施分別経

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施分別経[1](せふんべつきょう、: Dakkhiṇā-vibhaṅga-sutta, ダッキナーヴィバンガ・スッタ)とは、パーリ仏典経蔵中部に収録されている第142経。

類似の伝統漢訳経典としては、『中阿含経』(大正蔵26)の第180経「瞿曇弥経」がある。

釈迦が、アーナンダに、布施に関する仏法を説く。

登場人物

場面設定

ある時、釈迦はカピラヴァットゥカピラ城)のニグローダ園に滞在していた。

そこにかつての釈迦の乳母だった在家マハーパジャーパティーが訪れ、自分で織った服を釈迦に布施しようとする。

しかし釈迦は、その布施を僧伽へ行なうよう勧める。

それを見ていたアーナンダは、釈迦に彼女の布施を受け取るよう促す。

釈迦はその忠告を受け入れつつ、布施に関する詳細な内容をアーナンダに説いていく。

14の布施の対象と果報

  1. 畜生 - 100の果報
  2. 破戒の凡夫 - 1,000の果報
  3. 持戒の凡夫 - 100,000の果報
  4. 外道であっても諸々の欲望から離脱した行者 - 百千倶胝の果報
  5. 預流果に向かって修行する者 - 無数無量の果報
  6. 預流果の聖者 - 不可説の果報
  7. 一来果に向かって修行する者 - 不可説の果報
  8. 一来果の聖者 - 不可説の果報
  9. 不還果に向かって修行する者 - 不可説の果報
  10. 不還果の聖者 - 不可説の果報
  11. 阿羅漢果に向かって修行する者 - 不可説の果報
  12. 阿羅漢の聖者 - 不可説の果報
  13. 独覚 - 不可説の果報
  14. 仏陀 - 不可説の果報

7つの布施の対象となる集団と破戒者が混じった僧伽

  1. 仏陀在世中、仏陀を上首とする比丘・比丘尼の両僧伽 - 無数無量の果報
  2. 仏陀の滅後の比丘・比丘尼の両僧伽 - 無数無量の果報
  3. 比丘僧伽 - 無数無量の果報
  4. 比丘尼僧伽 - 無数無量の果報
  5. 比丘、比丘尼を人数を指定しての布施 - 無数無量の果報
  6. 比丘を人数を指定しての布施 - 無数無量の果報
  7. 比丘尼を人数を指定しての布施 - 無数無量の果報
  • 未来において聖者の袈裟を首に掛けた悪法・破戒者(名ばかりの沙門)が現れるが、彼らが混ざった聖者の僧伽[2]に対して(gotrabhuno kāsāvakaṇṭhā dussīlā pāpadhammā, tesu dussīlesu saṅghaṃ)、人数を指定しての布施 - 無数無量の果報

個人よりも集団への布施の優位

  • 「実に、阿難よ、いかなる法門によっても、我は僧伽への布施よりも、個人への布施がより大いなる果報があるとは説かない」

(Na tvevāhaṃ, ānanda, kenaci pariyāyena saṅghagatāya dakkhiṇāya pāṭipuggalikaṃ dānaṃ mahapphalataraṃ vadāmi.)

日本語訳

  • 『南伝大蔵経・経蔵・中部経典4』(第11巻下) 大蔵出版
  • 『パーリ仏典 中部(マッジマニカーヤ)後分五十経篇II』 片山一良訳 大蔵出版
  • 『原始仏典 中部経典4』(第7巻) 中村元監修 春秋社

脚注・出典

関連項目

外部リンク

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