需要の法則
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需要の法則(じゅようのほうそく、英: Law of demand)は、価格と需要量の間に逆の関係が存在するというミクロ経済学における基本原理である。言い換えれば、他の条件が一定であるならば、財の価格が上昇すれば (↑) 需要量は減少 (↓) し、逆に価格が下落すれば (↓) 需要量は増加 (↑) する」というものである[1]。
アルフレッド・マーシャルはこれを次のように表現した。「ある財の需要が増加すると言うとき、それは同じ価格で以前より多くを購入すること、あるいは以前と同じ量をより高い価格で購入することを意味する」[2]。
ただし需要の法則は、需要量の変化の方向を定性的に示すのみで、その変化の大きさについては述べていない。
需要の法則は、横軸に需要量、縦軸に価格をとった需要曲線によって表される。需要曲線は定義上、右下がりの形状をとる。また需要の法則は供給の法則と組み合わさることで、経済における資源配分の効率性を決定する均衡を導く。
価格と需要量の逆相関関係は、セテリス・パリブス(他の条件が一定)が成立する場合に成り立つ。つまり、所得や他の財の価格が一定であれば、需要量は価格と逆の関係で変化する[3]。
しかし、他の条件が一定でない場合、需要の法則は必ずしも成り立たない[4]。現実世界では、価格以外にも需要を決定する要因(他財の価格、消費者の所得、嗜好など)が多数存在する[5]。また、ギッフェン財や完全非弾力的財など、需要の法則の例外も存在する。
需要の法則は、市場経済における価格と需要量の関係を説明するものであり、消費者行動理論や需要曲線の基礎を成す。需要曲線は通常、右下がりの形をしており、価格が下がると需要量が増加し、価格が上がると需要量が減少する。
需要の法則が成り立つ理由は、主に二つの効果によって説明される。
- 代替効果:ある財の価格が下がると、その財は他の類似財に比べて相対的に安くなるため、消費者は代替的にその財を多く購入するようになる。
- 所得効果:ある財の価格が下がると、消費者の実質的な購買力が増す。その結果、消費者はより多くの財を購入できるようになり、需要量が増加する。
これら二つの効果の組み合わせによって、需要の法則が成立する[6]。
例外
歴史
需要の法則は、アダム・スミスやデイヴィッド・リカードの古典派経済学に遡ることができる。アルフレッド・マーシャルによって19世紀後半に理論的枠組みが整備され、今日のミクロ経済学の標準的概念として定着した[7]。
