スカイメイト

日本国内の航空会社が設定している若者向けの割引運賃サービス From Wikipedia, the free encyclopedia

スカイメイトとは、日本の航空会社の国内線普通旅客運賃が、半額程度になる航空券割引運賃制度(旧称 : 青少年割引運賃)、およびその割引を受けるために一部会社で必要だった会員制度について指す。本項では「スカイメイト」以外の若年者向け国内線割引運賃についても解説する。

2023年4月の運賃制度改定以前の日本航空(運航はHAC)の搭乗券(右)、ご搭乗案内(左)の例。運賃の略号であるSMと搭乗券に印字されている。
2023年4月の運賃制度改定以前の日本航空(運航はJTA)のeチケットお客様控の例。

概要

2026年1月現在、国内で定期旅客便を運航する航空会社のうち、大手2社の日本航空(JAL)[注 1]全日本空輸(ANA)[注 2]をはじめ、スターフライヤースカイマークAIRDOソラシドエア後述)、オリエンタルエアブリッジ[1]フジドリームエアラインズ[2]天草エアライン[3]トキエア[4]がユース割引(運賃の名称については各航空会社で異なる)を設定している。いずれも、対象年齢は満12歳以上から満25歳(ソラシドエア・オリエンタルエアブリッジのみ満21歳)までである。年齢制限による割引であり、学生割引ではない。そのため、対象年齢であれば社会人でも利用することができる。

割引率は各航空会社や路線ごとに異なっており、早割等には及ばないものの当日購入する航空券の中ではかなり安く設定されており、普通運賃(またはフレックス運賃)と比較して約半額かそれ以下となる(離島を含むローカル線では採算の関係上35%~50%程度、北海道エアシステムの一部路線や羽田 - 宮古/石垣路線の場合は75%程度と路線によっても多少異なる)。航空の場合、鉄道とは異なり障害者割引よりユース割引の方が安価に設定されていることが多いのが特徴である。特に2025年(令和7年)以降、若者の国内旅行支援を兼ねてか、不定期かつ期間限定で運賃を値下げすることがある[5]

また、ピーチ・アビエーションジェットスター・ジャパンなどの格安航空会社(LCC)、アイベックスエアラインズ[6]東邦航空では学生割引やユース割引などの若年者向け割引運賃の設定はそもそも存在しない[7]。また、国際線については、日本に乗り入れる一部の海外の航空会社が独自にユース割引や学生割引を行う場合も存在するが、日系大手2社では全く行っていない[8]

利用条件

JAL、ANAの大手2社のみ、自社のマイレージ会員[注 3](無料のJALマイレージバンクANAマイレージクラブ会員)または自社のクレジットカード保有者(後述)のみを対象としており、大手以外の航空会社では年齢が確認できる本人確認書類(生徒証やマイナンバーカードパスポートなど)の提示により、割引を受けられる場合が多い。45日前までに予約しなければならない、スカイマークの「BonvoYoung(U25割)」[9]を除き、出発当日に空港の航空会社直営の購入カウンターに出向いて、搭乗便に空席がある場合に限り購入することもできる。

購入・搭乗手続き

あらかじめ本人確認書類を空港の窓口または郵送で提出した、お客様情報登録済みJALマイレージバンク会員、または生年月日確認登録済みANAマイレージクラブ会員の場合は、搭乗当日の午前0時より、WEBサイト上で航空券(片道のみ)の予約および決済が可能となる。座席制限があり、自社便のほかコードシェアを行っている他社便を含む予約も行える[注 4]。一連の手続きが完了した場合は、空港で本人確認書類を提示することなく保安検査場、搭乗口に向かうことができる(ただし、本人確認書類の携帯は必ず必要になる)。なお、搭乗可能期間は、26歳の誕生日前日までであり、それを超える予約はできない。

JAL・ANA・AIRDO[注 5]以外の航空会社では、オンライン上で購入できる事業者もあるが、空港での搭乗券発券時に対面で本人確認を行うため、本人確認書類の提示が必要である。当然だが、本人確認書類を持っていない場合や提示できない場合は搭乗できない。MY AIRDO会員は空港で生年月日確認登録を済ませれば、公式WEBサイトからでも航空券を購入することができ、本人確認書類の提示することなく保安検査場を通過することが可能である[注 6](前述の大手と同様、本人確認書類の携帯は必ず必要になる)[10]

大手2社では、会員情報の登録と本人確認が済んでいるか、またはクレジットカードの会員(学生向けでないクレジットカードの会員も含む)であれば、カードを挿入するか、FeliCa機能付カードまたはおサイフケータイをかざすことで窓口に並ばなくても自動券売機(KIOSK端末)で購入および発券することができたが、JALではシステムの関係上、2024年頃に空港での購入は対面(有人カウンター)のみとなった。ANAの場合は、マイレージ番号等を自動券売機に入力すれば購入できる。

ANAのSKiPサービス(2023年3月廃止)、JALタッチ&ゴーサービスは、かつては利用できなかったが、JALが運賃制度を変更した2023年4月以降はネット(公式WEBサイト)でも購入できるようになったため、決済と座席指定を完了していれば、利用できる[11][12]。かつてはオープンチケットも多く見られたが、当日限定で発売する会社も多く、その性質上、現在は便を指定して購入するのがほとんどである。

スカイメイト会員証・スカイメイトカード(発行終了)

大手2社の利用には、あらかじめ航空会社直営のカウンターで千円程度の発行手数料と証明写真を添えて、本人確認書類を提示の上、ANAでは「スカイメイト会員証」、JALでは「スカイメイトカード」の発行を受ける必要があった。近年発行していた会員証は磁気カードとなっていた。「スカイメイト会員証」・「スカイメイトカード」はスカイマークエアラインズ(当時、現スカイマーク)以外の各航空会社共通で使用可能であったが、発行から22歳に達するまでの最長5年間の有効期限が設けられ、有効期限満了時に22歳未満でスカイメイトの利用を継続する場合はあらためて発行手続きを行う必要があった。

2006年9月30日をもってANAでは発行を終了し、ANAマイレージクラブ会員またはANAカード会員専用の運賃となった[13]。日本航空インターナショナル(当時、現日本航空)は 2006年10月1日、発行手数料を無料化、写真の貼り付けや5年毎の更新を不要にしてスカイメイトカードの発行を続ける[14]ものの、大手2社はスカイメイト会員証・スカイメイトカードの代わりに搭乗者本人名義のマイレージカードの提示だけでスカイメイト運賃の購入が可能になった。ただし、初回搭乗時に本人確認書類の提示も必要で、マイレージ会員情報にあらかじめ年齢(生年月日)が登録されている場合でも初回搭乗時に確認作業を行う。その航空会社が発行または提携するクレジットカードの会員(学生向けでないクレジットカードの会員も含む)の場合は入会審査時に年齢確認が済んでいるため、初回搭乗時の本人確認書類の提示や現在のマイレージ会員の生年月日確認登録は不要である。

2012年3月31日をもってJALも新規発行を停止した。ただし、JALではJALマイレージバンク会員またはJALカード会員にならなくても本人確認書類を毎回提示すれば2023年4月の運賃制度改定まで購入することができた。新規の発行停止後も有効期限内であればスカイメイト会員証・スカイメイトカードは使える。

航空会社の学生向けクレジットカード

日本航空グループ会社のJALカードが発行する学生向けクレジットカードの「JALカードnavi」、全日空とSMCジェーシービーとの提携カードで同じく「ANAカード(学生用)」には、以前(発行開始された1997年-1998年)から、クレジットカードの有効期限(通常、学校卒業予定年の3月まで)内でかつ22歳を迎える前日までそれぞれ自航空会社便のみ適用となるが、スカイメイト会員証・スカイメイトカードの代わりとして利用できた。会員証作成の手間や費用が省け、普通運賃利用と同等の積算マイルとなる利点がある。どちらも高校生を除いた18歳以上の学生向けのカードで、スカイメイト会員証・スカイメイトカード機能の他にもさまざまな場面でボーナスマイルが付与される特典などもある[15]

スカイメイト対象者本人が、これらの学生カードではないJALカード、ANAカードのみの会員の場合はボーナスマイルの付与対象外となる場合がある。ただし、航空会社の上級会員(JGCもしくはSFC)や、ステータス保有者(一例として、JMBサファイア[16]・ANAプラチナ[17])の場合はラウンジの利用や優先搭乗、ボーナスマイルなどのサービスが受けられる。

大手2社のマイレージ・アップグレード

JALのマイル積算率は2023年4月12日の運賃制度改定以降、普通席が区間マイルの50%、クラスJが60%、ファーストクラスが100%である[18]。スカイメイト運賃であっても、ファーストクラス利用客は優先搭乗やダイヤモンド・プレミアラウンジなどの各種サービスが享受できる[19]。運賃制度改定以前のマイル積算率は、普通席が75%であり、空席があれば差額を払うことで空港でのアップグレードも可能だった。

ANAのマイル積算率は普通席が50%、プレミアムクラスは100%(普通席分50%にプレミアムクラス分50%を加算)である[20]。JALとは異なり、当日空席がある場合に限り、追加料金を支払うことでプレミアムクラスへのアップグレードおよびANAラウンジの利用ができる[21]

航空券の変更および払い戻し

各社により制度や運用が全く異なるが、飛行機の出発時刻前であれば、払い戻しは所定の手数料を払うことで行える(数百円から数千円程度)。しかし、便の変更については割引運賃が故、不可能な航空会社がほとんどである。一例として、スターフライヤーではWEB予約を行っているものの、搭乗当日に予約便より前の便に空席がある場合には、便の変更ができるとしている[22]。例外は、航空会社が原因の遅延や運休が発生した場合で、後続便への無償での振り替え、陸上交通機関(鉄道タクシー)やホテルを利用した場合は、交通費や宿泊費の保証がある会社も存在する[23]

学生割引

予約ができるヤング割

2026年1月現在、航空券の割引運賃の中で明確に「学生」を対象としているのは、ソラシドエア(SNA)が設定する当運賃が唯一である[24]学校教育法第1条(いわゆる一条校)に規定する、小学校(満12歳以上)、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校の学生及び生徒、学校教育法第124条に定める専修学校(第126条に定める高等専修学校、専門学校を含む)ならびに第134条に定める各種学校の学生及び生徒、国際学生証(ISICカード)所持者が対象である。2026年5月18日搭乗分までは、21歳以下は学生でなくても年齢さえ確認できれば利用できるが、22歳以上は学生でないと利用できない(学生であれば、年齢の上限はない)。「ソラシドスマイルクラブ」のSSCマイル積算率は75%となっている[25]

学生割引と青少年割引の両方の性質を持つ運賃で、2003年にスカイメイト・受験生割引を廃止統合[要検証]し、スカイユース割引となった。2008年12月1日より運賃の名称を「スカイユース割引」から「予約ができるヤング割」に変更したが、適用条件の変更はなかった[26]2014年2月1日以降は予約変更がすることができなくなり、航空券を払い戻す際には払戻手数料のほかに所定の取消手数料が出発時刻前であってもかかるようになった[27]

2026年5月19日以降、ソラシドエアについてもANA、AIRDOと同様の形態に変更され、年齢の上限が他社と同じ25歳となる。ソラシドスマイルクラブ会員は初回1回の本人確認で済む予定である(非会員は搭乗の都度、カウンターにて本人確認を行う)。学生でない22~25歳が対象になる代わりに26歳以上の学生は対象外になるほか、全区間未使用時の航空券の有効期限が発行日の翌日から1年間になる予定である[28]

廃止された割引運賃

廃止された学生割引

スター学割

スターフライヤー(SFJ)が2006年11月1日搭乗分より[29]新たに設定した学生割引運賃である。設定当初から国際学生証保有者も対象となっていた。

当日まで予約・購入することができるが、予約便限り有効で、予約変更がすることができなかった。航空券を払い戻す際には出発時刻前であっても払戻手数料のほかに所定の取消手数料がかかる。

2026年現在、前述の「スターユース」が存在している。スターフライヤー版マイレージサービスの「STAR LINK」のマイル付与率は共に50%である。

DO学割

ADOが2000年10月1日搭乗分から[30]2012年3月31日発券分まで[31]設定していた学生割引運賃である。途中から国際学生証保有者も対象となっていた。

いわゆる「予約変更が可能な運賃」であり、予約期限や有効期間、払い戻しの規定は普通運賃と同じ規則が適用されていた。夏休みなど設定のない期間があった。スカイメイトよりは高い運賃設定で、「DOマイル」のポイント積算対象運賃となっていた。2026年現在では、ほぼ同じ条件の「DOユース」が存在する。

早起きヤング便

SNAが2008年12月1日より新たに設定した学生割引と青少年割引、特定便割引の性質を持った運賃である。2014年3月29日搭乗分をもって廃止された[32]。対象者は「予約ができるヤング割」と同じであり、羽田発朝6時台7時台の早朝便に限定した。ただし適用条件は「予約ができるヤング割」と異なり、予約便限り有効で、航空券を払い戻す際には出発時刻前であっても払戻手数料のほかに所定の取消手数料がかかった[33]。当日まで予約・購入することができた。「ソラシドスマイルクラブ」のSSCマイル積算比率は普通運賃の50%となっていた。

予約スカイメイト

旧JASが1995年頃から設定していた、名称のとおり事前予約が出来るスカイメイト運賃である。スカイメイト会員が利用できるが、普通運賃の約25%割引と当時の回数券並みであまり値引かれず、多客期にはこの運賃自体が設定されないなど、使い勝手はあまり良くなかった。[要出典]

スカイメイト1

SKYが2014年5月31日搭乗分に[34]新たに設定した割引運賃である。2015年10月にU21直前割(2022年廃止) に変更された[35]。いわゆる「予約変更ができない運賃」であり、航空券を払い戻す際には出発時刻前であっても払戻手数料のほかに所定の取消手数料がかかる。搭乗日前日の午前7時から搭乗日当日までと、予約受付期間に制限がある。一部の路線には設定がなかった。

受験生割引

1985年度からJAL・ANA・JAS(TDA)で設けられた運賃で、北海道国際航空(当時、現AIRDO)でも2002年度から[36]設定していた。2010年秋にANA[37]、日本航空インターナショナル(当時、現日本航空)[38]、北海道国際航空(当時名、現AIRDO)[39]、ともに2010年度(2011年1-3月)の設定の中止を発表し、廃止された。

受験シーズンである1月10日前後から3月中旬まで設定されるもので、学校教育法一条校で定められた入学試験、または入学手続きのために利用にする場合に、受験者本人に限って適用された。当日まで予約が可能で、運賃設定は、スカイメイトと同額が多かった。搭乗手続き時に、受験票や入学手続き書類の提示が必要で、同伴者にはこの割引が適用されなかった。また、夏から冬にかけて大学推薦入試が行われる所も多いが、設定期間外は受験生割引の適用はなかった。

いわゆる「予約変更が可能な運賃」であり、予約期限や有効期間、払い戻しの規定は普通運賃と同じ規則が適用されていた。マイレージ積算比率は、普通席の場合、スカイメイトと同じ普通運賃の75%となっていた。搭乗手続き時に、関係書類の確認を行うため、最後までANAのSKiPサービスやJALタッチ&ゴーサービスには対応しなかった(当時)。

受験生合格チケット

SKYが時期限定で設定した運賃で、入学試験時に利用する場合、同伴者も割引対象となっていた。[要出典]

当日まで予約・購入することができたが、予約便限り有効で、予約変更がすることができない。航空券を払い戻す際には出発時刻前であっても払戻手数料のほかに所定の取消手数料がかかる。「STAR LINK」のマイル積算比率は普通運賃の50%となっていた。[要出典]

国際線版スカイメイト

JALが1989年に「ユース・スタンドバイ」という名称の国際線版スカイメイト運賃を11月から翌1990年3月まで試験的に導入することを発表し、5月のIATA運賃調整会議に提案した。事前に空席待ちを入れて出発当日に空席があった場合、運賃の半額-6割引とするものであったが、航空・旅行業界からの強い反発があり、実現は頓挫してしまった。[要出典]

その後、若年者向けの国際線正規割引(PEX)運賃として「スペシャル(学割)悟空」を設定したが、徐々に留学またはワーキング・ホリデーのみ対象とした専用運賃に置き換わり、「悟空」も運賃体系の見直しにより廃止され、2010年度から「ダイナミックセイバー」に統合された。[要出典]

脚注

関連項目

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