需要の所得弾力性
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解釈
「需要の価格弾力性」はほとんどの場合負であるが、多くの財の「需要の所得弾力性」は正である。「需要の所得弾力性」が正の財は正常財(あるいは上級財、Normal goods)[注 1]、負の財は劣等財(あるいは下級財、Inferior goods)と呼ばれる。
正常財で、「需要の所得弾力性」が1よりも小さいものを必需品(Necessity goods)、1よりも大きい財を贅沢品(Luxury goods)と呼ぶ。「需要の所得弾性値」がゼロのとき、所得が変化しても需要は変化しない。
需要の所得弾力性をと置くと、以下のようにまとめられる。
| 上級財(正常財) | 所得が増加したときに、その財の需要が増加する。 | |
| 上級財(正常財)でかつ奢侈財 | 所得が増加したときに、その財の需要が増加し、所得の増加率よりも需要の増加率の方が大きい。 | |
| 上級財(正常財)でかつ必需品 | 所得が増加したときに、その財の需要が増加し、所得の増加率よりも需要の増加率の方が小さい。 | |
| 下級財(劣等財) | 所得が増加したときに、その財の需要が減少する。 |
参考のために、需要の価格弾力性に基づいた分類も以下にまとめる。
| 通常財 | 価格が上昇したときに、その財の需要が減少する。 | |
| ギッフェン財 | 価格が上昇したときに、その財の需要が増加する。 |
スルツキー方程式を用いると、包括的な財の分類をすることができる。
需要の所得弾力性は、将来の消費者の消費行動を予測する指標として、また企業の投資決定を決める際の参考情報として用いられる。例えば、ある国で所得水準の上昇が高い確率で起こると予測される場合は、需要の所得弾力性が大きい財を生産する企業に投資し、需要の所得弾力性が小さい財(特に、負の財)を生産する企業への投資を避けることが最適であると示唆される[1]。
財の分類についての補足
正常財と上級財が同義で、正常財(または上級財)が奢侈財と必需品に分類できるとする定義が一般的である[2][3][4]。
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正常財(上級財) | |||||||
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推定値
| 品目 | 推定値 | 出典 |
|---|---|---|
| アルミニウム | 1.5 | [5] |
| 自分自身の人生(人生の価値) | 0.50~0.60 | [6] |
| 自動車 | 2.98 | [7] |
| 卑金属 | 0.9 | [8] |
| 銅 | 1.0 | [5] |
| 書籍 | 1.44 | |
| エネルギー | 0.7 | [9] |
| マーガリン | -0.20 | |
| 公共交通機関 | -0.36 | [10] |
| レストランでの食事 | 1.40 | |
| タバコ | 0.42 | [11] |
| 水 | 0.15 | [12] |
| ガソリンとディーゼル | 0.66~1.26 | [13] |
ガソリンとディーゼルの「需要の所得弾力性」はよく推定されているが、推定値は論文によって大きく異なる。先進国における「ガソリン需要の所得弾力性」の推定値は0.66~1.26の範囲におさまっている[13]。