ピックルボール
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歴史
1965年、アメリカワシントン州ベインブリッジアイランドで考案されたスポーツ[2][3]。
1965年夏のとある土曜日、ワシントン州選出の連邦下院議員であったジョエル・プリッチャードと実業家のビル・ベルがゴルフの後にプリッチャードの自宅へ戻ると、家族が特にすることもなく過ごしていた。そこで敷地内にあった古いバドミントンコートを使って遊ぶことを思いついたが、バドミントンのラケットがそろっていなかったため、卓球用パドルと穴のあいたプラスチックボールを用いて即席のゲームを始めた。[2]
当初、バドミントンと同じ高さ約60インチ(155センチ)のネットを用い、ボールをノーバウンドで打ち合っていたが、アスファルトのコートでボールがよく弾むことが分かり、ネットの高さを36インチ(91.4センチ)まで下げた[2]。
翌週には友人のバーニー・マッカラムもこの遊びに加わり、3人は主にバドミントンのルールを参考にしながら競技の基本ルールを整備した。彼らは「家族全員が一緒に楽しめるゲームを作ること」を目的としており、これがピックルボールの原型となった。[2]
1967年にはプリッチャードの友人であるボブ・オブライアンの自宅裏庭に最初の常設コートが建設され、その後競技として徐々に普及していった[2]。
主にアメリカで普及しており、愛好者は40万人を超え、プロピックルボール協会(PPA)のツアー大会など、賞金付き大会も開催されている[1]。特にミックス・ダブルス(=男・女のカップルで行うダブルス)の人気は高い。2020年代以降に習得時間や準備資金などでの手軽さとフィットネスとの波及効果で急激に普及し、アメリカ国内の産業協会が最も急成長しているスポーツとして大きな経済効果を生み出している。2021年にはMLP(メジャーリーグピックルボール)が創設され、2023年時点での競技人口は480万人と推測されている。
日本においても中高齢の人でも楽しめる「生涯スポーツ」として自治体などの主導で普及が図られている。2025年夏には、日本初のプロリーグも開催されている。
ピックル(Pickle)の名前はプリッチャードの飼い犬の名前「ピクルス(Pickles)」に由来する(諸説あり)[4]。
コート
バドミントンと同じサイズのコートで行う(幅6.1m、長さ13.4m)。ネットは公式戦では両端で91.4cm(36インチ=3フィート)中央で86.4cm(34インチ)の高さになるように張るよう定められているが、一般的には90cmの高さにする。
日本では一般的にバドミントンコートを使用するが、屋外コートとしては2017年4月に長野県佐久市にピックルボール専用コートが初めて完成し、2018年12月には国内2例目の屋外常設コート(民間)が長野県佐久市に完成している。なお、一般貸出はしていない模様。
体験イベントなども全国で開催されている。
用具

ボール
直径6.99cm以上7.62cm以内、重さ21グラムから29グラムの中空のプラスチック製のボールの表面に多数の穴があいたものを使う。屋外及び屋外両方に使用可能だが屋外では穴の小さいもの、屋内では穴の大きいものが使われることが多い。
パドル(ラケット)
卓球のラケットに似たもので、一廻り大きくしたサイズのパドルと呼ばれるラケットを使用する(幅20cm、長さ40cm程度)。ただし、表面にはラバー等は張ってはいけない。安価な木製のものもあるが、より高い競技性を求めて繊維強化プラスチックなどの複合材料のものが用いられることが多い。パドルは「櫂」に由来することから、和名として一部では「櫂球」と呼ぶ場合もある。
ラバーを使用しないため、表面上にデザインアートが施されたパドルも普及している。
- 参考:ピックルボールショップ
ルール
テニスと同じと考えていいが、いくつか相違点がある。
- サーブ
- サーバーはベースラインの後ろに立ち、相手の対角側にあるサービスコートに打ち入れるが、必ず腰から下の、アンダーハンドで(つまり下からラケットを振る方法で)行わなければならない。得点が続けば同じプレイヤーがサーブを続ける。失敗(ファール)すればパートナーが2回目をサーブできる。
- レシーブ側は必ずサーブをワンバウンドさせてから打たなくてはいけない。また、サーブ側も最初のリターンボールはワンバウンドさせて打たなくてはいけない。つまり、テニスでいうサーブアンドボレーはできないことになる。
- ノンボレーゾーン(※キッチン(ゾーン))
- ワンバウンドする前のボールを打つ場合、ネットから2.1mのノンボレーゾーンに入ってはいけない。打った直後にラインを越えてもファウルとなる。※キッチンゾーンの名の由来。犬のピックルがキッチンに入ってはいけないゾーンから由来。
- ただし、斜めに飛びながら空中でボレーし、最終的にノンボレーゾーンを飛び超えてコート外に着地することは認められている。これは、活用した選手の名をとった「アーニー」というテクニックとして広まっている。
- 意図的にノンボレーゾーンへ狙って落とすことで、相手のボレーを封じる「ドロップショット」やドロップショットを打った直後に前に出て立て直す「リセット」がテクニックの一つとなっている。
- ツーバウンドルール
- サーブから始めて最初の2回のショットは必ず1回ずつバウンドさせてから打たなければならない。
- 得点
- 得点はサーブ権を持っている側のみに入る。ゲームは1セット11点で行うが、10対10になった場合は2点差がつくまで延長する。3ないし5セットマッチで行う場合が多い。
- ボールを体(手を除く)で打ち返したり、着衣に触れた場合はファールである。
- テニスと同じく、ポストの横を回るように返球することはアラウンド・ザ・ポスト(ATP)として認められている。
