青衣の女性の肖像

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製作年1775-1785年ごろ
寸法76 cm × 64 cm (30 in × 25 in)
『青衣の女性の肖像』
ロシア語: Портрет дамы в голубом
英語: Woman in Blue
作者トマス・ゲインズバラ
製作年1775-1785年ごろ
種類キャンバス上に油彩
寸法76 cm × 64 cm (30 in × 25 in)
所蔵エルミタージュ美術館サンクトペテルブルク

青衣の女性の肖像』(あおごろものじょせいのしょうぞう、: Портрет дамы в голубом, : Portrait of a Lady in Blue[1] 、または『青衣の女性』(あおごろものじょせい、: дамы в голубом, : Woman in Blue[2][3]は、18世紀イギリスの巨匠トマス・ゲインズバラが1775-1785年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である[3][4]。1916年にアレクセイ・ヒトロヴォ (Alexei Khitrovo) から寄贈されて以来[5]サンクトペテルブルクエルミタージュ美術館に所蔵されている[6]。同美術館のイギリス肖像画中の最高傑作である[2][6]と同時に、ロシアにおける唯一のゲインズバラの作品でもある[3]

この肖像画は、ゲインズバラがバースに滞在していた15年間に描かれた。モデルの女性をエドワード・ボスコーエンの娘であり、第5代ボーフォート公ヘンリー・サマセット 夫人のエリザベスであると見なす研究者がおり、肖像画を所有するエルミタージュ美術館もかつて同様に見なした[1]。しかし、今までのところ、女性が誰であるかは謎であり、彼女を特定化できるような図像や文献の発見はありそうにない[5]

ゲインズバラ『青衣の少年』 (1770年)、ハンティントン・ライブラリーサン・マリノ (カリフォルニア州)

半身像である本作は、白いドレスを纏い、ダチョウの羽根が付いた、明るい色の帽子を被り、高く結い上げ、髪粉を付けたに明るい青色のリボンを着けている女性を表している。彼女はやや左側を向いている。顎の下の首には蝶結びにした黒いリボンを巻いているが、そのリボンからは金色の十字架が垂れ下がっている。カメオの付いたブレスレットを巻いた彼女の右手は、胸に掛かった青いショールを押さえている[3]。女性が纏っている白いドレスにもかかわらず、それが青いショールとリボンのために際立って見えるために、作品は『青衣の女性』という題名となっている[5]サン・マリノハンティントン・ライブラリー蔵の『青衣の少年』同様、本作でも、ゲインズバラは青を効果的に用いている[6]

独特の調和を見せる彩色や絵の具の施し方による様式は、ゲインズバラの1770年代末から1780年代初めの作品に特徴的なものである。この時代、画家は1つ1つが独立した筆致を用いており、どこかパステル画の技法で描かれた線の束を思わせる[2][5]。それが最も顕著に見られるのは、髪、両目、口の部分である。このパステル画風の部分は、布地の部分の軽い、流れるような、自由な筆さばきで施された不透明な塗との対照によりいっそう際立って見える[5]。当時、ゲインズバラの様式は非常に称賛され、彼の最大のライバルであったジョシュア・レノルズもゲインズバラの技術を認めた[2]

本作はゲインズバラによる優雅な女性肖像画の1例であるが、画家は当時一般的であった、気取った人工的な肖像画とは一線を画している。モデルの女性は優雅な装いをしているとはいえ、きついコルセットは身に着けておらず、彼女の笑みは、偽りのものでも艶めかしいものでもない。彼女は偽りがなく、ありのままであるように見える[7]。一方で、女性の「半開きの口」は特別な注目に値する。それは彼女の肖像にやはり官能的な趣を添えているが、18世紀後半のイギリス美術では、こうした「半開きの口」は好ましからぬと思われた女性たち、すなわち高級娼婦や女優の肖像に認められるのが常であった。おそらく、ゲインズバラは意図的に「半開きの口」を描き、裏の世界に生きる女性たちを代表する「架空の人物」の肖像を生み出そうとしたと思われる[5]

脚注

参考文献

外部リンク

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