語族の一覧
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概要
語族は諸言語に共通性を見出し、祖語があるのではとの意識が学究的動機に発展して成立した分類体型であり、比較言語学の方法によって同系統と証明された言語群の最上位のグループ名である。(その下位は語派、さらにその下位は語群。)
語族は、歴史学、民族学などにおいて民族集団の分類に用いられることが多く、それぞれの「~語族」に基づき「~人」、「~系民族」、「~族」などと表現される。しかしこれには言語以外の宗教など文化的側面や、地域や時間的経過、その他の要素による集団分類を適用できることから、通史的に適用できる概念ではないことには注意を要する。例えば、イタリック語派に属する人々を「イタリック人」と歴史的に呼ぶことはない。(通史的にはローマ人と呼ばれる)またここから派生したラテン語のみを話す語族は現存せずラテン人は使われない(その代わり分化や気質を表すラテン系は使われる)。[2]。
次節以降では自然言語の語族の一覧を掲載する。†は比較言語学の記号で、記号が付属している言語は現在の死語を意味する。自然言語以外はその他とし、リンク先等を参照のこと。
語族の一覧
アフリカ
→「アフリカの言語」も参照
(所属言語には諸説あり、諸語族の集合体という説もある)
ユーラシア
西アジア・ヨーロッパ
- インド・ヨーロッパ語族(ケントゥム語とサテム語という分類法もある)
- カルトヴェリ語族:ジョージア語など
- アブハス・アディゲ語族
- ナフ・ダゲスタン語族
- フルリ・ウラルトゥ語族†
- バスク語(孤立した言語)
- エトルリア語†
- エラム語†(孤立した言語)
- シュメール語†(孤立した言語)
北部・中央アジア
東部
南部
オセアニア
- パプア諸語:互いの系統関係は立証されておらず、便宜的に括られる。
- トランス・ニューギニア語族:ニューギニア諸語最大の語族
- セピク語族
- トリチェリ語族
- ラム・低地セピク語族 (en:Ramu-Lower Sepik languages) (40) (Foleyが最初に提案)
- 拡大西パプア語族 (en:Extended West Papuan) (仮説的)
- 西パプア語族 (en:West Papuan languages) (27)
- 東バーズヘッド・センタニ語族 (en:East Bird's Head-Sentani languages) (9)
- ヤワ語族 (en:Yawa languages) (1-2)
- 南中央パプア語族(Trans-Fly–Bulaka River語族)(en:South-Central Papuan languages) (22) ※
- レイクス・プレイン語族 (en:Lakes Plain languages) (19) ※
- トル・クェルバ語族 (en:Tor-Kwerba languages) (17) ※
- ボーダー語族(タミ語族) (Border languages) (15) ※
- メイ左岸・クォムタリ語族 (en:Left May-Kwomtari languages) (12) (問題あり)
- 東チェンドラワシ語族(東ギールヴィンク語族) (en:East Geelvink Bay languages, East Cendrawasih languages) (10)
- 南ブーゲンヴィル語族 (en:South Bougainville languages) (9)
- スコウ語族 (en:Skou languages) (8)
- バイニング語族(東ニューブリテン語族) (en:Baining languages, East New Britain languages) (8)
- ニンボラン語族 (en:Nimboran languages) (5) ※
- ユアト語族 (en:Yuat languages) (5) (以前はラム・セピク語族に分類されていた)
- マイラシ語族 (en:Mairasi languages) (4) ※
- 東トランスフライ語族 (en:Eastern Trans-Fly languages) (4) (1つはオーストラリア トレス海峡諸島) ※
- 北ブーゲンヴィル語族 (en:North Bougainville languages) (4)
- 中央ソロモン語族 (en:Central Solomon languages) (4) - それぞれ孤立言語とする場合もある
- イェレ・西ニューブリテン語族 (en:Yele-West New Britain languages) (仮説的)
- イェリ・ダニエ語(イェレ語) (en:Yélî Dnye, Yele) (孤立)
- アネム語 (en:Anêm) (孤立)
- アタ語(ペレアタ語、ワシ語) (en:Ata, Pele-Ata, Wasi) (孤立)
- セナギ語族 (en:Senagi languages) (2) (おそらくセピク語族と関係あり) ※
- ピアウィ語族 (en:Piawi languages) (2) (おそらくラム・低地セピク語族に含まれる) ※
- オーストラリア諸語:互いの系統関係は立証されておらず、便宜的に括られる。
- ブナバン語族 (Bunuban, Bunaban)
- デイリー語族 (Daly) - デイリー川流域
- Darwin Region 語族(英語版) - ノーザンテリトリー ダーウィン
- Garawan 語族(英語版)
- Giimbiyu 語†(英語版)(Mangerr)
- グンウィングアン語族 (Gunwinyguan, Arnhem) - ノーザンテリトリー アーネムランド
- イワイジャン語族 (Iwaidjan, Yiwaidjan)
- Jarrakan 語族(ジェラガン語族、Djeragan)(英語版)
- Mirndi 語族 (Mindi)(英語版)
- Nyulnyulan 語族(英語版)
- パマ・ニュンガン語族 - 約160言語 オーストラリア最大の語族
- Tangkic 語族(英語版)
- ティウィ語 - ティウィ諸島
- Wagiman 語(英語版)
- Wardaman 語 (Yangmanic)(英語版)
- ウォロラン語族 (Worrorran, Wororan)
アメリカ
→「アメリカ先住民諸語」も参照
アングロアメリカ
- ハイダ語
- オスベック語 †
- チマクアン語族
- ウォキャシ語族
- カド語族
- ユチ語
ラテンアメリカ北部
- ユーマ語族
- セリ語
- ヒカケ語
- テキストラテック語族
- トラパンカン語族
- チナンテク語族
- オトミ語族
- ミシテク語族
- ポポロカ語族
- サポテク語族
ラテンアメリカ南部(南米大陸)
- チョコ語族
- インター・アンディーン語族
- ワイカ語族
- パノ語族
- アラウカ語族
- フアルペ語族
提唱中の語派、語族・大語族仮説
大語族仮説や提唱中の語派、語族(系統関係未証明)の一覧。
提唱中の語派
- イタロ・ケルト語派
- イタリック語派
- ケルト語派
中規模の提唱中の語族
- コイサン語族
- 現在は独立した語族の集合体(系統関係は未証明)とされるが、互いの系統関係があるとの主張も引き続きある。
- デネ・エニセイ語族
- エドワード・ヴァイダが発表。ナ・デネ語族とエニセイ語族から成る。
- ウラル・ユカギール語族
- ウラル語族とユカギール語族を同系とする説。
- ウラル・シベリア語族
- ウラル語族、ユカギール語、チュクチ・カムチャツカ語族、エスキモー・アレウト語族を同系とする説。マイケル・ホーテスキューによって最初に提案。
- チュクチ・カムチャツカ・アムール語族
- チュクチ・カムチャツカ語族とニブフ語と同系とする説。
- ウラル・アルタイ語族
- 古くはウラル語族とアルタイ諸語が同系と想定されたが、現在、比較言語学的には否定されている。
- インド・ウラル語族
- インド・ヨーロッパ語族とウラル語族を同系とする説。
- オーストロ・タイ語族
- オーストロネシア語族とクラ・ダイ語族を同系とする説。
- シナ・オーストロネシア語族
- シナ・チベット語族、オーストロネシア語族、クラ・ダイ語族を同系とする説。
- エラム・ドラヴィダ語族
- エラム語†とドラヴィダ語族を同系とする説。
- 北コーカサス語族
- ナフ・ダゲスタン語族とアブハス・アディゲ語族を同系とする説。
- イベロ・コーカサス語族
- ナフ・ダゲスタン語族、アブハス・アディゲ語族、南コーカサス語族を同系とする説。
- ポンティック語族
- アブハス・アディゲ語族とインド・ヨーロッパ語族を同系とする説。
- アラロディア語族
- ナフ・ダゲスタン語族とフルリ・ウラルトゥ語族を同系とする説。
- パプア諸語の大語族
- パプア諸語に含まれる数十の語族を、6つ程度の大語族にまとめる。
- アルゴンキン・ウォキャシ大語族
- アルギック語族
- セイリッシュ語族
- チマクアン語族
- ウォキャシ語族
- クーテナイ語
- マクロ・スー大語族
- スー語族
- イロコイ語族
- カド語族
- ユチ語
- ホカ大語族 ※マクロ・スー大語族と併せてホカ・スー大語族とする場合もある。[3]
- ワショ語
- キャロック語
- ポモ語族
- アチョマウィ語
- ユマ語族
- セリ語
- ヒカケ語
- テキストラテック語族
- トラパンカン語族
- ケレス語(※ホカ・スー大語族に含める場合もある[3])
- アズテック・タノア大語族
- ユト・アステカ語族
- カイオワ・タノ語族
- オト・マンゲ大語族
- チナンテク語族
- オトミ語族
- ミシテク語族
- ポポロカ語族
- サポテク語族
- ワベ語
- トラパンカン語族
全球的な大語族仮説
- ボレア大語族
- セルゲイ・スタロスティンが主張する。アジア・ヨーロッパ・北方のアフリカの全言語と、アメリカ先住民諸語のいくつかあるいは全てを含む。ボレアとは北半球のことである。
- ノストラティック大語族
- ホルガー・ペデルセンが提唱、en:Vladislav Illich-Svitychとen:Aharon Dolgopolskyが現代の仮説に形作る。アフロ・アジア語族、南コーカサス語族、インド・ヨーロッパ語族、ウラル語族、ドラヴィダ語族、アルタイ語族、エスキモー・アレウト語族を含む。
- ユーラシア大語族
- ジョーゼフ・グリーンバーグが主張する。エトルリア語、インド・ヨーロッパ語族、ウラル語族、ユカギル語、アルタイ語族、朝鮮語、日琉語族、アイヌ語、ニヴフ語、チュクチ・カムチャッカ語族、エスキモー・アレウト語族を含む。
- オーストリック大語族
- ヴィルヘルム・シュミットが主張した。オーストロアジア語族とオーストロネシア語族を含む。タイ・カダイ語族、ミャオ・ヤオ語族を含むこともある。
- 東アジア大語族
- シナ・チベット語族、モン・ミエン語族、オーストロネシア語族、オーストロアジア語族、クラ・ダイ語族を含む。日琉語族、朝鮮語族を含む場合もある。
- デネ・コーカサス大語族
- en:John Bengtsonが主張する。シナ・チベット語族、ナ・デネ語族、エニセイ語族、バスク語、古典アキテーヌ諸語(語族)、北東コーカサス語族、北西コーカサス語族、ブルーシャスキー語を含む
- インド・太平洋大語族
- ジョセフ・グリーンバーグが主張した。タスマニア語と大アンダマン諸語、ニューギニア諸語を含む。クスンダ語、ニハリ語を含むこともある。
- アメリンド大語族
- ナ・デネ語族、エスキモー・アレウト語族を除くアメリカ先住民の言語の言語をアメリンド大語族にまとめる。ジョセフ・グリーンバーグが主張した。
独立語族とする説
従来は語族の下位語派とされるが、系統関係は無く独立した語族に分離すべきだとする説があるもの。
- アルナーチャルの独立語族群
- アルナーチャル・プラデーシュ州で話されるシナ・チベット語族に属すとされる諸語群が独立した語族であるとするもの。Blench (2011) により提唱。
- マンデ語族、イジョイド語族、ドゴン語族
- ニジェール・コンゴ語族の下位語派とされることが多いが、それぞれ独立した語族とする見解もある。