ポンパドゥール夫人の肖像
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| フランス語: Portrait de madame de Pompadour 英語: Portrait of Madame de Pompadour | |
| 作者 | フランソワ・ブーシェ |
|---|---|
| 製作年 | 1759年 |
| 種類 | キャンバス上に油彩 |
| 寸法 | 91 cm × 68 cm (36 in × 27 in) |
| 所蔵 | ウォレス・コレクション、ロンドン |
『ポンパドゥール夫人の肖像』(ポンパドゥールふじんのしょうぞう、仏: Portrait de madame de Pompadour, 英: Portrait of Madame de Pompadour)は、18世紀フランス・ロココ期の巨匠フランソワ・ブーシェがキャンバス上に油彩で制作した絵画である。第4代ハートフォード侯爵リチャード・シーモア=コンウェイが1869年にパリで購入して以来、ロンドンのウォレス・コレクションに所蔵されている[1]。ブーシェがポンパドゥール夫人を描いた7点の肖像画のうち最後のものである[1]。当初、ヴェルサイユ宮殿に展示され、後にポンパドゥール夫人の弟アベル=フランソワ・ポワソン・ド・ヴァンディエールの手にわたった[1]。
モデルのポンパドゥール夫人は、フランス国王ルイ15世の数ある愛人の中でも最も寵愛を受けた。彼女は1745年に国王と関係を結び、影の薄い王妃マリー・レグザンスカに次ぐ第二夫人の地位にいた、いわば公式の愛妾であった[2]。そして、国王の寵愛が5年ほどで自身から去った後でも、良き友人として国王を楽しませるための様々な手立てを考え、自身の地位と国王に対する影響力を維持した[1][2]。彼女は、大臣にも等しい重要な政治顧問であり続けたのである[1]。
ブーシェのみならずジャン=マルク・ナティエ、 モーリス・カンタン・ド・ラ・トゥール、シャルル=アンドレ・ヴァン・ローらがポンパドゥール夫人から一連の肖像画の委嘱を受けたが、それは彼女の公的な場における地位を宣伝し、強化するためのものであった。彼女は、主要な芸術家に肖像彫刻も依頼している。それぞれの作品は、彼女について特定のメッセージを伝えるべく意図されたものである[1]。ブーシェが1750-1759年の間に描いたポンパドゥール夫人の一連の肖像画は、このような意図に関して中心的役割を果たした。彼女の肖像画中で最も名高い作品は、現在ミュンヘンのアルテ・ピナコテークに所蔵される等身大の肖像である。一方、ウォレス・コレクションの本作は、より小さな肖像画のグループに属している[1]。
1750年ごろ、ポンパドゥール夫人は、友情と誠実を中心的主題とした一連の芸術作品を委嘱したが、それは往々にして彼女とルイ15世の性的関係が終焉したことへの反応として解釈されてきた。しかし、それらの主題が含む最も重要なメッセージは、彼女が王との深い友情にもとづき政治顧問になったという政治的重要性である[1]。本作は、「愛」を慰める「友情」を表す彫刻作品 (18世紀の彫刻家ジャン=バティスト・ピガールの彫刻にもとづく) を画面に加えていることで、そうしたメッセージを想起させるものとなっている。また、ポンパドゥール夫人の愛犬イネス (Inès) が彼女の横のベンチに座っているが、この犬も長く続く友情とともにもたらされる安らぎと安全性の感情を示唆する。さらに、背景の公園という設定は、彼女と王の「自然」で誠実な関係を強調する。なお、彼女の肖像画の多くはサロン・ド・パリに展示されたが、本作は展示されなかったようである[1]。