アブラハムと三人の天使 (ティエポロ)
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| スペイン語: Abraham y los tres ángeles 英語: Abraham and the three Angels | |
| 作者 | ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ |
|---|---|
| 製作年 | 1770年ごろ |
| 種類 | キャンバス上に油彩 |
| 寸法 | 196 cm × 151 cm (77 in × 59 in) |
| 所蔵 | プラド美術館、マドリード |
『アブラハムと三人の天使』(アブラハムとさんにんのてんし、西: Abraham y los tres ángeles, 英: Saint Francis of Assisi receiving the Stigmata)は、イタリアのロココ期の巨匠ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロがキャンバス上に油彩で制作した絵画である。アランフエスのサン・パスクアル・バイロン教会のために発注された一連の祭壇画とほぼ同時期の1770年ごろに描かれたと思われる[1]が、本来の納品先はわかっていない[1][2]。1924年にマリアーノ・サインス・イ・エルナンド (Mariano Sáinz y Hernando) 氏から遺贈され、現在、マドリードのプラド美術館に所蔵されている[1][2]。
『旧約聖書』中の「創世記」 (18章1-19) によれば[1][3]、アブラハムは3人の予期しない訪問者を自宅に招き、食事を提供して歓待した[3]。彼らは天使で、アブラハムの年老いた妻サラが奇跡的に彼の息子を身ごもり、ユダヤ人たちの始祖となることを伝えるために遣わされたのであった[1][3]。

本作の画面に表されているのは、3人の訪問者 (巡礼者) が神の御使いとしての姿を明かし、アブラハムとサラに息子イサクが生まれることを伝える場面である[2]。作品は、出来事の2つの場面をそれぞれ異なった視点から見るように描かれている。画面下部には、アブラハムが跪く姿、彼が訪問者たちと分かち合った食べ物、巡礼者の杖が見え、天使たちが姿を明かす前の段階が表現されている。一方、画面上部では斜め奥から雲が地面にかぶさるように広がり、天使たちが天から舞い降りたような演出がなされている[2]。ティエポロは、2つの図像を同一画面で結びつけ、天使たちが現われる瞬間を再現している。彩色も2つの図像の叙述効果を担っており、上側の天使には明るい色調と光が当てられているのに対し、アブラハムのいる下側には暗い色調の黄土色が用いられている[2]。
この絵画は、サン・パスクアル・バイロン教会のために描かれた一連の祭壇画に見られる形式を想起させるばかりではない。それら祭壇画に用いられている人物の類型が共通している。とりわけ、本作の中央の堂々とした天使の姿は、『聖パスクアル・バイロンの幻視』 (プラド美術館) [4]中の天使と非常に類似している。本作がサン・パスクアル・バイロン教会の祭壇画群と制作時期がほぼ同じごろと考えられるのは、このような理由による[1]。