ゴルフ場殺人事件

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ゴルフ場殺人事件』(ゴルフじょうさつじんじけん、原題:The Murder on the Links)は、1923年に発表されたイギリス小説家アガサ・クリスティの長編推理小説名探偵エルキュール・ポアロが登場するシリーズの第2作である。

舞台は北フランスで、富豪がゴルフ場近くの墓穴で死体で発見される。捜査に当たったポアロは20年以上前の殺人事件との関連に気づき、真犯人を突き止める。

本書はヘイスティングズが恋に落ちるというサブプロットでも注目され、この展開は「アガサが大いに望んでいたことであり、ヘイスティングズをアルゼンチンでの結婚生活に送り出す」とされている[1][注釈 1]

大富豪ポール・ルノーからの依頼を受けて、ヘイスティングズとともに、ポアロはフランスの別荘地を訪れる。だが、到着すると依頼人が殺害されたという報せを受ける。地元のゴルフ場に隣接する新しく掘られた墓で背中を刺された形で発見されたのだ。

被害者の妻エロイーズは、夜中に覆面をした男たちが自宅に侵入し、自分を縛り上げて夫を拉致したと証言する。遺体に対面したエロイーズは悲嘆に暮れる。担当刑事のジローはポアロの関与を快く思わない。

ポアロは4つのポイントを心に留める。死体の近くに鉛のパイプが見つかったこと、事件当夜ルノーの息子ジャックと運転手が不在で屋敷には3人の女性使用人しかいなかったこと、前日に何者かが屋敷を訪れていたこと、ルノーの隣に住むドーブルーユ夫人の銀行口座にここ数週間で20万フランの入金があったこと、である。

ルノーの秘書ガブリエル・ストーナーは、ルノーが南米で活躍する以前の経歴が謎であることから、脅迫があったのではと言う。一方、ヘイスティングズは、以前カレー行きの列車で同乗した「シンデレラ」という女性に偶然再会し、その女に犯行現場を見せてほしいと頼まれるが、彼女は証拠の凶器を盗んで姿を消してしまう。

ポアロは、この事件が22年前に起きた事件ととても似ていることを突き止める。ジョルジュ・コノーという男とその愛人ベロルディ夫人が共謀し、夫人の夫を殺害した事件である。

やがて、今度はナイフで心臓を刺された浮浪者の死体が屋敷の敷地内で発見される。検視の結果、彼はルノーが殺されるより前にてんかんの発作で死亡し、その後に刺されたことが判明する。

ジローは、ジャックが父親の金を欲しがっていたという動機を理由に逮捕するが、ポアロは、ルノーが事件の2週間前に遺言を変更してジャックを相続人から外していたことを明らかにする。さらに、ジャックを愛するベラ・デュヴィーンが殺人を自白し、ジャックは釈放される。ジャックとベラは事件当夜に死体のあった現場で遭遇し、それぞれ相手がルノーを殺したと思い込んでかばい合っていたのだ。ポアロは、ふたりとも犯人ではなく、真犯人はドーブルーユ夫人の娘マルトであることを明らかにする。

ポアロは自分の推理を詳しく説明する。ポール・ルノーの正体は、数年前に逃亡してフランスに戻ったジョルジュ・コノーだった。不幸にも、彼は隣にベロルディ夫人がドーブルーユ夫人に名前を変えて引っ越してきたことを知った。ジャックは彼女の娘に惹かれるようになり、ルノーはドーブルーユ夫人から過去のことで脅迫され、状況が悪化した。敷地内で浮浪者が死んだとき、彼は自分が死んだことにして彼女から逃れることを思いついた。彼はパイプで浮浪者の死体の顔を傷つけて分からなくし、ゴルフ場の脇に埋めて列車でその場を逃れることを計画した。しかし、この計画を知ったマルトはルノーを尾行し、彼が浮浪者の遺体を埋める墓を掘ったところで彼を刺し殺した。彼女の動機は金である。ジャックは母の死後、父の財産を相続することになる。ポアロはマルトが犯人であることを暴くため、エロイーズにジャックを相続人から外そうと考えていることを公言するよう依頼する。マルトは屋敷でエロイーズを殺そうとするが、ポアロとヘイスティングズについてきたシンデレラと格闘の末に死亡する。

ドーブルーユ夫人は再び姿を消す。ジャックと母は南米行きを計画し、ヘイスティングズとシンデレラも加わる。彼女はベラ・デュヴィーンの双子の妹ダルシィであることを明かす[注釈 2]

登場人物

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