機神兵団

From Wikipedia, the free encyclopedia

機神兵団』(きしんへいだん。英題:Alien Defender Geo-Armor: Kishin Corps)は、山田正紀による日本SF冒険小説。1990年から1994年にかけて、中央公論社C★NOVELSから新書版全10巻を刊行。イラストはひろき真冬。第26回星雲賞(日本長編部門)受賞。1999年には角川春樹事務所のハルキ文庫から新装版を刊行。イラストは三浦均。挿絵の変更にともない登場人物とメカニックのデザインが一新された。

舞台は1937年上海。8月13日、日本軍上海陸戦隊は突如謎の敵、エイリアンに襲撃される。辛くもこれを退けることには成功するも、敵のロボット兵士の残骸から、プログラムを自己増殖する機能を持ったユニット“モジュール”が発見され、列強各国はエイリアンのテクノロジーと第二次世界大戦前の技術・機械を併用した巨大ロボット兵器『機神』の開発に成功する。第二次世界大戦前夜、暗雲立ち込める世界に突如としてもたらされた未知のテクノロジーにより、今、誰も想像していなかった未踏の歴史が始まろうとしていた。

書誌一覧

  1. 満州黎明篇
  2. 上海烈日篇
  3. 渤海基地殲滅作戦
  4. バルカンの嵐
  5. ナチス装甲騎士団
  6. 要塞都市
  7. 巨神の戦場
  8. 遙かなり敦煌
  9. 時間の涯
  10. 星に祈りを

主な作中用語

機神兵団

先の上海陸戦隊襲撃事件(碑坊路事変)を受けて日本軍陸軍参謀本部直属の独立部隊として設立された。アニメ版では米、英、仏、日の連合組織として設立されたが、団員はビルやエヴァ、アルなどを除き全て日本人であった。アニメ版では某国の山岳地帯に機神号、富岳、竜神サポート用潜水艦(名称不明)、飛行船まで秘匿可能な巨大な基地を持っている。第7巻でルッチェランドに侵攻するドイツ軍とナチス装甲騎士団を阻止するため、富嶽搭乗組を除く団員は全員玉砕、同様に富嶽を除いた機神を含む全ての装備・車輛も消失している。アニメ版ではおそらく一人の戦死者も出さず、富嶽と機神号は破壊されたようでも機神も全機健在でのエンディングとなる。

エイリアン

1937年8月9日、上海碑坊路にて二人の日本軍人が殺される事件が起こった。これがいわゆる「碑坊路事変」の発端で現実の歴史においても同年同日二人の日本軍人が殺害されている。日中が互いに双方の陰謀であると主張し、軍まで動き出した中、8月13日、魔の金曜日、ついに戦端が開かれた。だが日本軍の敵は中国軍ではなく、また中国軍の敵も日本軍ではなかった。この時初めてエイリアンが目撃されることとなる。その外見は全身を金属のようなもので覆われ、頭部はつなぎ目の無いヘルメットのようなものを被り、そこから赤い光(レーザーサイト)を発するという異様なものであった。日本軍では敵性言語を嫌うためエイリアンには「翳霊黶」、エイリアン兵には「魔神」という文字があてがわれた。碑坊路事変の後、戦場にはエイリアン兵の残骸である「モジュール」が残され、列強各国の熾烈な争奪戦の末最終的に19個のモジュールが人類にもたらされた碑坊路事変の後、エイリアン兵には自爆装置のようなものが備わり、以後は何体破壊してもモジュールは手に入らなくなった。このモジュールひいてはエイリアンは戦車などの機械類から、馬車やカカシのような物まであらゆる物に感染し、それを意のままに操る能力を持っている。アニメ版においては全身が白色の粘土状の物質で構成された人型の姿をしており、頭部のスリットの中央にはレーザーサイトが備わっている。戦車や航空機に取り憑くことは原作と同様だが、さらに人間の体内に侵入し同化する能力も持っている。最終局面においては「エイリアンの核」と呼ばれるものが登場し、これを破壊し終幕となる。

登場メカ

機神兵団

機神(きしん)
エイリアン兵のモジュール(コンピューター)を元に建造された戦闘ロボット。開発段階でのモジュールの暗号名「KISSING DISEASE(キス病)」から「機神」と名づけられ、日本が得た3基のモジュールから雷神、竜神、風神の3体の機神が作られた。当初はエイリアン兵をそのまま模倣することが目標とされていたが、当時の技術の限界によりやむを得ず数倍に拡大した巨大ロボットとして設計、製作された経緯を持つ。それにより機神はエイリアン兵とは比較にならない程の破壊力を得ることとなった。
基本仕様
  1. 両肩両腰に中島飛行機製作所製造の一型ピストンエンジン4基、起動時には兵団員が慣性起動機(イナーシャ)を回しエンジンを点火させる。
  2. 起動時に背中に真空管で構成された発信器を取り付け、高電圧パルスを送り込みモジュールを起動させる。後に白蘭花が発信器なしで起動できる方法を見つけた。
雷神(らいじん)
陸戦壱式(アニメ版では弐式)(重機動型)機神。3体の機神の中で、最大のパワーと装甲を誇る。パイロットは白蘭花。
武装:75mm戦車砲2門、頭部左右に7.7mm機銃を各1基。火炎放射器(右手)。放電器(左手)。全高14m(アニメ版)。
竜神(りゅうじん)
陸戦弐式(アニメ版では壱式)(水中駆動型)機神。水陸両用型。パイロットは榊大作。
全備重量36トン、水中排水量40トン、陸上巡航速度29キロ、水中巡航速度25ノット。腹腔に燃料主タンクがあり、1200リットルの燃料を搭載できる。
武装:12センチ砲1門、7.7ミリ旋回機銃1丁。両肩に53センチ酸素魚雷2基搭載。潜水時には潜水艇に変形。全高15.3m(アニメ版)。
風神(ふうじん)
陸戦参式(空中降下型)機神。パイロットは真澄公彦。
武装:20mm機関砲4門。7.7mm機銃2門。滑空時には両腕両足が翼に変形。背中に緊急時用の使い捨てのロケットブースター2基搭載。原作では両手は布製の滑空翼として描かれ、グライダーに似た飛行(滑空)が可能。全高16m(アニメ版)。
四式機神(よんしききしん)
陸戦四式機神。原作には未登場の、アニメオリジナルの第四番目の機神。パイロットは鷹村大志。
雷神の後継機的な機体であり、機神兵団が建造した4体の機神の中では最大の体躯を持つ。他の機神と違い6基のエンジンを動力としており、搭載された鷹村モジュールの性能も相まって桁違いのスピードを誇る格闘戦主体の機神。固定武装として腰部に2門の戦車砲を持つ。輸送には専用の大型飛行船が用いられ、起動には背部に背負う形となる発電ユニットを必要とする。この機体のみ他の機神のような「神」という呼称が登場しない。全高18m。
機神号(きしんごう)
雷神輸送用の装甲列車。パシナ形蒸気機関車とされる。アニメ版においては原型を留めないほどに改造され、超巨大な機関車として描写された。
富嶽(ふがく)
風神の母船となる空中軍艦(飛行艇)。元は中島飛行機製作所が独自に「Z機」として開発していた超大型爆撃機を機神兵団が譲り受けた機体。
小白竜(シャオパイロン)
アメリカン・バンタム英語版ジープとほぼ同じ性能を持つ白蘭花の愛車。九八式小型乗用車の設計仕様から独自に開発したと考えられる。

ドイツ第三帝国

ボルウェルク
ナチス・ドイツの開発した機神「装甲騎士(パンツァーカバリエ)」の呼称。ゲルマン神話の、神々を滅ぼす者達の名を付けられている。
ミッドガルドシュランゲ
空戦型装甲騎士(パンツァーカバリエ)。パイロットはフーベルト・フォン・マイヤー少尉。
全備重量23トン(本体4トン、移動部17トン、翼2トン)。最高速度、飛行時420km/h、地上時68 km/h。航続距離、飛行時260キロ、地上時90キロ。
動力:移動部、ユンカースJumo213Aエンジン(液冷V型12気筒、出力1770hp)2基、双胴設計の胴体にキャタピラを装備。本体部、ダイムラー・ベンツDB605エンジン(液冷V型12気筒、出力1475hp)2基搭載、移動部が破壊された時は独自に2足歩行することも可能。
武装:移動部、ラインメタルMk108・30ミリ機関砲4門。2名の乗員により、移動部のみで移動・戦闘も可能。本体部、20ミリ機関砲4門。
翼は取り外し可能で、フリュムの水中翼と互換可能。
フリュム
水上戦闘型装甲騎士(パンツァーカバリエ)。
全備重量14トン、歩行最高速度32キロ、巡航速度22ノット、水上での最高速度49ノット。航続距離、地上60キロ、水上110キロ。燃料搭載量480リットル。発動機2基、ダイムラー・ベンツDB605A、液冷V型12気筒、出力1475Hp。
武装:主砲12.8センチ、K40L61砲(KwK電気式撃発方式)1門。7.92ミリMG34機関銃2門。火炎放射器1基。
装甲:前面85 - 120ミリ、背面60 - 100ミリ。
フェンリル
陸戦型装甲騎士(パンツァーカバリエ)。
全備重量85トン、最高速度52キロ、巡航時速46キロ。燃料搭載量、本体6000リットル、移動部930リットル。
武装:本体部、主砲88センチ砲(KwK43L71砲)2門、火炎放射器、5連装ロケット砲(15センチ、NbW41)装備。移動部、7.92ミリMG34機関銃2門、地雷敷設も可能。
装甲:本体部、前面装甲100 - 200ミリ、背面装甲100 - 180ミリ。移動部、前面装甲200ミリ、側面100ミリ、上面80ミリ。移動部には2連装キャタピラを装備。
新時代(ウーイ・イデーク)
パンツァーカバリエのプロトタイプで、ルッチェランド所有のロボット。実用に耐えるものとして実戦投入されたのは、重機動型の陸戦モデル1機のみ。
体長22メートル、全備重量52トン、燃料搭載量2300リットル。
武装:75mm戦車砲3門、7.7ミリ旋回機銃4門。
パンツァーカバリエ(装甲騎士)(アニメ版)
アニメ版第4話より登場する、ナチスがエバの残したデータを元に改良を重ねつつ仕上げた機神。体躯は雷神よりも4m全高が高いとされる四式機神よりもさらに大きく、VHS・LD封入のライナー記載の設定画で雷神とのスケール比較が確認できる。
胸に鉤十字をあしらい、その左右へと展開するポッドには30mmSG118機関砲10基が装備されている。
主動力は電気で、機体各部に独立式のモーターを配しており、これを駆動する強電力は攻撃用として両腕から放電することもできる。その両腕の両拳は打撃用武器として本来は固定されているが、最終決戦において複数のモジュール=エイリアンと融合した際は五指がそれぞれ可動するようになる。設計段階から対ロボット兵器を想定された機体。
唯一最大の弱点として、前面装甲への集中増加の犠牲として装甲厚が下がった背面であるが、それを補うためにマント状のチェーン・アーマーを装着している。このアーマーは緊急時にはコックピットからの操作で投棄することが可能で、機体重量を軽減できる。
搭載されたモジュールを厳重に装甲されたユニットに格納している日本の機神と違い、本機では操縦者との共感現象を高めるために腹部にあるコックピット内にモジュールが設置されているが、これにより、厳重な装甲服(パイロットスーツ)を着た状態で乗り込んでも、操縦後にはモジュールの作用により操縦者は全身の細胞、筋肉や心臓、神経までが人間とは呼べない状態にまで変化してしまい死亡する。
最終2巻の時代設定である1945年の段階では本機の量産も着々と進行している描写があるが、それに先立って初登場時の1943年においてもすでに上記の理由によりパイロットスーツはそれを着るパイロットの候補生とともに多数用意されていた。
劇中においては敵味方双方から単にパンツァーカバリエとのみ呼称され、原作版の各機個体名称との関連は不明である。

その他のメカ

サンダーボルト(電撃軍団)
アメリカ合衆国の開発した機神からなるロボット部隊。アメリカは独自にモジュールを研究し、完全ではないがモジュールをコピーすることに成功した。アメリカ製の機神が搭載しているのは全てこのコピーされたモジュール、すなわち後に言う「コンピュータ」である。
ライトフット
軽装型の機神。頭部に20mm機関砲を搭載している。スカート(浮き)を装着することにより水上活動も可能。ゴビ砂漠では錯乱状態となった白蘭花が操る雷神と砲火を交えた。

主要登場人物

アニメ

脚注

Related Articles

Wikiwand AI