街とその不確かな壁
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村上は1980年(昭和55年)に、中編小説『街と、その不確かな壁』を発表していたが、「中途半端な形」で掲載したという思いがあり、1985年(昭和60年)に『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』として改作した。しかしまだ「あと2年待ちたかった」との心残りがあり、再び書き改めて完成させたのが『街とその不確かな壁』である[1]。
2020年(令和2年)3月の初めから書き始め、約3年をかけ完成させた[2]。村上は本作に着手した時期について「書き始めたのは20年春ごろで社会全体にコロナ禍の影響も大きかった。家に居ることが増え、自分の内面をみる傾向が強くなった。そろそろあれを書いてもいいんじゃないかと、引き出しの奥から引っ張り出してきた。時期が来たな、という感覚がありました」と振り返っている[3]。2023年(令和5年)4月13日に、新潮社で刊行された[4]。
本作は、村上の長編小説としては初めて電子書籍版が紙版と同時発売された[5]。2025年(令和7年)4月23日に新潮文庫(上・下)で文庫化された[6]。