王子の幇間
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※以下、『桂文楽全集』所収の内容に準拠する[3]。
「王子の幇間」の異名を持つ神田の幇間・平助。ある大きな家に呼ばれもしないのに頻繁に出入りするので、、主人はもちろん、使用人一同にいたるまで大迷惑していた。例によって平助が訪問して閉口する主人におかみさんは、不在の者の悪口を話す平助の癖を利用して旦那の居留守の間に好きなことをしゃべらせ、そこで旦那が出現すればもう来なくなるだろう、とアドバイスをした。主人が隠れたところで、平助が店の奥に乗り込む。
平助は店内の下女を泣かせ、子どもを連れた乳母をからかい、鳶頭が女郎屋の二階で芸妓相手に三味線を弾いたことを暴露して殴られる。ようやくおかみさんのところに到着すると、「今日は陽気に、店先でポカポカいい音がしたね」と嫌味を言われてしまう。
おかみが平助を旦那のスパイ(間諜)ではないかと問いかけると、平助は旦那が花魁を囲っていてそのうちおかみさんを放逐するとでまかせを言う。おかみさんが、旦那がその料簡では自分は家にいられないが行けるところもないとこぼすと、平助は自分と駆け落ちしようと持ちかけた。おかみさんは「先立つものは金」と、金品が入っているというつづらを担がせた上に両手にも荷物(鉄瓶と猫)を持たせてから、手が塞がった平助を殴りつけた。そのあとおかみさんは旦那を呼ぶ。平助を見た旦那がつづらの中身が石臼とばらして「なんだそのざまは」というと平助「近火の手伝いです」。