スペースX Crew-9

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名称USCV-9
任務種別ISS乗員輸送
運用者スペースX
COSPAR ID2024-178A
スペースX Crew-9
ISSに接続されて、コロラド上空を通過するクルードラゴン フリーダム
名称USCV-9
任務種別ISS乗員輸送
運用者スペースX
COSPAR ID2024-178A
任務期間171日 4時間 39分 46秒
特性
宇宙機クルードラゴン フリーダム
宇宙機種別クルードラゴン
製造者スペースX
乗員
乗員数打ち上げ時:2、帰還時:4
乗員
着陸
長期滞在第72次長期滞在
任務開始
打ち上げ日2024年9月28日 17:17:21 UTC(1:17:21 pm EDT
ロケットファルコン9ブロック5B1085.2
打上げ場所ケープカナベラル宇宙軍施設 SLC-40
打ち上げ請負者スペースX
任務終了
着陸日2025年3年18日21:57:07 UTC (5:57:07 pm EDT)
着陸地点フロリダ州タラハシー近くのメキシコ湾北緯29度12分 西経84度06分 / 北緯29.2度 西経84.1度 / 29.2; -84.1
軌道特性
参照座標地球周回軌道
体制低軌道
傾斜角51.66°
ISSのドッキング(捕捉)
ドッキング ハーモニー 前方側
ドッキング(捕捉)日 2024年9月29日 21:30 UTC
分離日 2024年11月3日11:35 UTC
ドッキング時間 34日 14時間 5分
ISSのドッキング(捕捉)
ドッキング ハーモニー 天頂側
ドッキング(捕捉)日 2024年11月3日 12:25 UTC
分離日 2025年3月18日 05:05 UTC
ドッキング時間 134日 16時間 40分

NASAのCrew-9ミッションパッチ

(上段左から)帰還クルー:ウィリアムズウィルモア英語版
(下段左から)打ち上げおよび帰還クルー:ゴルブノフ英語版ヘイグ英語版
スペースX Crew-9
COSPAR ID2024-178A

スペースX Crew-9は、クルードラゴン宇宙船による、NASA商業乗員飛行としては9回目、有人軌道飛行としては15回目の飛行。当初、2024年8月半ばに4名のクルーを国際宇宙ステーション(ISS)へ運ぶ予定だったが、ボーイング有人飛行試験のためにISSにドッキングしたカリプソ英語版の技術的問題によって一か月以上遅延した。最終的にNASAはスターライナーを無人で地球に帰還させ、Crew-9には2名の飛行士を乗せて打ち上げて、ボーイング有人飛行試験の2名を含む4名が搭乗して帰還させることを決定した。この遅延と、さらに主として天候による遅延にによって、Crew-9は9月28日 17:17:21 UTC(現地時間 同日1:17:21 pm EDT)に打ち上げられた。

Crew-9ミッションは、クルードラゴン宇宙船にとっていくつかのマイルストーンに到達した。このミッションはケープカナベラル宇宙軍施設第40発射施設(SLC-40)から打ち上げられた初の有人ミッションであるとともに、このミッションはクルードランゴンとして合衆国東部に帰還した最後のミッションとなった。

正クルー

このミッションでは当初、NASAの宇宙飛行士ジーナ・カードマンニック・ヘイグ英語版およびステファニー・ウィルソンとともにロスコスモスの宇宙飛行士アレクサンドル・ゴルブノフ英語版をISSへと運ぶことが計画されていた。カードマンが指揮官、ヘイグが操縦士、ウィルソンとゴルブノフがミッションスペシャリストとして割り当てられていた[1]。しかしながら、ボーイング スターライナーの技術的問題から、NASAはスターライナーを無人で地球に帰還させ、ボーイング有人飛行試験の宇宙飛行士を地球に帰還させるためにCrew-9を2名分の座席を空けて打ち上げる決定を下した[2]

8月24日にNASA長官ビル・ネルソンは、NASAの職員らとともに、ボーイング・スターライナーが無人のまま帰還し、宇宙飛行士はクルー9に乗って帰還すると発表した。その後の8月30日、NASAはヘイグとゴルブノフがCrew-9で飛行し、ヘイグが指揮官を務めることを発表した。ゴルブノフはNASAとロスコスモスの乗員交換合意の一部として飛行することが求められた[3]。公式発表の前に、Ars Technicaはこの6日の間、誰が指揮官として搭乗するについてNASA内部で不一致があったと報じた。報道によれば、NASAの主任宇宙飛行士英語版ジョセフ・アカバは当初はカードマンを継続して指揮官に選択したが、宇宙飛行士オフィス内ではNASAがテストパイロットや経験豊富な宇宙飛行士を指揮官に据えずにミッションを開始したことがないと言う歴史から懸念の声が上がっていた。カードマンとゴルブノフはどちらも新人宇宙飛行士であり、テストパイロットの経験もない。一方、ヘイグは宇宙飛行の経験があり、ソユーズ MS-10の打ち上げ中止を生き延びた数少ない人物の一人である[4]

クルーの交代後、スペースX、NASA、カードマン、ヘイグ、ウィルソン、ゴルブノフは3週間にわたって協力し、通常は船長とパイロットの間で分担される多くのタスクをヘイグがどのように引き受けられるか、また打ち上げ時にパイロット席に座るゴルブノフにどのタスクを割り当てることができるかを検討した。ゴルブノフは有資格のエンジニアであり、テスト宇宙飛行士英語版の階級を保持している(そのためソユーズ船長になる資格がある)が、ドラゴンではミッションスペシャリストとしての役割で基礎訓練を受けたことがあるだけだった[5]。限られた役割ではあるが、ゴルブノフはアメリカの宇宙船を操縦する初のロシア人宇宙飛行士となった。

地位 打ち上げ機宇宙飛行士 着陸機宇宙飛行士
指揮官 アメリカ合衆国の旗 ニック・ヘイグ英語版, NASA
第72次長期滞在
2[注釈 1]回目の宇宙飛行
ミッションスペシャリスト ロシアの旗 アレクサンドル・ゴルブノフ英語版, Roscosmos
第72次長期滞在
1回目の宇宙飛行
ミッションスペシャリスト なし アメリカ合衆国の旗 バリー・E・ウィルモア英語版, NASA
第71/72次長期滞在
3回目の宇宙飛行
ボーイング有人飛行試験で打ち上げ
ミッションスペシャリスト なし アメリカ合衆国の旗 スニータ・ウィリアムズ, NASA
第71/72次長期滞在
3回目の宇宙飛行
ボーイング有人飛行試験で打ち上げ

当初のクルー

当初のクルー、(左から)ウィルソンゴルブノフ英語版ヘイグ英語版カードマン
地位 宇宙飛行士
船長 アメリカ合衆国の旗 ジーナ・カードマン, NASA
第72次長期滞在
1回目の宇宙飛行
操縦士 アメリカ合衆国の旗 ニック・ヘイグ英語版, NASA
第71 / 72次長期滞在
2[注釈 1]回目の宇宙飛行
第1ミッションスペシャリスト アメリカ合衆国の旗 ステファニー・ウィルソン, NASA
第72次長期滞在
4回目の宇宙飛行
第2ミッションスペシャリスト ロシアの旗 アレクサンドル・ゴルブノフ英語版, Roscosmos
第72次長期滞在
1回目の宇宙飛行

ミッション

スペースX Crew-9は国際宇宙ステーション(ISS)への9回目のNASA商業乗員輸送計画のフライトであるとともに、スペースX ドラゴン宇宙船の15回目の有人軌道ミッションである。このフライトでは6ヶ月間のミッションとなる第72次長期滞在の4名の乗組員であるNASAの宇宙飛行士ジーナ・カードマン(指揮官)、ニック・ヘイグ英語版(操縦士)およびステファニー・ウィルソン(ミッションスペシャリスト)とともにロスコスモスの宇宙飛行士アレクサンドル・ゴルブノフ英語版(ミッションスペシャリスト)をISSへと運ぶことになっていた[1]。しかしながら、NASAはスターライナーの有人飛行試験の2名の宇宙飛行士をCrew-9を使用して帰還させる決定を下した。そのため、Crew-9は乗員2名で打ち上げることになった[6]

フリーダムと名付けられたドラゴン宇宙船は、スペースX Crew-4アクシオム・スペースAx-2およびAx-3などの以前の宇宙飛行で使用されてきた[7]。ファルコン9の第1段ブースターB1085にとっては2回目の飛行となる。

当初、2024年8月18日に予定されていた打ち上げは、ボーイング有人飛行試験のカリプソ宇宙船を無人で帰還させる決定がなされたあとに28日に再スケジュールされた。この遅延によってNASAはスターライナーの状態を評価し、乗組員の安全な帰還計画を策定するための追加の時間を確保できた[8][9]。Crew-9が到着するまで、NASAはスペースX Crew-8を一時的な緊急避難用宇宙船として使用するように手配し、その後Crew-9に乗り換える予定となっている[10]

Crew-9は、これまでのスペースXの有人ミッションすべてに使用されてきたケネディ宇宙センター発射施設39A(LC-39A)を使用する予定だったが、Crew-9の打ち上げが9月24日に再スケジュールされたことで、10月前半の21日間の期間内にLC-39Aからファルコンヘビーで打ち上げなければならないNASAのエウロパ・クリッパー・ミッションの打ち上げと不快なほど接近することとなった。スケジュールの競合を避け、両方のミッションに十分な準備時間を確保するため、スペースXは、ケープカナベラル宇宙軍施設第40発射施設(SLC-40)からCrew-9を打ち上げた[11]。これは、SLC-40から打ち上げられる初の有人ミッションとなった。スペースXは、このような運用を容易にするために、2023年からこの場所にクルー・アクセス・タワーを建設していた[12]

アメリカ宇宙軍大佐のヘイグは、2019年に宇宙軍が創設されて以来初めて宇宙に打ち上げられた現役軍人となった。また、打ち上げ場がSLC-40に変更になったため、宇宙軍施設から打ち上げられる初めての宇宙軍軍人となった[13]

このミッションは、クルードラゴンのミッションとして2025年3月にメキシコ湾に着水する最後のミッションとなった。かつてドラゴン1のミッションでは太平洋に着水していたが、スペースXとNASAは2019年に回収エリアを東海岸に移動した。この移動は着水後に宇宙飛行士と繊細な貨物のケネディ宇宙センターへ帰還させることを可能にし、スペースXは飛行後のカプセルを受け入れ、次のミッションの準備をする施設をフロリダに開設した。しかしながら、この移動は再突入前に切り離さなければならないトランクモジュールが燃え尽きずに地上に残骸が落下するという予期せぬ結果を招いた。太平洋への着水に戻ることは、トランクをより長い時間取り付けたままし、再突入を生き延びた破片が損害を引き起こす可能性が低いポイント・ネモと呼ばれる(「宇宙船の墓場」とあだ名される)遠隔海域にむけることができることを意味する[14][15]

Crew-9の代わりに4名の宇宙飛行士が搭乗したスペースX Crew-10は2025年3月16日にISSに到着した。通常ではNASAは到着したクルーがオリエンテーション作業を完了するとともに帰還するクルーが帰還の準備を行う間に宇宙ステーションに追加の人員を配置できるように1週間の引き継ぎ期間を予定している[16]。しかし、予定されている補給フライトの遅延によって食料などの資源を節約する必要があったことと[17]、メキシコ湾での着水に適した天候が短期間しか見込めなかったことから引き継ぎ期間は2日間に短縮された[18]

打ち上げ

ギャラリー

脚注

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