わがまま坊や

From Wikipedia, the free encyclopedia

製作年1760年代初期
寸法66.5 cm × 56 cm (26.2 in × 22 in)
『わがまま坊や』
ロシア語: Балованное дитя
英語: Spoiled Child
作者ジャン=バティスト・グルーズ
製作年1760年代初期
素材キャンバス上に油彩
寸法66.5 cm × 56 cm (26.2 in × 22 in)
所蔵エルミタージュ美術館サンクトペテルブルク

わがまま坊や』(わがままぼうや、: Балованное дитя: Spoiled Child)は、18世紀フランスの画家ジャン=バティスト・グルーズが1760年代初期にキャンバス上に油彩で制作した風俗画である。1763年にセザール・ガブリエル・ド・ショワズール=プラランのコレクションから売却されたと考えられ、1798年にロシアアレクサンドル・ベズボロドコのコレクションに入っている[1]。作品は1923年にパスケヴィッチ・コレクションから移されて以来[2]サンクトペテルブルクエルミタージュ美術館に所蔵されている[1][2]

グルーズは、同時代のロココ様式の画家の作品とは大きく乖離した、独創的な芸術観にもとづく道徳的絵画を制作した。彼は美術愛好家、特にパリの知的サークルに属する美術愛好家にすぐに知られるようになり、なかでも哲学者で美術批評家でもあったドゥニ・ディドロに高く評価された。グルーズは、1769年に王立絵画彫刻アカデミーの正会員として認められている[3]

本作は、1765年のサロン・ド・パリで展示された。批評家たちからは好意的な評価を受けたが、グルーズのほかの作品と比較すると成功したとはいいがたい[1]。それは、描かれた内容に原因があったと思われる。『メルキュール・ド・フランス』誌には、以下のように記されている。「この小品はまことに美しい。ここには、グルーズ氏の画法を有名ならしめた、あらゆるものが集約されている。しかし、子供たちを過度に甘やかす両親を描く代わりに、なぜこのような内容を選んだのか、まったくわからない」。ドゥニ・ディドロも、「わがままなのは子供なのか、犬なのか」と、内容があまりにもあからさまであることに不満であった[1]

しかしながら、ディドロは本作に関する以下のような評価も加えている。

これ (この作品) は、何本かの小さな光線によってきらめいている。この光は、あらゆるところできらめき、眼に射しこんでくる。(...) 子どもの頭部は、美に満ちているーつまり、美しく塗られているのだ。画家にとっては、なるほど美しい子どもであろう。しかし、このようなわが子を見たいと思う母親などいまい。(...) 犬に関していえば、まさに本物の犬だ! (...) 描かれた品々が多すぎるし、細部を描きすぎている。構図は重たげで、混乱している。もし、母親と子ども、犬、そしてほんの少しの台所用品を描いていれば、より大きな効果を生み出したであろうに」[1]

画家は本作の対作品を描くつもりでいたらしく、座って犬に餌をやる少女を描いた準備素描 (ルーヴル美術館パリ) を残している[1]。本作に関しても、グルーズは構図を考えるために多くの準備素描を残しているが、そうした素描は彼がどれだけこの主題に魅了されていたかを物語る。上述のような評価にもかかわらず、この作品は時が経つにつれ、グルーズの典型的な作品として知られるようになった[1]

脚注

参考文献

外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI