ビッグ4

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ビッグ4』(原題: The Big Four )は、1927年に発表されたアガサ・クリスティの長編推理小説である。クリスティ7作目の長編で、エルキュール・ポアロシリーズの長編第4作目にあたる。私立探偵ポアロのシリーズではあるが、扱う題材は国際謀略物であり、サスペンス・冒険小説にも近い。

本作は1924年に『スケッチ』誌に『4号だった男』( The Man Who Was No. 4 )のタイトルで連載された短編12編をまとめて一貫した読み物にしたものである(クリスティによるパロディ短編集『おしどり探偵』の、ポアロのセルフパロディ作品の題名「16号だった男」はこの総題に由来する)。

本作は発表順ではシリーズ第2作『ゴルフ場殺人事件』に続くポアロシリーズの第3長編である(単行本化に際して『アクロイド殺し』が先行した)が、本格推理小説ではなくスリラーで、国際犯罪組織「ビッグ4」とポアロの対決が描かれている。

単行本化された1927年の前年、クリスティは『アクロイド殺し』と、その後の失踪事件で世間的な注目を集めており、この先も小説家として生計を立てていくか否かの決断を迫られてもいた。その折、夫アーチボルトの兄・キャンベルの勧めで、スケッチ誌に連載されていた短編12本を一貫した読み物となるよう手を加えて出版するに至った。世間をにぎわした直後であったため初版8500部はすぐに無くなったという[1]。ただしクリスティ本人はこの作品に納得がいっていなかったと言われている。

前述のようにポアロシリーズのいつもの話とは雰囲気が異なるが番外編などではなく、結末でポアロは探偵を引退し、カボチャを栽培する生活を送ることを宣言するが、これは『アクロイド殺し』につながるエピソードである。また、ロサコフ伯爵夫人は『ヘラクレスの冒険』で再登場した際に、『ビッグ4』内で言及されている彼女の息子のその後について説明している場面がある。

あらすじ

ポアロのもとに、イギリスの情報部員がやってきた。彼は錯乱しており、数字の4を書くばかりである。そして、ポアロとヘイスティングズが少し外出したすきに、その情報部員は殺されてしまった。ポアロは世界征服を企む国際犯罪組織「ビッグ4」を追って大陸へ渡る。

登場人物

  • エルキュール・ポアロ - 私立探偵。
  • アーサー・ヘイスティングズ - ポアロの友人。
  • リー・チャン・イェン - ビッグ4の首領
  • ジョン・イングルズ - 中国通の退職公務員
  • ジョナサン・ホェイリー - 元船乗り
  • ロバート・グラント - ジョナサンの使用人
  • ジョン・ハリデー - イギリスの科学者
  • マダム・オリヴィエ - フランスの科学者
  • イネズ・ヴェロノー - オリヴィエの秘書
  • エイブ・ライランド - アメリカの大富豪
  • ミス・マーティン - エイブの速記者
  • ジェームズ - エイブの従僕
  • ディーヴズ - エイブの侍僕
  • ペインター - 旅行家
  • ジェラルド - ペインターの甥
  • アー・リン - ペインターの従僕
  • クェンティン - 医者
  • サヴァロノフ - チェスの名人
  • ギルモア・ウィルソン - サヴァロノフへの挑戦者
  • ソーニャ・ダヴィロフ - サヴァロノフの姪
  • クロード・ダレル - 俳優
  • フロッシー・モンロー - クロードの恋人
  • シドニー・クラウザー - イギリスの内務大臣
  • デシャルドー - フランスの首相

出版

題名出版社文庫名訳者巻末カバーデザイン初版年月日ページ数ISBN備考
ビッグ4早川書房ハヤカワ・ミステリ文庫1-77田村隆一真鍋博1984年2824-15-070077-X絶版
ビッグ4早川書房クリスティー文庫4中村妙子解説 若島正Hayakawa Design2004年3354-15-130004-X
謎のビッグ・フォア東京創元社創元推理文庫厚木淳1976年5月21日2664-488-10527-0

映像作品

訳注

外部リンク

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