憲法審査会

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憲法審査会(けんぽうしんさかい)は、日本の国会に設置されている機関であり、日本国憲法およびこれに密接に関連する基本法制について広範かつ総合的な調査を行うとともに、憲法改正原案等の審査を行う。衆議院および参議院にそれぞれ設置されている。

国会法第102条の6の規定に基づき設置される機関で、2007年(平成19年)の国会法改正により設置された[1]

概要

憲法審査会は、日本国憲法およびこれに密接に関連する基本法制について調査を行うとともに、憲法改正原案、日本国憲法の改正の発議に関する事項および日本国憲法の改正手続に関する法律案等の審査を行う機関である[2]

憲法審査会は、2000年(平成12年)に設置された憲法調査会を前身とする。憲法調査会は、日本国憲法について広範な調査を行うため第147回国会において衆議院および参議院に設置された機関であり、約5年間にわたり憲法に関する調査および研究を行った[3]

また、憲法改正の手続を定める制度の整備を検討するため、2005年(平成17年)の第163回国会において衆議院に日本国憲法に関する調査特別委員会(いわゆる憲法調査特別委員会)が設置された。同委員会では憲法改正国民投票制度に関する法案の審査などが行われた[4]。参議院においても、2007年(平成19年)に憲法調査特別委員会が設置され、同年中に両院において憲法改正国民投票法案が可決した。[5]

その後、日本国憲法の改正手続を定める日本国憲法の改正手続に関する法律(いわゆる国民投票法)の成立に伴い、2007年(平成19年)の国会法改正によって憲法審査会が設置され、憲法調査会は廃止された。

所管事項

国会法第102条の6及び7の規定に基づき、憲法審査会は次の事項を所管する。

  • 日本国憲法およびこれに密接に関連する基本法制に関する調査
  • 憲法改正原案の審査
  • 日本国憲法の改正の発議に関する事項の審査
  • 日本国憲法の改正手続に関する法律案等の審査
  • 憲法改正原案及び日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案の提出

委員

委員は各会派の所属議員の比率により、議院運営委員会において決定される。(衆議院憲法審査会規程3条の2[6]・参議院憲法審査会規程3条の2[7]

衆議院憲法審査会の員数は50人で組織され(衆議院憲法審査会規程2条)、会長1名、幹事数名が選出または指名される(衆議院憲法審査会規程4条及び6条)。

参議院憲法審査会の員数は45人で組織され(参議院憲法審査会規程2条)、会長1名、幹事数名が選出または指名される(参議院憲法審査会規程4条及び6条・参議院規則31条の2から4[8])。

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歴史

1956年、内閣の機関として初めて憲法調査会が設置され、足掛け9年の調査が行われ、池田勇人が首相であった1964年に「憲法調査報告書」を国会提出した[11]。これは憲法の各章に関する論点や、各論点に対する対立意見を纏めたものであり、本文1,200頁、付属文書4,300頁に及ぶ膨大な調査報告書であった。しかしながら改正手続は進捗しないまま[注釈 1][注釈 2]、調査会は1965年6月3日、第1次佐藤内閣の下で解散に至った。

1999年、衆議院と参議院の両院に、日本国憲法について広範かつ総合的に調査を行う目的で、衆議院憲法調査会、参議院憲法調査会が置かれた。両会はおおむね5年毎に報告書を公表することとされていた。

(報告書)

第2条 憲法調査会は、前条の調査を終えたときは、調査の経過及び結果を記載した報告書を作成し、会長からこれを議長に提出するものとする。

2 憲法調査会は、調査の経過を記載した中間報告書を作成し、会長からこれを議長に提出することができる。

3 議長は、第一項の報告書及び前項の中間報告書を印刷して、各議員に配付する。衆議院憲法調査会規程、参議院憲法調査会規程

2005年提出の衆議院憲法調査会報告書が最後の報告書となっている。

憲法審査会は、2007年(平成19年)8月7日第167回国会から国会法改正法が施行されたことから、上記各憲法調査会の後継機関として規定された(ただし、報告書の提出は義務付けられておらず、上述第2条は規程から削除されている)。日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行い、憲法改正原案、日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案等を審査するため、各議院に憲法審査会を置くこと(国会法第102条の6)、国会法第68条の2に基づく両院の議員による改正の発議に加えて、同審査会も憲法改正の発議又は国民投票に関する法案の提出が可能であること(国会法第102条の7)が規定されている。

ただ、当時の審査会は法律上のみの存在であった。審査会の組織・手続の詳細を定める「衆議院憲法審査会規程」は2009年(平成21年)6月11日に衆議院自民・公明の与党の賛成多数でようやく制定され、「参議院憲法調査会規程」は2011年(平成23年)5月18日に参議院民主・自民・公明・みんななどの賛成多数でようやく制定された。

その後も両院とも、審査会の会長・委員が選出されない休眠状態が続いた。2009年(平成21年)の民主党への政権交代以降、鳩山政権菅政権時代の国会でもまた、憲法審査会の始動に向けた進展はなかった。実際に、憲法改正原案についての審議が可能となったのは、国民投票法が施行された2010年(平成22年)5月18日であるが、完全施行に至っても、審査会は事実上存在しない状況であった[12]

野田政権発足後の2011年(平成23年)10月21日に会長・幹事・委員が選任されて始動した。11月17日、衆院憲法審査会が開催された。参考人として元衆院憲法調査会会長・中山太郎改憲論議の推進を表明し、各党が意見表明をした。同年11月28日、参院憲法審査会が開催された[注釈 3]。参考人として元参院憲法調査会会長・関谷勝嗣改憲手続法の制定経緯などを説明し、各党が意見表明をした。

脚注

関連項目

外部リンク

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