魔女の暦

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魔女の暦』(まじょのこよみ)は、横溝正史推理小説金田一耕助シリーズ」の一つ。

『小説俱楽部』の1956年(昭和31年)5月号に発表され、1958年(昭和33年)に長編化された[1]

本作の事件の中心は浅草ストリップ劇場で、2年ほど前の『堕ちたる天女』事件でも浅草のストリッパーの石膏詰め死体の謎が扱われていることから、本作の中でも『堕ちたる天女』に言及がある[2]

本作の事件の構図は、横溝がエッセイなどでよく引き合いに出す海外の某有名作品をさらにひとひねりした感のあるものだが、特に2番目の犠牲者の死亡状況についての意外な真相は、秀逸といえる[1]

あらすじ

昭和2×年5月のある夜更け、どこかの一室で誰かが「第一の犠牲者 … 吹矢」「第ニの犠牲者 … 鎖」「第三の犠牲者 … ?」と卓上カレンダーに書き込む。それは悪魔の殺人計画メモだった。前後して金田一耕助のもとに「魔女の暦」と称する差出人から、新聞の活字の切り抜きで作られた、事件発生を暗示するような奇怪な手紙が届けられた。浅草のレビュー(ストリップ)劇場「紅薔薇座」で『メジューサの首』の興行中、舞台で金田一の興味を惹く事態が起こるというのだ。

『メジューサの首』は、ギリシャ神話を題材とする創作ダンス劇で、脚本は紅薔薇座の脚本家・柳井良平によるもので、配役は、主役が結城朋子が扮するメデューサ、3人の魔女にはダンサーの飛鳥京子、霧島ハルミ、紀藤美沙緒が扮し、3人で一つの目を共有する魔女たちが、勇士に目を奪われて、さんざん翻弄されたあげく着物を脱いでいき、ダンスを披露する場面が見どころであった。

金田一がこの興行に日参するなか、3日目にして事件が起きた。魔女役のひとりである飛鳥京子が、金田一を含む数百人の目前の舞台で、猛毒を塗られた吹き矢に刺されて絶命したのである。等々力警部とともに正式に事件に乗り出した金田一だが、3人の魔女役たちには、それぞれ劇団の中にパトロンや内縁の夫、情人があるにもかかわらず、美貌の若い劇団員の碧川克彦と関係を持っているなど、他の劇団関係者との間にも交渉があるなど人間関係が錯綜しているうえに、事件の動機がつかめず、各人のアリバイを追求するにも手ごたえがなく、解決のめどがたたない。

登場人物

  • 金田一耕助 - 私立探偵。
  • 飛鳥京子 …紅薔薇座のダンサー。魔女役。
  • 霧島ハルミ …紅薔薇座のダンサー。魔女役。
  • 紀藤美沙緒 …紅薔薇座のダンサー。魔女役。
  • 結城朋子 …紅薔薇座の女優。メデューサ役。
  • 牧ユミ子 …紅薔薇座の女優。姫役。
  • 碧川克彦 …紅薔薇座の男優。吹き矢を吹く悪魔役。
  • 岡野冬樹 …紅薔薇座の男優。勇者役。
  • 山城岩蔵 …紅薔薇座の支配人。飛鳥京子のパトロン。
  • 柳井良平 …紅薔薇座の脚本家。紀藤美沙緒の旦那。
  • 甲野悟郎 …紅薔薇座の音楽担当。霧島ハルミの内縁の夫。
  • 山本孝雄 …紅薔薇座の振付師
  • 等々力警部 - 警視庁捜査一課の警部。
  • 関森警部補 - 浅草警察署の捜査主任

収録書籍

脚注

外部リンク

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