エウロペの略奪 (ティエポロ)
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| イタリア語: Ratto di Europa 英語: The Rape of Europa | |
| 作者 | ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ |
|---|---|
| 製作年 | 1720年代初頭 |
| 種類 | キャンバス上に油彩 |
| 寸法 | 105.5 cm × 141.5 cm (41.5 in × 55.7 in) |
| 所蔵 | アカデミア美術館、ヴェネツィア |
『エウロペの略奪』(エウロペのりゃくだつ、伊: Ratto di Europa、英: The Rape of Europeは、18世紀イタリア・ロココ期のヴェネツィア出身の巨匠ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロが1720年代初頭にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。1898年にベッルーノのフランチェスコ・アゴスティ (Francesco Agosti) 伯爵から購入されて以来、アカデミア美術館に所蔵されている[1][2]。
この絵画の主題はオウィディウスの『変身物語』から採られている。神々の王であるユピテルは多くの神々、人間との間に関係を持った。その人間の1人がエウロペである。ある日、オリュンポス山の宮殿から地上を見渡していたユピテルは、フェニキアの海辺で遊ぶ美少女に一目ぼれをする。彼女はフェニキア王アゲーノールの娘で、エウロペという名であった[3]。
ユピテルは彼女に近づくため牡牛に姿を変え、彼女のそばにうずくまる。すると、エウロペは、雪のように純白で優しい瞳をしている牛に見惚れてしまう。彼女が気を許して牛の背にまたがると、牛は突然立ち上がり、彼女を乗せたまま一目散に海へと泳ぎ出した。しまいに、牛はクレタ島に彼女を連れ去り、ユピテルとしての正体を明かして彼女と交わる[3]。
本作では、童話的な神話の物語がユピテルのアトリビュート (人物を特定する事物) である鷲の横に見えるプットや、エウロペの右背後にいる牡牛によって生き生きとしたものとなっている[1]。同じくアカデミア美術館 (ヴェネツィア) 蔵の『ディアナとアクタイオン』、『ディアナとカリスト』、『アポロンとマルシュアス』とともに[4]、おそらく宮殿の部屋を装飾すべく意図されていたこの絵画は、ティエポロの若い時代の様式を表している。ティエポロは最初、フェデリコ・ベンコヴィックやジョヴァンニ・バッティスタ・ピアッツェッタに典型的な暗い色調とキアロスクーロの対比に影響を受けていた[1][2]。しかし、本作では以降の1720年代の作品に見られるように色彩を明るくしており、当時、パリとロンドンでの滞在を終えて、ヴェネツィアにもどったばかりのセバスティアーノ・リッチのより軽い雰囲気の作品に近づいている[1][2]。非常に生き生きとした、光に満ちた空間を人物が堂々と占める構図は、後に絵画を巧みに構成することになるティエポロの至高の才能を予期するものである[2]。
ティエポロの連作 (アカデミア美術館蔵)
- 『ディアナとアクタイオン』
- 『ディアナとカリスト』