ジャパンコンソーシアム
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ジャパンコンソーシアム(英語: Japan Consortium)は、日本国内外で行われる世界的なスポーツイベントにおいて、日本放送協会(NHK)と日本民間放送連盟(民放連)加盟各社が共同制作する放送機構。
オリンピック・ FIFAワールドカップなどで結成事例がある。NHKと民放連、および民放連加盟各社で構成されており、一部の後発局やコミュニティ放送は参加していない。略称は英称の頭文字から「JC」とされており、以下の本文では必要に応じて、片仮名表記と略称を併用する。
なお、本項目では、ジャパンコンソーシアムの枠組みによらない、NHKと特定の民間放送(民放)による個別の共同制作の事例(パラリンピックなど)については言及しないので、各項目を参照のこと。
設立の背景
1952年のヘルシンキオリンピックなど、以前から夏季オリンピックはNHKと民放連が設立したJSNP(ジャパン・サテライト・ニュース・プール)が共同で中継を行っていたが、1980年のモスクワ大会では全国朝日放送(現・テレビ朝日)が単独で放映権を獲得した[注釈 1][注釈 2]ことが波紋を呼んだ[注釈 3][2]。これをきっかけに放映権料の互助負担と、過度な値上がりの抑制や共同取材を目的として[3]、1984年より共同取材組織の「ジャパンプール」(Japan Pool、共同製作機構)が、NHKと民間放送が系列の枠組みを超えて日本国内における夏季オリンピックの中継放映(放送)権を獲得した。なお1996年のアトランタオリンピック以降は、海外スポーツ中継専門の共同取材組織「ジャパンコンソーシアム」を結成している。なおジャパンプールは、天皇・内閣総理大臣・国務大臣の海外訪問や主要国首脳会議等で、海外共同取材を行う際に結成される組織である[4][5]。
その後、1998年の長野大会から冬季オリンピック[6]、2002年の日韓大会からFIFAワールドカップも、それまでのNHKによる独占中継からジャパンコンソーシアムによる共同放送へ移行した。この背景には現地のスタッフ不足を補完する目的のほか、近年の放映権料高騰がある。しかし、1984年のサラエボオリンピック(冬季)以降、世界的に放映権料は増加の一途をたどり[7]、2010・2012年の2大会分の放送権買い上げの交渉の際にジャパンコンソーシアムのメンバーから「『買わない』という選択肢もあるのではないか」という意見もあったという[8]。またアジア太平洋放送連合(ABU)では1996年の香港総会で、スポーツの放映権高騰に懸念を示し「スポーツ放送権高騰問題についての声明」を決議している。
なお、ラジオの冬季オリンピック中継については、かつては民放ラジオ局も中継を行っていたが、前述の長野大会を除き、現在はNHKのみとなっており[注釈 4]、実況もすべてNHKのアナウンサーが担当している。テレビ中継とは異なり各競技ごとの解説者を置かない場合もある。2006年のトリノオリンピックでは、一部テレビの実況音源を2次利用していた。放送は東京のNHKラジオセンター131スタジオと現地を直接結んで行われる。
また、NHKラジオ第1放送でのFIFAワールドカップ中継はジャパンコンソーシアムの中継を受けず、NHKが独自に制作・放送している。東京の131スタジオで現地の国際映像を見ながらアナウンサーと解説者が実況する(オフチューブ形式)。
放映権料
有料放送権は含まず。2010年以降は、テレビ・ラジオ放送権の他にインターネット・携帯電話などへの配信権も含む。
| 季節 | 開催年 | 大会 | 放映権料 | 取得者 |
|---|---|---|---|---|
| 夏季 | 1960年 | ローマオリンピック | 5万ドル(1,800万円) | NHK |
| 1964年 | 東京オリンピック | 50万ドル(1.8億円) | ||
| 1968年 | メキシコシティオリンピック | 60万ドル(2.2億円) | ||
| 冬季 | 1972年 | 札幌オリンピック | 53万ドル(1.9億円)[10] | |
| 夏季 | ミュンヘンオリンピック | 105万ドル(3.8億円) | ||
| 1976年 | モントリオールオリンピック | 130万ドル(3.9億円) | JSNP[2] | |
| 1980年 | モスクワオリンピック | 850万ドル(18.7億円) | 全国朝日放送 | |
| 1984年 | ロサンゼルスオリンピック | 1,850万ドル(46.3億円) | ジャパンプール | |
| 1988年 | ソウルオリンピック | 5,000万ドル(77.5億円) | ||
| 1992年 | バルセロナオリンピック | 5,750万ドル(88億円) | ||
| 冬季 | 1994年 | リレハンメルオリンピック | 1,270万ドル[11] | NHK |
| 夏季 | 1996年 | アトランタオリンピック | 9,950万ドル(104.5億円) | ジャパンコンソーシアム |
| 冬季 | 1998年 | 長野オリンピック | 3,700万ドル(39億円)[11] | |
| 夏季 | 2000年 | シドニーオリンピック | 1億3,500万ドル(142.7億円) | |
| 冬季 | 2002年 | ソルトレイクシティオリンピック | 3,700万ドル[12](49億4000万円[13]) | |
| 夏季 | 2004年 | アテネオリンピック | 1億5,500万ドル(170.5億円) | |
| 冬季 | 2006年 | トリノオリンピック | 45億3,000万円[13] | |
| 夏季 | 2008年 | 北京オリンピック | 1億8,000万ドル(198億円[14]) | |
| 冬季 | 2010年 | バンクーバーオリンピック | 325億円[15](日本円建て) | |
| 夏季 | 2012年 | ロンドンオリンピック | ||
| 冬季 | 2014年 | ソチオリンピック | 360億円(日本円建て)[16] | |
| 夏季 | 2016年 | リオデジャネイロオリンピック | ||
| 冬季 | 2018年 | 平昌オリンピック | 660億円(日本円建て)[17] | |
| 夏季 | 2020年 | 東京オリンピック | ||
| 冬季 | 2022年 | 北京オリンピック | 440億円(日本円建て)[17] | |
| 夏季 | 2024年 | パリオリンピック | ||
| 冬季 | 2026年 | ミラノ・コルティナダンペッツォオリンピック | 475億円(日本円建て)[18] | |
| 夏季 | 2028年 | ロサンゼルスオリンピック | ||
| 冬季 | 2030年 | フランスアルプスオリンピック | 500億円(日本円建て)[18] | |
| 夏季 | 2032年 | ブリスベンオリンピック |
- 備考
- オリンピックの放映権は、国際オリンピック委員会からジャパンコンソーシアムが冬季・夏季の2大会ごとに直接購入している。かつては2000年のシドニーオリンピックから2008年の北京オリンピックまでの冬季オリンピックを含む5大会分を一括で購入しており、5億4550万ドル(当時のレートで約650億円)であった。
- なお放映権料の負担割合は、1976年のモントリオールオリンピックではNHKが86.7%、日本民間放送連盟が13.3%で、1988年のソウルオリンピックから2000年のシドニーオリンピックではNHKが80%、日本民間放送連盟が20%[19]。また2004年のアテネオリンピックではNHKが75%、日本民間放送連盟が25%であった。しかし一連のNHKの不祥事を理由としたNHK受信料不払い世帯の増加による減収と、以前からNHKの負担割合が大きすぎるのではないかとの議論があったことから、2006年のトリノオリンピック以降はNHKが70%、日本民間放送連盟が30%となっている。
| 開催年 | 大会 | 放映権料 (推定額・日本円換算) | 取得者 |
|---|---|---|---|
| 1970年 | メキシコ大会 | 東京12チャンネル(現・テレビ東京) | |
| 1974年 | 西ドイツ大会 | 940万円 | |
| 1978年 | アルゼンチン大会 | 1,600万円[20] | NHK |
| 1982年 | スペイン大会 | 2,900万円[20] | |
| 1986年 | メキシコ大会 | 3,100万円[20] | |
| 1990年 | イタリア大会 | 6億円[21] | |
| 1994年 | アメリカ大会 | ||
| 1998年 | フランス大会 | 5億5,000万円[12] | |
| 2002年 | 日韓大会 | 65億円(40試合 無料放送権) 120億円(64試合 有料放送権)[12] | ジャパンコンソーシアム(無料放送権) スカイパーフェクト コミュニケーションズ(有料放送権) |
| 2006年 | ドイツ大会 | 160億円 | ジャパンコンソーシアム・ スカイパーフェクト コミュニケーションズ |
| 2010年 | 南アフリカ大会 | 200億円 | |
| 2014年 | ブラジル大会 | 400億円(64試合 無料放送権) | ジャパンコンソーシアム |
| 2018年 | ロシア大会 | 600億円[21](64試合 無料放送権・インターネット配信権) | |
| 2022年 | カタール大会 | 180億円[22]~200億円以上[23] | NHK・テレビ朝日・フジテレビジョン・ABEMA[24] |
| 2026年 | 北中米大会 | NHK・日本テレビ放送網・フジテレビジョン・DAZN[25] |
ワールドカップを含む国際サッカー連盟 (FIFA) 主催試合の放送権は、1978年から1998年まではアジア太平洋放送連合を介しており、FIFAとしても世界各国にサッカーを普及させたいという狙いから安価で購入できた[21][26]。しかし、自国開催となった2002年の日韓大会からは、当時ヨーロッパでは有料衛星放送での放映権争奪戦の影響でUEFAチャンピオンズリーグなどのサッカー放送権が急騰していたことにより、FIFAが放送権料収入を重視した入札制に転換[27]。そのため、日本の放送権料も、前大会と比べて約20倍に急騰した。また、2007年から2014年分までアジア地域向けの放映権(テレビ・ラジオ・ブロードバンド・インターネット・携帯電話)の販売をインターナショナル・スポーツ・アンド・レジャー(ISL)が独占契約したため[28]、Infront Sports & Media AGと電通の合弁会社であるFootball Media Services Pte. Ltd.を介して購入した。
1998年のフランス大会ではNHKが放映権を取得していたが、一部の試合に限ってニッポン放送にラジオ放送権のサブライセンスを与えたため、NRN系の民放ラジオ各局でも5試合の中継が行われた[29]。
なお、放映権料の負担割合は、2002年の日韓大会ではNHKが60%、日本民間放送連盟が40%である[12]。
中継の体制
ジャパンコンソーシアムの業務は、現地の関係各所への折衝、現地で借用する機材の調達、ホストブロードキャスターが制作した国際映像の分配、日本独自カメラの運用、国際伝送回線の調達・管理、各社の競技中継の割り当て変更の折衝、事務作業などが中心。
同じように「ジャパンコンソーシアム」を結成した場合でも、地理的条件などによって体制が異なることがある。
オリンピック中継
オリンピックのような総合競技大会では、実況を担当するアナウンサーには各競技についての一定以上の知識が要求されることもあって、アナウンサーの割り当てに際してはNHKと民放各局から派遣されたアナウンサーがそれまでの実況経験等を勘案して系列の枠組みに関係なく担当する競技を割り当てている。一方で各競技の放送は、種目ごとの偏りを防ぐために種目別ではなく放送日時ごとに割り当てているため、所属する系列とは異なる放送局のアナウンサーが実況する場合も多い。このこともあり番組フォーマットや言葉遣いの統一ルールがあったり、実況を担当する各アナウンサーの所属放送局は一切出さないことになっている[注釈 5]。なお、実況に関しては後述の問題や批判も度々発生している。
JCとしての合同スタッフとは別に、各放送局はそれぞれに、番組の進行や競技解説を担当するアナウンサーや専門解説者を現地会場の国際放送センターに派遣したり、東京のスタジオに待機させたりしている。NHKの場合、2012年のロンドン、2016年のリオ五輪では、現地の競技時間に合わせて解説を担当する2-3名程度のアナウンサーを国際放送センターに派遣。これとは別に、ゴールデン・プライムタイムのハイライトやBS1の全種目生中継に対応するための東京のスタジオ担当アナ数名が交代で出演している[注釈 6]。[注釈 7]
全国独立放送協議会加盟のテレビ局も日本民間放送連盟の一員であることから、ジャパンコンソーシアムに加盟している。これらの放送局では、原則としてキー局と同じ時間帯に並立放送を行い(CMもスポンサードネット扱いで放送)、キー局のうち1枠または2枠を選択して放送している(ただし、1980年代までは並立放送の枠がかなり多かった)。どのキー局をネットするかについては特に定まっておらず、放送時間や制作を担当する放送局との兼ね合いからその都度決定される。
ただし、2008年の北京オリンピックは近畿地区(KBS京都・サンテレビ・びわ湖放送・奈良テレビ放送・テレビ和歌山)のみ朝日放送の全国高校野球選手権大会中継をリレー中継しているため、準々決勝以降の放送日へ移動している。これは平日と日曜日は11:40から14:10まで高校野球中継を中断し、テレビ朝日制作番組や各局の自社制作番組を優先放送しているため(土曜は11:45から12:00の「ANNニュース」が中断されるのみ)。
2002年(ソルトレークシティオリンピック)以降、オリンピック中継はBSデジタル放送でも放送しているが、2010年(バンクーバーオリンピック)以降、日本民間放送連盟に加盟している地上波民放系BS5局では地上波の放送後に撮って出し方式で遅れ放送している。
2008年(北京オリンピック)以降は、テレビで放送されない競技をライブストリーミングで無料配信するようになり、多くの競技がリアルタイムで視聴可能となった(前述のとおり実況音声は一切入らず、現地音声のみ)。
2021年(東京2020オリンピック)では視聴者の利便性を図る目的で特定日に行われる競技を1つの民放テレビ局(系列)に集中させ、ハイライト番組を含め、朝から深夜2時までのほぼ終日放送させる試みが行われた。具体的には、毎日早朝から深夜・翌日未明までの16時間以上に渡る長時間大型放送日を各放送局ごとに割り当てて、当日の日本選手や、注目選手、種目をまとめて生放送する他、『東京五輪プレミアム』と銘打った放送日付上当日の全種目のハイライト中継も行った[30][31]。また、地上波民放系のBS4K5局でも一部の競技を4K画質にて生中継を行い、2022年の北京オリンピックでも同様の措置が行われた[32][33]。
なお、NHKや民放連に加盟していないテレビ局がジャパンコンソーシアムからサブライセンスを得た上で一部の競技中継を放送するケースもある[34]。2016年のリオデジャネイロオリンピック以降[注釈 8]はケーブルテレビ局のジュピターテレコム(J:COM)が[34]、2021年の東京オリンピック以降[注釈 9]ではグリーンチャンネルが[35][36]、それぞれJCからサブライセンスを得て、一部競技の無料放送を実施した[注釈 10]。
民放ラジオでは2008年の北京オリンピックまで一部の競技[注釈 11] で全局同時実況中継を実施していたが、2012年のロンドンオリンピックでは全局同時実況中継がなくなり、実況中継の放送は各局の判断(任意ネット)となった。そのため、ロンドンオリンピックは実況中継は在京局中心の放送となり、多くの放送局では全局へ配信される民放ラジオ統一番組[注釈 12] を除き放送しなくなった[37]。この体制は2016年のリオデジャネイロオリンピックも同様である[38]。2021年に行われた東京2020オリンピックでは男子マラソンの実況中継を民放ラジオ全99局が同時放送を行い、13年ぶりにオリンピックの全局同時実況中継が復活することになった[39]。
なお、NHKにおけるラジオ中継は、夏季大会はテレビと同じく現地に派遣されたNHK・民放のアナウンサー・解説者の連合チームで担当しているが、冬季はNHK独自の放送となっており、自国開催で夏季と同様の民放との合同体制である1972年札幌オリンピックと1998年長野オリンピックを除き、アナウンサー、解説者はJCとは別に派遣されたラジオ専従のスタッフが担当する。2022年北京冬季五輪では、一部の種目では、総合テレビのハイライト出演の都合により、実況者だけを現地に出向かせて、専門解説者は東京のスタジオからのカラ出張出演となった例[注釈 13]があった。
2024年パリ夏季五輪は、放映権料高騰により、民放ラジオ局での放送、及びジャパンコンソーシアムへのスタッフ派遣はされない事となり、NHKでの単独放送となった。
なお、オリンピックと並行して開催され、同じオリンピック放送機構 (OBS) が製作しているパラリンピックについては放映権が異なるため、ジャパンコンソーシアムとは別の放送事業者が獲得しており、2008年の北京パラリンピックから2016年のリオデジャネイロパラリンピックまで[注釈 14]はスカパーJSATが放映権を獲得し、専門チャンネルやBSスカパー!などで競技中継を放送した[40]。2018年の平昌パラリンピックから2024年のパリパラリンピックまではNHKが日本国内における全てのメディア放映権を独占で獲得している[41]。この様な事情から、民放などといった、NHK・スカパー!以外の放送局において同大会が放映されることは長らくなかったが、2021年の東京2020パラリンピックではJ:COM(現・JCOM)[42]とグリーンチャンネル[43]に加え、民放連加盟各局もNHKからサブライセンスを獲得した上で各キー局が1種目ずつ番組を制作して放送した[44][45]。2024年のパリパラリンピックでもグリーンチャンネルとJCOMがNHKからサブライセンスを獲得した上で一部の競技中継を放映するほか、国際パラリンピック委員会(IPC)も独自にYouTubeにおいて、全競技のライブ中継を行った[46][47][48]。2026年のミラノ・コルティナダンペッツォパラリンピックはJCOMとJ SPORTSがNHKからサブライセンスを獲得した上で一部の競技中継を放映する予定[49]。
FIFAワールドカップ中継
2002年日韓大会以降のFIFAワールドカップ中継では、前もって試合ごとに中継する系列が割り当てられており、映像は各局とも国際映像を使用するが、実況・解説は地上波で担当する系列局が派遣したアナウンサー・解説者が行っている[注釈 15]。また、各局がダイジェスト番組を放送する場合も実況の差し替えは行わず、中継時のアナウンスをそのまま使用するのが基本となっている[注釈 16]。また、ニュースなどで実況映像を使用する場合、中継時の実況音声[注釈 17] を使うか、実況の差し替えを行うかは、各放送局の判断にまかされている。
オリンピック中継における放送局ごとの中継分担は原則としてNHKと民放の話し合いのみで決めるが、FIFAワールドカップ中継では、まずNHKと民放の話し合いで分担を決めた後、民放ではキー局がくじ引きで決められた順番に、希望する試合を選択する[注釈 18]。
なお、2002年の民放によるFIFAワールドカップ中継は、一部を除き地上波と系列BS局が同時放送(但し、出演者は異なる)していたが、2006年大会以降は地上波での放送後に系列BS局が時差放送している。
ラジオ放送については民放はテレビとは異なり全局共通の内容であるが、NHKはJCの実況は使わず解説部分をオフチューブで現地の映像を見ながら東京のスタジオで差し替えている。 またワールドカップについて民放では、スポーツ中継の経験が豊富なTBSラジオ・文化放送・ニッポン放送の三社が持ち回りでラジオ実況の制作本部をつとめ、制作本部となった放送局で番組を制作し、民放ラジオ局各局へ伝送される。なお実況にあたっては、民放テレビ中継の幹事社が提供した中継映像を見ながらオフチューブで行われる[50]。
2014 FIFAワールドカップでは、ホストブロードキャスターが制作した複数の国際映像と、日本独自カメラの映像(ジャパンコンソーシアム手配)が、国際放送センターに設置されているジャパンコンソーシアムのブース内の日本放送協会(NHK)・日本民間放送連盟(民放連 在京キー局各社からの応援スタッフで構成)・日本テレビ放送網・テレビ朝日・TBSテレビ・テレビ東京・フジテレビジョンの各社の部屋に送られる。そこで各社は、会場内のスタジオ・各国共用の中継スペースからの映像や町中からのレポート(いずれも各社手配)の映像・音声などを加えて編集。日本への伝送は、NHK・民放連はNHK手配の回線で、民放各局はジャパンコンソーシアム手配の国際回線で行われ、各局は国内でさらに編集を加えて放送する。なお民放ラジオ放送では、民放テレビ中継の幹事局 テレビ朝日が制作した映像を見ながら、制作本部である文化放送の第1スタジオで番組を制作し、文化放送から民放AM・FM各局に伝送した[50]。
2022 FIFAワールドカップでは放映権の高騰が顕在化し、FIFAの放映権窓口である電通とジャパンコンソーシアムとの放映権の交渉が難航[51]。その結果、日本テレビとTBS、テレビ東京が本大会の中継から撤退し[注釈 19]、NHK、テレビ朝日、フジテレビの3社に加え、動画配信を手がけるABEMAが放映権を取得(FIFAワールドカップ カタール2022 (ABEMA)参照)、FIFAワールドカップ中継におけるジャパンコンソーシアムの枠組みが崩れることになった。また、ラジオ放送についてもNHKが日本代表戦等一部試合を放送する形となり、従前のジャパンコンソーシアムによる民放共同制作が行われない事となった。
2026 FIFAワールドカップでもジャパンコンソーシアムの枠組みとはならず、電通が日本国内での放映権を確保した上で、NHKとフジテレビ、日本テレビが電通から放映権を購入して中継を行うことになった。また、スポーツ動画配信のDAZNが全ての試合をライブ配信することも発表された[25][54]。
尚、ラジオ放送については、文化放送が電通から放映権を獲得し、日本代表戦全試合を中継。一部NRN系列局にネットする形で放送を実施。ニッポン放送も第3戦目となるスウェーデン戦を中継する[55][56]。
協賛スポンサー・クロスネットなどの扱い
民放各局は、JC共通の協賛スポンサーが時間ごとに割り当てて番組提供を行う。一部の地方局などクロスネット局では、原則としてその時間に主として放送しているネット局の中継を放送するが、系列の違う後番組を考慮して中継しない場合もある。
またFIFAワールドカップで日本が出場する試合、夏季オリンピックで女子マラソンを民放が放映する場合[注釈 20]は、系列局の存在しない地域向けに系列の枠を超えて生中継することが通例となっている。そのため、広域圏を除き、民放が1局しかない四国放送とサガテレビでは、FIFAワールドカップで民放が放送する日本代表戦や女子マラソンはすべて放送している。なお、前述のとおり、2022 FIFAワールドカップではJCとして放送しないため、テレビ朝日系列・フジテレビ系列で放送する日本代表戦も通常のネット番組と同じ扱いとなり、放送を行わない地域が生じている[57][58]。
なお、中継では一部の例外を除き60秒以上のスポンサードであるため協賛社読み上げが行われる。また、深夜・早朝に行われる10分程度のハイライト番組(一部のスポーツニュース・情報番組への内包コーナー扱いも含む)についてもJC共通協賛社が日に3-4社程度(一部パーティシペーションで協賛表示なしのスポンサー有り)提供されているが、これらは30秒スポンサーで「ご覧のスポンサー」扱いとなる。
2021年の東京2020大会では、野球・ソフトボール競技の侍ジャパン出場試合でNHK R1と一部民放ラジオ局の並列放送が行われ、民放がNHKに合わせる形で競技放送中一切のCMを流さず、タイムスポンサーも設けなかった例もある。
加盟している放送局
テレビ
WOWOWは、かつては有料放送権を取得して有料放送を行っていた事もあったが、現在はジャパンコンソーシアムとしてノースクランブルで放送。デジタル放送ではノースクランブル(無料)放送のみ。アナログ放送(スカパー!の再送信を含む)は別番組に差し替え。BS11は2010年4月に、ブロードキャスト・サテライト・ディズニーとJ SPORTSは2012年5月に日本民間放送連盟へ準会員として加盟したが、現在のところJCには参加していない。
ラジオ
日本民間放送連盟加盟社で費用を分担している関係で、かつて民放ラジオ局では特定の試合や系列[注釈 25]ごとに指定した試合を、全国同時放送することを義務づけていた時期があった。 その後、注目度が高い競技・試合に限る、「民放ラジオ統一実況中継放送」として全国共通番組化される、国際映像・国際音声を使って日本国内で番組を制作する(オフチューブ)など、制作体制が大幅に縮小されたため[64]、放送の有無は各局の任意となっている[65]。 なお民放ラジオ統一番組(宣伝番組・リポート番組・ハイライト番組)については、毎日指定された時間帯の中で必ず放送することが義務付けられている。
- NHK
- 日本民間放送連盟加盟局 - TBSラジオ・文化放送・ニッポン放送・のいずれか1社が制作局となり、各ネットワーク・各局に配信する[65]。
ミュージックバードは民放連に加盟しているが、有料会員制放送であることに加え、一般受信機で聴くことができないため、JCに参加してはいない。なお、母体のTOKYO FMとJFN系列局が参加している。
過去に放送していた放送局
オリンピック担当アナウンサー
オリンピック中継においてはジャパン・サテライト・ニュース・プール (JSNC) →ジャパンプール (JP) →ジャパンコンソーシアム (JC) の枠組みで派遣されたアナウンサーに限って記す。
夏季
モスクワオリンピック(1980年)
ロサンゼルスオリンピック(1984年)
ソウルオリンピック(1988年)
バルセロナオリンピック(1992年)
アトランタオリンピック(1996年)
シドニーオリンピック(2000年)
アテネオリンピック(2004年)
北京オリンピック(2008年)
- テレビ中継担当
- ラジオ中継担当
ロンドンオリンピック(2012年)
リオデジャネイロオリンピック(2016年)
東京オリンピック(2021年)
- テレビ中継担当
- ラジオ中継担当
パリオリンピック(2024年)
- テレビ中継担当
出典:[69]
- NHK - 横井健吉(統括兼務)、曽根優、松野靖彦、太田雅英、宮田貴行、塚本貴之、筒井亮太郎、横山哲也、三輪洋雄、小宮山晃義、西阪太志、酒井良彦
- 日本テレビ - 山本紘之、山本健太
- テレビ朝日 - 清水俊輔、吉野真治、三上大樹
- TBS[注釈 28] - 土井敏之、伊藤隆佑、熊崎風斗
- テレビ東京 - 中川聡、板垣龍佑
- フジテレビ - 倉田大誠、中村光宏
- ラジオ中継担当
冬季
レークプラシッドオリンピック(1980年)
- テレビ中継担当
- NHK - 西田善夫、羽佐間正雄、草野仁
- ラジオ中継担当
- NHK - 土門正夫
サラエボオリンピック(1984年)
- テレビ中継担当
- NHK - 西田善夫、内藤勝人、羽佐間正雄、朝妻基祐
- ラジオ中継担当
- NHK - 土門正夫
カルガリーオリンピック(1988年)
- テレビ中継担当
- NHK - 西田善夫、山本浩、朝妻基祐、工藤三郎、杉林昇、羽佐間正雄
- ラジオ中継担当
- NHK - 島村俊治、三原渡
アルベールビルオリンピック(1992年)
- テレビ中継担当
- NHK - 工藤三郎、山本浩、杉林昇、島村俊治、西田善夫、小野塚康之、三原渡
- ラジオ中継担当
- NHK - 佐塚元章
リレハンメルオリンピック(1994年)
長野オリンピック(1998年)
- テレビ中継担当
- ラジオ中継担当
ソルトレークシティーオリンピック(2002年)
トリノオリンピック(2006年)
バンクーバーオリンピック(2010年)
ソチオリンピック(2014年)
- テレビ中継担当
- NHK[70] - 山口達也、竹林宏、冨坂和男、鳥海貴樹、坂梨哲士、曽根優
- 日本テレビ - 寺島淳司
- テレビ朝日 - 進藤潤耶
- TBSテレビ - 新夕悦男
- テレビ東京 - 島田弘久
- フジテレビ - 塩原恒夫
- ラジオ中継担当
- NHK - 杉澤僚、星野圭介
- ニッポン放送 -清水久嗣
平昌オリンピック(2018年)
北京オリンピック(2022年)
ミラノ・コルティナオリンピック(2026年)
- テレビ中継担当
出典:[71]
- NHK - 坂梨哲士(統括担当)、星野圭介、小野卓哉、筒井亮太郎、高木修平、横山哲也、三輪洋雄、小宮山晃義、清水敬亮、髙木優吾、高山大吾
- 日本テレビ - 田中毅、中野謙吾
- テレビ朝日 - 角澤照治(デスク担当)、大西洋平、山崎弘喜
- TBSテレビ - 熊崎風斗、南波雅俊
- テレビ東京 - 板垣龍佑
- フジテレビ - 中村光宏、立本信吾
- ラジオ中継担当
FIFAワールドカップ担当アナウンサー
ジャパンコンソーシアムを結成していない大会については割愛する。
日韓大会(2002年)
- ラジオ実況中継
- 民間放送はTBSラジオ[注釈 29] を制作本部とし[72]、グループリーグの日本戦3試合及び決勝戦を全101社で放送した。TBSラジオはそれらも含めて計17試合放送し、その他各局で適宜放送。なお、MegaNet加盟の外国語FM放送4社は英語放送を実施。
- テレビ中継
- 全64試合のうちJCが40試合を放送。NHKが24試合、民放が16試合を放送した[73]。このうち、注目度の高い日本戦はグループリーグ第1戦の対ベルギー戦がNHK、第2戦の対ロシア戦と第3戦の対チュニジア戦が民放に割り当てられ、日本テレビ・TBS・フジテレビ・テレビ朝日の在京キー局4局[注釈 18]による抽選を行った。その結果、本抽選で1番くじを引き当てたフジテレビがロシア戦を、2番くじを引いたテレビ朝日がチュニジア戦を中継した。この大会で日本は決勝トーナメントに進み、ラウンド16の対トルコ戦はNHKが中継した[74]。また、決勝はNHKが中継した[73]。
- 実況担当は対ベルギー戦が栗田晴行、対ロシア戦が長坂哲夫、対チュニジア戦が角澤照治、対トルコ戦が野地俊二。
- 民放での日本戦中継に関しては、系列局のない地域を含めた全国で放送が見られるように特例で系列外中継が認められ、ロシア戦はFNN系列28局の他山梨放送・四国放送(以上NNN系列)と青森テレビ・テレビ山口(以上JNN系列)、チュニジア戦はANN系列フルネット24局の他、クロスネット局である福井放送・テレビ宮崎、及び他系列の北日本放送・山梨放送・四国放送・高知放送(以上NNN系列)、山陰放送(JNN系列)、サガテレビ(FNN系列)で放送された。
- また中継に付随して、民放各系列局の持ち回りで毎日1時間程度、「ワールドカップデイリー/ウィークリーハイライト」が放映された。
- テレビ中継担当アナウンサー
- NHK - 栗田晴行、岩佐英治(ラジオも兼任)、内山俊哉(ラジオも兼任)、沖谷昇、野地俊二(ラジオも兼任)、町田右(ラジオも兼任)、山本浩
- 日本テレビ - 鈴木健、多昌博志、船越雅史
- テレビ朝日 - 角澤照治、田畑祐一
- TBSテレビ - 清水大輔、土井敏之
- フジテレビ - 長坂哲夫、青嶋達也
- テレビ東京 - 久保田光彦
- 記事内で判明している分のみ。
ドイツ大会(2006年)
- ラジオ実況中継
- 民間放送はTBSラジオ[注釈 29]を制作本部とし、日本戦3試合を日本民間放送連盟加盟の全AM局47社とラジオNIKKEI、FM局53社のうち49社が放送した[75]。
- テレビ中継
- この大会はJCが全64試合の放映権を獲得、このうち地上波では40試合(NHK・民放が各20試合ずつ)、地上波で放送されない試合はNHKのBS1・BSハイビジョンで放送された[76]。
- 日本代表のグループリーグは第1戦の対オーストラリア戦と第3戦の対ブラジル戦をNHKが[77]、第2戦の対クロアチア戦を民放が担当。日本テレビ・TBS・フジテレビ・テレビ朝日の4局がくじ引きによる抽選を行い、本抽選で1番くじを引き当てたテレビ朝日が中継を担当した[78]。
- 実況担当は対オーストラリア戦が栗田晴行、対クロアチア戦が角澤照治、対ブラジル戦が野地俊二。
- この大会でも前回同様の配慮が取られ、第2戦はANN系フルネット24局の他、ANNを含むクロスネット局である福井放送・テレビ宮崎に加え系列外の山梨放送・北日本放送・四国放送・高知放送・山陰放送・サガテレビで放送された。
- また、この大会は決勝戦が地上波では民放で放送され、フジテレビ系列で放送された[78](実況担当は青嶋達也)。
南アフリカ大会(2010年)
- ラジオ実況中継
- 民間放送はニッポン放送を制作本部とし、グループリーグの日本戦3試合を日本民間放送連盟加盟のAM局47社のうち41社とFM局53社のうち34社の計75社が放送した[79]。決勝トーナメント1回戦は元々「日本代表が勝ち進んだ場合には、在京5社のほか希望する全国のラジオ社で実況中継を行う予定」としていたこともあり、中継参加はAM局23社、FM局17社に留まった。
- なお、一部のラジオ局で試験的に実施している地上デジタル音声放送やIPサイマルラジオ「radiko」では、放送権の関係で放送・配信を行わない[80][81]。
- ラジオ中継担当アナウンサー
- NHK - 一橋忠之、太田雅英、塚本貴之、中村泰人、増田卓、横井健吉、吉松欣史
- TBSラジオ[注釈 29] - 清水大輔(対デンマーク戦、パラグアイ戦)
- 文化放送 - 長谷川太(対カメルーン戦)
- ニッポン放送 - 煙山光紀(対オランダ戦)
- テレビ中継
- ジャパンコンソーシアムは全64試合中44試合の放映権を獲得(残り20試合はJC非加盟のスカパー!による単独放送)。NHKと民放に各22試合ずつが割り当てられた。
- NHKでは原則として地上波の総合テレビで生放送するが、7月11日投開票の第22回参議院議員通常選挙と日程が重なったため、公職選挙法の順守と総合テレビで政見放送や開票速報の放送時間を確保する必要から、6月28日の決勝トーナメント1回戦「オランダ対スロバキア」と7月2日の準々決勝「オランダ対ブラジル」(以上いずれも前半のみ)、7月12日(7月11日深夜)の決勝戦「オランダ対スペイン」(試合全編)は教育テレビにて放送を行った。また、7月3日(7月2日深夜)の準々決勝「ウルグアイ対ガーナ」は放送時間が延びたため、6時以降は教育テレビでリレー放送された。
- 日本代表のグループリーグは第1戦の対カメルーン戦がNHKに、第2戦の対オランダ戦と第3戦の対デンマーク戦が民放に割り当てられた。
- 2009年12月14日、民放連で中継権に関する会議が行われ、中継料の負担割合(系列局の数による)により日本テレビ・TBSテレビ・フジテレビが5試合、テレビ朝日が4試合、テレビ東京が3試合の生放送を行うことが決まった。その後テレビ東京を除く4局で中継カードを選ぶ順番を決めるくじ引きが行われ、1番くじを引いたテレビ朝日が対オランダ戦を、2番くじを引いた日本テレビが対デンマーク戦を放送する事を決定。これによりテレビ朝日は3回連続、日本テレビは初めて日本戦を放送した[82]。この大会で日本は決勝トーナメントに進み、TBSテレビが決勝トーナメント1回戦の対パラグアイ戦を放送することになった[82]。TBSは先述の放映権会議でフジテレビに次ぐ4番くじだったが、フジテレビがグループリーグ屈指の好カードである「ブラジル対ポルトガル」を選択したため、TBSテレビは日本のグループリーグ突破時に日本戦となる可能性のある「グループE・2位対グループF・1位」の本カードを選択していた。TBSテレビはこの試合がワールドカップ本大会で初の日本戦中継となった[注釈 32]。
- 日本戦の実況担当は対カメルーン戦が野地俊二[注釈 33]、対オランダ戦が進藤潤耶、対デンマーク戦が鈴木健、対パラグアイ戦が土井敏之。
- この大会でも前回同様の配慮が取られ、第2戦はANN系フルネット24局の他、ANNを含むクロスネット局である福井放送・テレビ宮崎に加え系列外の山梨放送・北日本放送・山陰放送・四国放送・高知放送・サガテレビで生放送。第3戦はNNN系フルネット28局[注釈 34]の他、クロスネット局のテレビ大分、テレビ宮崎に加え系列外のサガテレビ、沖縄テレビで生放送した。決勝トーナメント1回戦はJNN系フルネット28局の他、系列外の秋田放送・福井放送・四国放送・サガテレビで生放送した。
- 独立UHF局にも日本戦以外のカードから1-2試合割り当てられるが、2010年4月に民放連に加盟したBS11では放送されなかった(ニュース映像のみ使用可能)。また、その他の民放BSは全て録画放送となった。
- テレビ中継担当アナウンサー
- NHK - 内山俊哉、杉澤僚(ラジオ兼任)、曽根優、田代純、野地俊二、町田右、松野靖彦(ラジオ兼任)
- 日本テレビ - 鈴木健、田辺研一郎
- TBSテレビ - 佐藤文康、土井敏之
- フジテレビ - 青嶋達也、西岡孝洋
- テレビ朝日 - 角澤照治、進藤潤耶、吉野真治
- テレビ東京 - 小島秀公、中川聡
ブラジル大会(2014年)
NHK・民放とも詳細な放送計画は2014年5月15日に発表された。
- ラジオ中継
- 民間放送は文化放送を制作本部とし、日本戦の全試合(決勝トーナメント進出時を含む)を73局が参加して同時放送する。ただし、放送しない試合がある局が存在するため、1回の同時放送は最大65局にとどまる[83]。また、日本戦以外は決勝戦のみを放送する。
- インターネットの再配信についてradiko.jpおよびNHKネットラジオ らじる★らじるにおいては配信を行うが、エリアフリー放送であるradiko.jpプレミアム、ドコデモFM、LISMO WAVEでの配信は行われない。
- テレビ中継
- スカパー! が中継料の高騰を理由に単独放映権の獲得を断念したことから、本大会は全64試合をJCで中継することになり[84]、NHK地上波と民放で32試合ずつ中継する[85]。NHK地上波では総合テレビ(一部はEテレとのリレー放送)で32試合を生中継する[86]。
- 日本代表のグループリーグは第1戦の対コートジボワール戦がNHKに、第2戦の対ギリシャ戦と第3戦の対コロンビア戦が民放に割り当てられた。
- 2013年12月18日、東京都内で中継権に関する会議が行われ、日本テレビ・TBSテレビ・フジテレビが各7試合、テレビ朝日が6試合、テレビ東京が5試合生中継を行うことが決まった。併せて中継カードを決める抽選が行われ、日本テレビが1番くじを引き当ててギリシャ戦の放映権を獲得。テレビ朝日が2番くじを引き当ててコロンビア戦の放映権を獲得した。日本テレビは2大会、テレビ朝日は4大会連続でW杯日本戦の中継を行う[87]。
- 日本戦の実況担当は、対コートジボワール戦が内山俊哉、対ギリシャ戦が田辺研一郎、対コロンビア戦が吉野真治。なお、内山俊哉は決勝戦(ドイツ対アルゼンチン)の実況も担当する。
- その他の試合では、決勝戦はNHKが[85][86]、開幕戦と3位決定戦はフジテレビが中継する[88]。
- この大会でも前回同様の配慮が取られ、第2戦はNNN系フルネット28局[注釈 34]の他、クロスネット局のテレビ大分、テレビ宮崎に加え系列外のサガテレビ、沖縄テレビで生放送され、第3戦はANN系フルネット24局の他、ANNを含むクロスネット局である福井放送・テレビ宮崎に加え系列外の山梨放送・北日本放送・山陰放送・四国放送・高知放送・サガテレビで生放送される。
- BSデジタル放送では、NHKがBS1で日本時間夕方から夜間にかけて全64試合を録画中継(日本対ギリシャ戦のみ生中継、一部時差放送を含む)を行う。一部の試合は東京で解説部分をオフチューブ収録したものを放送する[86]。民放BS局は、地上波キー局系列の5局とWOWOW(WOWOWライブ)で16試合を録画中継する。WOWOWの担当試合(2試合)も無料放送とする[89]。
- テレビ中継担当アナウンサー
- NHK - 野地俊二、内山俊哉、田代純(ラジオ兼任)、中村泰人(ラジオ兼任)、吉松欣史、鳥海貴樹、杉澤僚、曽根優、松野靖彦、杉岡英樹、横井健吉、増田卓、酒井博司(ラジオ兼任)、向井一弘(ラジオ兼任)、下境秀幸、稲垣秀人(ラジオ兼任)、一橋忠之(ラジオ兼任)
- 日本テレビ[90] - 鈴木健、寺島淳司、新谷保志、田辺研一郎、中野謙吾
- テレビ朝日[91] - 田畑祐一、進藤潤耶、吉野真治、寺川俊平
- TBSテレビ[92] - 土井敏之、佐藤文康、石井大裕(デスク業務のみ)
- テレビ東京[93] - 小島秀公、斉藤一也、中川聡
- フジテレビ[94] - 青嶋達也、森昭一郎、西岡孝洋、中村光宏
- 朝日放送- 高野純一
ロシア大会(2018年)
- ラジオ中継
民間放送は文化放送を制作本部とし、日本戦全試合(決勝トーナメント進出時を含む)と決勝戦を72局(放送を行わない試合が存在するので同時放送は最大71局)が参加して同時放送した。民放での日本代表戦について、19日に行われるグループリーグ初戦のコロンビア戦はTBSラジオ[注釈 29]、24日のセネガル戦は文化放送、28日のポーランド戦はニッポン放送が、それぞれ実況を担当。 ラジオ中継担当アナウンサー
- NHK - 下境秀幸、森田哲意
- TBSラジオ[注釈 29] - 佐藤文康(第1戦 対コロンビア テレビ兼務)
- 文化放送 - 長谷川太(決勝戦)、松島茂(第2戦 対セネガル、決勝トーナメント1回戦 対ベルギー)
- ニッポン放送 - 煙山光紀(第3戦 対ポーランド)
- テレビ中継
- 前回大会と同様に全64試合を地上波で生中継し、NHKと民放で32試合ずつ中継する[95][96]。
- NHKは開幕戦(ロシア対サウジアラビア戦)、日本代表のグループリーグ第1戦のコロンビア戦、決勝戦など32試合を総合テレビで生中継する(一部の試合は時間帯により総合テレビのサブチャンネルで放送)[97]。BS1では日本代表のグループリーグ第2戦のセネガル戦を生中継するとともに、全64試合の録画中継を行う[95][97]。
- 民放は「編成上の理由」としてテレビ東京が中継の参加を取りやめたため(ハイライト番組は放送)、日本テレビ・テレビ朝日・TBSテレビ・フジテレビがそれぞれ8試合ずつ放送する[96][98]。このうち、日本戦はグループリーグ第2戦のセネガル戦と第3戦のポーランド戦が割り当てられた。2017年12月15日に民放連で行われた抽選の結果、セネガル戦を1番くじを引いた日本テレビ(第1戦のコロンビア戦も翌朝ディレー放送)が[98]、ポーランド戦を2番くじのフジテレビが中継することとなった[99]。3番くじを引き民放での中継が始まった2002年大会以来初めて生放送での日本戦の中継を逃す事となったテレビ朝日は日本対セネガル戦の翌朝ディレー中継と、準決勝1試合と3位決定戦を放送する。
日本戦の実況担当は、対コロンビア戦と対ベルギー戦(決勝トーナメント)が鳥海貴樹、対セネガル戦が田辺研一郎、対ポーランド戦が西岡孝洋。なお、決勝戦のフランス対クロアチアは曽根優が担当する。
- 民放BSでは、日本対ポーランド戦のグループステージ第3戦をBSフジでディレー放送する以外は、NHK BS1の全試合完全録画中継実施のため行われない[100]。
第2戦はNNN系フルネット28局[注釈 34]の他、FNNを含むクロスネット局のテレビ大分、テレビ宮崎と系列外のサガテレビ、沖縄テレビで生放送され、第3戦はFNN系フルネット26局の他、NNNを含むクロスネット局であるテレビ大分・テレビ宮崎と系列外の青森テレビ・山梨放送・テレビ山口・四国放送で生放送された。
- テレビ中継担当アナウンサー
問題点
実況
ジャパンコンソーシアムが関与しているスポーツ中継においては、民放が放送する中継でNHKのアナウンサーが実況したり、NHKが放送する中継で民放のアナウンサーが実況するケースもあるため、特に日本選手が出場している競技では絶叫スタイルで放送することの多い民放アナウンサーによる放送内容に対して、NHKや放送倫理・番組向上機構(BPO)に苦情が寄せられることも少なくない。また、この制度を知らない一部のマスコミが実況に関して、誤った報道をした事例もある。
一例として、前者の事例では日本テレビとNHK衛星第1テレビジョンが生放送した2000年のシドニーオリンピックのサッカー競技(生放送)において、日本代表の初戦で日本テレビアナウンサー(当時)の船越雅史が実況を担当したが、日本が得点を挙げた際に繰り返し絶叫したことから、日本テレビのみならずNHKの視聴者センターにも多数のクレーム電話が殺到する事態に発展した。この事態を重く見たNHKは、再放送の際に本来差し替えないはずの実況と解説者を差し替える措置を、日本テレビ以外の民放が関連ニュースを報道する際に、実況部分を入れない措置を取った。後者の事例では2022年の北京オリンピックのスノーボード男子ハーフパイプ決勝において、TBSテレビからジャパンコンソーシアムに派遣されたアナウンサーの新タ悦男が実況したが、この種目をNHK総合テレビにて中継したためか、東京スポーツは「(同競技を)NHKのアナウンサーが実況した」との誤報記事を出したことがある[102][103][104]。
なお、一部のスポーツ中継では、副音声を使用して実況なしの中継や別音声で放送する場合もあるが[注釈 36]、オリンピック中継では実施していない。ただし、テレビで中継されない競技のインターネットの動画配信では、実況・解説が一切入っていない。これはオリンピック放送機構制作の国際映像をそのまま使用しているため。なお、2024年のパリオリンピックにおける、インターネットテレビ(NHKプラス、TVer)[105]に於いては、地上波未放映の種目なども含めた大半の種目を国際映像を引用した見逃し配信や、一部生配信が行われている(殆どは前述の会場の自然音か、英語の解説だが、NHKプラスは一部ジャパンコンソーシアムによる日本語解説あり。また地上波放映の種目により生配信しない種目あり)。
排他性
ジャパンコンソーシアムは、費用分担と番組制作能力の関係上、NHKと、テレビ局は日本テレビ放送網・TBSテレビ・フジテレビジョン・テレビ朝日・テレビ東京、民放ラジオ局はラジオ制作本部(大会ごとにTBSラジオ・文化放送・ニッポン放送の持ち回り)が代表となって共同で番組を制作している。なお民放連加盟社のうち、これらの系統に属さない独立局や衛星放送事業者は、民放テレビ制作本部・ラジオ制作本部が制作する番組の配給を受けている[106]。
このため、NHK以外の放送事業者は、民放連に加入していなければ、オリンピックやサッカーワールドカップを一切放送できない(活動停止処分を受けていても、民放連から除名・退会がない限り放送は可能)。ただし、2016年のリオデジャネイロ以降のオリンピック[注釈 8]と2021年の東京パラリンピックは、ジュピターテレコム(J:COM)がジャパンコンソーシアムから一部権利を購入した上で、サブライセンス(再許諾)を受けることで放送を行っている[42][107]。また、グリーンチャンネルも2021年の東京オリンピックとパラリンピックでは、サブライセンス(再許諾)を受けることで馬術競技の放送を行った[35][43]。
なお、2007年12月に、BS11・TwellVが新たにBSデジタル新局として開局したが、両局とも北京オリンピックの放送は一切行われなかった。これは、TwellVは民放連に加盟しないことを表明し、BS11は加盟申請をするも承認を得ることができなかったためである[注釈 37]。その後BS11は2010年4月1日に民放連に加入が承認された[108][109]。また、2012年5月1日にはブロードキャスト・サテライト・ディズニー、J SPORTS、マルチメディア放送のmmbiも民放連に加盟した。またTwellV(2015年10月1日にBS12 トゥエルビに呼称変更)も前述の方針を転換して、2015年4月1日に民放連に加盟した。
さらに、NHKでもオリンピックやサッカーワールドカップを放送できるのは、放送権の関係で原則日本国内向けの放送に限られ、海外向けのテレビ国際放送(NHKワールドTV/NHKワールド・プレミアム)では、他国の独占放送権を持っている放送事業者への配慮と放送権上の制約からニュースとしての放送も含め一切放送ができない。そのため、国際放送向けには同時放送の場合は静止画の蓋かぶせで対応をとるが、オリンピックの場合は災害・地震などの重大なニュースがない限り、ほぼすべてのニュース番組が時差放送となるため、国際放送向けに独自のハイライト番組を編成し、その中で一定時間内の条件付で競技映像が放送される(オープニングの映像フォーマットは国内向け放送と同じ)。一方、サッカーワールドカップはオリンピックに比べて時差放送されるニュース番組は少なく、通常通り国内同時放送を行った上でかぶせ放送の対応をとることがほとんどであるが、日本代表が出場する試合に限り、試合終了から一定時間内の条件付でニュース番組内での試合映像の放送が可能となっている。また、ラジオ国際放送であるNHKワールド・ラジオ日本でもオリンピックやサッカーワールドカップの放送は一切できないが、こちらは開催期間中でも、ニュース番組の国内同時放送は通常通り行われ、ニュースとしての中継音源もそのまま放送される(ただし、2008年北京オリンピックと2010年バンクーバーオリンピックではニュース番組の同時放送のほか、競技の模様もすべての時間ではないが、日本語放送を行う一部の時間帯で同時放送された)。
また民放連加盟局の系列であってもCSテレビ(スカパー!等)のTBSニュースバード、朝日ニュースター(テレビ朝日直営は2012年4月から)、フジテレビTWO(2012年3月でニュース番組の時差放送を打ち切り)などで放送されるニュース系統の番組において、オリンピックやサッカーワールドカップの中継映像は放送権の都合上放送されず、当該項目のものは自主差し替え、あるいは音声のみはそのまま放送して、映像だけを「著作権の都合上映像はお送りできません」という表示に変更する場合もある(過去には差し替えなしでそのまま放送されたケースもある。現在は民放連加盟局直営のCS放送ではそのまま放送されるケースが多い)。
1999年には、日本テレビ系列の静岡第一テレビがCM未放送問題を起こした一件により民放連から除名されたが、翌年、シドニーオリンピックの開幕を直前に控え、条件付きながら民放連復帰を果たした。これは、除名処分を継続した場合、静岡県の他の民放テレビ局3局は、日本テレビが放送権を獲得した競技の振替放送がネットワークの拘束によりできず、このままでは当該競技が静岡県で見られなくなる事態が懸念されたからである。
また、2007年4月19日には、フジテレビ系列の関西テレビが放送番組の内容捏造問題を起こした一件から、(前述した静岡第一テレビに次いで)民放連通算2例目の除名処分となった。これにより、近畿広域圏でフジテレビが放送権を獲得した競技が見られないという事態が懸念されていたが、前述の静岡第一テレビの民放連復帰の件と同様、番組編成などの理由で独立局を含む他の近畿地方の放送局がフジテレビ制作の北京オリンピック中継を振替放送するのは難しいことから、関西の民放連加盟全18局は関西テレビの民放連一時復帰を提案した[110]。そして約1年後の2008年4月17日、民放連は緊急理事会で関西テレビの条件付き再入会を認める事を決定し、関西地方でのフジテレビ制作の北京オリンピック中継が見られなくなる事態が回避された[注釈 38][112]。
ラジオ
2012年のロンドンオリンピックでは、民放ラジオ局では同時ネットの生中継の義務づけが廃止され、各局で中継するかどうかを決めることができるようになったことからオリンピック中継を行わない放送局が相次いでいる。そのため地域によってはNHKラジオ第一しか放送されない地域も多い。サッカーについては在京局を中心に放送されているが、それでもネットする局が少ない状況である。ロンドンオリンピックの場合、民放連では開催前の7月前半に9時 - 正午前と午後 - 夕方に各局ごとにミニ番組を2本、大会期間中毎日7時台・8時台・17時台(日によっては16時台もしくは18時台にずれる場合もあり)でそれぞれ各局ごとにミニ番組を3本制作しているが、これしかネットしていない局も多い[113][リンク切れ]。
2016年のリオデジャネイロオリンピックでも民放AM・FMの同時ネットの生中継の復活は見送られ、オリンピック中継を行わない放送局が相次いでいる。そのため、地域によってはNHKラジオ第一しか放送されない地域も多い。また、開催中にさらに重要な平和祈念式典の中継[注釈 39]を優先するため、一部の時間のNHKラジオでの中継はNHK-FMで放送されることとなった。そのためNHKでの高校野球中継も時間によりラジオ第一だったり、FMだったりと流動的となった。サッカーについては在京局を中心に放送されていたが、男子がグループリーグを突破できず、女子もアジア地区最終予選を通過できなかったため出場できず、ネット局が少なかった[注釈 40]。男女マラソンの中継も任意ネット状態が変わらず各放送局の判断に任せられている。
2021年開催の東京オリンピックは男子マラソンのみ民放AM・FMの同時ネットが復活した。しかし、女子マラソンは当初の開催日から変更された関係で民放全社の同時ネットは見送られた。なお、サッカーについては在京局を中心に放送されていた[注釈 41][注釈 42]。野球についてはニッポン放送が全試合実況生中継した他、文化放送でも決勝トーナメントより中継を実施した[39][注釈 43]。ミニ番組は週末のみ7月頭から朝から午前中と、午後から夕方に2-3分程度で月-金曜は7月19日頃より朝ないし午前中と午後から夕方に5分程度でインフォメーションを大会中平日は朝ないし午前中と昼または午後もしくは夕方にリポートを10分間、夜にハイライトを10分間、週末は朝ないし午前中と午後 - 夕方のレポートが各5分ずつ、夜ないし深夜にハイライトを5分それぞれ放送したが放送時間は各局によりばらつきがあった[39][注釈 44][注釈 45]。また、大会後にも2020東京オリンピック大会を振り返る1時間特番を各局で放送した[39]。なお、2020東京パラリンピック大会のラジオ放送についてはNHKでテレビ・ラジオを通じて放送する事になっているが[115]、民放では競技種目の放送やハイライト番組を行うかは明らかにされていない。
2022年のFIFAワールドカップカタール大会はジャパンコンソーシアムでの放送権取得を断念したため、NHKのみが日本代表戦の実況中継を実施。第1戦・第3戦はラジオ第一で、第2戦はNHK-FMで放送した。
2024年のパリオリンピックはNHKではテレビ・ラジオを通じて放送するが、今大会の民放ラジオでの放送予定(試合ハイライトや大会直前情報を含めた特設編成枠)はサッカー競技を除き中継予定はないことがNHKのメディア総局長が2024年6月に行った定例会見で明らかにし、冬季五輪と同じようにNHK放送センター所属のスポーツアナウンサー、及び一部の種目は専門解説者による解説のみとなった[116][注釈 46]。
サイマル放送
ジャパンコンソーシアムが関与しているスポーツ中継においては、一部の主要競技を地上波の民放テレビ局とNHK BS1でサイマル(同時)放送するケースも少なくない[117]。そのため、中継の途中でVTRやコマーシャルなどにより中断されることを嫌って、NHKを選択する視聴者が多いため、TBSテレビアナウンサーの安住紳一郎が同時放送について批判したことがある[118][119]。また、2010年のFIFAワールドカップではNHKが衛星第1テレビ(当時)とテレビ朝日が同時中継する日本戦を告知する際にNHKアナウンサー(当時)の神田愛花が「(NHKでは)コマーシャルはありませんからね」と発言し、これを問題視した日本民間放送連盟の抗議により、「配慮に欠ける発言があった」と後日の放送で謝罪した事例がある[120][121][122]。