放映権 (サッカー)

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本項では、サッカー中継における放映権について記す。

テレビ中継

日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)におけるテレビ・ラジオの放送媒体での中継は、Jリーグが一括して管理と中継を行う放送局を決める。なお、Jリーグでは放映権の契約について「放送権契約」としている[1] が、本稿では便宜上「放映権」で統一して記す。

日本のプロ野球での放映権は各チームごとに行い、チームによってそれの収入の差が大きく、経営面での偏りも激しい。その点を踏まえ、Jリーグでは全国放送(衛星放送含む)、ローカル放送ともにチームごとの契約ではなく、Jリーグが一括して放送局と交渉して中継カードを決定し、実況放送局が支払う放送権料を各チームの収入に均等に割り当てるようにしている。このような方式は北米4大プロスポーツリーグ、特にNFLを参考にしたものである。

2001年まで

Jリーグ発足当初の1993年から1995年辺りまではNHK民間放送がほぼ均一に編成し、全国放送やゴールデンタイムの中継も頻繁に行われた。しかし、1996年頃から同中継の視聴率が急激に低下したためにほとんどの放送局が中継から撤退した。そのため、全国放送の大半がNHKのBS-1(その後BS-hiも)で行われるようになり、民放でのデーゲーム、ゴールデンタイムでの中継数は大幅に減少した。

一方、CS放送では開幕から1996年まではスポーツ・アイ(後にスポーツ・アイ ESPN→現:J SPORTS)で全試合中継、1997年からはジュピター・プログラミング(現:ジュピターテレコム メディア事業部門)が獲得、1997年はCSN1ムービーチャンネル(現:ムービープラス)内で毎節1試合を生中継、1998年には傘下のスポーツ専門チャンネルJ-SPORTS(閉局後はJ SKY SPORTS(現:J SPORTS)に継承)で毎節数試合を放送すると共に、ディレクTV(「JリーグTV・イレブン」→「サッカーTV・イレブン」で放送)、2000年からはスカイパーフェクト・コミュニケーションズ(以下「スカパー」、現スカパーJSAT)にサブライセンス(放送はパーフェクト チョイス)して全試合中継が行われるようになった。

2002年 - 2006年

2002年、JリーグはNHK・TBS・J SKY SPORTSの3社と2006年までの5シーズンにわたる放映権契約を締結した。放映権料はヤマザキナビスコカップJリーグJOMOオールスターサッカー(後述)を含めて年間49億円。

NHKとTBSはそれぞれ毎節2〜3試合程度を中継するようになったが、編成の都合などから地上波での放送はごく限られた日数(月に1〜2試合程度 TBSは主としてローカル放送で、東京地区と一部を除く中継対戦カードの地元地域向け)しか行われず、BS(TBSは系列のBS-i(現:BS-TBS))、およびCS(2002年 - 2004年はJNNニュースバード(現・TBSニュースバード)、2005年からはTBSチャンネル)での放送が中心である。

J SPORTSはスカパー(パーフェクト チョイスで放送)と合わせてJ1・J2の全試合中継を行い、特にJ SPORTSは2005年からJ1全試合を放送(J2は毎節2試合放送)、スカパーは2006年からJ2全試合を生中継(J SPORTSでの放送分含む)している。

シーズン終盤の放送カードは直前になって決定されるが、生中継の放送カード優先権はNHK・TBS・J SPORTSの順となる。

2007年 - 2011年

2006年8月、スカパー・NHKTBSの3社と2007年から5年間にわたる放映権契約に合意した。放映権料は3社合計で50億円。

スカパーは優先放映権を確保、J1・J2全試合の生中継を行い、e2 by スカパー!(現:スカパー!e2)でも2007年10月よりJ1全試合生中継を開始したほか、J SPORTSにもサブライセンスを行い、J1については毎節1〜2試合をJ sports Plus→J SPORTS 4(一斉開催などでは4以外でも生中継される場合あり)で生中継、またJ sports 1→J SPORTS 1でJ1全試合、J2各節2試合の録画中継も継続される。

一方で、NHKとTBSはBSについては削減(各節1試合ずつが基本)、地上波のローカル放送は増加する。ただし、原則として開幕戦やダービーマッチを除くアウェー試合の中継は認められていない。一方、放映権交渉ではNHKからJリーグに対して放映権料減額の申し入れがあった、と報道されていた。

なお、インターネットサイト・ドガッチ(DOGATCH)では、全試合のハイライトを配信する。(J1・J2入れ替え戦全試合。Jリーグカップに関しては、予選リーグは好カードのみを、決勝ラウンドは全試合を配信する)

2012年 - 2016年

2012年に放映権契約が再更新され、スカパーJSATと5年契約を更新[1]。CS放送ではスカパーからのサブライセンス先としてSky・A Sports+が加わり、TBSチャンネル・J SPORTSを加えた放送体制となる。BSデジタル放送ではそれまでのBS-TBSによる無料放送からスカパー!e2による有料放送となり、BSスカパー!・J SPORTS 1・4で生中継を行う(スカパー!HD/SDとケーブルテレビは従来どおりCS利用)。

なお、NHKによる地上波放送・BS放送も継続されている。

2017年 -

2017年の放映権契約更新にあたっては、2016年7月20日にイギリスのデジタルメディア企業であるパフォーム・グループ(当時)が提供する動画配信サービス「DAZN」(ダゾーン)との間で「日本国内におけるインターネット・モバイル配信、IPTVサービス、有料サテライト放送、CATVなど」の放映権に関して10年間・総額約2100億円という大型契約を締結したことが発表された[2]。この契約では、DAZNではなくJリーグ(が契約した映像制作会社)が映像制作を行い、映像の著作権をJリーグが保有することで、試合映像をニュース番組等に二次利用しやすくする契約になっているという。なお、この放映権契約については記者会見の席上で村井満チェアマンが「有料放送に限定したもの」と説明しており、無料放送(地上波・BS)の放映権契約については別途契約交渉が行われる[3]。また2019年シーズン時点では地上波テレビでの中継については基本的に1チームにつきホームゲーム10試合まで認められており、この他北海道コンサドーレ札幌と浦和レッドダイヤモンズが特例で地上波中継数の増加が認められ広い北海道での関心を高めるべく認められた札幌ではホーム17試合中15試合で地上波中継が行われている[4]

なお、CS放送についてはDAZNとスカパーJSATなどとの間でサブライセンスに関する契約交渉が行われたが、スカパー!は2016年12月15日、「(パフォームとの)交渉成立に至らなかった」として2017年シーズンからのJリーグ中継を行わないことを公式発表[5] し、有料ライブ中継(配信)についてはDAZNに一本化されることがJリーグからもアナウンスされた[6]。なお、Jリーグと日本サッカー協会の共催となる天皇杯全日本サッカー選手権大会については2017年も引き続きスカパー!で中継されることが同時にアナウンスされている。

ラジオ放送

過去にJSLカップなど、国内の主要サッカー大会を放送した実績からニッポン放送が民間放送独占で中継権を保有し、2019年シーズンまでプロ野球のナイトゲーム開催が一切ない日を中心として、Jリーグ中継番組「Jリーグ RADIO」を展開していた(プロ野球のナイトゲームがあった場合も、Jリーグ中継が最後尾予備として編成されることがあった)。また以前は毎月1回程度、NHKラジオ第1放送でも中継されていたが、こちらも現在は終了済み。

2007年以降はFMラジオ放送においても、並列放送をすることが認められた。主に県域FMやコミュニティFMで放送されている。

その他(日本国内)

代表戦(日本国内)

海外サッカー

欧州サッカー

1990年代、ヨーロッパ各国ではそれまで安価で推移していたサッカーの放映権料が有料デジタル放送やペイ・パー・ビュー(PPV)の登場で人気のあるプロサッカーリーグを中心にして一気に暴騰した。 その影響は次第に全世界へと広まり、クラブの財政や選手の年俸に多大なる恩恵をもたらしたが、それと同時に「多額のお金を払わなければサッカー中継が視聴できない。」という負担を一般のサッカーファンに強いることとなった。ところが、あまりの高騰ぶりがテレビ局の破綻や視聴者のサッカー中継離れを呼び、2002/03シーズンを境に放映権料の価格は下降線を辿ることとなり、後にクラブの経営にまで大きな影響を及ぼすこととなった[22]

1970年代初頭、フランスのテレビ局は全国ネットのTF1アンテンヌ2、ローカル局のFR3があるのみで、スポーツ中継自体もラグビーとサッカーのフランス代表の試合、フランス杯の決勝戦、スポーツ情報番組ぐらいだった。

ところが、1980年代に入るとそんな状況が一変する。1982年にテレビ放送の規制緩和が始まり、1984年には有料の民放放送チャンネルであるカナル・プリュスが誕生した。その彼らの経営戦略のひとつにサッカー(フランス国内リーグ、プレミアリーグ、セリエA)の中継が組み込まれ、当時の最新技術を用いて週に数回程度で試合の生中継を開始した。さらに1987年にはTF1が民営化され、同時に新しい民放チャンネルM6が誕生した。そして、1996年に衛星放送ケーブルテレビが出現するとほぼヨーロッパ全域で放映権料が高騰する時代へと入っていった。

中でも、メディア王であるルパード・マードックが率いるニューズ・コープ傘下の有料放送局(BスカイBなど)、カナル・プリュスやイタリア国営放送のRAIといった地元の放送局などらが熾烈な放映権獲得の競争をおこなったために、最盛期にはセリエA(約4億8600万ユーロ)やリーガ・エスパニョーラ(約2億2800万ユーロ)、FAプレミアリーグ(約8億5300万ユーロ)、ブンデスリーガ(約1億4500万ユーロ)、リーグ・アン(約3億6600万ユーロ)などの人気プロリーグはもちろん、UEFAチャンピオンズリーグ(約8540万ユーロ)やFIFAワールドカップ(約1億6800万ユーロ)でさえも高額な放映権料が発生し、特にFAプレミアリーグの放映権料は1991年 - 2001年の間に約40倍へと伸びた[23]

ところが、こういったサッカー放映権料の高騰は一般の契約視聴者に高額な視聴料という形ではね返り、それに加えてサッカー中継があまりにも多過ぎたために供給過多へと陥って拍車をかけたために、とうとう2001年以降は放送局の経営そのものに関わるほどの深刻な人々のサッカー中継離れが起きた。そして、ついに2001年5月にFIFAワールドカップの放映権料などを一括に管理していたインターナショナル・スポーツ・アンド・レジャー(ISL)[24] が、2002年4月にはドイツの大手メディアグループであったキルヒ・メディア・グループ[25] などといった大手メディア企業が次々に倒産すると、欧州各国で放映権料の暴落が相次いで起こった。

しかし、収入の大部分を占める放映権料に頼っていたリーグやクラブ側は放送局が提示する値下げ案を到底受け入れることが出来ずに、放送局側との交渉は難航した。そのため、セリエAやリーガ・エスパニョーラではシーズン開幕や試合中継そのものが危うくなる事態にまで陥った[26]。また、名門の強豪クラブからは直接テレビ局と放映権契約を交わそうとする動きも一部で見られたが、それらは中小のクラブやリーグ側から大きな反発を受けた。

ただ、低迷する視聴率と一向に開幕や試合中継の目処が立たない現状では、クラブやリーグ側は放送局の要求を受け入れるしかなかった。その結果、中小のクラブはもちろん、ビッグクラブでさえも巨額の赤字を計上する事となり、深刻な所では選手や従業員への給料の未払いや経営破綻、身売りに追い込まれるクラブが経営規模の大小を問わず続出した。

2014-2015の放映権料[27]
リーグ総収益チーム最高額1チーム平均
プレミアリーグ19億9400万ユーロ(約2464億円)1億2400万ユーロ(約153億円)9970万ユーロ
セリエA8億3600万ユーロ(約1033億円)9400万ユーロ4180万ユーロ
ラ・リーガ7億7000万ユーロ(約951億円)1億6300万ユーロ(約201億円)3850万ユーロ
ブンデスリーガ5億8200万ユーロ(約719億円)5100万ユーロ3233万ユーロ

海外サッカー(日本国内)

脚注

関連項目

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