ストレプトマイシン

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投与経路 筋肉注射、静脈注射
ATCコード
法的地位
ストレプトマイシン
臨床データ
胎児危険度分類
投与経路 筋肉注射、静脈注射
ATCコード
法的地位
法的地位
薬物動態データ
生体利用率 84% 〜 88% (est.)[2]
消失半減期 5 〜 6 時間
排泄 腎臓
識別子
CAS登録番号
PubChem CID
DrugBank
ChemSpider
KEGG
CompTox
ダッシュボード
(EPA)
ECHA InfoCard 100.000.323 ウィキデータを編集
化学的および物理的データ
化学式 C21H39N7O12
分子量 581.574 g/mol g·mol−1
3D model (JSmol)
融点 12 °C (54 °F)
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ストレプトマイシン(Streptomycin)は、細菌感染症の治療に用いられる抗生物質であり、結核、マイコバクテリウムアビウムコンプレックス感染症、心内膜炎ブルセラ症バークホルデリア感染症、ペスト野兎病鼠咬症などに適用がある[3]

最初に発見されたアミノグリコシド類であり、結核の治療に用いられた最初の抗生物質である。略してストマイともいう[4][5]。消化管からの吸収がよくないため経口投与できず、筋肉内注射(筋注)もしくは静脈注射となる[6]真正細菌(バクテリア)型リボソームのみに選択的で、それ以外の生物、例えば古細菌には効果がない。古細菌に近い祖先をもつと考えられる真核生物[7]本体のリボソームも阻害を受けず、真正細菌のみを選択的に殺すことができる。ただし、ミトコンドリアリボソームは進化的に真正細菌に起源があり、ある程度影響を受ける。これが副作用の原因の一つになると考えられている。

1943年にアルバート・シャッツ英語版によって、放線菌の一種 Streptomyces griseus の代謝物から発見された。WHO必須医薬品モデル・リストに掲載され[8]、WHOの「人間医学において非常に重要な抗菌剤」リストに掲載されている[9]

また農薬でもあり、硫酸塩および誘導体のジヒドロストレプトマイシン殺菌剤として発売されている。

医薬品

農薬

火傷病殺菌剤として用いられる。

作用機序

ストレプトマイシンはタンパク質合成を阻害することによりバクテリアの成長や代謝を停止させる。具体的には、バクテリアのリボソーム上の30Sサブユニットの16S rRNAに結合し、代謝を担うあらゆるタンパク質の合成、即ちリボソーム上でのポリペプチド鎖の合成の開始を阻害する。

副作用

他のアミノグリコシド系抗生物質と同様に内耳神経(第VIII脳神経)・腎臓に対する毒性を持つので、副作用として難聴腎機能障害などが現れる事がある。したがって投与に際しては聴覚機能・腎機能検査の併用が必要であり、副作用の兆候が現れたら投与を中止すべきである。

かつては、ストレプトマイシンによる難聴は「ストマイ難聴」[10]や「ストマイつんぼ[11]などと呼ばれた。

母系の親族にストマイ難聴患者がいる場合特に注意が必要である。ミトコンドリアの12S rRNAにA1555G変異を持つ場合、ストレプトマイシンを含むアミノグリコシド系抗生物質への感受性が高く、少量の投与で難聴を引き起こす[12]

上記の第VIII脳神経、腎機能障害の他に、肝障害・間質性肺炎ショックアナフィラキシー中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)・溶血性貧血血小板減少が発生し得る[13]

毒性

マウスLD50は、静注145から300 mg/kg、皮下注600から1,250 mg/kgである[14]

アメリカ食品医薬品局 (FDA) のガイダンス[15]を参考に、マウス(静注)145 mg/kg をヒト等価用量 (HED) 換算[16]すると、ヒト11.79 mg/kgとなる。日本人男性(成人)の平均体重65から70kg[17]では766から825 mgが相当する。同様に、マウス(皮下注)600 mg/kgをHED換算すると、ヒト48.78 mg/kg(3,170から3,415 mg)となる。臨床用量は1日1から2 g(筋注)である[14]

歴史

出典

関連項目

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