願教寺山
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| 願教寺山 | |
|---|---|
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銚子ヶ峰北の雲石から望む願教寺山、2015年5月 | |
| 標高 | 1,690.67[1] m |
| 所在地 | 岐阜県郡上市、福井県大野市 |
| 位置 | 北緯36度3分24.9秒 東経136度44分23.2秒 / 北緯36.056917度 東経136.739778度座標: 北緯36度3分24.9秒 東経136度44分23.2秒 / 北緯36.056917度 東経136.739778度[2] |
| 山系 | 両白山地 |
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願教寺山(がんきょうじやま、がんきょうじさん)は、岐阜県郡上市[注釈 1][3]と福井県大野市にまたがる両白山地の標高1,690.7 mの山[2][4][5]。
概要
白山を囲む山々の一つで[3]、西側の福井県の山域一帯は1962年(昭和37年)11月12日に白山国立公園に指定され[6]、その第1種特別地域に指定されている[7]。濃いヤブに覆われているため、残雪期に登山[4]や山スキー[8]が行われることがある[5]。銚子ヶ峰との間にある北東の鞍部である笠場峠への林道は廃道と化して通行不能となっている[4]。山頂の東北東1.6 kmの笠場峠付近に笠場湿原がある[9]。西には幅ヶ平と呼ばれるブナ原生林の台地がある[5]。岐阜県山岳連盟により、ぎふ百山の一つに選定されている[10]。
- 北東側から望む願教寺山の山頂部、稜線は笹原に覆われている
- 笠場峠付近にある笠場湿原
地質
周辺の山域には新第三紀鮮新世-第四紀に活動したと考えられる火山が多く分布し、かつて成層火山体を形成していた安山岩類が広く分布している[11]。これらの安山岩類は浸食が進んでいる[11]。稜線を境に西の福井県側が急斜面、願教寺山から小白山(おじろやま)にあかけては東の岐阜県側が比較的緩やかな斜面の非対称の山稜を形成している[5][11]。広く分布する安山岩類の溶岩層が、東-南東にゆるく傾斜していることを反映していると考えられる[11]。 願教寺山からよも太郎山にいたる西側斜面は特に地形が急峻で、至る所に崖が発達している[11]。北西部の平坦地の幅ヶ平は、主に泥流堆積物よりなる[11]。地質は安山岩類とその基盤岩類に大別される。北西部では安山岩を貫く岩脈が多数見られ[11]、8枚の安山岩質溶岩層がある[12]。安山岩類は成層火山帯の一部を形成していたもので、この火山体を願教寺火山と呼ぶことがある[11]。基盤岩類は古いものより手取層群、面谷流紋岩類、及び打波川火砕流堆積物である[11]。三ノ峰から銚子ヶ峰、願教寺山、野伏ヶ岳、杉山へと続く山稜に分布する火山は願教地山・三ノ峰火山と呼ばれていて、火山体の復元体積は20 km3と推定されている[12]。1961年(昭和36年)8月19日の北美濃地震で南面が大きく山体崩壊し[4]、新生代の古い火山灰層がむきだし状態になっている[13]。
刈込池

山頂から北西1.7 kmの北西斜面の下部(標高1,075 m[14])には刈込池があり、刈込池自然研究路が整備されている[2]。ブナやミズナラなどの原生林に囲まれた幅ヶ平があり、その中に周囲400 m、水深最大4.5 mの池がある[15]。願教寺山からの溶岩で覆われた台地面が、長い間に浸食されて形成された池である[14]。この台地を覆っている願教寺火山岩には、節理がよく発達していて、ガラガラした山地地形をなしている[13]。この池に流れ込む沢はあるが、池の水が流出するところが無く、池の水位は一定[15]。本池では、魚類が生息していることは確認されていない。2017年に実施された調査でも魚類は見つかっておらず、池周辺では淡水魚の記録がないと報告されている[16]。静かな水面は三ノ峰や周囲の自然を映す[5][15]。白山国立公園の第1種特別地域及び福井県指定鳥獣保護区特別保護地区の指定を受けている[14]。
刈込池周辺の植生

植生は冷温帯落葉広葉高木林[17]。植被率が90 %以上でほとんどブナが占め、カツラ、イタヤカエデ、サワグルミなどが混生する[17]。樹上にはナガオノキシノブ、スギランなどの着生植物も見られる[17]。林間にはオオバクロモジ、オオカメノキ、チシマザサなどが多く、林床にはヒメアオキ、ハイイヌツゲ、ハイイヌガ、ヒメモチなどの常緑低木の他、オシダ、ヤマソテツ、シノブカグマ、シラネワラビなどのシダ植物が多い[17]。水面にはヒルムシロやヒシが生育している[18]。
刈込池周辺の動物
モリアオガエル[13]、キベリタテハ、クジャクチョウなど高地性のチョウ類、ルリイトトンボ、カラカネイトトンボなどが生息する[19]。モリアオガエルのオタマジャクシはアカハライモリの餌となることが多い[20]。
地理
白山から南下し、別山、三ノ峰、二ノ峰、一ノ峰、銚子ヶ峰へと続く美濃禅定道の主脈から、銚子ヶ峰の北側の標高点1,784 mの小ピークの地点で南西に分枝した支脈上に位置する[2][4]。
周辺の山
周辺の主な山を下表に示す[2]。山頂には三等三角点(点名が願教寺山)が設置されている[1]。南側の県境稜線でよも太郎山(1,581 m)、日岸山(1,669 m)、薙刀山(1,647.2 m)、野伏ヶ岳、橋立峠、小白山(1,609.2 m)へと続く[2]。
| 山容 | 山名 | 標高(m) [1][21] |
三角点等級 基準点名[1] |
願教寺山からの 方角と距離(km) |
備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 白山 | 2,701.98 | 一等 「白山」 |
日本百名山 ぎふ百山 | ||
| 三ノ峰 | 2,128 | ||||
| 銚子ヶ峰 | 1,810.19 | 三等 「銚子峯」 |
続ぎふ百山 | ||
| 願教寺山 | 1,690.67 | 三等 「願教寺」 |
ぎふ百山 | ||
| 野伏ヶ岳 | 1,674.06 | 三等 「野伏」 |
日本三百名山 ぎふ百山 | ||
| 経ヶ岳 | 1,624.97 | 二等 「経ヶ岳」 |
日本三百名山 | ||
| 荒島岳 | 1,523.20 | 一等 「荒島山」 |
日本百名山 |
源流の河川
以下の源流となる河川は九頭竜川水系の支流で日本海へ流れる[2]。
- 笠羽谷 - 石徹白川の支流
- カサバノ谷、願教寺谷 - 打波川の支流
願教寺谷は願教寺山の南側を取り囲むV字谷[22]。下の地層は柔らかい凝灰岩の火山灰の地質で浸食されてV字谷となっている[22]。雨が降ると鉄砲水となって打波川へ流れ出る[22]。多数の砂防堰堤が敷設されている[2]。打波川は断層による地質が弱い部分が削られてできた断層谷に沿って流れている[22]。
交通アクセス
- 長良川鉄道越美南線の北濃駅の北北西16.2 kmに位置し[3]、西日本旅客鉄道(JR西日本)越美北線(九頭竜線)勝原駅の北東16.2 kmに位置する[2]。
- 中部縦貫自動車道(大野油坂道路)勝原インターチェンジの北東16.2 kmに位置し、東海北陸自動車道高鷲インターチェンジの北西18.3 kmに位置する[2]。
白山中居神社先の白山美濃禅定道(南縦走路)の登山口には駐車場とトイレが整備されていて、石徹白の大杉や近接する銚子ヶ峰などの登山に利用されている[23]。福井県道173号上小池勝原線の始点に上小池駐車場があり、刈込池の散策や三ノ峰などの登山に利用されている[24]。周辺の小池公園にはキャンプ場がある[25]。福井県道173号上小池勝原線沿いにある鳩ヶ湯温泉の東北東6.0 kmに位置する[2]。