マスカット (ブドウ)
ブドウの品種
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歴史

マスカットの起源となる品種の出現は、古代エジプトないしは古代ペルシャの初期、およそ紀元前3000年から1000年にさかのぼると考えられている。ピエール・ガレなどのブドウ品種学者は、その後紀元前800年から西暦600年頃の古典古代にギリシア人やローマ人の手によって広められたと考えている。もっとも、栽培ブドウでのワイン生産は古代エジプトやペルシャで長い歴史があり、コルメラ[注釈 1]や大プリニウスといった古代の著述家がAnathelicon MoschatonやApianaeといった甘くて蜂[注釈 2]を引き寄せる特徴をもった極めてマスカットに似たブドウについて記しているにも関わらず、マスカット系品種がこの頃に栽培されていたという確固たる証拠は得られていない[2]。
初めて文献に「マスカット」という語が現れたのは、イギリスのフランシスコ会士であるバルトロマエウス・アングリクスの著作である。彼が現在のザクセンで学んでいた1230年から1240年の間に書かれた『物性論』に、マスカットから造られたワインについての記載がある。もとはラテン語で書かれていたが、1372年にフランス語に翻訳され、その際に"vin extrait de raisins muscats"との表現がなされた[2]。
名前の由来

マスカット系品種の正確な起源を特定することは難しいため、マスカットの名前の由来については多数の仮説が存在する。最も一般的な説は、ペルシア語のmuchkに由来するというものである。この単語はギリシア語のmoskos、ラテン語のmuscus、フランス語のmuscと同じく「麝香」を意味する[2]。イタリアでは、別の説としてイタリア語のmosca(蠅)が語源の候補だと言われているが、これはマスカットには甘い香りと高い糖度があるためミバエのような虫を誘引するためである[3]。
他の説としては、このブドウが西アジアのオマーンを起源とするというものであり、オマーン湾沿岸の街マスカットに由来するというものがある。他にも、ギリシャのアッティカ地方、アテネの南西に位置するMoschatoがブドウの起源であり名前の由来にもなっているという説もあり、 Moschatoはギリシャではマスカットのシノニムとして一般的に使われている[2]。
近縁種

シノニムに含むものをあわせれば、200を超える品種のブドウがマスカットという名を冠しているが、その大部分は遺伝的に近いとはいえない。例外はミュスカ・ア・プティ・グランの系統と、マスカット・オブ・アレキサンドリアの系統である。21世紀初頭に行われたDNA解析により、マスカット・オブ・アレキサンドリアはミュスカ・ア・プティ・グランと Axina de Tres Biasと呼ばれるブドウの自然交配によって生まれたことが分かった。 Axina de Tres Bias[注釈 3]はギリシャ島嶼部原産の生食用黒ブドウであり、ギリシャ以外では稀な品種だがマルタやサルデーニャ島でも栽培例がある[2]。
ミュスカ・ア・プティ・グランとマスカット・オブ・アレキサンドリアの直接の交配により、少なくとも14の品種が生まれている。うち5つは主に南米で栽培されており、9つはイタリアで栽培されるがワイン用に使われることはあまりない。より重要で広く栽培される子孫はミュスカ・ア・プティ・グランとマスカット・オブ・アレキサンドリアが他の品種と交配したものであり、例えばアルゼンチンで栽培されるセレサ、トロンテス・リオハーノ、トロンテス・サンフアニーノといった品種であるが、これらはマスカット・オブ・アレキサンドリアとリスタン・ネグロの交配で生まれた[2]。
マスカット・オブ・アレキサンドリアはドイツやイタリア系のワイン用ブドウ品種とも交配品種を生んだ。トロリンガー[注釈 4]との交配によりマスカット・ハンブルグとマルヴァジア・デル・ラツィオを、イタリアの品種であるカタラット・ビアンコとボンビーノ・ビアンコからはグリッロとモスカテロ・セルバティコがそれぞれ生み出されたが、これらはマルサラの生産に用いられる[2]。マスカット・オットネルは、ミュスカ・ダイゼンシュタット[注釈 5]とスイスのワイン用ブドウ品種であるシャスラの交配品種である[4]。
ミュスカ・ア・プティ・グランはいくつかの品種の片方の親であることが特定されているが、もう片方は現時点では不明であるものがある。このような品種としては、アレアティコ、モスカート・ジャッロ、モスカート・ローザ・デル・トレンティーノ、モスカート・ディ・スカンツォが挙げられる。トスカーナで用いられるマンモーロとミュスカ・ア・プティ・グランとの交配によりMuscat rouge de Madèreが生まれた[2]。
香りの特徴と他品種との混同

モスカート・ダスティのように、造られるワインにはマスカット特有の華やかな香りがある。そのためオーク樽での熟成やシュル・リー製法[注釈 6]、マロラクティック発酵、酒精強化などの醸造手法に由来する香りは抑え、ブドウ品種固有の香りを活かすスタイルを取るワインが多い。マスカット系品種には膨大な多様性があるが、そのほぼ全てにあてはまる特徴は、華やかでいかにもブドウを感じさせる香りである。これはブドウにモノテルペン類を豊富に含むことに由来する。マスカットにはシトロネロール、ゲラニオール、リナロール、ネロールなど40種類を超えるモノテルペンが含まれており、これは同じくアロマティック品種として知られるリースリングやゲヴュルツトラミネールと同程度である。特徴的なムスクの香りはライトボディでアルコール度数の低いワインで顕著に感じられる[3]。
往々にして、ムスクのような香りがあるマスカットとは無関係のブドウ品種が、その特徴ために誤ってマスカット系品種と思われたり名付けられる場合がある。例えば、ドイツのワイン用ブドウ品種であるモリオ・ムスカートはその名前には反してマスカットとは関係なく、シルヴァーナーとピノ・ブランの交配品種である。同様に、ソーヴィニヨン・ブランやシャスラ、シャルドネなどの品種のなかでも香り高いクローンについては名前に「ムスク」と付け加えられることがあるが、これもマスカットと関連があるという誤解を招く[3]。ボルドーで甘口・辛口ともに使われるミュスカデルもその香りからマスカット系品種であると思われることがあるが、実際は関係ない[2]。ロワール地方ではミュスカデと呼ばれるムロン・ド・ブルゴーニュについても、香りは中庸であるにも関わらずマスカット系品種であるという誤解を受けることがある[4]。
主要な品種
マスカット系の品種は極めて数が多く、はっきりと区別されているだけでも200種類以上が存在する[2]。しかし、ワイン醸造に広く用いられているのはミュスカ・ブラン・ア・プティ・グラン、マスカット・オブ・アレキサンドリア、マスカット・ハンブルグ、マスカット・オットネルといった一握りの品種だけである[3]。
ミュスカ・ブラン・ア・プティ・グラン

ミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランは地域によって様々な名前で呼ばれている。フランスやアメリカではミュスカ・ブランと呼ばれるが、アメリカではマスカット・カネリともいう。イタリアではモスカート・ビアンコ、南アフリカではマスカット・フロンティニャン、ギリシャではMoschato、オーストラリアではブラウンマスカット、ドイツやオーストリアではムスカテラー、スペインではモスカテル・デ・グラノ・メヌードと呼ばれる。フランスでは他にミュスカ・ド・フロンティニャンやミュスカ・ド・リュネルとも呼ばれる。"petits grains" という名前が示す通り、果実は小さく丸い形状をしている。"Muscat blanc" という名称は、オズ・クラークなどワイン評論家によっては誤解を招くと考えている。というのも、ブドウは果実の色が変異しやすく房によって様々な色になりうるが、成熟するとほとんどが濃黄色になるためである。ワイナリーによってはミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランは年によって異なる果実が成ることもある[4]。
ミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランの起源は正確には分かっていないが、クローンや変異、子孫の伝播を辿るとギリシャかイタリアが起源である可能性が高い[2]。今日ではワイン生産が行われる国々で広く見られ、造られるワインも幅広い。例えばイタリアのピエモンテ州で造られるアスティやモスカート・ダスティ、フランスのクレレット・ド・ディーは軽い甘口のスパークリング(ないしは微発泡)ワインである。南フランスで造られる酒精強化ワインであるヴァン・ドゥー・ナチュレル[注釈 8]にも用いられ、ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズやミュスカ・ド・サン・ジャン・ド・ミネルヴォワ、ミュスカ・ド・フロンティニャンが挙げられる。オーストラリアのラグザレンでも酒精強化ワインであるリカー・マスカットが造られる。辛口ワインとしてはオーストリアのヴァッハウやズュートシュタイヤーマルクが有名である[4]。
ギリシャのマスカットから造られる著名な甘口ワイン、特にサモス島やペロポネソス半島の街パトスのワインは、ほぼ全てミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランで造られる。南アフリカのワインの歴史において、高名なデザートワインであるコンスタンシアはマスカット系のブドウで造られる。今日ではマスカット・オブ・アレキサンドリアが最も広く使われているが、一部の生産者はミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランに植え替え、かつてのコンスタンシアのスタイルでワイン造りを行うことで名声を取り戻そうと活動している[2]。
マスカット・オブ・アレキサンドリア
品種の名前はエジプトの都市アレクサンドリアを思わせるものであり、古代エジプトを起源とするように感じられるものの、DNA解析からマスカット・オブ・アレキサンドリアはミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランとギリシャの品種であるAxina de Tres Biasの自然交配によって生まれたことが分かっている。Axina de Tres Biasは歴史的にサルデーニャ島やマルタでも栽培されてきたこともあり、マスカット・オブ・アレキサンドリアが生まれた正確な場所は不明である。ミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランと比べ、マスカット・オブ・アレキサンドリアは大きくてやや疎な房ができ、楕円形の大粒な果実が成る。これはより小粒で丸いミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランの果実とは対称的である[4]。
他のマスカット系品種と同様、マスカット・オブ・アレキサンドリアも干しブドウや生食に好適であることで名高い。高温や旱魃に対する耐性も高い。ワイン用としては、例えばジビッボという名前でシチリアとチュニジアの間に浮かぶパンテッレリーア島で造られる甘口のパッシートが特に著名ではあるものの、総じてミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランの高い評価には及ばない。これは、マスカット・オブ・アレキサンドリアは樹勢が強く高収量であるため過剰に実が成りやすいこと、ゼラニウムのような香りのするモノテルペンの一種ゲラニオールを豊富に含む一方、より爽やかで甘いバラのような香りのするネロールは少ないため、香りが単調であることなどが理由の一端である[4]。
フランスでは、マスカット・オブ・アレキサンドリアはミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランとのブレンドしてルーションで造られるヴァン・ドゥー・ナチュレルのミュスカ・ド・リヴザルトに用いられるのが最も著名な用途である。同様に、チリやペルーではピスコという蒸留酒を造るのに用いられる[4]。南アフリカでは、マスカット・オブ・アレキサンドリアはハネプートと呼ばれ、2000年代初頭までは白ワイン用品種として第4位の栽培面積があった。とはいえ、一部はワイン醸造、とくに酒精強化ワインに使われていたものの、多くは濃縮果汁や干しブドウの生産に使われていた[3]。カリフォルニアでは今でも他のマスカット系品種と比べれば多く栽培されており、多くはセントラル・バレーで造られるジャグワインと呼ばれる素性の分からないワインに使われる。他の国々と同様、アメリカでは干しブドウの生産用として長い歴史があるが、1920年代にはマスカット・オブ・アレキサンドリアの栽培は減少し、種無しブドウ品種が生産者から志向されるようになった[2]。
マスカット・ハンブルグ

マスカット系品種は濃色の果皮を持つものが多いものの[3]、ワイン用として広く栽培される品種はほとんどが白色ないしはピンク色の果皮を持つ。顕著な例外がマスカット・ハンブルグであり、ブラックマスカットとも呼ばれている。この品種はヴィクトリア朝時代のイングランドの温室で生まれたと考えられており、初めて文書に現れるのは1858年にグレイ伯爵の庭師を務めたスワード・スノウに広められたとの記録である。スノウによれば、この品種は古くはブラック・ハンブルグと呼ばれていたスキアーヴァ・グロッサと果皮の白いマスカット・オブ・アレキサンドリアを掛け合わせて作られたという。2003年に行われたDNA解析によって、マスカット・ハンブルグは事実スキアーヴァ・グロッサとマスカット・オブ・アレキサンドリアの交配によるものであることが確かめられ、イタリア中部で栽培されるマルヴァジア・デル・ラツィオと全く同じ親を持つきょうだいであることが分かった[2]。
マスカット・ハンブルグは世界的に生食用が一般的であるが、顕著な例外が2つある。ひとつはカリフォルニアで、2009年時点で102ヘクタールある栽培面積のほぼすべてがワイン生産向けであり、主としてデザートワインが造られる[2]。もうひとつは中国であり、マスカット・ハンブルグと当地が原産のヴィティス・アムレンシス(ヤママンシュウブドウ)を交配させた品種群がワイン生産に用いられるが、これは中国の様々な気候により適応した品種を作り出すためである[3]。
マスカット・オットネル

マスカット・ハンブルグと同様、マスカット・オットネルもマスカット系品種のなかでは比較的新しい品種であり、フランスのワイン生産地域であるロワール渓谷で1850年代に作出された。マスカット・オットネルはスイスのワイン用品種であるシャスラとミュスカ・ダイゼンシュタットの交配により作られた。他の主要なマスカット系品種と同様マスカット・オットネルの果皮は薄い色合いであり、マスカット系の中では最も早熟で、中庸なワインとなる[4]。マスカット・オブ・アレキサンドリアなどの品種は極めて温暖な地中海性気候に耐えるが、マスカット・オットネルはより冷涼な大陸性気候と相性が良い。そのため、ブルガリア、チェコ、ルーマニアといった中央ヨーロッパ諸国や、ロシア、カザフスタン、モルドバ、タジキスタン、トルクメニスタン、ウクライナといった旧ソ連の地域圏で多く栽培されている[3]。フランスのアルザス地方で栽培されるミュスカとしても主要な品種であり、辛口と甘口の両方に使われる。オーストリアでも最も広く栽培されているマスカット系品種であり、ノイジードル湖周辺で造られるレイトハーヴェストワインに用いられる[4]。
派生品種
マスカット・ベーリーAは、アメリカ系品種であるベーリーとマスカット・ハンブルグの交配により生まれた品種である。1927年から1931年にかけて新潟県で川上善兵衛が作出し、現在は山梨県を中心に日本全国でワイン用に栽培されている[5]。シャインマスカットはスチューベンとマスカット・オブ・アレキサンドリアを掛け合わせた品種(ブドウ安芸津21号)に白南を交雑した品種である[6]。
ワイン産業
マスカット系品種から造られるワインは多様であり、辛口ワインだけでなく甘口ワインや酒精強化ワインにも用いられる。世界各国で生産がなされており、フランスではミュスカ(仏:muscat)、イタリアではモスカート(伊:moscato)、スペインではモスカテル(西:moscatel)と呼ばれる。
フランス
アルザス
アルザスにおいて、ミュスカは高貴品種(リースリング、ピノ・グリ、ゲヴュルツトラミネール、ミュスカ)のひとつに数えられる。マスカット・オットネルとミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランをブレンドで用いることが一般的である[7]。2010年においては、アルザスのブドウ栽培面積のうち2.3%を占める[8]。辛口に仕立てられることが多く[9]、フレッシュで若いうちから飲むことができるものが一般的である[10]。
ローヌ
クレレット・ド・ディー・メトード・アンセストラルは、ミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランを主要品種として作る甘口の微発泡性ワインである[11][12]。
ヴァン・ドゥー・ナチュレル
ラングドック=ルシヨン、ローヌ、コルスといった複数の地域で、ミュスカを原料にしたヴァン・ドゥー・ナチュレルが生産されている。ヴァン・ドゥー・ナチュレルは酒精強化ワインの1種であり、発酵が完了する前に酒精強化を行うため甘口に仕上がる[13]。ラングドックではミュスカ・ド・リュネル、ミュスカ・ド・ミルヴァル、ミュスカ・ド・フロンティニャン[注釈 9]、ミュスカ・ド・サン・ジャン・ド・ミネルヴォワでミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランを用いたヴァン・ドゥー・ナチュレルが造られる[14]。これらの新酒はミュスカ・ド・ノエルと呼ばれ、クリスマスなどに飲まれている[15]。ルシヨンではリヴザルト[注釈 10]と同じ地域でミュスカ・ド・リヴザルトが造られている[14]。ローヌではミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズが造られているが、白ブドウであるミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランと、ミュスカ・ア・プティ・グラン・ルージュと呼ばれる黒ブドウ変種の双方を用いることで、赤・ロゼ・白のすべてが生産可能である[14]。コルスでは北部の17村でミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランからなるミュスカ・デュ・カップ・コルスが造られる[13]。
イタリア
ピエモンテ州の南部に位置するクーネオ県・アスティ県・アレッサンドリア県の3県では、モスカート・ビアンコ(ミュスカ・ブラン・ア・プティ・グラン)からなる白ワインであるアスティが造られる。甘口のスパークリングワインであるアスティ・スプマンテ、甘口で微発泡性のモスカート・ダスティ、辛口スパークリングワインのアスティ・セッコ、甘口のステイルワインであるモスカート・ダスティ・ヴェンデンミア・タルディーヴァ[注釈 11]の4種類が存在する[16]。モスカート・ダスティはアルコール度数が5%前後と極めて低いという特徴がある[17]。シチリアではマスカット・オブ・アレキサンドリアをジビッボと呼ぶ[18]。ここではパッシートによって造られる甘口ワインが有名であるほか、辛口ワインも造られる[19]。ただし、イタリアにおいてはマスカット・オブ・アレキサンドリアの生産量はワイン生産用よりも生食用のほうが20倍程度多い[11]。
スペイン
モスカテルは酒精強化ワインであるシェリーの生産に使うこのとできる品種[注釈 12]のうちの1つである[14]。極甘口のシェリーは品種名がそのままタイプの名前になっており[14]、モスカテルを天日干しして糖度を上げてから醸造することでマスカット特有の香りを有する甘口のシェリーが造られる[20][21]。アルコール度数は15から22度である[21]。
オーストラリア
ヴィクトリア州北東部のラザグレンでは甘口の酒精強化ワインが造られているが、これにはマスカット系品種が主に使われる[22]。
南アフリカ
ケープタウンの小地区であるコンスタンシアは18世紀後半から19世紀初頭にかけてはヴァン・ド・コンスタンシアと呼ばれる高名な甘口ワインで知られていた[23][24]。19世紀後半には病害により壊滅状態に陥ったものの[24]、1980年台以降、ミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランが植え付けられ、ヴァン・ド・コンスタンシアが復活した[23]。コンスタンシアでは貴腐ブドウを用いず、遅摘みにより甘口ワインを生産している[24]。
