 21]

収支・営業係数

収支(営業収益、営業費用、営業損益)と営業係数は以下の通り。JR北海道発表分についてはいずれも管理費を含めた金額である。▲はマイナスを意味する。

富良野駅 - 旭川駅間
年度 収支(百万円) 営業
係数
(円)
備考 出典
営業
収益
営業
費用
営業
損益
1970年(昭和45年)度 322 1,003 ▲681 313   [23]
2014年(平成26年)度 338 1,236 ▲898 366   [報道 12]
2015年(平成27年)度 364 1,320 ▲956 363   [報道 22]
2016年(平成28年)度 362 1,380 ▲1,018 381   [報道 23]
2017年(平成29年)度 401 1,399 ▲998 349 同年度分より集計方法見直し[注釈 4] [報道 15]
2018年(平成30年)度 373 1,439 ▲884 385   [報道 16]
2019年(令和元年)度 373 1,388 ▲1,015 372   [報道 17]
2020年(令和2年)度 241 1,227 ▲986 509 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による営業収益減少が発生 [報道 18]
2021年(令和3年)度 241 1,342 ▲1,101 557   [報道 19]
2022年(令和4年)度 296 1,428 ▲1,132 483   [報道 20]
2023年(令和5年)度 367 1,674 ▲1,308 457   [報道 21]

駅一覧

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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