総肺静脈還流異常症
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本症においては、体肺循環すべての血流が右心房に集まってしまうため、生存には、右心系と左心系の間に交通があることが必須の条件となる[1]。
病態は、肺静脈の還流部位に基づいて、4つの病型に大別され、これをDarling分類と称する。またI型とII型では、左側に還流する型をA型、右側に還流する型をB型と、さらに細分類する[2]。
- I型(上心臓型)
- 上大静脈、無名静脈、奇静脈に還流する。IA型では胸部X線写真上、雪だるま型の心陰影を呈する。
- II型(傍心臓型)
- 右心房、冠状静脈洞に還流する。
- III型(下心臓型)
- 門脈、肝静脈、下大静脈に還流する。
- IV型(混合型)
- 上記の3つの病型が混在する病型。
臨床像は、おおむね、心房間交通の大きさと、肺静脈の狭窄の有無によって左右される。肺静脈の狭窄が強いほど発症が早く(出生直後も多い)、肺静脈圧上昇に伴う肺鬱血と、これに対する血管収縮に伴う肺高血圧が混在する[1]ことから、強いチアノーゼと呼吸困難を呈する。病型としてはIII型、次にI型が多い。一方、肺静脈の狭窄が軽い場合、新生児期ないし乳児期の肺血流の増加に伴って、体血流の減少による心不全症状で発症することが多く、病型としてはII型が多い[2]。