目八譜

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目八譜』(もくはちふ、Mokuhachi-Fu)は、江戸時代末期に旗本武蔵石壽により編纂された類などの図鑑服部雪斎作画によるきわめて詳細で美しい図とともに、日本列島海岸で見られる貝類など1,064種について記述されている。1839年(天保10年)に執筆が開始され1845年(弘化元年)に完成された[1]

石壽は、当時の博物学者が集う赭鞭会(しゃべんかい)に参加して西洋科学の影響を受けた。本書でも科学的な記載を心がけ、巻頭には貝殻の部位名称や色・採取地など用語の定義が行われている。各種の説明では、既存文献を引用して出典を明らかにした上で、石壽自身の見解を明快に記述している。編纂の目的としては、「唯天地の大ナル造化ノ妙ヲ知ラシメンガ為也」として、貝殻外観の詳細な図示と記述による自然科学的な説明を重視し、食用や薬用としての利用については記述されていない。一方で外観が美しい貝については記述の末尾に『愛玩スヘシ』などと付記されている(七巻四十二・四十七など)。

丹敷能浦裹[2]や『六百介品』(『甲介群分品彙』)[3]など先行文献に忠実に準拠した結果、たとえば巻貝の名称でヨフバイ(餘賦貝:本来の名前はヨチガイ餘貾介=アメガイ; 八巻の五)のように引用文献における過去の転記ミスをそのまま用いた誤記もあるが、和名の成立を知るのに役立つ[4]

貝殻の外観の違いによって異なる名称で呼ばれることが多い。例えば『浅理』(アサリ)のうち地が白色で青い波線模様の貝を『白鴎』と呼び(一巻四十五)、『真珠介』の幼貝を『雛鶴』と呼ぶなど(四巻四)、風流な呼称が紹介されているが、外観の違いにより呼称が異なっても同じ種であると説明している。一方、ひとつの種について複数の貝殻の図を提供しているが、雪斎の絵がきわめて写実的であるため、別の種を混同してひとまとめに記述していることが見てわかる箇所も散見される[5]

内容

写本の版により異なるが、未完成の巻も含めると以下の十五巻で構成され、二枚貝・巻貝・その他の順に編集されている[6]。種名・品名には難読の漢字が多いため、以下に読み方または現代和名との対応を記す[5][7][8]

参考文献

外部リンク

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