薩摩焼酎
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原料
鹿児島県の広範囲を占めるシラス台地は水はけがよく地下水位が低いため、原料となるサツマイモの栽培に適しており、近世から芋焼酎の生産が盛んに行われてきた[1]。薩摩焼酎には香りと調和した甘く濃厚な味わいがあり、口当たりがなめらかである[1]。また、なんこをして負けた者が飲むという伝統的な風習もある[2]。
2012年の統計では鹿児島県の成人1人あたりの酒類消費量は本格焼酎が26リットルであり、47都道府県で唯一ビール(鹿児島県では18.2リットル)以外の酒類が1位になっている[3]。鹿児島県の製造品出荷額で焼酎は10%を占めて3位となっており、産業的にも重要な品目となっている[4]。
国税庁の地理的表示の対象となるためには、以下の要件を満たす必要がある[1]。なお、ここでの「鹿児島県」は奄美市と大島郡を除く[1]。
- 原料
- 製法
2015年の調査では鹿児島県産のサツマイモのうち43%にあたる14.3万トンが焼酎原料として使用されており、地域の農業生産や経済にとって重要な存在となっている[5]。1966年頃から使用されたコガネセンガンが風味や甘味、高い収量を評価されて1980年代以降は主流となっていたが、貯蔵性や形状に重点を置いて品種改良したサツママサリなども2007年以降は普及が進んでいる[6]。1994年に登録された焼酎向け品種ジョイホワイトの開発には、九州沖縄農業研究センターと鹿児島県工業技術センターに焼酎メーカー5社が参加している[7]。
製法
サツマイモは端部や病痕部を除去し、場合によっては皮をむく[8]。黒麹菌や白麹菌によって作られる麹の原料は主に米であり、一部ではサツマイモも麹作成に使われる[8]。麹と水、酵母を混ぜた1次醪で十分に酵母を増やし、蒸したサツマイモを加えて2次醪を8-10日間発酵させる[8]。発酵後の醪はアルコール度数13-15度になっており、これを常圧で蒸留したのち熟成させる[8]。
生産者

2017年現在、鹿児島県酒造組合に加入している焼酎メーカーは100社あり、原酒を供給する非組合員も含めると114社に達する[9]。1社を除いて全て資本金3億円以下の中小企業で、内61社は資本金1,000万円以下である[10]。製成数量が2,000キロリットルを超える大規模な事業者は17社あるが、400キロリットル以下の事業者が60社と全体の62%を占めている[10]。
2017年の鹿児島県内の本格焼酎生産量は147,224キロリットルであり、そのうち28,880キロリットルが桶売りによって製造業者間で取引されている[10]。サツマイモの収穫は9-10月であるため薩摩焼酎の生産は10-12月に集中しており、それ以外の季節は麦焼酎などを生産して大分のメーカーなどに桶売りしているという特徴がある[11]。
伝統的な製法は南さつま市笠沙町黒瀬地区の黒瀬杜氏、同市金峰町阿多地区の阿多杜氏などの杜氏によって製造技術が継承されている[1]。また、薩摩酒造などの大手メーカーは自前の研究開発体制を整えている[7]ほか、鹿児島県工業技術センターや鹿児島大学農学部の焼酎・発酵学教育研究センターなど公的機関による研究・開発も行われている[1]。