2025年の航空
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旅客航空
航空の業界団体IATAが2025年6月2日に公表した数値によると、世界の旅客需要(RPK)は前年比 +5.8% 成長と予想され、2025年は約50億人(5.0 billion)になり、史上最多となる見通し[1]。
旅客収益は6930億ドルと予測され、前年比+1.6%で過去最高水準。これは、旅客単価(航空券+手数料含む)が 前年比–4% 減少しつつも、需要増により総収益が伸びる構図となっている[1]。
貨物航空
本年の貨物航空(エアカーゴ)の総貨物トンキロは+6 %の成長予測。長期的には拡大基調ではあるが中期的にはやや落ち着きを見せている状態にある 。貨物航空の収益は約1,420億ドル見込みで、前年より4.7 %減とやや縮小[2]。
SAFの利用
IATAが2025年6月に公表した数字によると、2025年の持続可能な航空燃料(SAF)の生産量は約200万トン(約25 億リットル)で、旅客+貨物合わせた航空燃料全体の0.7 %に相当[3]。
- EUとイギリスでのSAF義務割合
EU(欧州連合)は2025年から持続可能な航空燃料(SAF)について義務化する制度「ReFuelEU Aviation」が制定されており、本年は2%のSAF使用が義務である(ちなみに、2030年には6%、2035年20%、2040年34%...と義務の割合がすでに決められている)。これは欧州委員会の法令に基づいた制度であり、義務の対象者は、EU域内の空港に燃料を供給する燃料供給業者と、各航空会社である。
イギリスでも2025年から2%、2030年に10%、2040年に22%というSAF義務割合が法律化(国内制度)されている。
義務化された数値に航空業界が追いつこうとしているものの、現実は追いついておらず、SAFの需要の急増に対して供給が不足しておりその結果SAFの価格が高騰して、業界に強いストレスがかかっている状態である。航空業界の業界団体であるIATAの事務総長ウィリー・ウォルシュからは次のような指摘、およびEUに対する苦言ともとれる発言があった[4]。
SAF生産が2025年に200万トンへ倍増する見込みなのは喜ばしいことですが、それでも航空業界全体の燃料需要のわずか0.7%にすぎません。そしてその少量でさえ、世界全体の燃料費を44億ドル押し上げる見通しです。生産能力の拡大やコスト削減に向けた効率化を進めるスピードを速めなければなりません。SAFの多くは現在ヨーロッパ向けに使われており、EUおよび英国の義務付けは2025年1月1日から発効しています… 2025年にEUの義務を満たすために調達される見込みのSAF 100万トンは、市場価格で12億ドルと推定されます。さらにコンプライアンス目的の手数料が17億ドルと見込まれており、EUの義務措置はSAFの価格を従来型ジェット燃料の5倍に引き上げています。この価格高騰は、十分な市場環境が整っていない段階で義務化を実施することの問題を浮き彫りにしています… 欧州はこのやり方が機能していないと認識し、別の手段を見出す必要があります。[4]
- アメリカの状況
アメリカでは今のところブレンド割合(%)義務化はされていないものの、米国政府は米国エネルギー省(DOE)、運輸省(DOT)、農務省(USDA)の共同イニシアチブという形で「SAF Grand Challenge」(SAF大挑戦)と題して、次の目標を掲げている[5]。
2025年のアメリカではSAFの生産設備を急増させている状況であるものの、米国エネルギー情報局(EIA)の報告によると、2025年におけるアメリカのSAF混合比は「ジェット燃料消費量の2%未満(“less than 2%”)」とされている。EIAは2025年および2026年にかけてSAFの生産能力が拡大することを認めつつも、「絶対量が増えても、全体消費に占める割合は2025年に約2%、2026年も同程度」と予測している[6]。