モニミア科

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モニミア科(モニミアか、学名: Monimiaceae)は、クスノキ目に分類される被子植物の科の1つである。常緑高木から低木、ときにつる性木本であり、対生し、革質で托葉を欠き、葉脈葉縁で湾曲して合流する。維管束放射組織が発達していることが多い。しばしば節が膨らみ、その下部がやや扁平になることが多い。ふつう雌雄異花(図1)。果実はふつう発達した花托に包まれて集合果を形成する。南半球熱帯から亜熱帯にかけて22–27200–440が知られ、とくにマダガスカルオーストラリアメラネシアに多い。多様性に富むグループであり、古くはアンボレラ科アンボレラ目)やトリメニア科アウストロバイレヤ目)、近年ではシパルナ科アテロスペルマ科(いずれもクスノキ目)がモニミア科から分離された。

常緑性高木から低木、または特別な登攀構造をもたない木本性のつる植物(藤本)である[2][4][5][6](図2a)。しばしば枝の節が膨れてその基部側がやや扁平になっている[6]精油を含み、ふつう芳香がある[2][4]。多くはアルカロイドフラボノールを含む[4]アルミニウム蓄積能をもつ[4][6]一次維管束は管状[4]二次成長を行い、散孔材隔壁繊維をもち、放射組織は幅広い[4][6]道管階段穿孔網状穿孔、まれに単穿孔をもつ[4]篩管色素体はP-typeまたはS-type[4]。節は1葉隙1–多葉跡[4]対生(ときに異形の葉が対生)まれに輪生し、単葉葉柄をもち、托葉を欠く[2][4][5](図2b)。葉身は革質、しばしば腺点をもち、ふつう多量の針晶を含み、毛状突起はふつう単細胞性ときに盾状、気孔はふつう平行型、ふつう向軸側に下皮(表皮下の厚壁細胞層)があり、葉脈は羽状、葉縁で湾曲して結合しており、葉縁は全縁または疎な鋸歯がある[2][4][5][6](図2b)。

は単生または集散花序総状花序を形成し、腋生または頂生する[2][5]。ときにをもつ[5]雌雄同株雌雄異株または混性、花は単性まれに両性、放射相称まれに左右相称、花托が発達して杯状から亜球形、雄蕊や雌蕊を包んでいる[2][4][5](図1, 3)。花被片は3枚から多数、萼片花弁は分化または未分化、ときに退化、輪生、ときに合生してカリプトラを形成する[2][4]雄蕊(雄しべ)は数個から多数(最大1800個)、花托内に輪生または不規則に散在し、花托が裂開して雄しべが現れるものもある[2][4][5][7](図1, 3a, b)。ときに葯隔が発達し、花糸は短く、ふつう付属体を欠くが、まれに基部に1対の蜜線をもつ[2][4][5]は外向または内向、ふつう4室、ふつう縦裂開ときに横裂開する[2][4][5][6]タペート組織は分泌型、小胞子形成は同時型[4]花粉粒はふつう無口粒、ときに単溝粒[4]。しばしば雄蕊の内側に仮雄蕊(仮雄しべ)があり、また雌花はときに仮雄蕊をもつ[4][2]心皮は1個から多数(最大2000個)、離生心皮子房上位または花托に埋没している[2][4][5][7](図3c)。柱頭は乾性型、花柱・柱頭は離生またはときに粘液栓(ハイパースティグマ hyperstigma)で覆われており、花粉管はこの粘液栓を通って伸長する[2][6][7]。1心皮に胚珠は1個、頂生胎座倒生胚珠、2珠皮厚層珠心胚嚢発生はネギ型、内胚乳形成は造壁型[2][4][5]

3a. ボルド(Peumus boldus)の雄花
3b. Tambourissa elliptica の雄花
3c. Wilkiea macrophylla の雌花

果実はふつう1種子を含む核果または痩果、1つの花に由来する複数の果実が花托に包まれて集合果を形成し、これが裂開して個々の果実が露出する[2][4][5](図4)。それぞれの果実は、ときに仮種皮状の構造で部分的に覆われる[2]。種子は油性の多量の内胚乳を含み、胚は直線状[2][4]。地上子葉性[4]。基本染色体数は x = 20[6]

4a. Wilkiea huegeliana の果実
4b. Palmeria racemosa の裂開した果実
4c. Hennecartia omphalandra の裂開した果実

分布・生態

5. モニミア科の分布域(赤)

おもに南半球熱帯域から亜熱帯域の多雨林に生育しており(図5)、特にマダガスカルニューギニア島中南米に多く、少数がマレーシアオーストラリア東部、ニュージーランドで見られる[2][4][7]。またアフリカ大陸には、1種のみ(Xymalos monospora)が分布している[2]

さまざまな小型昆虫によって花粉媒介される[6]。花はイチジクの花序のように雄しべまたは雌しべを包み込んでいることもあり(ただしイチジクとは異なり、これ自体が1個の花である)、アザミウマが若い花に産卵し、花粉をつけた個体が成熟した花から羽化する例が報告されている[6]

人間との関わり

6. ボルド(Peumus boldus)の葉

人間に直接利用される例は少ないが、いくつかの種はとして利用されることがある[7]樹皮から抽出される精油香水などに利用されることがある[7]。チリ産のボルド(ボルドー、ボルドーモニミア、Peumus boldus)の葉(図6)は、利尿胆嚢肝臓の不調の治療に⽤いられ、また果実は食用とされることがある[7][8]

系統と分類

脚注

外部リンク

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