ドリス・ヴァントール
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| ドリス・ヴァントール | |
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ADAC GTマスターズ・レッドブルリンク戦にて(2021年) | |
| 基本情報 | |
| 国籍 |
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| 生年月日 | 1998年4月20日(27歳) |
| 出身地 | 同・ハッセルト |
| 親族 | ローレンス・ヴァントール (兄) |
| GTワールドチャレンジ・ヨーロッパでの経歴 | |
| 活動時期 | 2016 – 21 |
| 所属 | チーム・WRT |
| 出走回数 | 27 |
| 優勝回数 | 1 |
| ポールポジション | 0 |
| ファステストラップ | 1 |
| シリーズ最高順位 | 3rd (2021) |
| 選手権タイトル | |
| 2020, 21 2021 |
GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・スプリントカップ GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ |
ドリス・ヴァントール(Dries Vanthoor, 1998年4月20日 - )は、ベルギー・ハッセルト出身のレーシングドライバー。2018年よりアウディスポーツ・カスタマーレーシングで、2023年からBMWのワークスドライバーを務め、GT3レースを中心に活動している。兄のローレンスはポルシェ・モータースポーツに所属している。
メディアによってファミリーネームは「ファントール」「バンスール」「バントール」「ヴァンスール」とも表記される。
アウディ(2016-2022)
ヴァントールは10歳でカートを始め、2014年までカートレースで活躍した。2015年にヨゼフ・カウフマン・レーシングからフォーミュラ・ルノー2.0 NECに参戦し、四輪レースへのステップアップを果たした[1]。アッセン戦のレース1で勝利を挙げ、初年度はシリーズランキング6位、ルーキー勢では3番手でシーズンを終えたが、結果的にフォーミュラでのレース活動はこの一年限りとなり、翌年からはGTレースに活躍の場を移した。
2016年にヴァントールはフォーミュラからGTレースに転向した。兄ローレンスが所属するベルジャン・アウディクラブ・チーム・WRTからブランパンGTシリーズのテストに参加し、2月にスプリントカップと耐久カップの両方に参戦することが発表された[2]。耐久カップではシルバーストーン戦とニュルブルクリンク戦で2位表彰台を獲得した。また、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)の第4戦スパ4時間レースにスポット参戦し、LMP2デビューも果たしている[3]。
兄ローレンスは2017年にポルシェへと移籍した。ヴァントールはマルセル・フェスラーとコンビを組み、スプリントカップのハンガロリンク戦でシリーズ初勝利を挙げた[4]。この勝利によってスプリントカップのタイトルを争う位置につけたものの、最終戦ニュルブルクリンクの決勝レースでピットアウトする際にクルーと接触してしまったことからペナルティを受け、最終的にランキング5位でシーズンを終えた[5]。この年の12月、ヴァントールはフレデリック・ヴェルヴィシュと共にアウディスポーツ・カスタマーレーシングのファクトリードライバーの名簿に新たに追加された[6]。
同年にはJMWモータースポーツよりル・マン24時間レースに初参戦し、ウィル・スティーブンス、ロバート・スミスと共にLMGTE Amクラスでクラス優勝を飾っている[7]。

2018年、ヴァントールはロビン・フラインス、スチュワート・レオナルドと共にチーム・WRTからバサースト12時間レースに参戦した。レースを通じて中段を走行していたが、最終ピットを残して見かけ上の首位にいた際に後方で多重クラッシュが発生。赤旗が掲示されたものの、処理に時間を要し、規定時間内の再開が望めないことからそのままヴァントールの載る37号車が優勝することとなった[8]。ブランパンGTシリーズではウィル・スティーブンスとコンビを組んだスプリントカップではブランズハッチで、クリストファー・ミース、アレックス・リベラスと共に参戦した耐久カップでは開幕戦モンツァでそれぞれ1勝を挙げた[9][10]。スパ24時間レースではハイパーポールでの予選アタックを担当。出場マシン中唯一となる2分18秒台のタイムを記録し、ポールポジションを獲得した(予選後の車検において車両規定違反が見つかり、グリッドは20番手に降格)[11]。
2019年にはスプリントカップでチャールズ・ヴェールツを新たなチームメイトに迎え、ミサノ戦のレース2で1勝を挙げた[12]。ピエール・カッファー、フランク・スティップラー、ヴェルヴィシュと共にフェニックス・レーシングから参戦したニュルブルクリンク24時間レースでは、兄ローレンスの載るマンタイ・レーシング911号車やランド・モータースポーツ29号車とのレース全体に渡るトップ争いを制して初優勝を飾った[13]。
2020年、耐久カップにおいてもクリストファー・ミースに加えてヴェールツとマシンを共有した。メルセデスAMG勢がザントフォールト戦を欠場したこともあり、最終戦カタロニアで連続して2位でフィニッシュすることでスプリントカップのタイトルを決定した[14]。これがヴァントールにとっての初タイトルとなった。
2021年もヴェールツとのコンビでGTワールドチャレンジ・ヨーロッパに参戦した。耐久カップとスプリントカップの双方で安定した成績を残し、ブランズハッチ戦のレース2で二年連続となるスプリントカップのタイトルを、続くニュルブルクリンク戦で総合タイトルを決定した[15][16]。2戦を残した段階で総合タイトルが確定するのはシリーズの歴史において初めてのことであった。スパ24時間レースでは、予選中に赤旗が出された影響でタイムを計測できずに55番グリッドからのスタートとなったものの、驚異の追い上げを見せてレース中盤にはトップ争いをする位置まで回復した。最終ピット時にレインタイヤへと切り換える戦略が功を奏して終盤に首位に立ったが、2位に落ちたアイアン・リンクス51号車をドライブするアレッサンドロ・ピエール・グイディが残り10分のタイミングでヴァントールから首位を奪還し、2位に甘んじることとなった[17]。
また、参戦するクラスをLMGTE AmクラスからLMGTE Proクラスへと切り替えたハブオート・レーシングのドライバーの一人として、マキシム・マルタン、アルヴァロ・パレンテと共にル・マン24時間レースに出場した[18]。予選ハイパーポールではヴァントールのアタックにより、プライベーターながらワークスチーム勢を抑えて、3分46秒682のクラストップタイムを記録した[19]。