犬を持つ女性
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| フランス語: La Femme au chien 英語: The Woman with a Dog | |
| 作者 | ジャン・オノレ・フラゴナール |
|---|---|
| 製作年 | 1769年ごろ |
| 素材 | キャンバス上に油彩 |
| 寸法 | 81.3 cm × 65.4 cm (32.0 in × 25.7 in) |
| 所蔵 | メトロポリタン美術館、ニューヨーク |
『犬を持つ女性』(いぬをもつじょせい、仏: La Femme au chien、英: The Woman with a Dog)、または『犬を持つマリー・エミリー・コワニェ・ド・クルソン』(いぬをもつマリー・コワニェ・ド・クルソン、英: Marie Emilie Coignet de Courson with a Dog)は、18世紀フランス・ロココ期の巨匠ジャン・オノレ・フラゴナールが1769年ごろ、キャンバス上に油彩で制作した絵画である。画家の「幻想の人物画」連作の1点をなしている。作品は1937年にフレッチャー (Fletcher) 基金により購入されて以来[1]、ニューヨークのメトロポリタン美術館に所蔵されている[1][2][3]。

『エチュード』 (ルーヴル美術館、パリ) [4]などフラゴナールの「幻想の人物画」は、いずれも素早い筆致で描き上げられた半身像である[5]。伝説によれば、それぞれの絵画は1時間で制作されたという。作品はすべて同じ大きさで、人物たちは当時の衣装ではなく「スペイン風」といわれる、実際にはイタリア演劇や17世紀初頭の様々なファッションの扮装で贅沢に着飾っている[4]。
これらの作品は、「音楽」や「詩」などの芸術のジャンルと結びついた寓意的意味を持つものと推定される[5]。フラゴナールは生き生きとした生命力を表すイメージを提示しようとしたが、人物像は間違いなくフラゴナールを取り巻く実在の人物たちの面影をとどめている。画家は彼らの容貌の特徴を忠実に再現しようとしたのではなくても、本人を確認することは可能であった[4]。
作品

画面の女性の髪形、真珠、あるいは使用されている青色やピンク色はロココ様式に特徴的なものである[3]が、演劇的な服装[1]は16-17世紀のもので、ルーベンスが描いたマリー・ド・メディシスやアンヌ・ドートリッシュの肖像と比較されてきた[3]。本作は、フラゴナールが当時フランス王室のコレクションを所蔵していたルーヴル宮殿でルーベンスの肖像画を研究した直後に描かれたものである[1][2]。
犬と女性は同じような曲線的特質を与えられており、それがコミカルに並置されている彼らの異なる大きさと対照的である。犬は着飾った女性を見ている一方、赤らんだ頬の女性は鑑賞者を傲慢に見つめている[2]。彼女は当初、フラゴナールの姉妹か叔母であると考えられていたが、最近発見された素描により、貴族のサロン (宮廷や貴族の邸宅を舞台とした社交界) を主宰していたマリー・エミリー・コワニェ・ド・クルソン (Marie Emilie Coignet de Courson) であると同定されている[1][2][3]。
フラゴナールの描法は独自のもので、女性の顔以外のすべての部分で素早く、細い筆致を用いている。描く速度は、素早く、しかし正確に用いられた大胆な筆致で描かれている衣服に見て取れる[3]。