真言

多くの大乗仏教の宗派で用いられる呪術的な語句 From Wikipedia, the free encyclopedia

真言(しんごん)とは、サンスクリット語マントラ(मन्त्र Mantra)の訳語で、「(仏の)真実の言葉、秘密の言葉」という意[1]。『大日経』などの密教経典に由来し、浄土真宗を除く多くの大乗仏教の宗派で用いられる呪術的な語句である。 法華経では、「陀羅尼品第二十六」があり、すでに法華経には呪術的な語句が使用されている。 漢訳経典では、「真言」の他に「密言」、「呪」、「明呪」等と訳される[注 1]

中国語 曼怛罗 , 咒, 神咒, 密咒, 禁咒, 秘密语 , 梵颂
(拼音: mantra)
日本語 真言
(ローマ字: Shingon)
概要 仏教用語 マントラ, サンスクリット語 ...
仏教用語
マントラ
サンスクリット語 Mantra
中国語 曼怛罗 , 咒, 神咒, 密咒, 禁咒, 秘密语 , 梵颂
(拼音: mantra)
日本語 真言
(ローマ字: Shingon)
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仏の真実の教えは、この宇宙の真理(法)や隠された秘密を明らかにするもので、本来は人間の言葉で表すことはできないが、方便として世俗の文字・言語を借りてそれに教えを盛り込み、これを観想しこれに心を統一することで、その教えに触れ得るようにしたものが、密教における真言であるとされる。 空海は、真言について「真言は、不思議なものである。本尊を観想しながら唱えれば無知の闇が除かれる。わずか一字の中に千理を含む。この身のままで真理を悟ることができる。」と記している[2]

仏尊ごとに真言があり、それぞれ出典となる経典が存在する。例えば同じ仏尊でも、成立の過程が異なる『大日経』(胎蔵界)と『金剛頂経』 (金剛界) では真言が異なる。

真言宗の名称は「真言」に由来するが、真言は真言宗のみで使われるものではない。例えば般若心経の最後にある「羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶[tadyathā] gate gate pāragate pārasaṃgate bodhi svāhā)」も真言であり、浄土真宗などを除く多くの宗派で読まれている。禅宗においても、消災吉祥陀羅尼大悲心陀羅尼などが日常的に唱えられる。日蓮宗においては妙法蓮華経陀羅尼品第二十六があり、転読される。

分類・定義

諸経典の中では「真言」に類義の言葉として、「密言」・「呪」・「神呪」、「心呪」、「明呪」、「陀羅尼」等があり、それぞれ語の発生と意義は異なるが通常は区別されず、仏教で用いられる呪文を「真言陀羅尼」と総称することが多い。 「真言は短い呪句で陀羅尼は長い呪句」と説明されることがあるが、そうではなく本来は起源が異なるものである。 しかし、大乗興起以後は、それらは混同され区別されなくなった[注 2]善無畏は『大日経疏中国語版』の中で、「真言」と「明呪」を区別したが[3]、 これは成り立ちを説明したもので、両者が別種のものという意味ではない[4]。 『初会金剛頂教』では「真言」・「明呪」・「陀羅尼」はそれぞれ異なるがその差は殆ど無いと説かれており[5]不空は『総釈陀羅尼義讃』で、真言には一字のものから万字以上のものまであるが、「真言」・「密言」・「明」・「陀羅尼」は同一の物の異称であり、全て区別しないで良いと説明した[6]。 これらのことから、現在では「真言」・「陀羅尼」の成り立ちや、経典を研究する等の特別な場合を除いては、一般に「真言」・「心呪」・「明呪」・「陀羅尼」を区別しない [7][8]

真言

「真言」は、サンスクリット語の「mantra[注 3] を漢訳したものである[9]。 最初はバラモン教の聖典である『ヴェーダ』に、神々に奉る讃歌として登場し、反復して数多く唱えることで絶大な威力を発揮すると考えられていた。後に、バラモン教に限らず不可思議力を有する呪文をことごとく「mantra」というようになった。 バラモン教や非アーリヤ系の土着の信仰の「mantra」が仏教に採り入られて、治歯・治毒・悪鬼羅刹からの護身・延命など現世利益のための「mantra」が用いられるようになった。 この「mantra」を龍樹玄奘は、「呪文」または「神秘的な呪文」の意味で「」・「神呪」等と訳し、善無畏不空は、「仏の真実の言葉」の意味で「真言」、「仏の秘密の言葉」の意味で「密言」等と訳した[10]。 また、「maṇḍala」の訳とする説もある[注 4]

明呪

サンスクリット語の「vidyā」、パーリ語の「vijjā」を訳したもので、本来は「知識」や「学術」を指す語である。古代インドにおいて学問・科学と呪法は一体であり、病を癒すための医術や毒蛇を避ける魔術やなど凡人の知りえない神秘的な知識・呪術の意味で用いられていた[注 5]。初期仏教教団は、「maṇtra」や「vidyā」を否定していたが、後に毒蛇を退散させる蛇除けの呪文(vidyā)を黙認するようになり、これが後の呪法の発展に繋がった。大乗仏教においては仏が説く真実の智慧、真実の言葉の意味で用いられ、さらに不可思議智の結晶である神秘的な呪文を指すようになった。唱えることで無明の煩悩を破除し衆生を化度するものとされ、漢訳経典では「明呪」・「明」と訳した[注 6]

心呪

サンスクリット語の「hṛdaya」の訳で、直訳すると「心臓」・「心髄」・「核心」の意味だが、「手段」・「伝達方法」の意味もある[11]。請願の意思を伝えるための手段としての呪文である。「hṛdaya」と呼べるものが最初に確認できるのは『仏説大金色孔雀王経』で、「hṛdaya」を「心呪」と訳している[注 7]。「hṛdaya」を鳩摩羅什は「大明呪」と、支謙は「神呪」と漢訳しており[注 8]、これらから「hṛdaya」を「呪文」の意味で訳していることが明らかである。『般若心経』では、「hṛdaya」は「神呪(真言)」であり「明呪」であると説いている[注 9]。『般若心経』より時代が下った密教経典の漢訳でも「hṛdaya」を「真言」、「明呪」と同一視している。[注 10]

陀羅尼

梵語の「dhāraṇī(ダーラニー)」を音訳したもので、「総持」、「能持」等と意訳される[注 11]。「dhāraṇī」は、「保つ」・「保持する」を意味する「dhāraṇā(ダーラナー)」を起源とする語で、本来は「精神を統一しその状態を持続すること」を指していたが[12]、後に精神統一や諸尊の憶念や教義を記憶するための教え(持句)を指すようになった[13]。陀羅尼経典である『仏説無量門微密持経』(支謙訳)では、「陀羅尼」とは仏の功徳や徳性を列挙した持句で、これを思念することによって正覚にいたることを目的とするものとある。精神統一や仏随念のための手段である「陀羅尼」が次第に呪文化され、その神秘的な響きから唱えることによって現世利益を得られると信仰されるに至り、後に密教が成立すると「陀羅尼」は「真言」を包摂する形で説かれるようになり、やがて同一視されるようなった。陀羅尼の本文が、核心となる語を羅列した意味稀薄な文言であるのは、具体的な意味のある言葉だと日常的な連想や雑念を呼び起こすためとも、理解力の劣る仏教初心者やサンスクリット語を使用しない非インド・アーリヤ語系の者に仏教教義の核心を伝えるためとも言われる[14]

種子(種字)

仏尊を象徴する一音節の呪文であり、真言の一種。種子真言ともいわれる。サンスクリット語の「bīja(種子、神髄)」+「akṣara(文字)」から成る「bījākṣara(マントラの頭文字)」の訳。草木の種子が根茎を含蔵するように一字に無量の法を含み、種子から草木が生じるように功徳を出生することから種子という。種子は梵字を神秘的に解釈し、仏尊の名称や真言から取った一音節を梵字に表すもので「種字」とも書かれる。胎蔵の種字は真言の最初の音節を、金剛界の種字は真言の最後の音節を取ることが多いが、仏尊名の一音節を取ったものや仏尊の本誓を象徴する一字を取ったものもある[注 12]。真言には様々な形式があるが「帰命句+種字」で構成されるものも多い。

その他の分類

善無畏の『大日經疏』では真言を以下の五種に分類する。[注 13]

  1. 如来説 - 大日如来や釈迦如来等の真言。
  2. 菩薩金剛説 - 観音菩薩や地蔵菩薩等の真言。
  3. 二乗説 - 舎利弗迦葉目連等の真言。
  4. 諸天説 - 梵天や夜摩天薬叉などの諸天の真言。
  5. 地居天説 - 龍・鳥・修羅等の真言。

真言を形式(長さ)によって、以下の三つに分類することもある。

  1. 大呪 - 「根本呪(mūla mantra)」、「大心呪」ともいう一般的な呪。
  2. 中呪 - 「心呪(hṛdaya)」、「心真言(dhāraṇī-hṛdaya)」ともいう。
  3. 小呪 - 「心中心呪」、「随心呪(upahṛdaya mantra)」ともいう。

神通力

また真言には、ある程度まで行うと神通力という超能力のようなものを得るとする文献もある。これは仏教のおいて仏・菩薩などが持ってるとされる6種類の超人的な能力で六神通と呼ばれる。

成立

仏教以前

真言(マントラ)の起源は仏教成立以前に遡る。アーリヤ人インドに侵入する以前のインド・イラン共通時代に、彼らは火神(アグニ)にマントラを捧げて敵を退け病を癒し害毒を除くことを祈っていた。インド侵入後に成立したとされる『リグ・ヴェーダ』の中には火神に捧げるマントラが多く記述されている[注 14]。 アーリヤ民族と原住民族が接触し融合するにつれ[注 15]、その宗教信仰も習合することで『リグ・ヴェーダ』、『ブラーフマナ』、『ウパニシャッド』、『アタルヴァ・ヴェーダ』等が成立し、盛んに息災・増益・降伏等の呪術が用いられるようになった。

ヴェーダ時代のマントラは、神々への帰依、祈願、讃仰の聖句であり、除厄、招福のために唱えられた。 当時は民衆の間にバラモン教の呪文が浸透しており、例えば一般家庭においても『家庭経(Gṛhya-sūtra)』等によって家庭内での祭式が詳しく規定され、出産時、命名時、結髪式、結婚式など万般の際に、必ず火を用いて神に捧げる呪文を唱えていた[注 16]

初期仏教

釈迦は当初呪術的行為を禁止したとされるが [注 17] 、教団が拡張するにつれ、日常生活の中に習慣づけられている呪文を厳禁することが難儀になったとともに、広く民衆に布教するための方便として旧来の信仰と調和しこれを善導するために、仏教修行の妨げにならない限りは、世俗の呪文を用いることが容認された[15] [16]。 一般民衆とくに農村部への布教活動を展開していく過程で、教団内では呪文が多く用いられるようになっていたが、その中でも護身の呪文として、パーリ語で「パリッタ(paritta)」(護呪)といわれる経が知られている[注 18]。 呪術的な「パリッタ」の一例として、比丘が毒蛇を避けるための『カンダ・スッタ(蘊経/khanda sutta)』が挙げられる。これは、蛇を含むすべての生類に慈悲を示し、その慈悲の力で毒蛇に咬まれることを避けようとする護身・除災を目的とした呪文である[注 19]。 『カンダ・スッタ』は、こうした古くからあった蛇除けの習俗が仏教教団内に持ち込まれたものであり、これが発展して後の『孔雀王呪経』の成立に繋がったと考えられている。 [注 20]

大乗仏教興起以前に唱えられていた呪文は、バラモン教に由来する護身の呪文や「パリッタ」等釈迦によって説かれた経典を唱えて障害を防ごうとするものであった。 パリッタの護身呪はその後、南伝系・北伝系を問わず仏教経典に呪文として入りこみ、やがて個々の病気平癒の効果をもたらす呪文が用いられるようになり、後に真言へと成長していく[注 21] [注 22]

大乗興起

紀元前後に、アーリヤ人の宗教であるバラモン教と先住民の信仰との融合が起こりヒンドゥー教が形成された。神にマントラを捧げれば救済されるというヒンドゥー教の単純明瞭で実践しやすい教え[注 23] は民衆の支持を受け隆盛し、仏教を圧倒する勢いを示すようになった。初期仏教教団は指導者も比丘も大半がバラモン階級の出身であり[注 24]、幼い時からバラモン教の教えの中で生活していた彼らにとって、ヒンドゥー教の教義や多神教の概念は受け入れやすいものであった。多神教であるヒンドゥー教の影響を受けて、あるいはヒンドゥー教に対抗するために[注 25]、仏尊の複数化すなわち如来菩薩等の多数の諸仏の信仰が生まれ、呪術や儀礼を重視するヒンドゥー教の教理が仏教の中に浸透し、マントラを唱えることで仏教の最終目的である成仏が可能であるとする大乗仏教として発展していった[注 26]

2世紀以降にはパリッタ的な呪文を中心とする単独の除災経典が現れた。『般若経』、『法華経』、『華厳経』等には「陀羅尼」、「明呪」、「真言」等の呪文が説かれており、これらは瞑想における精神統一の手段として念誦されたり、悟りの智慧の表現として用いたり、あるいは『ヴェーダ』におけるマントラのような呪術的な目的で読誦されるなど、用途は様々である。

初期密教

バラモン教やヒンドゥー教の呪術的な要素が取り入れられた初期密教では、『ヴェーダ』の形式を模した様々な仏教特有の呪文が作られた。 当時は特に体系化されたものはなく、釈迦の説いた諸経典に呪文が説かれており、諸仏・過去七仏・弥勒をはじめとする無数の菩薩や、インドラヤマヴァルナソーマなど『ヴェーダ』に登場する神々に帰依する呪文を唱えることで、守護・安寧・病患滅除などの現世利益を心願成就するものであった [注 27][注 28]

3世紀に成立したと考えられる『持句神呪経』や4世紀前半に成立した『仏説大金色孔雀王呪経』に、呪句を唱えた紐を病人に結び付ける治病法が登場するが、これは『アタルヴァ・ヴェーダ』の呪文に近似しており、当時の仏教教団内に『アタルヴァ・ヴェーダ』の呪法が定着していたことが明らかである [注 29][注 30]。 4世紀前半に成立した『檀特羅麻油述経』では、釈尊は悪鬼に悩まされる息子ラーフラに対して、鬼神を避ける呪経である「仏辟鬼神呪」を読誦すれば、火・水・毒・刀・呪詛などの災難に遭うことがないと説いている。

非アーリヤ部族及び低力ースト種族を仏教に同化していく過程で、彼らの女性もしくは地母神への信仰を採り入れたため、非アーリヤ部族や低力ースト種族の信仰する神や農業女神の名[注 31] が含まれるようになった。 真言、陀羅尼に含まれるいくつかの語が語義不明なのは、以上のような歴史的背景があるためであると考えられている。

中期密教

ヒンドゥー教の興隆に対抗するために体系化された中期密教では、釈迦が説法する形式の大乗経典とは異なる大日如来または大毘盧遮那仏が説法する形式の密教経典が編纂された。7世紀頃に『大日経』や『初会金剛頂経』が成立すると多様な仏尊を擁する密教の世界観が誕生し、密教における仏尊の階層化・体系化が進んでいった。 前期密教の真言・陀羅尼が除災招福を中心とする現世利益であったのに対し、中期密教の真言・陀羅尼は悟りを求め成仏するための手段としての性格を強め、それまで別箇であった印契・真言・観法の「三密」を統合した組織的な修行法が完成された[注 32]。 空海によって日本に伝えられた真言密教はここまでである。

後期密教

後期密教では性的儀礼などの特異な内容が含まれるため、中国本土の倫理観と相容れず、日本にも伝わらなかった。インドでの仏教滅亡後はチベット仏教にその名残をとどめている。

中国密教

中国では仏教の伝播とともに道教の呪禁の法と融合し、相互に影響し合った。真言は三密(身・口・意)の中の口密に相当し、極めて重要な密教の実践要素となった。

日本密教

真言は、日本では真言宗天台宗修験道禅宗等で幅広く用いられる一方、最大勢力である浄土真宗では念仏を重視するため用いない。

チベット密教

ネパール密教

構成

真言や陀羅尼の多くは、呪句の前に「帰命句」と呪句の終末に「成就句」が加わるが、帰命句と成就句は存否一定しない。

真言の呪句は、仏尊の「種子」から成るもの、仏尊の「名」や「密号」から成るもの、仏尊の本誓を説いてその徳を讃嘆するもの、仏尊の三昧耶形を示す語より成るもの等がある。

陀羅尼の多くは、仏尊や三宝に帰依する宣言文+Tadyathā[注 33]+帰命句+本文+成就句で構成される。Tadyathāは、「即ち」、「曰く」などと訳される。陀羅尼の本文は、仏尊への呼びかけや賛嘆、誓願の動詞、土着の宗教に由来する意味不明な単語等を羅列したもので、長文であることが多い[注 34]。 陀羅尼のTadyathā以後を真言として唱える場合や、陀羅尼の一部を抜き出して真言のように唱える場合もある[注 35]

帰命句は、大きく分けると以下の二つに分類される。

の形式があり、両者が併用される陀羅尼や真言もある。

namas」は、サンスクリット語で「お辞儀する、敬礼する、崇拝する」を意味する動詞で、漢訳では「帰命」「敬礼」等と訳される。namasサンディ(連声)のため、次にくる単語の最初の音によって「namaḥ(ナマハ)」や「namo(ナモー)」に変化する。 漢訳経典では、「namaḥ」は「曩莫」・「納莫」等、「namo」は「曩謨」・「南無」等、namasは「南無悉」等と音写された。日本では宗派によって読み癖が異なるが、前者は「ノウマク」・「ナウマク」等、後者は「ノウボウ」・「ナモー」等と読まれる。

帰命句には、よく使われる定型文がある。

  • namaḥ samantabuddhānāṃ ~(ノウマク・サマンダ・ボダナン・~)
  • namaḥ samantavajranāṃ ~(ノウマク・サマンダ・バザラダン・~)
  • namo ratna-trayāya ~(ノウボウ・アラタンノウ・トラヤーヤ・~)
  • namo bhagavate ~(ノウボウ・バギャバテイ~)

など。

namaḥ samantabuddhānāṃ ~」は、しばしば「oṃ」で代用される。

聖音

真言には多用されるいくつかの聖音が存在する。(中:中国慣用音、日:日本慣用音、チ:チベット慣用音、ネ:ネパール慣用音)

オーム(日:オン,チ:オン)
サンスクリット語の「oṃ」で、漢訳では「」と書かれる。密教系では「オン」、禅宗では「エン」と読まれることが多い。真言の冒頭に用いて帰命の意をあらわす神聖な音で、末尾の「ソワカ」とともに多用される。本来はバラモン経の聖音で、ヴェーダを誦読する前後、また祈りの文句の前に唱えられるものであったが、仏教にも取り入れられ真言の頭首に置かれるようになった[注 36]
スヴァーハー(日:ソワカ,チ:ソーハー)
サンスクリット語の「svāhā」で、漢訳では「薩婆訶」、「娑婆訶」「莎訶」等と書かれる。日本仏教では、密教系では「ソワカ」、禅宗系では「ソモコ」と読まれることが多い。真言・陀羅尼の末尾に置いて成就を願う聖語で、和訳では「成就あれ」「畏み申しあげる」等の意味とされる[注 37]。もとはバラモンが火中に供物を投ずる際に唱えた女神「スヴァーハー[注 38]」の名である。成就句は必ず置かれるものではなく、同じ真言でも存否は不定である。
フーム(日:ウン,チ:フーン)
サンスクリット語の「hūṃ」で、漢訳では「」等と書かれる。『チャーンドーギヤ・ウパニシャッド』にも見える呪句で、「h」はシヴァ、「ū」はバイラヴァを、「」は、不幸や苦痛を駆逐することを意味する語、または「hetu(因縁)」+「ū(損減)」+「空点)」からなり、菩提心の損減を空ずるつまり菩提心堅固をあらわし、それによって魔を畏怖させる意をあらわす語とされる。「大力」・「警覚」・「恐怖」・「忿怒」、「清浄」や「満願」など様々な意味で用いられるため解釈が困難な語である。忿怒尊の真言において「ウン・ハッタ(hūṃ phaṭ)」と組み合わせて用いられる場合は、「叱咤」・「恐怖」・「忿怒」の意味と解釈される。
パット(日:ハッタ,チ:ペー)
サンスクリット語の「phaṭ」で、漢訳では「發吒」等と書かれる。敵を攻撃する時の「感情」や「打撃」・「発射」等の意味を持つ『ヴェーダ』の呪句を取り入れたもので、忿怒尊の真言に多く用いられ、敵を調伏させるための感情をあらわす語とされる。「摧破」・「破壊」・「降伏」・「放出」等と解釈されるが通常は翻訳しない。
ブルム(日:ボロン,チ:ドゥム)
サンスクリット語の「bhrūṃ」で、漢訳では「歩嚕唵」等と書かれる。「bh(発菩提心)」+「(墔滅諸罪障)」+「ūṃ(一切如虚空)」の合成語で、菩提心を発し罪障を滅し心楽しく虚空の如く清浄なことを意味するとされる。

解読・研究

真言は、聖なる音を唱えることが重要であるという信仰から、サンスクリット語を翻訳(意訳)せず、漢字で音写されたものが多く伝わったが、解読されているのはごく僅かでサンスクリット原典も殆ど残っていない。 真言密教の各宗では、真言を翻訳したり字句の意味を穿鑿したりせずに、その大意を掴んでひたすら無心に唱えるように指導している。そのため意味不明・解読不能でありながら各宗で依用されている真言は多い[注 39]

真言は、永らく「音が重要であり、唱えるべきもので解釈すべきものではない」という伝統があったが、江戸中期の真言律宗の僧浄厳は、当時乱れていた真言・陀羅尼を正すために『普通真言蔵』を著し、さらに法隆寺貝葉梵本経を模写し音訳や意味を記した。 昭和期以降、真言陀羅尼の研究が盛んになり、昭和6年に密教学会編の『密教大辞典』が出版され、昭和10年に臨済宗では伊藤古鑑の禅宗聖典講義が出て、大悲心陀羅尼消災妙吉祥陀羅尼仏頂尊勝陀羅尼の意訳を試みている。昭和34年に田久保周誉の『真言陀羅尼蔵の解説』、昭和35年に栂尾祥雲の『秘密事相の研究』、昭和45年に渡辺照宏・大鹿実秋・宮坂宥勝による智山教化資料第四集『常用陀羅尼と諸真言』、吉田恵弘の『金胎両部真言解記』、昭和54年に稲谷祐宣による『普通真言蔵』(浄厳編/稲谷祐宣校注)、昭和60年に八田幸雄の『真言事典』が刊行された。

真言の解読には、一般仏教の知識や密教の経典儀軌はもとより、古典『ヴェーダ』や『ウパニシャッド』、『マハーバーラタ』の英雄詩や古代インド神話の知識を必要とし、しかも音写漢字を還梵するという複雑な作業を踏まなければならない。サンスクリット語やチベット語など各種言語にも精通している必要もあり、真言の研究はまだ成就していない。

依用

真言にはそれぞれ出典となる経が存在し、成立の過程が異なる『大日経』 (胎蔵界) と『金剛頂経』 (金剛界) では、真言が異なる。真言の中でも仏尊の名号種子本誓を真言にしたものは、比較的容易にその意味が解読されているが、加持に用いる真言などで全く意味不明なものも存在する。しかし、理解できなくても一種の不可思議な霊力がある呪文として取り扱われている[17]

口誦、念誦
真言は、バラモン教ヒンドゥー教のマントラに由来するため「反復」が重視されており、数限りなく唱えられたときに絶大な威力を発揮すると説かれている。遍数には三遍・七遍・百八遍・千遍、十万遍(洛叉)などがあり、例えば、不動明王の真言を30万回(三洛叉)唱えると不動明王の姿を見ることができる[18]准胝観音の陀羅尼を90万回唱えると一切諸々の罪業が余すところなく消滅する[19] など、数多く真言を唱えることで効果を発揮すると説かれている。空海も実践したと伝えられる「虚空蔵菩薩求聞持法」は、虚空蔵菩薩の真言を100日間ないし50日間で100万遍唱えるもので、修行が成就すれば抜群の記憶力と限りない智慧を獲得できるとされる[注 40]

唱え方には以下のものがある。

  • 声生念誦 - 心の蓮華の上に法螺貝を観想しそこから声を出すように唱える。
  • 蓮華念誦 - 自分の耳に唱える声が聞こえる。
  • 金剛念誦 - 唇歯を合わせて舌端を少し動かして唱える。
  • 三摩地念誦 - 舌も動かさず、心のみ念ずる。
  • 光明念誦 - 口から光明を発しながら唱える。

読み癖・慣用音

ぎなた読み

真言陀羅尼は永らく意味を重視せず、口伝により慣用音を伝承してきたため、語句を梵語原文と異なる箇所で区切って読むいわゆるぎなた読みで伝わっていることが少なくない。 「オン・カカカビ・サンマエイ・ソワカ」、「オン・マヤラギラン・デイ・ソワカ」、「オン・ベイシラ・マンダヤ・ソワカ」など。

慣用音

経の翻訳においては玄奘以後五種不翻の原則ができ、とくに真言・陀羅尼は不可思議なる仏の秘密語であるがゆえに翻訳せず原音を漢字で音写した。 玄奘らはサンスクリット語の発音を正確に表記するために苦心し、例えば『大般若波羅蜜多経』では、発音が似た三種類の「」すなわちba」・「bha」・「vaをそれぞれ「婆」・「薄」・「筏」と書き分け[注 41]、漢字二字で子音連結を示す記号や長母音を示す記号なども記し[注 42]、ときには新しい漢字を作ってまで音を写した。そのため、訳経年代の分る真言・陀羅尼は、その時代の漢字発音の索引ともなりうるほどである。しかし、それを筆写してゆくうちに誤字や脱字が生じ、さらに中国から発音の違う日本に入って来た際に読み方が著しく変化した。

日本に伝来した後も、読み方は口伝によるため同じ真言でも宗派や地域によって発音に相違が生じた。 同じ宗派でも、弥勒菩薩の真言を「オン・イタレイヤ・ソワカ」と発音したり「オン・イタレイヤ・ソワカ」と発音したりする。他にも「曩莫(namaḥ)」を「ウマク」「ウマク」、「縛日羅(vajra)」を「バラ」「バラ」、「薩婆訶(svāhā)」を「ソワカ」「ソモコ」「ソコ」と読むなど、様々な読み癖が存在する。 明朝風様式を伝える「黄檗宗」では特に相違が著しく、例えば地蔵菩薩の真言は多くの宗派では「オン・カカカ・ビサンマエイ・ソワカ」と発音するが、黄檗宗では「アン・ホホホ・ビサンモエイ・ソポホ」と発音する。

主な真言

真言は、経典によって違いがあり、同じ真言でも宗派によって読み癖が異なるため下記は一例である。どの発音が正しいというものではなく、各宗派ごとの伝承を尊重しなければならない。 サンスクリット文も諸説ある。サンスクリット語の正確な発音をカタカナで表現することは不可能であるので、カタカナ表記は参考程度である[注 43]。 真言の解釈にも様々な説があり和訳も一例である。

代表的な真言

さらに見る 名称, 真言 ...
名称 真言 サンスクリット語
光明真言 オン・アボキャ・ベイロシャノウ・マカボダラ・マニ・ハンドマ・ジンバラ・ハラバリタヤ・ウン oṃ amogha vairocana mahā-mudrā maṇi-padma-jvāla pravartaya hūṃ

オーン アモーガ ヴァイローチャナ マハームドラー マニパドマジュヴァーラ プラヴァルタヤ フーン

オーン。不空なるヴァイローチャナよ。大印を有する者よ。宝珠よ。蓮華よ。光明を放ち給え。フーン。[注 44]
六字真言 オン・マニ・ハンドマ・ウン 梵語:oṃ maṇi padme hūṃ

オーン マニ パドメー フーン
蔵語om ma ni bê mê hum
オン マニ ペーメ フーン

オーン。蓮華の宝珠よ。フーン。
心経 ギャテイ・ギャテイ・ハラギャテイ・ハラソウギャテイ・ボヂ・ソワカ gate gate pāra gate pāra-saṃgate bodhi svāhā

ガテー ガテー パーラガテー パーラサンガテー ボーディ スヴァーハー

往ける者よ。往ける者よ。彼岸に往ける者よ。彼岸に完く往ける者よ。菩提[注 45]。スヴァーハー。
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如来

さらに見る 仏, 真言 ...
真言 サンスクリット語
毘盧遮那仏 毘盧遮那一字真言:ノウマク・サマンダ・ボダナン・バン namaḥ samanta-buddhānāṃ vaṃ

ナマハ サマンタブッダーナーン ヴァン

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ヴァン。
釈迦如来 ノウマク・サマンダ・ボダナン・バク namaḥ samanta-buddhānāṃ bhaḥ

ナマハ サマンタブッダーナーン バハ

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。バハ。
オン・バ・サラバキリシャ・ニルソナナウ・サラバダルマ・バシタ・ハラハタ・ギャギャナウ・サンマサンマ・ソワカ oṃ bhaḥ sarva-kleśa-nisādana sarva-dharma-vaśita-prāpta gagana-sama-asama svāhā

オーン バハ サルヴァクレシャニサーダナ サルヴァダルマ ヴァシタプラープタ ガガナサマーサマ スヴァーハー

オーン。バハ。一切の煩悩を摧伏する者よ。一切の法に自在を得たる者よ。虚空に等しく無等比なる者よ。スヴァーハー。
オン・ムニムニ・マカムニ・シャカムニ・ソワカ oṃ muni muni mahāmuni śākyamuni svāhā

オーン ムニ ムニ マハームニ シャーッキャムニ スヴァーハー

オーン。聖者よ。聖者よ。大聖者よ。釈迦牟尼よ。スヴァーハー。
薬師如来 大呪:ノウモ・バギャバテイ・バイセイジャ・クロ・ベイルリヤ・ハラバ・アラジャヤ・タタギャタヤ・アラカテイ・サンミャクサンボダヤ タニヤタ・オン・バイセイゼイ・バイセイゼイ・バイセイジャサンボリギャテイ・ソワカ namo bhagavate bhaiṣajya-guru vaiḍūrya-prabha-rājāya tathāgatāya arhate samyaksambuddhāya tadyathā oṃ bhaiṣajye bhaiṣajye mahā-bhaiṣajya-samudgate svāhā

ナモー バガヴァテー バイシャジャグル ヴァイドゥーリャップラバラージャーヤ タターガターヤ アルハテー サムヤクサンブッダーヤ タディヤター オーン バイシャジェー バイシャジェー マハーバイシャジャサムガテー スヴァーハー

帰命したてまつる。世尊よ。薬師瑠璃光王よ。如来よ。応供よ。正遍知よ。即ち曰く。オーン。医薬よ。医薬よ。偉大なる医薬よ。顕現し給え。スヴァーハー。
中呪(台密):オン・ビセイゼイ・ビセイゼイ・ビセイジャサンボリギャテイ・ソワカ oṃ bhaiṣajye bhaiṣajye bhaiṣajya-samudgate svāhā

オーン バイシャジェー バイシャジェー バイシャジャサムガテー スヴァーハー

オーン。医薬よ。医薬よ。医薬よ顕現し給え。スヴァーハー。
小呪:オン・コロコロ・センダリ・マトウギ・ソワカ[注 46] oṃ huru huru caṇḍāli mātaṅgi svāhā

オーン フル フル チャンダーリ マータンギ スヴァーハー

オーン。取り去りたまえ。取り去りたまえ[注 47]チャンダーリーよ。マータンギー[注 48][注 49]。スヴァーハー。

又は、 オーン 速疾に速疾に センダリ(暴悪の相をなせるもの)よ、マトゥギ(象王よ即ち狂象の如き降伏の相に往するもの)よ[20] スヴァーハー。

阿弥陀如来 小呪:オン・アミリタ・テイセイ・カラ・ウン oṃ amṛta-teje hara hūṃ

オーン アムリタテージェー ハラ フーン

オーン。不死の甘露の威光(甘露威光尊)よ。運載したまえ。フーン。
大呪(十甘露呪、無量寿如来根本陀羅尼):ナウボウ・アラタンナウトラヤヤ・ノウマク・アリヤミタバヤ・タタギャタヤ・アラカテイ・サンミャク・サンボダヤ・タニャタ・オン・アミリテイ・アミリトドバンベイ・アミリタ・サンバンベイ・アミリタ・ギャルベイ・アミリタ・シッデイ・アミリタ・テイセイ・アミリタ・ビキランテイ・アミリタ・ビキランタ・ギャミネイ・アミリタ・ギャギャナウ・キチキャレイ・アミリタ・ドンドビソバレイ・サラバラタサダネイ・サラバキャラマキレイシャ・キシャヨウ・キャレイ・ソワカ namo ratna-trayāya, namah ārya-amitābhāya-tathāgatāya-arhate-saṃyak-sambuddhāya. tadyathā oṃ amṛte amṛto-dbhave amṛta-sambhave amṛta-garbhe amṛta-siddhe amṛta-teje amṛta-vikrānte amṛta-vikrānta gāmine amṛta-gagana kīrti-kare amṛta-duṃdubhi svare sarvārtha-sādhane sarva-karma kleśa kṣayaṃ-kare svāhā

ナモー ラトナトラヤーヤ ナマハ アーリヤーミターバーヤ タターガターヤ―ルハテー サンミャクサンブッダーヤ ダディヤター オーン アムリトードハヴェー アムリタサンバヴェー アムリタガルベー アムリタスィッデー アムリタテージェー アムリタヴィクラーンテー アムリタヴィクラーンタガーミネー アムリタガガナキールティカレー アムリタドゥンドゥビスヴァレー サルヴァールタサーダネー サルヴァカルマクレーシャ クシャヤンカレー スヴァーハー

帰命したてまつる。三宝に。帰命したてまつる。聖無量光如来応供正覚尊に。即ち。オーン。甘露尊よ。甘露所生尊よ。甘露能生尊よ。甘露胎蔵尊よ。甘露成就尊よ。甘露威光尊よ。甘露遊戯尊よ。甘露遊行尊よ。甘露広説尊よ。甘露鼓音尊よ。一切義成就尊よ。一切悪業因縁除滅尊よ。スヴァーハー。
宝海雷音如來 雨宝呪心真言:オン・バソダレイ・ソワカ oṃ vasu dare svāhā

オーン ヴァス ダレー スヴァーハー

オーン。財宝を所有する者よ。スヴァーハー。
雨宝呪心中心真言:オン・シリバソ・ソワカ oṃ srī vasu svāhā

オーン シュリー ヴァス スヴァーハー

オーン。めでたき財宝よ。スヴァーハー。
雨宝咒小心真言:オン・バソ・ソワカ oṃ vasu svāhā

オーン ヴァス スヴァーハー

オーン。財宝よ。スヴァーハー。
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金剛界五仏

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真言 サンスクリット語
大日如来 オン・バサラ・ダトバン oṃ vajra-dhātu vaṃ

オーン ヴァジュラダートゥ ヴァン

オーン。金剛界よ。ヴァン。
阿閦如来 オン・アキシュビヤ・ウン oṃ akṣobhya hūṃ

オーン アクショーッビャ フーン

オーン。不動の者よ。フーン。
宝生如来 オン・アラタンナウサンバンバ・タラク oṃ ratna-sambhava trāḥ

オーン ラトナサンバヴァ トラーハ

オーン。宝を発生する者よ。トラーハ。
觀自在王如来(無量寿如来 オン・ロケイジンバラ・アランジャ・キリク oṃ lokeśvara-rāja hrīḥ

オーン ローケーッシュヴァララージャ フリーヒ

オーン。世自在の王よ。フリーヒ。
不空成就如来 オン・アボキャシッデイ・アク oṃ amogha-siddhe aḥ

オーン アモーガスィッデー アハ

オーン。空しからず成就させる者よ。アハ。
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胎蔵五仏

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真言 サンスクリット語
大日如来 ノウマク・サマンダ・ボダナン・ア・ビ・ラ・ウン・ケン namaḥ samanta-buddhānām a vi ra hūṃ khaṃ

ナマハ サマンタブッダーナーン ア ヴィ ラ フーン カーン

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。地、水、火、風、空。
ノウマク・サマンダ・ボダナン・ア・バン・ラン・カン・ケン namaḥ samanta-buddhānām a vaṃ raṃ haṃ khaṃ

ナマハ サマンタブッダーナーン ア ヴァン ラン ハン カン

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。地、水、火、風、空。
宝幢如来 ノウマク・サマンダボダナン・ラン・ラク・ソワカ namaḥ samanta-buddhānām raṃ raḥ svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン ラン ラハ スヴァハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ラン。ラハ。スヴァハー。
開敷華王如来 ノウマク・サマンダボダナン・バン・バク・ソワカ namaḥ samanta-buddhānāṃ vaṃ vaḥ svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン ヴァン ヴァハ スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ヴァン。ヴァハ。スヴァーハー。
無量寿如来

(阿弥陀如来)

ノウマク・サマンダボダナン・サン・サク・ソワカ namaḥ samanta-buddhānāṃ saṃ saḥ svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン サン サハ スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。サン。サハ。スヴァーハー。
天鼓雷音如来 ノウマク・サマンダボダナン・カン・カク・ソワカ namaḥ samanta-buddhānāṃ haṃ haḥ svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン ハン ハハ スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ハン。ハハ。スヴァーハー。
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仏頂尊

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諸尊 真言 サンスクリット語
尊勝仏頂 小心真言オン・アミリタ・テイジャバチ・ソワカ oṃ amṛta-tejavati svāhā

オーン アムリタテージャヴァティ スヴァーハー

オーン。不死の甘露の威光を スヴァーハー。
随心真言オン ボロン ソワカ オン アミリタ アユダディ ソワカ oṃ bhrūṃ svāhā. oṃ amṛta āyur-datte svāhā

オーン ブルーン スヴァーハー オーン アムリタ アーユルダッテー スヴァーハー

オーン ブルーン スヴァーハー オーン 不死の甘露の寿命を与える者よ スヴァーハー
一字金輪仏頂 ノウマク・サマンダ・ボダナン・ボロン namaḥ samanta-buddhānāṃ bhrūṃ

ナマハ サマンタブッダーナーン ブルーン

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ブルーン。
仏眼仏母 ナウボウ・バギャバテイ・ウシュニシャヤ・オン・ロロ・ソボロ・ジンバラ・チシュタ・シッダ・ロシャニ・サラバアラタ・サダニエイ・ソワカ namo bhagabate uṣṇīṣāya oṃ ru ru sphuru jvala tiṣṭha siddhalocane sarvārtha-sādhaniye svāhā

ナモー バガバテー ウッシュニーシャーヤ オーン ル ル スプル ジュヴァラ ティッシュタ スィッダローチャネー サルヴァールタサーダニイェー スヴァーハー

帰命したてまつる。世尊、仏頂に。オーン。破砕したまえ。破砕したまえ。遍満したまえ。輝きたまえ。発起したまえ。神通眼の尊よ。一切の利益を成就せる尊よ。スヴァーハー。
ノウマク・サマンダ・ボダナン・オン・ボダロシャニ・ソワカ namaḥ samanta-buddhānāṃ oṃ buddha-locani svāhā

ナマハ サマンタブッダーナン オーン ブッダローチャニ スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。オーン。仏眼尊よ。スヴァーハー。
ノウマク・サマンダボダナン・ゲン・ギャギャナバララキシャネディ・ギャギャナサンメ・サラバタトギャタ・ビキ・サラサンバベイ・ジンバラ・ナモ・ボギャナン・ソワカ namaḥ samantabuddhāna-ṃ gaṃ gaganavaralakṣaṇe gaganasamesarvatrodgatabhiḥ sārasambhave jvala namo 'moghānāṃ svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン ガン ガガナヴァララクシャネー ガガナサメサルヴァトローッドガタヴィヒ サーラサンバヴェ ジュヴァラ ナモー モーガーナーン スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ガン。虚空の優れた特相を持つ者よ。虚空に等しい者よ。全ての処に出現する者よ。降伏する者よ。輝け。帰命したてまつる。あまねき不空に。スヴァーハー。
白傘蓋仏頂 ノウマク・サマンダ・ボダナン・アハラチカタ・・シャサノウナン・オン・タタギャト・シニシャ・アノウバロキタ・モリタ・シャキラ・バチラ・オン・ママ・ウン・ジャ namaḥ samanta buddhānāṃ oṃ tathāgatoṣṇīṣa anavalokitāmūrdha hūṃ mā mā ma ma, huṃ nī

ナマハ サマンタブッダーナーン オーン タターガトーシュニーシャ アナヴァローキタームールダ フーン マー マー マ マ フーン ニー

ノウマク・サマンダ・ボダナン・ラン・シッタタハンダラ・ウシュニシャ・ソワカ

八句陀羅尼:オン・アナレイ・ビシャダ・ビラ・バジラダリ・バンダ・バンダニ・バジラバニ・ハン・フーン・トルーン・ハン・ソワカ oṃ anale viśada vaīra vajradari bandha-bandhani vajrapāni phat hūm trūṃ phat svāhā

オーン アナレー ヴィシャダ ヴァイラ ヴァジュラダリ バンダ バンダニ バジュラパーニ パット フーン トルーン パット スヴァーハー

オーン。如来善逝阿羅漢正等覚に礼拝す。パット。フーン。トルーン。パット。スヴァーハー。
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菩薩

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諸尊 真言 サンスクリット語
金剛波羅密菩薩 成身会、供養会:オン・サトババジリ・ウン oṃ sattvavajri hūṃ

オーン サットヴァヴァジュリ フーン

オーン。薩埵金剛女よ。フーン。
金剛薩埵 オン・バザラサトバ・アク oṃ vajra-sattva āḥ

オーン ヴァジュラサットヴァ アーハ

オーン。金剛薩埵よ。アーハ。
オン・サンマヤ・サトバン oṃ samayas tvaṃ

オーン サマヤス トヴァン

オーン。汝は三昧耶なり[21]
弥勒菩薩 オン・マイタレイヤ・ソワカ oṃ maitreya svāhā

オーン マイトレーヤ スヴァーハー

オーン。慈愛なる者よ。スヴァーハー。
文殊菩薩 心呪(五字心真言):オン・アラハシャノウ oṃ a ra pa ca na

オーン ア ラ パ チャ ナ

オーン。ア。ラ。パ。チャ。ナ。
勢至菩薩 オン・サン・ザン・ザン・サク・ソワカ oṃ saṃ jaṃ jaṃ saḥ svāhā

オーン サン ジャン ジャン サハ スヴァーハー

オーン。サン。ジャン。ジャン。サハ。スヴァーハー。
普賢菩薩 オン・サンマヤ・サトバン oṃ samayas tvaṃ

オーン サマヤス トヴァン

オーン。汝は三昧耶なり[21]
普賢延命菩薩 オン・バサラ・ユセイ・ソワカ oṃ vajrāyuṣe svāhā

オーン ヴァジュラユセー スヴァーハー

オーン。金剛寿命尊よ。スヴァーハー。
般若菩薩 オン・ヂク・シリ・シュロダ・ビジャエイ・ソワカ oṃ dhīḥ śrī-śrūta-vijaye svāhā

オーン ディーヒ シュリーシュルータヴィジャイェー スヴァーハー

帰命したてまつる。ディーヒ。吉祥の名声を獲得せる者よ。スヴァーハー。
地蔵菩薩 オン・カカカ・ビサンマエイ・ソワカ oṃ ha ha ha vismaye svāhā

オーン ハ ハ ハ ヴィスマイェー スヴァーハー

帰命したてまつる。ハ、ハ、ハ。希有なる者よ。スヴァーハー。
勝軍地蔵真言:ノウマク・サマンダ・ボダナン・カカカ・ソタド・ソワカ Namaḥ samanta buddhānāṃ Ha ha ha sutanu svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン ハ ハ ハ スタヌ スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ハ、ハ、ハ。妙身ある者よ。スヴァーハー。
虚空蔵菩薩 三昧耶真言:オン・バザラ・アラタンナウ・オン oṃ vajra ratna hūṃ

オーン ヴァジュラ ラトナ フーン

オーン。金剛宝よ。フーン。
ノウボウ・アキャシャキャラバヤ・オン・アリキャ・マリ・ボリ・ソワカ namo ākāśa-garbhāya oṃ alika māli muli svāhā

ナモー アーカーシャガルバーヤ オーン アリカ マーリ ムリ スヴァーハー

帰命したてまつる。虚空蔵尊よ。オーン。怨敵を打ち滅ぼす者よ。スヴァーハー。
大随求菩薩 一切如来随心真言:オン・バラ・バラ・サンバラ・サンバラ・インドリヤビジュダネ・ウン・ウン・ロロ・サレイ・ソワカ oṃ bhara bhara sambhara sambhara indriya-viśuddhane hūṃ hūṃ ruru cale svāhā

オーン バラ バラ サンバラ サンバラ インドリヤヴィシュッダネー フーン フーン ルル チャレー スヴァーハー

オーン。済度したまえ。済度したまえ。広く済度したまえ。広く済度したまえ。六根浄化尊よ。浄めたまえ。浄めたまえ。破砕したまえ。遊行尊よ。スヴァーハー。
除悪趣菩薩 ノウマク・サマンダ・ボダナン・ドバンシャナン・アビュダラ・ニサトバダトン・ソワカ namaḥ samanta-buddhānāṃ dhvaṃsa naṃ abhyuddhara niḥsattvadhātuṃ svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン ドヴァンサ ナン アッビュッダラ ニヒサットヴァダートゥン スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。除去しため。ナン。悪趣界を救いたまえ。スヴァーハー。
馬鳴菩薩 オン・バザラ・シャキャラ・ウン・ジャク・ウン・バン・コク oṃ vajra-cakra hūṃ jaḥ hūṃ vaṃ hoḥ

オーン ヴァジュラチャックラ フーン ジャハ フーン ヴァン ホーホ

オーン。金剛輪尊よ。フーン。ジャハ。フーン。ヴァン。ホーホ。
日光菩薩 オン・ソリヤハラバヤ・ソワカ oṃ sūryaprabhaya svāhā

オーン スーリヤップラバヤ スヴァーハー

オーン。太陽の様に輝ける者よ。スヴァーハー。
オン・ロホウニュタ・ソワカ oṃ rūpoddyota svāhā

オーン ルーポッデョータ スヴァーハー

オーン。姿輝ける者よ。スヴァーハー。
月光菩薩 オン・センダラ・ハラバヤ・ソワカ oṃ candraprabhaya svāhā

オーン チャンドラップラバヤ スヴァーハー

オーン。月の様に輝ける者よ。スヴァーハー。
多羅菩薩 ノウマク・サマンダ・ボダナン・キャロダオンバベイ・タレイ・タリニ・ソワカ namaḥ samanta-buddhānāṃ karuṇa-udbhave tāre tāriṇi svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン カルノードバヴェー ターレー ターリニ スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。悲愍より生じたる救母よ。救度する者よ。スヴァーハー。
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観音菩薩

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真言 サンスクリット語
聖観音 オン・アロリキャ・ソワカ oṃ ālolik svāhā

オーン アーローリク スヴァーハー

オーン。泥土より生じた者よ[注 50]。スヴァーハー。
十一面観音 オン・ロケイジンバラ・ラジャ・キリク oṃ lokeśvara-rāja hrīḥ

オーン ローケーッシュヴァララージャ フリーヒ

オーン。世自在の王よ。フリーヒ。
オン・マカ・キャロニキャ・ソワカ oṃ mahā-kāruṇikāya svāhā

オーン マハーカールニカーヤ スヴァーハー

オーン。大悲を持てる者よ。スヴァーハー。
千手観音 大悲心陀羅尼:大悲心陀羅尼を参照
大悲呪心呪:オン・バザラ・タラマ・キリク・ソワカ oṃ vajra-dharma hrīḥ svāhā[22]

オーン ヴァジュラ ダルマ フリーヒ

オーン。金剛法よ。フリーヒ。
准胝観音 大準提呪:ノウボ・サッタナン・サンミャクサンボダ・クチナン・タニヤタ・オン・シャレイ・シュレイ・ソンデイ・ソワカ namaḥ saptānāṃ saṃyak-sambuddha-koṭināṃ tadyathā oṃ cale cūle cundī svāhā

ナマハ サプターナーン サムヤクサンブッダコーチナーン タディヤター オーン チャレー チューレー チュンディー スヴァーハー

帰命したてまつる。7千万[注 51])人の正等覚よ。即ち曰く。オーン。遊行尊よ。頂髻尊よ。清浄尊よ。スヴァーハー。
小準提呪:オン・シャレイ・ソレイ・ソンデイ・ソワカ oṃ cale cūle cundī svāhā

オーン チャレー チューレー チュンディー スヴァーハー

オーン。遊行尊よ。頂髻尊よ。清浄尊よ。スヴァーハー。
如意輪観音 大心陀羅尼(心秘密真言):オン・ハンドメイ・シンダマニ・ジンバラ・ウン oṃ padme cintāmani jvala hūm

オーン パドメー チンターマニ ジュヴァラ フーン

オーン。蓮華尊よ。如意宝珠尊よ。火焔尊よ。フーン。
小心陀羅尼(心中心真言):オン・バラダ・ハンドメイ・ウン oṃ varada-padme hūm

オーン ヴァラダ パドメー フーン

オーン。施願(施与)したもう蓮華尊よ。フーン。
馬頭観音 オン・アミリト・ドバンバ・ウン・ハツタ・ソワカ oṃ amṛtodbhava hūm phaṭ svāhā

オーン アムリトードバヴァ フーン パット スヴァーハー

オーン。不死の甘露より生起した者よ。フーン。パット。スヴァーハー。
不空羂索観音 オン・ハンドマ・ダラ・アボキャ・ジャヤニ・ソロソロ・ソワカ oṃ padma-dhara-amogha-jayani suru suru svāhā

オーン パドマダラアモーガジャヤニ スル スル スヴァーハー

オーン。蓮華を持ちて、空しからず調伏する者よ。出現したまえ。出現したまえ[注 52]。スヴァーハー。
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明王

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真言 サンスクリット語
不動明王 中呪(慈救呪):ノウマク・サマンダ・バザラダン・センダマカロシャダ・ソワタヤ・ウン・タラタ・カン・マン namaḥ samanta-vajrāṇāṃ caṇḍa-mahāroṣaṇa sphāṭaya hūṃ traka hāṃ māṃ[23][24][25][26][27][28]

ナマハ サマンタヴァジュラーナーン チャンダマハーローシャナ スポータヤ フーン トラット ハーン マーン

帰命したてまつる。あまねき諸金剛尊よ。暴悪なる大忿怒尊よ。粉砕したまえ。フーン。トラット。ハーン。マーン。
小呪(一字呪):ノウマク・サマンダ・バザラダン・カン namaḥ samanta-vajrāṇāṃ hāṃ

ナマハ サマンタヴァジュラーナーン ハーン

帰命したてまつる。あまねき諸金剛尊よ。ハーン
孔雀明王 オン・マヤラギランデイ・ソワカ oṃ māyūrā-krānte svāhā

オーン マーユーラークラーンテー スヴァーハー

オーン。無敵の孔雀よ。スヴァーハー。
降三世明王 オン・ソンバ・ニソンバ・ウン・バザラ・ウン・パッタ oṃ sumbha nisumbha hūṃ vajra hūṃ phaṭ

オーン スンバ ニスンバ フーン ヴァジュラ フーン パット

オーン。スンバ神よ。ニスンバ神よ。フーン。金剛よ。フーン。パット。
大威徳明王 オン・シュチリ・キャラ・ロハ・ウン・ケン・ソワカ oṃ ṣṭrīḥ kāla rūpa hūṃ khām svāhā

オーン シュトリーヒ カーラ ルーパ フーン カーン スヴァーハー

オーン。シュトリーヒ。カーラ神の姿をとるものよ。フーン。カーン。スヴァーハー。
金剛夜叉明王 オン・バザラ・ヤキシャ・ウン oṃ vajra-yakṣa hūṃ

オーン ヴァジュラヤクシャ フーン

オーン。金剛夜叉よ。フーン。
軍荼利明王(甘露軍荼利明王) オン・アミリテイ・ウン・ハッタ oṃ amṛte hūṃ phaṭ

オーン アムリテー フーン パット

オーン。不死甘露尊よ。フーン。パット。
烏枢沙摩明王 オン・クロダノウ・ウン・ジャク oṃ krodhana hūṃ jaḥ

オーン クローダナ フーン ジャハ

オーン。忿怒尊よ。フーン。ジャハ。
愛染明王 オン・マカラギャ・バザロシュニシャ・バザラ・サトバ・ジャク・ウン・バン・コク oṃ mahārāga vajroṣnīṣa vajrasattva jaḥ hūṃ vaṃ hoḥ

オーン マハーラーガ ヴァジュローシュニーシャ ヴァジュラサットヴァ ジャハ フーン ヴァン ホーホ

オーン。大愛染尊よ。金剛仏頂尊よ。金剛薩埵よ。ジャハ。フーン。ヴァン。ホーフ。
ウン・タキ・ウン・ジャク・ウン・シッチ hūṃ ṭaki hūṃ jaḥ hūṃ siddhi

フーン タキ フーン ジャハ フーン スィッディ

フーン。タキ神よ。フーン。ジャハ。フーン。成就せよ。
無能勝明王 オン・コロコロ・センダリ・マトウギ・ソワカ oṃ huru huru caṇḍāli mātaṅgi svāhā

オーン フル フル チャンダーリ マータンギ スヴァーハー

オーン。取り去りたまえ。取り去りたまえ。チャンダーリーよ。マータンギーよ。スヴァーハー。
ノウマク・サマンダボダナン・ジリン・ジリン・リン・リン・シリン・シリン・ソワカ namaḥ samanta-buddhānāṃ dhriṃ dhriṃ riṃ riṃ jriṃ jriṃ svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン ドゥリン ドゥリン リン リン ジュリン ジュリン スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ドゥリン、ドゥリン、リン、リン、ジュリン、ジュリン。スヴァーハー。
青面金剛 オン・デイバヤキシャ・バンダ・バンダ・カカカカ・ソワカ oṃ deva-yakṣa bandha bandha ha ha ha ha svāhā

オーン デーヴァヤクシャ バンダ バンダ ハハハハ スヴァーハー

オーン。天の薬叉よ。縛せよ。縛せよ。ハハハハ。スヴァーハー。
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十二天

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諸尊 真言 サンスクリット語
帝釈天 ノウマク・サマンダ・ボダナン・インダラヤ・ソワカ namaḥ samanta-buddhānāṃ indrāya svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン インドラーヤ スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。インドラ神よ。スヴァーハー。
火天 ノウマク・サマンダ・ボダナン・アギャナウエイ・ソワカ namaḥ samanta-buddhānāṃ agnaye svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン アグナイェー スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。アグニ神に。スヴァーハー。
焔摩天 ノウマク・サマンダ・ボダナン・ヤマヤ・ソワカ namaḥ samanta-buddhānāṃ yamāya svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン ヤマーヤ スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ヤマ神よ。スヴァーハー。
羅刹天 ノウマク・サマンダ・ボダナン・ニルリテイ・ソワカ namaḥ samanta-buddhānāṃ nirṛtye svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン ニルリティェー スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ニルリティ女神に。スヴァーハー。
水天 ノウマク・サマンダ・ボダナン・バロダヤ・ソワカ namaḥ samanta-buddhānāṃ varuṇāya svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン ヴァルナーヤ スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ヴァルナ神に。スヴァーハー。
風天 ノウマク・サマンダ・ボダナン・バヤベイ・ソワカ namaḥ samanta-buddhānāṃ vāyave svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン ヴァーヤヴェー スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ヴァーユ神よ。スヴァーハー。
毘沙門天多聞天 ノウマク・サマンダ・ボダナン・ベイシラマンダヤ・ソワカ namaḥ samanta-buddhānāṃ vaiśravaṇāya svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン ヴァイシュラヴァナーヤ スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ヴィシュラヴァスの御子よ。スヴァーハー。
伊舎那天 ノウマク・サマンダ・ボダナン・イシャナヤ・ソワカ namaḥ samanta-buddhānāṃ īśanāya svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン イーシャーナーヤ スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。イシャーナ神に。スヴァーハー。
梵天 ノウマク・サマンダ・ボダナン・ボラカンマネイ・ソワカ namaḥ samanta-buddhānāṃ brahmaṇe svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン ブラフマネー スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ブラフマー神よ。スヴァーハー。
地天 ノウマク・サマンダ・ボダナン・ハラチビエイ・ソワカ namaḥ samanta-buddhānāṃ pṛthiviye svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン プリティヴィイェー スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。プリティヴィー女神よ。スヴァーハー。
日天 ノウマク・サマンダ・ボダナン・アニチャヤ・ソワカ namaḥ samanta-buddhānāṃ ādityāya svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン アーディティヤーヤ スヴァハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。アーディティヤ神よ。スヴァーハー。
月天 ノウマク・サマンダ・ボダナン・センダラヤ・ソワカ namaḥ samanta-buddhānāṃ candrāya svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン チャンドラーヤ スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。チャンドラ神よ。スヴァーハー。
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その他諸天

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真言 サンスクリット語
那羅延天 オン・バラバザラ・ソワカ oṃ balavajra svāhā

オーン バラヴァジュラ スヴァーハー

オーン。大力金剛よ。スヴァーハー。
ノウマク・サマンダボダナン・ビシッダベイ・ソワカ namaḥ samantabuddhānāṃ viṣṇave svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン ヴィシュナヴェー スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ヴィシュヌ神に。スヴァーハー。
持国天 オン・チリタラシタラ・ララ・ハラハタナウ・ソワカ oṃ dhṛtarāṣṭra-rārā-pramadana svāhā

オーン ドリタラーシュトララーラープラマダナ スヴァーハー

オーン。ドリタラシュートラ英語版の明美なる楽欲よ。スヴァーハー
持国天王呪:アキャネイ・キャネイ・クリ・ケンダリ・センダリ・マトウギ・ジョウグリ・フロシャニ・アンチ agaṇe gaṇe gauri gāndhāri caṇḍāli mātangi jaṅguli saṃkule vrūsali agasti

アガネー ガネー ガウリ ガンダーリ チャンダーリ マータンギ ジャングリ サンクレー ヴルーサリ アガスティ

無数の鬼神よ。ガネーシャ神よ。ガウリ(パールヴァティ)女神よ。ガーンダーリー英語版よ。チャンダーリよ。マータンギーよ。ジャーングリー[注 53] よ。言え。行け。縛すぞ。縛すぞ。スヴァーハー。
増長天 オン・ビロダカ・ヤキシャヂハタエイ・ソワカ oṃ virūḍhaka-yakṣādhipataye svāhā

オーン ヴィルーダカヤクシャーディパタイェー スヴァーハー

オーン。薬叉の主なるヴィルーダカよ。スヴァーハー。
広目天 オン・ビロバクシャ・ナカヂハタエイ・ソワカ oṃ virūpākṣa-nāgādhipataye svāhā

オーン ヴィルーパークシャ ナーガーディパタイェー スヴァーハー

オーン。龍族の主なるヴィルーパークシャよ。スヴァーハー。
四天王総呪 オン・ア・ウン・ラ・ケン・ソワカ oṃ a hūm ra khaṃ svāhā

オーン ア フーン ラ カン スヴァーハー

オーン。ア。フーン。ラ。カン。スヴァーハー。
オン・ザンバラ・シャレンダラヤ・ソワカ(陀羅尼集経十一) oṃ jaṃbhāra jalendrāya svāhā

オーン ジャンバーラ ジャレンドラーヤ スヴァーハー

オーン。鬼神統べる。龍統べる王たちよ。スヴァーハー。
弁才天 オン・ソラサバタエイ・ソワカ oṃ sarasvatye svāhā

オーン サラスヴァティェー スヴァーハー

オーン。サラスヴァティー女神に。スヴァーハー。
吉祥天 オン・マカシリエイ・ソワカ Oṃ mahā-śriye svāhā

オーン マハーシュリイェー スヴァハー

オーン。大ラクシュミー女神に。スヴァーハー。
摩利支天 オン・アニチヤ・マリシエイ・ソワカ oṃ ādityāya marīciye svāhā

オーン アーディティヤーヤ マリーチイェー スヴァーハー

オーン。アーディティヤ[注 54] よ。マリーチー天女よ。スヴァーハー。
心真言:ノウマク・サマンダ・ボダナン・オン・マリシエイ・ソワカ namaḥ samanta-buddhānāṃ oṃ marīciye svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン オーン マリーチイェー スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。オーン。マリーチー天女よ。スヴァーハー。
大黒天 オン・マカキャラヤ・ソワカ oṃ mahā kālāya svāhā

オーン マハーカーラーヤ スヴァーハー

オーン。マハーカーラ(シヴァ)神よ。スヴァーハー。
聖天、(歓喜天、毘那耶迦、誐那缽底) 毘那耶迦:オン・キリク・ギャクン・ウン・ソワカ oṃ hrīḥ gaḥ hūṃ svāhā

オーン フリーヒ ガハ フーン スヴァーハー

オーン。フリーヒ(観音)。ガハ(毘那耶迦)。フーン。スヴァーハー。
韋駄天 オン・イダテイタ・モコテイタ・ソワカ oṃ vidhati mahāghota svāhā

オーン ヴィダティ マハーゴータ スヴァーハー

オーン。奉れ。大威容尊よ。スヴァーハー。
倶摩羅天 オン・バザラケンダ・ソワカ oṃ vajraghaṇṭā svāhā

オーン ヴァジュラガンター スヴァーハー

オーン。金剛鈴よ。スヴァーハー。
大自在天 オン・マケイシバラヤ・ソワカ oṃ maheśvarāya svāhā

オーン マヘーッシュヴァラーヤ スヴァーハー

オーン。マヘーシュヴァラ(シヴァ)神よ。スヴァーハー。
迦楼羅天 オン・ギャロダヤ・ソワカ oṃ garudaya svāhā

オーン ガルダヤ スヴァーハー

オーン。ガルダよ。スヴァーハー。
オン・キシハ・ソワカ・オン・ハキシャ・ソワカ oṃ kṣipa svāhā oṃ pakṣi svāhā

オーン クシパ スヴァーハー オーン パクシ スヴァーハー

オーン。搏撃する者よ。スヴァーハー。オーン。翼ある者よ。スヴァーハー。
緊那羅天 オン・カサナン・ビカサナン・ソワカ oṃ hasanāṃ vihasanāṃ svāhā

オーン ハサナーン ヴィハサナーン スヴァーハー

オーン。笑ある者よ。哄笑ある者よ。スヴァーハー。
乾闥婆天 オン・ビシュダ・サバラ・バケイニ・ソワカ oṃ viśuddha-svara-vāhini svāhā

オーン ヴィシュッダスヴぁラヴァーヒニ スヴァーハー

オーン。清浄なる音を運ぶ者よ。スヴァーハー。
訶梨帝母 オン・ドドマリ・カキテイ・ソワカ oṃ dudumāli hārite svāhā

オーン ドゥドゥマーリ ハーリテー スヴァーハー

オーン。青鬘の首飾りせるハーリティーよ。スヴァーハー。
妙見菩薩 オン・ソヂリシュタ・ソワカ

オン・スネリ・スネリ・チッタ・ソワカ

オン・マカリシエイ・ジリベイ・ソワカ

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その他諸尊

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諸尊 真言 サンスクリット語
難陀竜王 ノウマク・サマンダ・ボダナン・ナンドハナンド・ソワカ namaḥ samanta-buddhānāṃ nandopanandayoḥ svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン ナンドーパナンダヨーホ スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。難陀と抜難陀よ。スヴァーハー。
ノウマク・サマンダ・ボダナン・ナンダヤ・ソワカ namaḥ samanta-buddhānāṃ nandāya svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン ナンダーヤ スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。難陀よ。スヴァーハー。
烏波難陀竜王 ノウマク・サマンダ・ボダナン・ウハナンダエイ・ソワカ namaḥ samanta-buddhānāṃ nandopanandaya svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン ウパナンダーヤ スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。烏波難陀よ。スヴァーハー。
諸龍 ノウマク・サマンダ・ボダナン・メイギャシャニエイ・ソワカ namaḥ samanta-buddhānāṃ megha-aśanāya svāhā

ナマハ サマンタブッダーナーン メーガーシャナーヤ スヴァーハー

帰命したてまつる。あまねき諸仏に。雲を噉食する者よ。スヴァーハー。
諸天総呪 オン・ロキャロキャ・キャラヤ・ソワカ oṃ lokālola-kārāya svāhā

オーン ローカーローカカーラーヤ スヴァーハー

オーン。世間、非世間の創造主よ。スヴァーハー。
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脚注

参考文献

関連項目

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