ジョワドヴィーヴル

From Wikipedia, the free encyclopedia

欧字表記 Joie de Vivre[1]
性別 [1]
ジョワドヴィーヴル
欧字表記 Joie de Vivre[1]
品種 サラブレッド
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2009年5月13日[1]
死没 2013年5月29日(4歳没)[2]
抹消日 2013年5月29日[3]
ディープインパクト[1]
ビワハイジ[1]
母の父 Caerleon[1]
生国 日本の旗 日本北海道安平町[1]
生産者 有限会社ノーザンレーシング[4]
生産牧場 ノーザンファーム[1]
馬主 有限会社サンデーレーシング[1]
調教師 松田博資栗東[1]
調教助手 藤原吾郎[5]
厩務員 山口慶次[5][6]
競走成績
タイトル JRA賞最優秀2歳牝馬(2011年)[1]
生涯成績 7戦2勝[1]
獲得賞金 9594万8000円[1]
勝ち鞍
GI阪神ジュベナイルフィリーズ2011年
テンプレートを表示

ジョワドヴィーヴル(欧字名:Joie de Vivre2009年5月13日 - 2013年5月29日)は、日本競走馬[1]

2011年の阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)を優勝し、史上初めて通算2戦目でのJRA-GI優勝を果たした。同年のJRA賞最優秀2歳牝馬である。

ビワハイジを母に、ブエナビスタを姉に持ち、暮れに阪神競馬場で行われる2歳牝馬限定GI級競走において、史上初めてとなる母仔制覇、姉妹制覇を成し遂げた。

デビューまで

幼駒時代

2009年5月13日、北海道安平町のノーザンファームにて、ディープインパクトと交配したビワハイジの9番仔である鹿毛の牝馬(後のジョワドヴィーヴル)が誕生する。この頃は6番仔である半姉ブエナビスタ阪神ジュベナイルフィリーズ桜花賞を勝利しており、ジョワドヴィーヴル誕生の約2週間後には優駿牝馬(オークス)に優勝し、牝馬クラシック二冠を果たす[7][8]

そのため、ブエナビスタの妹となった9番仔は、大きな期待がかけられた[9]。ノーザンファームでの育成段階では、スタッフから高い素質が認められており[10]、代表の吉田勝己によれば世代の「一番馬」だったという[11]。さらに吉田は「走りが他馬とはぜんぜん違い、空を飛ぶような感じ(中略)父のディープインパクトがそうだったように、バネの利いた、チーターみたいな走り方[11]」だったと回顧している。2歳春から1ハロンを16秒から17秒で走破する能力の持ち主だった[11]。また父がスペシャルウィークからディープインパクトに代わったことで、競馬ファンからの期待にさらなる拍車がかかり、ペーパーオーナーゲームでは飛び抜けた指名者数を獲得するなどデビュー前から人気を集めた[9]。ただし3月生まれのブエナビスタに対して、9番仔は5月生まれ、遅生まれであり、身体が小さかった[11]。松田は、ブエナビスタとの比較について、この生まれの違いを理由に、姉妹では「比べようがない[12]」としている。

9番仔は、ブエナビスタと同様に、ノーザンファーム傘下のクラブ法人「有限会社サンデーレーシング」の所有のもと競走馬となる。出資を行う愛馬会法人「有限会社サンデーサラブレッドクラブ」にて、一口175万円の全40口、総額7000万円で出資会員を募っている[13]。募集に当たり、カタログにはこのような売り文句が附されていた[13]

独特の安定感ある骨格と柔軟性豊かな関節が生み出す滑らかな歩様は、父の幼少を彷彿とさせる実に効率的な動きを示しています。一方兄姉同様どのような状況でも物怖じせぬしっかりとした性格は、勝負強い母系の重厚な血脈がなせる業と言えます。
着実な成長をたどりハイレベルの実績を挙げてきたファミリーと同じ伸縮の良い筋肉が生み出す可憐な身のこなしは、成熟した将来の華麗さを予見させます。現況は5月生まれのコンパクトなつくりですが、世界の名牝と賞賛される姉の活躍やこれからデビューする全兄の際立つ育成過程など、様々な要素が本馬の輝かしい未来を啓示しています。会員募集カタログ(ビワハイジの09)[13]

9番仔は「ジョワドヴィーヴル」という競走馬名が与えられる[14]。「ジョワドヴィーヴル」とは、フランス語で「生きる喜び」の意味であり、姉ブエナビスタに騎乗した天皇賞(秋)優勝に導いたフランス人騎手クリストフ・スミヨンが、東日本大震災後の日本への思いを込めて、命名していた[15]。厩舎では、山口慶次が厩務員を担う[16]。山口は、姉ブエナビスタの担当であり、同じく牝馬クラシック二冠馬ベガの担当でもあった[16]

福永祐一と有限会社サンデーレーシングの勝負服

ジョワドヴィーヴルの騎手には、福永祐一が起用される。松田と福永、そしてサンデーレーシングのトリオは、前年の2010年、3戦3勝で阪神ジュベナイルフィリーズを制し、JRA賞最優秀2歳牝馬を受賞したレーヴディソールと同じだった[17]。11月12日の京都競馬場の新馬戦でのデビューを目指し、出走登録を行った[18]。新馬戦には、同じように出走登録を行った馬が多く、除外される可能性を孕んでいた[18]。当日の福永は、東京競馬場にも騎乗する馬がいた。それでも福永は、東京の騎乗依頼をすべて断り、ジョワドヴィーヴルに賭けていた[18]。そしてジョワドヴィーヴルは、抽選を突破する。デビューと福永騎乗が実現した[18]

デビューをする頃は、ブエナビスタの現役末期だった。牝馬二冠を果たした後のブエナビスタは、いくらかの2、3着を挟みながら2010年のヴィクトリアマイル天皇賞(秋)を優勝[19]。そして2011年には、11月のジャパンカップを優勝し、GI6勝を挙げて、暮れに引退することとなる[20]。ジョワドヴィーヴルとブエナビスタが揃って現役の頃は、馬房が隣同士だった[7]。ジョワドヴィーヴルは、引退するブエナビスタと入れ替わる形で台頭することとなる[9]

競走馬時代

阪神ジュベナイルフィリーズ

11月12日、京都競馬場の新馬戦(芝1600メートル)にてデビューする。単勝オッズ1.3倍の1番人気だった[21]。スローペースの中、スタートを決めて好位または中団の外側を追走し、直線で末脚を発揮して追い上げた[21][22]。先行馬をすべてまとめて差し切り、後方に1馬身半差をつけて先頭で決勝線通過、初出走初勝利を果たした[22][23]

続いて自己条件を飛ばして、12月11日の阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)出走を目指して出走登録をする。ただ1勝馬、500万円以下クラスゆえに、新馬戦に続いて再び、姉と同じように抽選対象で出走は直ちに決まらなかった。500万円以下クラスに与えられた出走枠は6だったが、登録を行ったのは15頭にも及んだ。そのため15頭から6頭を選ぶ抽選となった[24]。除外される可能性も多分に孕んでいたが、福永はジョワドヴィーヴルに決めていた[18]。さらに松田は、ブエナビスタの時にしていた同日のエリカ賞への登録をせず、除外への備えをしていなかった[7]。そして行われた抽選に、ジョワドヴィーヴルは当選し、出走を叶えた[25]。18頭立てとなる中、7枠13番が割り当てられる。ブエナビスタと全く同じ枠番だった[7]。1番人気が4倍からの混戦となる中、6.8倍の4番人気となる[26]。より推されたのは、芙蓉ステークスを制して2戦2勝で臨むサウンドオブハート小倉2歳ステークスを優勝したエピセアローム、白菊賞を制して3戦2勝で臨むラシンティランテだった[26]

映像外部リンク
2012年 阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

ファインチョイスが逃げる中、中団を確保、平均ペースを追走する[27]。最終コーナーにかけて一団の馬群が形成されたが、その馬群の外側に位置していた[28]。直線では、大外に進路を得てから、スパートを開始する。繰り出された末脚は、飛び抜けて鋭かった[26]。残り100メートルで内の先行勢を差し切り、後方勢を置き去りにして、以後独走となった[29]。終いは、福永が緩める余裕を見せていた[29]アイムユアーズに2馬身半差をつけて、先頭で決勝線通過を果たした[26]

独走
優勝レイを纏う

GI戴冠を果たす。史上最短となる通算2戦目でのJRA-GI優勝、1998年阪神3歳牝馬ステークス優勝馬スティンガーの29日に次いで2番目に早い、デビュー30日目でのJRA-GI優勝を成し遂げた[30]。それから姉ブエナビスタとともに、阪神ジュベナイルフィリーズ史上初めてとなる姉妹制覇。母ビワハイジとともに、同じく史上初めてとなる母仔制覇[31]。しめて史上初めてとなる2頭の産駒による同一JRAGI母仔制覇を成し遂げた[30][32]。さらに後方につけた「2馬身半」は、1993年阪神3歳牝馬ステークス優勝のヒシアマゾンがつけた「5馬身」に次ぐ優勝着差だった[29]

また福永と松田は、前年のレーヴディソールに次いで阪神ジュベナイルフィリーズ連覇[32]。福永は、2002年ピースオブワールドを加え、松田は2008年ブエナビスタを加えて、共に3勝目だった[30]。この後、母が出走した東京優駿(日本ダービー)出走に必要な登録も済ませている[33]。福永は「これまで乗ったことがない走り方をする馬。[28]」「エンジンが違う。今まで乗ったことのないような走り方をする馬。後ろ脚の入りが独特で、滞空時間が長く感じる[31]」と評している。

この年のJRA賞では、全285票中283票を集め最優秀2歳牝馬に選出された[5][34][注釈 1]

阪神ジュベナイルフィリーズ以後

年をまたいで2012年、3歳のジョワドヴィーヴルは、とりあえず牝馬クラシックを目指すこととなる[35]。陣営は、第一弾の桜花賞と第二弾の優駿牝馬(オークス)の結果次第で、秋にフランスの凱旋門賞への参戦も視野に入れていた[35]。まずトライアル競走チューリップ賞を目指し、1月18日に帰厩した[36]

3月3日、チューリップ賞(GIII)で始動する。牝馬ながらシンザン記念を制したジェンティルドンナ、エピセアロームらと対して、単勝オッズ1.3倍の1番人気だった[37]。4枠5番からスタートして中団を確保[37]。外には持ち出せず、初めて馬群で揉まれながらの追走となった[38]。直線では追い上げたものの、末脚を発揮できず、伸びあぐねる[37]。その間に、外から追い上げたハナズゴールにかわされ、抵抗できず突き放された。ハナズゴールに2馬身半以上後れを取る3着だった[37]

続いて4月8日、本番の桜花賞(GI)に参戦する。前走敗れたハナズゴールは回避となる中、ジェンティルドンナ、アイムユアーズ、ヴィルシーナなどと対したが、単勝オッズ2.3倍の1番人気だった[39]。福永も直前の返し馬は「『どう乗っても勝てる』と思えるくらいの好感触[40]」だったという。

映像外部リンク
2012年 桜花賞(GI)
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

しかしスタートで後れを取り、最後方追走となる[40]。スムーズに進路を得られないまま、直線では大外からの追い上げとなり苦しかった[40]。末脚は不発に終わり、スムーズに進んだジェンティルドンナやヴィルシーナ、アイムユアーズの絡んだ先頭争いには加われず、2馬身半以上後れを取る6着敗退だった[41][39]。姉に続く桜花賞姉妹制覇は果たせなかった[42]。おまけにこの直後、右第1趾骨近位骨折と全治6か月以上が判明する[43]。クラシック戦線を離脱する長期休養となった[43]

復帰戦となる京都記念(GII)

年をまたいで2013年、古馬となってすぐの1月13日に帰厩[44]。2月10日の京都記念(GII)で復帰したが、後方のまま盛り返せず7着敗退[45]。続く3月9日の中日新聞杯(GIII)では、福永が騎乗停止処分を受けていたため、戸崎圭太が代打し参戦[46]。スタートで出遅れて後方追走から追い上げたが、敵わなかった[47]サトノアポロなど5頭に先着を許す6着敗退だった[48][49]

映像外部リンク
2013年 ヴィクトリアマイル(GI)
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

そして5月12日のヴィクトリアマイル(GI)にて、川田将雅に乗り替わってGI復帰を果たした。ヴィルシーナ、ハナズゴール、サウンドオブハートに次ぐ4番人気だった[50]。後方追走から、直線で大外に持ち出して追い上げた[50]。しかし先行したヴィルシーナ、マイネイサベル、先に動いたホエールキャプチャには敵わず、それでも勝利したヴィルシーナにおよそ1馬身後れを取る4着だった[50]

続いて6月1日の鳴尾記念(GIII)を目指し、調教が続けられたが、5月29日のウッドコースでの調教中に故障[51]。左下腿骨の開放骨折が判明して予後不良となり、診療所にて安楽死に処された[51]。4歳没[51]

競走成績

以下の内容は、netkeiba.com[52]並びにJBISサーチ[53]の情報に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離
(馬場)



オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬
(2着馬)
馬体重
[kg]
2011.11.12 京都 2歳新馬 芝1600m(良) 18 5 9 1.3(1人) 1着 1:36.7(34.1) -0.2 福永祐一 54 (テムジン) 420
12.11 阪神 阪神ジュベナイルF GI 芝1600m(良) 18 7 13 6.8(4人) 1着 1:34.9(34.1) -0.4 福永祐一 54 アイムユアーズ 418
2012.3.3 阪神 チューリップ賞 GIII 芝1600m(良) 14 4 5 1.3(1人) 3着 1:36.0(34.8) 0.5 福永祐一 54 ハナズゴール 420
4.8 阪神 桜花賞 GI 芝1600m(良) 18 8 17 2.3(1人) 6着 1:35.2(34.6) 0.6 福永祐一 55 ジェンティルドンナ 416
2013.2.10 京都 京都記念 GII 芝2200m(良) 11 7 8 9.9(7人) 7着 2:13.9(35.2) 1.4 福永祐一 53 トーセンラー 436
3.9 中京 中日新聞杯 GIII 芝2000m(良) 18 6 11 9.0(6人) 6着 2:00.0(34.9) 0.4 戸崎圭太 54 サトノアポロ 428
5.12 東京 ヴィクトリアM GI 芝1600m(良) 18 2 3 13.7(4人) 4着 1:32.6(33.3) 0.2 川田将雅 55 ヴィルシーナ 430

血統表

脚注

参考文献

外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI