タマリンド
マメ科タマリンド属の常緑高木
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名称
分布・形態
アフリカの熱帯が原産で、インド、東南アジア、アメリカ州などの亜熱帯および熱帯各地で栽培される。インドでは、先史時代から栽培されてきた[8]。
樹高は20メートル以上になる常緑高木で、葉は長さ15 - 20センチメートルの羽状複葉、小葉は10 - 20片で長楕円形。。枝先に5弁で径3センチメートル程の総状花序の花を多数つける。黄色に橙色または赤色のすじが入る。
果実は長さ7 - 15センチメートル、幅2センチメートルほどのやや湾曲した肉厚な円筒形のさやで、黄褐色の最外皮は薄くもろい。1個ないし10個の黒褐色で扁平な卵円形の種子との間隙はペースト状の黒褐色の果肉で満たされる。この果肉は柔らかく酸味があり、食用とされる。
半乾燥地に適応しているが、雨の多いところでも生育する。
- 実生
- 花
- 接写した花
- 葉とさや
- 木
品種
酸味が弱く甘味が強い生食に適した品種もある。
食用

| 100 gあたりの栄養価 | |
|---|---|
| エネルギー | 1,000 kJ (240 kcal) |
|
62.5 g | |
| 糖類 | 57.4 g |
| 食物繊維 | 5.1 g |
|
0.6 g | |
| 飽和脂肪酸 | 0.272 g |
| 一価不飽和 | 0.181 g |
| 多価不飽和 | 0.059 g |
|
2.8 g | |
| トリプトファン | 0.018 g |
| リシン | 0.139 g |
| メチオニン | 0.014 g |
| ビタミン | |
| ビタミンA相当量 |
(0%) 2 µg(0%) 18 µg0 µg |
| チアミン (B1) |
(37%) 0.428 mg |
| リボフラビン (B2) |
(13%) 0.152 mg |
| ナイアシン (B3) |
(13%) 1.938 mg |
| パントテン酸 (B5) |
(3%) 0.143 mg |
| ビタミンB6 |
(5%) 0.066 mg |
| 葉酸 (B9) |
(4%) 14 µg |
| ビタミンB12 |
(0%) 0 µg |
| コリン |
(2%) 8.6 mg |
| ビタミンC |
(4%) 3.5 mg |
| ビタミンD |
(0%) 0 IU |
| ビタミンE |
(1%) 0.1 mg |
| ビタミンK |
(3%) 2.8 µg |
| ミネラル | |
| ナトリウム |
(2%) 28 mg |
| カリウム |
(13%) 628 mg |
| カルシウム |
(7%) 74 mg |
| マグネシウム |
(26%) 92 mg |
| リン |
(16%) 113 mg |
| 鉄分 |
(22%) 2.8 mg |
| 亜鉛 |
(1%) 0.1 mg |
| セレン |
(2%) 1.3 µg |
| 他の成分 | |
| 水分 | 31.4 g |
| |
| %はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 出典: USDA栄養データベース | |
果実が食用になる。料理の酸味料や食品添加物の増粘安定剤として用いられるほか、ピクルス、シロップ、清涼飲料水に加工されるなど、利用範囲の非常に広い果実である。そのほかに甘みと酸味を楽しむために生食、ドライフルーツ、砂糖漬け、塩漬けなどに加工される。香りの主成分はフルフラール、2-アセチルフランなど。
種子の胚乳部分から抽出して得られたものから、食品添加物としての多糖類を主成分とする増粘安定剤のタマリンドガム(タマリンドシードガム)を製造する。
調味料
酒石酸とクエン酸による強い酸味をもつ黒褐色の果肉が使われる。果肉だけを集めて固めた数百グラムのブロックか、浸出したエキスの形で売られるのが一般的である。ブロックのものは水に浸して、ペーストのようになったものを調理に用いる。
インド料理では果肉を熱湯に溶かしてチャツネを作るほか、サーンバール(サンバール、サンバルとも)やラッサムの酸味づけに用いる。インドのマクドナルドでは、マクイムリー(McImli:「イムリー」〈इमली〉とはヒンディー語でタマリンドの意)というタマリンドソースをつけてもらうことができる。
インドネシアの東部の山林で生活する人々にとって重要な蛋白源は、鹿肉である[10]。鹿肉は上質ではなく、干し肉にしてタマリンドの果実の酢と煮込まれる[10]。
タイ料理のトムソムやパッタイやフィリピン料理のシニガンの酸味づけにもタマリンドが欠かせない[11]。イラク中部と南部ではドルマの酸味づけにタマリンドを用いることがある。
ベトナム料理の甘酸っぱいスープであるカインチュアの酸味づけにもタマリンドを用いる[12]。
イギリスリーペリン(LEA & PERRINS)社がウスターソースの原料として用いている。
スープカレーに酸味を加えるために使われることもある[13]。
デザート
ラテンアメリカや東南アジアでは、タマリンドの果肉から清涼飲料水を作る。タマリンドの缶ジュースも市販されている。
東南アジアではジャムやソフトキャンディーに加工したり、砂糖漬け、塩漬けのおやつとしても売られる。ベトナムではクラッシュアイスと煎りピーナツを加えたダー・メ(Đá me:「氷タマリンド」の意)や、さらに練乳を加えたスア・ダー・メ(Sữa đá me:「ミルク氷タマリンド」の意)として飲む。
生食にはスイートタマリンドと呼ばれる種類の果実を樹上で成熟させ水分が20パーセント以下にしたものを収穫して用いる。
解毒・脱臭
アフリカではヤム(ヤムイモ)を料理に使う際、ヤムの毒を消すために鍋にタマリンドの果実が入れられる[9]。他の地域では、魚料理の魚臭さを抑えるために用いられる[9]。
フィリピンでは、マラリアに効能があるとして葉をタマリンド茶として用いる。
- ジャマイカのお菓子
薬用
材木
民俗
ヌエル族やディンカ族の一部などアフリカの南スーダンのいくつかの民族集団の神話では、タマリンドの大木が人間の起源神話にかかわる特別な木となっている[14][15]。ヌエル族の神話によると、タマリンドの木の下にある穴か木の枝から始祖が出現したとされる[16]。その木はヌエル族の居住地に生えていたが、1918年に焼けうせた[16]。
東南アジアでは、タマリンドの木はアニミズムと結び付く[17]。ラーオ族が暮らすタイの東北部では、精霊を操ったり人に害をなす悪霊をはらったりする杖にはタマリンドが最適とされる[17]。また、ラオスのルアンパバーン郡では、タマリンドを火曜日に植えると、そのタマリンドから得た木材は呪力を持つとされた[17]。
ミャンマーでは、分娩によって毒気が生じると考えられている[18]。毒気を抜くため、分娩から7日目の女性は毛布を着け、タマリンドの小枝とその他数種の草葉を熱湯に混ぜて大みかに注ぎ、大みかの上に1時間ほど座らなければならない[18]。