1,4-ブタンジオール
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| 1,4-ブタンジオール | |
|---|---|
Butane-1,4-diol | |
別称 Tetramethylene glycol | |
| 識別情報 | |
3D model (JSmol) |
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| ChEBI | |
| ChEMBL | |
| ChemSpider | |
| DrugBank | |
| ECHA InfoCard | 100.003.443 |
| EC番号 |
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PubChem CID |
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| RTECS number |
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| UNII | |
CompTox Dashboard (EPA) |
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| 特性 | |
| 化学式 | C4H10O2 |
| モル質量 | 90.12 g mol−1 |
| 密度 | 1.0171 g/cm3 (20 °C) |
| 融点 |
20.1 °C, 293 K, 68 °F |
| 沸点 |
235 °C, 508 K, 455 °F |
| 水への溶解度 | 混和 |
| エタノールへの溶解度 | 溶ける |
| 磁化率 | -61.5·10−6 cm3/mol |
| 屈折率 (nD) | 1.4460 (20 °C) |
| 危険性[1][2] | |
| GHS表示: | |
| Warning | |
| H302, H336 | |
| P261, P264, P270, P271, P301+P312, P304+P340, P312, P330, P403+P233, P405, P501 | |
| NFPA 704(ファイア・ダイアモンド) | |
| 引火点 | (open cup) 121 °C (250 °F; 394 K) |
| 350 °C (662 °F; 623 K) | |
| 関連する物質 | |
| 関連するブタンジオール | 1,2-ブタンジオール 1,3-ブタンジオール 2,3-ブタンジオール cis-ブテン-1,4-ジオール |
| 関連物質 | スクシンアルデヒド コハク酸 |
| 特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 | |
1,4-ブタンジオール (1,4-Butanediol) は、プラスチックなどの原料となる有機化合物であり、鎮静作用ももっている。ブタンジオールの4つの異性体のうちの1つであり、無色で粘度の高い液体である。ポリブチレンテレフタラート (PBT) などプラスチックや繊維の原料となる。また体内でγ-ヒドロキシ酪酸 (GHB) へと代謝され、代謝されていない状態でも向精神作用があると考えられている。
利用
1,4-ブタンジオールは工業的には溶媒として、またPET樹脂などのプラスチックや繊維の原料として用いられる。リン酸の存在下に高温で脱水され、重要な溶媒であるテトラヒドロフランになる[3][4]。1,4-ブタンジオールはまた、NMP(溶媒)やNVP(PVPの原料)の前駆体であるγ-ブチロラクトンの原料となる[3]。ルテニウム触媒の存在下、約200℃ではジオール部分が脱水素化されてγ-ブチロラクトンが生成する[5]。
向精神薬として使われ、代謝産物のγ-ヒドロキシ酪酸 (GHB) と同様の効果を持つ[6]。
事例報告によると、1,4-ブタンジオールは吸収時にGHBの形にならなくても強い感覚を起こさせることが指摘されている[7][8]。また、臓器のうち特に肝臓に損傷を与えることも指摘されている[7][9]。乱用は中毒や死を招くこともある[10][11][12]。
薬物動態
1,4-ブタンジオールはアルコールデヒドロゲナーゼとアルデヒドデヒドロゲナーゼの触媒によってGHBに変換され、この2つの酵素の強さの比が作用や副作用の個人差につながる[7][13]。これらの酵素はアルコールの代謝にも関わっているため、薬物の危険性との間に強い相関がある[13][14]。
2007年の事件
オーストラリアで販売された中国製のBindeezという玩具が、1,4-ブタンジオールを含んでいるという理由で、2007年11月に卸業者によって回収された。この玩具では少量の水の中に小さなビーズが浮いているが、ガスクロマトグラフィーによってビーズから1,4-ブタンジオールが検出された[15]。1,5-ペンタンジオールを使うべきところを、製造工場がコスト削減のために混入したと見られている。1,4-ブタンジオールの価格が1トン当たり1350-2800ドルなのに対して、1,5-ペンタンジオールの価格は1トン当たり9700ドルとなっている[16]。
薬理作用
1,4-ブタンジオールには2通りの薬効があると考えられている。主要な薬効は代謝物であるGHBによるものであるが、GHBへの変換を経ないでもアルコール様の薬理効果を持っているという証拠もある[14]。
