シェパードの補題

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シェパードの補題(シェパードのほだい、: Shephard's lemma)は、企業理論や消費者選択に応用されるミクロ経済学の結果である[1]。この補題は、支出関数や費用関数の無差別曲線凸関数であれば、与えられた財()の価格 における費用最小化点は一意に定まることを述べている。つまり、消費者は、財の市場価格が与えられたときに、一定の効用水準を得るための価格を最小化するよう、各財を一意の最適量だけ購入する。

この補題はロナルド・シェパード英語版にちなんで名付けられたもので、彼は1953年の著書『Theory of Cost and Production Functions』で距離公式を用いてこれを証明した。消費者理論における同値の結果は、ライオネル・マッケンジーが1957年に初めて導いた[2]。これは、支出関数を財の価格で偏微分した値が、当該財のヒックス需要関数に等しいことを示している。同様の結果は、すでにジョン・ヒックス(1939年)やポール・サミュエルソン(1947年)によって導かれていた。

消費者理論において、シェパードの補題は、効用水準 と価格ベクトル が与えられたときの財 需要は、支出関数を当該財の価格で偏微分した値に等しいと述べる。

ここで、 は財 のヒックス需要、 は支出関数であり、いずれも価格ベクトル と効用 の関数である。

同様に、企業理論においては、費用関数 を要素価格で偏微分すると、それが各投入要素の条件付き要素需要となる。

ここで、 は要素 の条件付き要素需要、 は費用関数であり、いずれも要素価格ベクトル と産出量 の関数である。

シェパードの元の証明は距離公式を用いていたが、現代的な証明では包絡線定理が用いられる[3]

微分可能な場合の証明

応用

出典

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