ばけばけ
2025年度後期放送のNHK連続テレビ小説第113作
From Wikipedia, the free encyclopedia
『ばけばけ』は、2025年(令和7年)度後期のNHK「連続テレビ小説」第113作で、2025年9月29日から2026年3月27日まで放送されたテレビドラマである[1]。全125回[2]。
| ばけばけ | |
|---|---|
|
小泉八雲・セツ夫妻の写真 | |
| ジャンル | テレビドラマ |
| 作 | ふじきみつ彦 |
| 演出 |
村橋直樹 泉並敬眞 松岡一史 小島東洋 小林直毅 |
| 出演者 |
髙石あかり トミー・バストウ 寛一郎 板垣李光人 柄本時生 シャーロット・ケイト・フォックス さとうほなみ 円井わん 濱正悟 北香那 杉田雷麟 吉沢亮 北川景子 岡部たかし 池谷のぶえ 池脇千鶴 朝加真由美 佐野史郎 生瀬勝久 小日向文世 堤真一 |
| 音楽 | 牛尾憲輔 |
| オープニング |
ハンバート ハンバート 「笑ったり転んだり」 |
| 国・地域 |
|
| 言語 | 日本語 |
| 時代設定 | 1875年(明治8年) - 1905年(明治38年) |
| 製作 | |
| 制作統括 | 橋爪國臣 |
| プロデューサー |
田島彰洋 鈴木航 川野秀昭 奈良橋陽子 田中陽児 |
| 制作 | NHK大阪放送局 |
| 製作 | NHK |
| 放送 | |
| 放送チャンネル | NHK総合 |
| 放送国・地域 | |
| 放送期間 | 2025年9月29日 -2026年3月27日 |
| 放送時間 | 月曜 - 金曜 8:00 - 8:15 |
| 放送枠 | 連続テレビ小説 |
| 放送分 | 15分 |
| 回数 | 125 |
| 公式サイト | |
| 番組年表 | |
| 前作 | あんぱん |
| 次作 | 風、薫る |
外国人の夫・ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)と共に怪談を愛した女性が、急速に西洋化(英語版)が進む明治期の日本で生きて歴史に埋もれてきた「名も無き人々」の「心の物語」に光をあて代弁者として語り紡いだ、夫婦の物語[1][2]。
なお、ハーンおよびその妻・小泉セツをモデルとするが原作はなく、物語を大胆に脚色し人物名・団体名等を改変してフィクションとして描く[1][3]。
制作
2024年(令和6年)6月12日に制作が発表され、脚本をふじきみつ彦が担当することや、ヒロインとその相手役をオーディションで決定することが発表された[1][8]。
タイトルの「ばけばけ」は「化ける」の意味で、幕末から明治という暮らしや価値観が急速に変わって(化けて)行く時代に取り残された人々の思いが、やがてすばらしいものに「化けて」いく物語、とのことである[1]。
同年10月29日、NHK大阪放送局で行われたヒロイン・松野トキ役[注 1]発表の記者会見で、髙石の主演が発表された。この際、連続テレビ小説(以下、「朝ドラ」とも)の主演発表会見としては異例の生中継が行われ、NHK総合の『列島ニュース』(大阪局制作の全国ネットニュース番組)で生放送された[5][10]。会見終了後、髙石は『列島ニュース』にも生出演し、高瀬耕造アナウンサーのインタビューを受けた[11]。ヒロイン役の最終オーディションは9人の候補が残ったが[12]、決定は選考陣の満場一致だった[13]。なお応募者数は朝ドラ史上3番目に多い2892人で、髙石は3度目の挑戦であった[14]。
同年11月27日、ヒロインの夫・ヘブン役を英国出身の俳優トミー・バストウが務めることが発表された[15]。同役のオーディション応募総数は1767人で[注 2]、「朝ドラ」史上初めて外国人を選んだ『マッサン』のヒロインオーディション時の3倍であった[17]。バストウはドラマ『SHOGUN 将軍』で共演した穂志もえかに本オーディションの存在を教えてもらったと話している[18][19]。ヘブン役の発表は、大阪放送局の1階アトリウムにおいて公開形式で行われた[20]。
同年12月16日、主人公夫妻のモデルである小泉八雲・セツゆかりの地の島根県松江市で、ドラマを観光や地域振興につなげるための官民組織「小泉八雲・セツのドラマをイカしてバケる松江推進協議会」が発足した[21]。
2025年(令和7年)2月26日に、出演者発表第一弾として松野家の人々を演じる出演者が発表され[22]、以降3月4日に松江の人々を演じる出演者[23]、4月10日にヒロインの少女期を演じる出演者[24]、4月30日に松野家の親戚・雨清水家の人々を演じる出演者[25]、5月12日に主人公夫妻に影響を与える英語教師を演じる出演者[26]、7月10日にヒロインに教養を教える武家の娘を演じる出演者[27]、8月20日にヒロインの夫の米国の勤め先の新聞社の同僚を演じる出演者[28]、8月27日にヒロインと共に松江の人々および「ヒロインと夫を見守る蛇と蛙」を演じる出演者[29]、9月11日に松江で暮らす人々[30]、9月18日にヒロインが松江で出会う人々[31][32]、9月20日に松江の人々[33][34]、9月29日に主人公夫妻に影響を与える英語教師の友人[35][36]、12月1日に大雄寺の住職とヘブン専属の車夫[37][38]、2026年1月13日にトキとヘブンが熊本で出会う人々[39][40]が発表された。
4月28日、番組ロゴが公開された[41][42]。7月1日に公式SNSが開設され、予告映像が公開された[43]。7月30日、放送開始日が9月29日となることが発表された[44]。
8月19日にハンバート ハンバートの『笑ったり転んだり』が主題歌となること[45][46]、同月21日には音楽は牛尾憲輔が担当することが発表された[47]。
本作は「語り」は置かず、「登場人物」の阿佐ヶ谷姉妹が声を担当するキャラクター・蛇と蛙が語りに相当する[48]。
また原作はないが、小泉セツの回想録『思ひ出の記』を重要な参考文献として制作された[46][49]。
2026年3月13日、次作『風、薫る』のダブルヒロイン・見上愛と上坂樹里とのバトンタッチセレモニーがNHK放送センターで行われ、プレゼント交換にはゲストとしてトミー・バストウも参加した[50][51]。
撮影
2025年3月25日、NHK大阪放送局スタジオでクランクインし、髙石は4月2日に京都市内ロケでクランクインとなった[24]。
第66回(2026年1月5日放送)に登場した杵築大社(出雲大社)は、テレビドラマとしては初めて撮影が許された場所である。ハーンが外国人として初めて昇殿を許されたという史料に由来するシーンで、撮影交渉には半年ほどを要した。撮影当日はスタッフが神社の参拝用の小忌衣をつけ、一般参拝者が入れない場所で早朝に撮影を行った[52][53][54]。
第71回(同1月12日放送)から登場した武家屋敷は、大阪局のスタジオに作られたセットで、松江市の小泉八雲旧居を模倣し、庭の百日紅の木や非公開部分の台所や風呂場などまでかなり忠実に再現している[55]。
第95回(同2月13日放送)などに登場した錦織邸の二階の書斎は、松江市の西田邸の屋根裏部屋を参考に作られたセットで、演じる吉沢も西田邸を訪れて日記や手紙や屋根裏部屋を見学している[56]。
ロケ地
- 島根県松江市
- 八重垣神社[59][60][61]、洞光寺[62][63]、月照寺[61][64][65]、城山稲荷神社[61][66][67]、宍道湖[68]
- 島根県出雲市
- 華蔵寺[69][70]、出雲大社[53][54]、稲佐の浜[53][54]
- 滋賀県高島市
- 新旭浜園地(源氏浜 琵琶湖)[71][72][73][74]、夕暮原(琵琶湖)[71][75]
- 滋賀県大津市
- 安楽律院[71][76][77]、日吉大社[71][78]、園城寺[71][79][80][81]
- 滋賀県竜王町
- 希望が丘文化公園[71][82]
- 滋賀県近江八幡市
- 近江八幡市立八幡小学校[71]
- 滋賀県日野町
- 旧鎌掛小学校[71][83]
- 滋賀県甲賀市
- 水口岡山城[71][84]
- 滋賀県栗東市
- 小槻大社龍王社[71][85]
- 滋賀県東近江市
- 東光寺[71][86]
- 京都府京都市
- 京都府庁旧本館[61][87]、妙心寺[88]
- 熊本県熊本市
- 熊本大学五高記念館[89]
ロケ地ギャラリー
あらすじ
ある夜、トキは向かい合って座るヘブンに『耳なし芳一』を語り聞かせている。続けてトキは、トキ自身の話を始めるのだった。
明治8年(1875年)。トキは旧松江藩士族・松野家の一人娘で、橋北(城下町)の屋敷に住んでいた。父・司之介と祖父・勘右衛門は時代に馴染めず、未だ髷を結い、武士らしく過ごしていた。母・フミは怪談話が得意で、トキも怪談好きの子に育った。武家としての収入は既になかったが、一家は明るく仲良く暮らしていた。しかし司之介がウサギの投機事業に失敗して莫大な借金を背負い、トキは小学校に通えなくなる。
明治19年(1886年)、トキ18歳。松野家は橋南の遊郭に隣接する天国町に移っている。町には幼馴染の士族の娘・サワや遊女・なみなどがおり、トキは親戚の雨清水傳が営む織物工場で女工として働きながら暮らしていたが、家の借金は一向に減らず、借金取りの森山が身売り話を持ち掛けてきていた。働き手を増やすため、トキは婿を取ることに決める。しかし最初のお見合いは、司之介や勘右衛門の武士然とした身なりや言動が敬遠され、破談になってしまう。落胆するトキを見て司之介は意を決し、武士の誇りである髷を落とす。
2回目のお見合い相手・銀二郎はトキと同じ怪談好きで意気投合し、2人は結婚。将来は明るいかに見えたが、雨清水織物の経営が傾き始める。傳は金策に走り回るうちに倒れ、トキの看病を受ける。傳と妻・タエは、雨清水家より遥かに貧しい松野家の境遇に心を痛める。実はトキは傳とタエの実娘で、雨清水・松野両家の約束で養子に出されていた。その事はトキには秘密にされていたが、ある日、雨清水家の三男・三之丞が暴露してしまう。しかしトキは、実は以前から薄々気付いていたと明かす。それを黙ったまま看病を続けていたトキの、松野の両親への思いを汲み、傳は最期までトキを実の娘とは言わず、トキも松野家の子として傳を見送った。
傳の死後、雨清水織物が倒産し、トキは失業。雨清水家も衰亡へ至る。森山はトキに執拗に遊郭入りを勧める。働きづめの銀二郎は収入を補うため、夜の遊郭での客引きまで始めたが、武士としての体面を重んじる勘右衛門が激怒する。以前より勘右衛門から「武家の良き当主」となるよう厳しく重圧をかけられ続けていた銀二郎は、耐え切れず出奔。東京で錦織友一ら松江出身者が集う下宿に流れ着く。トキは銀二郎を追いかけ、東京で再会。2人きりの時間を持ち、互いの想いを再確認した銀二郎は「東京で2人だけでやり直したい」と申し出る。トキは逡巡するが、松野家の人々を残しておけず、別れを告げる。笑顔の銀二郎に見送られ、1人松江に戻ったトキは、松野の家族に涙で迎えられる。
明治23年(1890年)。県知事・江藤の念願が叶い、島根県初の外国人英語教師ヘブンが到着。松江中学の英語教師となった錦織が通訳兼世話役として出迎える。ヘブンは日本文化に興味津々で、アメリカにいる同僚女性記者・イライザへの手紙にその感激を綴る。一方でヘブンは予定の無視、突然の激怒などを繰り返して錦織ら周囲を困惑させていた。しかしヘブンの宿泊先・花田旅館にしじみを売りに来ていたトキが「異国で1人きりにされて怖いのでは」と察し、錦織に伝える。実はヘブンは新聞記者で、教職経験もなく日本語も不十分なまま教師として招かれていた。錦織はヘブンの不安を理解し、「教育者である必要も、日本語が話せる必要もない、あなたの言葉を生徒たちは待っている」と助言する。
教師生活を始めたヘブンは、旅館の主人・平太との折り合いが悪くなり、一軒家に引越して使用人を雇うことに決める。知事は錦織に女中探しを始めさせるが、希望者はいない。当時は「女中」という名目の妾があり得た時代で、また外国人の妾がラシャメンと呼ばれ酷く差別される時代でもあった。ただ遊女のなみは、遊郭を出られる好機と期待し、新聞記者・梶谷のツテでヘブンと会う。しかしヘブンは士族の娘を求め、百姓出身のなみは望みを失う。錦織はトキの説得に赴く。月給20円という高待遇[注 3]は、それがただの女中仕事ではないことを想起させた。トキは憤慨して断る。しかし別の日、トキは道で物乞いをする実母タエを見てしまう。その息子・三之丞も、タエが喜ぶ「雨清水家らしい、人を使う仕事」だけを求め続け、世間から孤立していた。2人は宿無しに転落し、季節は冬が迫っていた。
松野・雨清水両家を救うため、トキはラシャメンにされる恐怖を抱きつつヘブンの女中となる。松野の家族には「花田旅館の女中になった」と嘘をつく。やがて真相がばれると司之介や勘右衛門は激怒、フミは「お金よりも大事なことがある」とトキを叱りつける。ところが周囲が誤解していただけで、ヘブン本人には妾をとる意思はなかった。本当の女中仕事だと判明してトキは安堵し、トキの覚悟を理解した家族も受けとめる。一方三之丞は未だ困窮しながら、他人からの施しを拒み続けていた。トキはタエと三之丞を助けるため、初給金からの10円を三之丞に渡していたが、三之丞は後日その大半をトキに返そうとする。トキは三之丞に、現実を直視して己を捨てるよう迫る。三之丞は折れ、涙ながらに頭を下げて援助を受け入れる。しかし三之丞はタエには「社長になった」と嘘をつく。
旅館の女将・ツルや女中・ウメらの協力を得ながら、慣れない女中仕事を続けるトキだったが、言語や習慣の壁もあって失敗を重ね、神経質なヘブンからはクビを言い渡されてしまう。食い下がるトキは、やがて絵を使った意思疎通を思いつき、輸入品を扱う薬舗の主・山橋らの協力も得てヘブンの求めを1つ1つこなしてゆく。不器用ながらも懸命で、気遣いができるトキに対し、ヘブンも徐々に気を許してゆく。トキは長屋住まいを始めたタエを訪ね、ヘブンの興味に応えるよう、華道や茶道を習い直す。
トキは知事の娘・リヨと知り合う。英語が堪能で西洋文化に憧れる彼女は、ヘブンに恋し、トキに協力を求める。だが知事は猛反対。ヘブンの任期が1年限りで、松江に留まる保証がないこと、さらに外国人男性と結婚した女性が日本国籍を失う規定[92]を理由に、娘に恋を諦めるよう迫る。しかし日本文化を愛するヘブンの興味が、そもそもリヨには合わなかった。一方トキは日常の中で、ヘブンと心が通い合う場面が増え、喜びを感じ始める。ヘブンもまた、トキを雇って良かったと感じていた。
そんな冬、松江を大寒波が襲い、寒さに弱いヘブンは嫌気がさす。さらに彼は気管支カタルで寝込んでしまう。トキが看病し、錦織やリヨが見舞いに来る。ヘブンの教え子・小谷も来るが、実は彼はトキに恋しており、トキにデートを申し込む。一方ヘブンは弱気になり「私が死んでも悲しまないで」「私はただの、通りすがりのただの異人です」などと漏らす。ヘブンとの距離が近づいていると思っていたトキは、再び壁を感じ、動揺する。やがてヘブンの病気は回復。トキが怪談好きと知った小谷は、トキを怪談ゆかりの清光院に誘う。トキは時代とともに失われてゆく伝統、その寂しさ、切なさ、哀しさが好きだと語る。幽霊など「目に見えないもの」を信じるトキの価値観を、近代的な学校に通う小谷は理解できない。小谷は詫びながらトキを置いて帰ってしまう。
年が明け、明治24年(1891年)。新年会の席でヘブンは「来年の冬には松江にはいない」と宣言する。しかしリヨは諦めない。両親や錦織もいる食事会で、リヨはヘブンに結婚の意思を伝える。するとヘブンは苦渋の表情で、自身の過去を打ち明け始める。幼少期に親と生き別れ、欧米各地を転々としていた彼は、シンシナティで気鋭の記者として評価され始めた頃、マーサという混血の女性と恋に落ち、彼女のそばに自分の居場所を感じていた。彼は当時のオハイオ州で違法だった異人種間の結婚(英語版)に踏み切った[注 4]。ヘブンは周囲に罵倒され、失業。絶望したマーサは自棄になって傷害事件を起こし、2人は別れた。以来ヘブンは友人も恋人も作らず、誰とも深い関係を持たない「通りすがり」として流浪を続けているという。リヨの説得もヘブンには響かず、リヨは恋の終わりを悟る。その話は、ヘブンと友情が築けていると信じていた錦織の心にも影を落とす。
春近くになると、ヘブンは連日金縛りに遭う。トキはお祓いを提案。ヘブンの教え子・正木の紹介で赴いた大雄寺で祈祷を受けた後、2人は住職から寺にまつわる悲しい母子の怪談を聞く。ヘブンは感激し、怪談に興味を持ち始める。それまでずっとヘブンとの距離に悩んでいたトキは、意を決し、自身が怪談をいくつも語れる怪談好きであることを明かす。日本滞在記を完成させる「ラストピース」をずっと探していたヘブンは、トキにすぐに怪談を語って欲しいと頼む。最初トキは怪談集を読み語ろうとするが、ヘブンはトキ自身の考え・言葉で語って欲しいと願う。滞在記が完成すればヘブンは去ってしまうかもしれないと知りつつ、トキは毎日、夜遅くまでヘブンに怪談を語り聞かせるようになる。大好きな怪談でヘブンと通じ合い、信頼される嬉しさにトキは満たされる。
4月の初め、銀二郎が4年ぶりに松江に戻って来る。事業を興して成功していた銀二郎は、トキと復縁して松野家の家族を東京に迎えたいと考えていた。時を同じくイライザもはるばるアメリカから、ヘブンへの想いを秘めて松江に来る。トキと銀二郎、ヘブンとイライザ、2組はそれぞれ再会した後、偶然合流する。そこで銀二郎とイライザが見たのは、トキが嬉しそうにヘブンに怪談を教える姿、そして「他人をうまく好きになれない」はずのヘブンがトキに心を開いている姿だった。その1日はトキとヘブンにも、2人の間にしかない特別な感情があることを自覚させた。銀二郎とイライザは身を退く。後日、トキとヘブンは散歩に出掛け、夕暮れの宍道湖畔で初めて手をつなぐ。
トキはヘブンからプロポーズを受け、杵築大社でともに愛を誓う。松野の家族も結婚を認める。しかし妻となれば、女中としての給金は無くなる。それをトキは家族に言い出せない。またトキは、大好きなヘブンに給金目的と思われるのが怖く、松野家の借金返済や雨清水家への援助のことをヘブンに隠していた。しかし三之丞が突然ヘブン宅に現れ、ヘブンは疑念を持つ。見かねた錦織はヘブンに、トキが抱える事情を密かに教え、「建前」の文化を説明する。それでもヘブンはトキが隠し事をすることが理解できない。トキとヘブン、松野・雨清水両家が揃ったパーティーの席でも、「雨清水家は親戚」「三之丞は社長」という建前が繰り返されたことで、ヘブンはとうとう怒り出し、聞いた全てを暴露してしまう。するとトキ、フミ、タエ、三之丞は互いに謝り始める。嘘の根底には気遣いや思いやりがあった。ただ皆が建前に縛られてもいた。三之丞は嘘を認めて謝り、フミはタエを「トキのもう1人の母親」と初めて紹介する。トキたちは新しい家族として再出発する。
ヘブンが松江定住のための武家屋敷を手に入れ、トキ・司之介・フミとの新生活が始まる。日本の生活様式や松野家のやり方に合わせると言うヘブンに、トキたちは喜ぶ。そんなヘブンを「正座もできる」「日本人より日本人らしい」と紹介する梶谷の新聞記事が大評判となり、知事も「島根の宝」と絶賛。ヘブンは市民注目の的となった。ところがある日を境に、ヘブンの帰宅時間が遅くなり始め、トキは不安に駆られる。ヘブンは密かに西洋料理店に通っていた。それを知ったトキは悲しみと怒りをぶつけるが、ヘブンは心身の疲労で執筆が止まってしまい、息抜きを必要としていた。トキはヘブンなりの気遣いを理解し、自分たちがヘブンに合わせていなかったことにも気付く。トキは西洋式の挨拶(頬へのキス)を受け入れる。そして両親とともに執筆用の洋机を仕立て、ヘブンへのお礼として贈る。
ヘブンは滞在記を完成させ、最初に錦織に原稿を見せる。ヘブンは錦織の尽力に感謝し、友人として、また「リテラリーアシスタント(文学助手)」として信頼するようになっていた。同じ頃、梶谷が新聞でヘブン一家を毎日紹介する連載を開始し大流行になる。トキたちは有名になり過ぎて日常生活もままならない。一方、橋南の長屋に残るサワは勉強サロン「白鳥倶楽部」に通う日々。彼女は正規教員の資格を得て、男性の力を借りず自力で長屋を脱出しようと励んでいた。しかしトキを「ヘブン先生夫人」と持て囃す声がたびたびサワを煩わせ、なみは裕福な男に身請けされて遊郭を出る。サワは暗い感情を抱く。トキはサワを励まそうと長屋を訪ねるが、サワはトキに顔を合わせられない。
サワとの友情を取り戻したいトキは、「勉強を頑張る親友」への励ましを新聞連載に載せてもらう。それを読んだ白鳥倶楽部の面々が、サワの本心を知らぬまま「美しい友情」と褒めそやす。その頃、錦織の校長就任の話が持ち上がり、同級生の庄田が錦織の後任候補となる。断るつもりで松江に帰郷した庄田はサワと知り合い、優秀な錦織に引け目を感じてきた自分と重ね合わせて共感する。庄田の指導を受けてサワの試験勉強は捗りだし、2人は徐々に親しくなる。サワと再会したトキや、サワの母・キヌはサワの結婚に期待し始める。ある日、庄田がサワにプロポーズする。それは庄田が松江中学で教職に就き、その月給でサワを長屋から救い出したいという提案だった。サワは受け入れられなかった。サワはトキに抱きつきながら、庄田のことが好きだったのに「トキのようなシンデレラ」にはなれないと号泣する。
秋。梶谷による誇張含みの連載記事が、市民たちにヘブン一家への憧れや好意をかきたててきたが、松野家の莫大な借金をヘブンが肩代わりした事実が載せられると一変。「借金のために娘を売った親」「異人に買われたラシャメン」という誹謗が街を支配する。目に見える差別が始まり、ついにはトキが投石で負傷する。ヘブンは怒り狂い、同時に自責の念に駆られる。トキは弱音を吐かず、ヘブンと一緒になれて良かったと心から感謝する。やがて世間の関心は他事へ移り、騒動はあっけなく終わる。しかしトキは額に傷が残り、金縛りなどの変調も起きていた。それでも気丈に振舞うトキを見て、ヘブンは松江から離れる決心を固める。
ヘブンは松江の冬の寒さを理由に熊本行きを切り出す。トキは断固拒否するが、ヘブンの思いを察したフミと司之介は承諾。タエと三之丞、勘右衛門もトキのために送り出す。サワにも背中を押され、徐々に心が傾くトキ。一方、校長になってヘブンと共に生徒を帝大へと意気込む錦織は愕然とする。引き止めようと奮闘するが、思いがけず本当の理由を知る。不安定なトキを思うヘブンの本心を聞き、トキも遂に受け入れる。後日、生徒達にヘブンが松江を去ること、更に庄田が校長になることが告げられた。問い質す生徒に錦織は、自身が帝大を出ておらず英語教師の資格も持たないことを告白。自分のせいかとヘブンは戸惑うが、錦織は否定する。熊本へ旅立つ日、体調不良を理由に見送りに来ない錦織。ヘブンは船上で感謝を告げ、錦織は書斎で滞在記を開きながら咳き込み、喀血する。
明治25年(1892年)2月。熊本に来て約3カ月、松野家は違和感を抱えていた。ヘブンは松江と違い近代化が進む景色に馴染めず筆が捗らない。第五高等中学校の同僚教師・作山とは価値観が合わず、外国人教師・ロバートに熊本の不満をこぼす。トキとフミは新たに雇った女中のクマに家事を禁止され暇を持て余し、司之介は刺激を求め、怪しげな商人・荒金と接触する。そんな中、朝食のトーストを焼く焼き網が消えた。書生の正木主導で犯人探しになり、一家が疑心暗鬼に陥った結果、クマが女中を辞めると言い出す事態に。同じく書生の丈はクマの事情を思いやり、一計を案じる。責任を感じる正木も追随し、皆を和解へ導いた。2人の優しい嘘を察したヘブンは景色が変わっても人の心がそこにあることに触れ、執筆意欲を取り戻す。
高等中学校廃止の話[注 5]が持ち上がり[94]、ヘブンは執筆活動に専念する道を意識し始めるが、教師としての仕事はむしろ日に日に多忙になり、執筆に時間が割けない。トキたちは錦織に代わる「リテラリーアシスタント」になるべく、題材探しに奔走し、農村の女性・イセを見つける。イセはこれまでに受けてきたという呪いや言い伝えを語るが、ヘブンの疑問や好奇心を完全に満たすものとはならなかった。一方イセの話を聞いたトキは身体を張ってその”呪い”を受け、ヘブンはトキの献身性に改めて感じ入る。そんな折、イライザからの手紙が届き、日本滞在記のアメリカでの人気ぶりが知らされる。そこには「いまアメリカに戻れば売れっ子の作家になれる」とも書かれていた。
ヘブンにアメリカからフィリピン滞在記の執筆依頼が届く。ヘブンの日本での執筆の行き詰まりは同僚・ロバートも見抜いており、彼はヘブンに「家族と別れてでもフィリピンに行くべきだ」と勧める。ヘブンは家族とは別れたくなかったが、トキが英語を全く話せないのを見て、家族を海外には連れ出せないと悟る。ヘブンはフィリピン行きの件をトキに言い出せず、トキはロバートの妻・ランの口から初めてそれを聞いて動揺する。さらにトキの妊娠が判明。トキもヘブンとは離れたくない一方、彼が作家として歩むのを引き止めたくはなく、妊娠を言い出せない。2人は散歩に出る。そこでヘブンはトキの妊娠を知り、歓喜する。ヘブンは家族と残ることを選び、半年後、トキは初めての子供を出産する。
長男・勘太の戸籍の問題[95]を解消するため、ヘブンは日本への帰化を決める。それは海外渡航に制限がかかることを意味した[96]。一時的に戻った松江で複雑な事情[97]が分かり、トキとヘブンは雨清水家の戸籍に入る形を選ぶ[98]。しかし江藤知事が承認を渋る。トキとヘブンは錦織に仲裁を頼むが、錦織は冷たくあしらう。錦織は「ヘブンの近著には『日本滞在記』のような輝きがない」「日本という国に抱いていた夢・幻想が覚めたのだ」と指摘。さらに「海外で書けない、日本でも書けないヘブンは作家として死んだ」と突き放す。ヘブンは憤慨、発奮し、その日から猛烈に書き始める。錦織の目的は最初から、ヘブンをたきつけることにあった。明治26年(1893年)[99]春、ヘブンは日本人・雨清水八雲となる。また『東の国から』を書き上げ、献辞で「出雲時代の懐かしい思い出に 錦織友一へ」と捧げる。錦織はそれを読み、微笑む。数か月後、錦織はこの世を去る。
約10年後。八雲は東京に居を構え、トキや勘太、次男・勲ら家族に囲まれて幸せな日々を過ごしていたが、帝大教師の仕事をクビになってしまう。アメリカの新聞社では既に作家・ヘブンへの関心は失われ、新作を望むのはイライザだけ。八雲は仕事も見つからず、新作も書けず、追い詰められる。そんな夫にトキは、給料がなくなったくらいではこの家族は壊れない、時間ができれば好きなだけ執筆ができる、と優しく励ます。そして自身にも読める本を書いてほしいと頼む。学がないトキは夫の著作をずっと読めずにいた。2人は怪談をテーマに決める。トキが巷で怪談を収集し、八雲に聞かせる日々。やがて季節が一巡し、八雲は新作を書き終える。
明治37年(1904年)9月。2人で生んだ著作『KWAIDAN(怪談)』がトキと八雲の元へ届く。一家は歓喜するが、程なく夫婦に別れの時が訪れる。八雲の死後、来日したイライザから『KWAIDAN』のアメリカでの酷評を聞き、トキは夫の人生を台無しにしたと自分を責める。イライザは丈に兄と同じリテラリーアシスタントとなり、八雲のため、トキに回顧録を書かせることを約束させる。丈は口述筆記を試みるが、自責の念からトキが語るのは後悔ばかり。だがその話は八雲がトキとの日常を愛した何よりの証だった。トキは家族と丈に見守られ、夫婦の何気ない日々を語っていく。2人の死後『KWAIDAN』は世界でべストセラーとなり、トキの言葉は『思ひ出の記』という本となった。
ある夜、うらめしくも素晴らしい人生を語り終えたトキ。夫を散歩に誘い、夫婦仲良く部屋を後にした。
登場人物
主要人物
- 松野トキ(まつの トキ) → 雨清水トキ(うしみず トキ)
- 演 - 髙石あかり(少女期:福地美晴[24])
- 主人公。明治維新期の松江に生まれた士族の娘。
- 怪談話としじみ汁が好き。他にも古い伝承や呪い、金縛りといった迷信にも興味がある。
- 時代や周囲に翻弄される中で、レフカダ・ヘブンと出会い夫婦となる。
- 小泉八雲の妻・小泉セツがモデル[17]。
- レフカダ・ヘブン(Lefkada Heavin) → 雨清水八雲(うしみず やくも)
- 演 - トミー・バストウ[20][100]
- ギリシャ生まれ[注 6]のアイルランド人[1](国籍はイギリス[102][注 7])。子どもの時に左目を失明している[103]。
- 両親と早くに生き別れ、欧米各地を転々とし、来日前はアメリカで新聞記者をしていた。
- 文明開化の中で失われてゆく古き良き日本の習俗や侍に強い興味を持っており、武家屋敷や和服を好む。
- 日本滞在記を書くために来日し、中学の英語教師として赴任した松江でトキと出会い夫婦となる。
- ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)がモデル[2][17]。
- 錦織友一(にしこおり ゆういち)
- 演 - 吉沢亮[26][56]
- 松江随一の秀才。「大磐石」の異名を持つ。
- 教員試験を受けるため東京で暮らしていた折、松野家を出奔してきた銀二郎を助けて部屋に住まわせ、追って上京したトキとも知り合う。
- その後松江中学の英語教師となり、赴任してきたヘブンの通訳・世話役として同行。ヘブンの女中としてトキを紹介する。
- ヘブンの生活の世話のみならず、名所案内、ヘブンの執筆の手伝いなどにも尽力し、ヘブンと深い友情をはぐくむ。
- 生徒達にヘブンが松江を去ることを告げる際、実は教員試験は不合格であり、帝大も卒業していないことと、よって校長就任もないことを告げ、謝罪した。
- ヘブンの新著「東の国から」を受け取って、数か月後に死去する。
- 西田千太郎がモデル[26][104]。
松野家と東京の雨清水家
- 松野司之介(まつの つかさのすけ)
- 演 - 岡部たかし[22]
- トキの養父。元松江藩の武士。
- 明治に入って家禄[105]を失った後、投機的な事業(士族の商法)に手を出し、莫大な借金を負う。
- 天国町の貧乏長屋に移った後は「松牛舎牛乳」で配達の仕事をする。時勢に乗れず、トキの2度目のお見合いの直前まで丁髷を結っていた。
- 性格は楽天的。仕事は真面目ではないらしく、商品の牛乳を家に持ち込んで家族で飲んだり、花田旅館の女将からは「よく遅れる」と評される。
- 松野フミ(まつの フミ)
- 演 - 池脇千鶴[22][106]
- トキの養母。出雲大社の神官の家系から松野家に嫁いだ。怪談や神話、伝承に詳しく、トキに語って聞かせている。
- 家禄を失ってからは、刷り絵の色付けなどの内職で家計を支える。
- 司之介との間に子が出来ず、松野・雨清水両家の約束によりトキを養女にもらう。
- 松野勘右衛門(まつの かんえもん) → 上野勘右衛門(うえの かんえもん)
- 演 - 小日向文世[22][107]
- トキの養祖父、司之介の父。元松江藩の武士。
- 時勢に反し、武士としての誇りや家格にこだわり続ける厳格な人物。丁髷や刀の稽古を続けている。
- トキのことは「おじょ(お嬢)」と呼び、大切にしている。
- 旧藩時代に隠岐で異国船の見張り番を務めたことがあり、ヘブンを含む外国人を「ペリー」と呼んで毛嫌いしていた。
- 孫の様子を見に来るタツと懇意になって夫婦となり、トキたちが熊本に移住したのち上野家の戸籍に入る。曾孫である勘太が生まれてから約10年後の東京移住時には故人となっている。
- 雨清水勘太(うしみず かんた)
- 演 - ウェンドランド浅田ジョージ[108](0歳期:マクロレイ澪、ミチャエブ・ミラ、片桐善埜、土井嶺、4歳期:エーエイト)
- トキと八雲の長男。勘右衛門の「勘」をとって名付けられた。
- 雨清水勲(うしみず いさお)
- 演 - 柊エタニエル[109]
- トキと八雲の次男。
松江の雨清水家と雨清水織物
- 雨清水傳(うしみず でん)
- 演 - 堤真一[25][110]
- 松野家の親戚で、トキの実父[注 8]。元松江藩の上級武士で、松野家より家格が高い。傳自身も人格者として知られている。
- 没落する士族が多かった中、起業して雨清水織物を経営し、当初は軌道に乗せていた。しかし不景気に見舞われ、金策に走り回るうちに病で亡くなる。
- トキのことは昔から「親戚」として気にかけ、トキが学校を出ると女工として雇った。
- 雨清水タエ(うしみず タエ)
- 演 - 北川景子[27][110]
- 傳の妻。トキの実母[注 8]。トキに武家の女性としての礼儀作法や茶道などの教養を指導する。
- 松江有数の名家出身。身の回りのことを自分自身で行った経験がないほどのお姫様育ち。夫の傳よりも格が高く、呼び捨てにする[111]。
- 傳の病没・雨清水織物の倒産で財産が尽き、三之丞とともに親戚を転々とするも追い出され、一時は宿無しに陥った。
- 雨清水三之丞(うしみず さんのじょう)
- 演 - 板垣李光人[25][112]
- 傳とタエの三男。トキより2歳下で血縁上は実弟である。
- 元々はいわゆる武家の部屋住みのような扱いで、長男・氏松と違って家業にもほとんど携わっていなかったが、氏松の出奔・傳の病臥により急遽社長代理に担ぎ出され、会社を潰してしまう。
- その後、母・タエの「雨清水家の人間は人の上に立つべき」という思いを真に受け、社長を務めさせてくれる店を探して奔走。トキから生活費援助を受けるようになってからは母に「社長になった」と嘘をつく。
- 嘘が明るみになって母に謝罪したのち、港で荷下ろしの肉体労働に就く。
- 雨清水氏松(うしみず うじまつ)
- 演 - 安田啓人[113]
- 傳とタエの長男。
- 跡取りとして雨清水織物に勤めていたが、不景気で経営が傾いた際、重圧に耐えかねて出奔する。
- 氏松と三之丞の間には武松(たけまつ)という次男がいたが、早逝したと言及されている。
- チヨ
- 演 - 倉沢杏菜[29]
- トキが働く織物工場・雨清水織物の女工仲間。
- せん
- 演 - 安達木乃[29]
- トキが働く織物工場・雨清水織物の女工仲間。
- 平井
- 演 - 足立智充[113]
- 雨清水織物の従業員。通称「仏の平井」。傳が病に倒れた後、業績向上のプレッシャーから従業員につらく当たってしまう。
トキが出会う人々
- 山根銀二郎(やまね ぎんじろう) → 松野銀二郎(まつの ぎんじろう)
- 演 - 寛一郎[23]
- トキの最初の夫。働き者の好青年。トキにとって2度目のお見合い相手で、怪談好きで意気投合し結婚した。
- 旧鳥取藩の貧窮足軽の次男で、見合いの席には厳格な父とともに髷姿で来ていたが、本人は武士の時代を引きずる実家に嫌気がさしており、独立を望んでいた。
- トキからはお気に入りの妖怪「小豆洗い」に似ていると評される[114]。
- 松野家に婿入り後、その貧窮ぶりや勘右衛門からの躾に耐え兼ねて出奔。東京で人力車の車夫から身を興し、実業家に転身する。
- 山根鉄作
- 演 - 金替康博[115]
- 銀二郎の父。
- 野津サワ(のつ サワ) → 庄田サワ(しょうだ サワ)
- 演 - 円井わん[23][116](幼少期:小山愛珠)
- 松江の元下級武士の娘。トキの幼なじみ[117]で、ともに家が没落した後、同じ天国町の長屋で暮らす。
- ヘブンと結婚し豊かな暮らしを得たトキに、一時心理的な距離を感じるようになる。
- 貧しさから脱するため、この時代において女性でも稼げる数少ない職業だった教師を志し、松江小学校の非正規教員になる。
- トキたちが熊本に移住したのち、試験に合格して正規教員となり、庄田のプロポーズを受けて夫婦となる。
- 野津キヌ(のつ キヌ)
- 演 - 河井青葉[118]
- サワの母。病で床に臥せている。
- なみ
- 演 - さとうほなみ[23]
- 天国遊郭の遊女、のちに身請けされる。没落して長屋に越してきたトキやサワを何かと気にかける姉御肌な存在[119]。
- 貧しい農家の8人きょうだいの長女。家族の借金を返すために身売りされた。長年、遊郭を抜け出すのが夢で、ヘブンが女中を募った際には「ラシャメン」と蔑まれるのも覚悟で志願したが、叶わなかった。
- やがて馴染み客である福間から身請けを申し出られる。外の世界への不安から当初は戸惑いを見せるも、最終的には福間の真摯な思いを受け入れ、遊郭を後にする[120][121]。
- 山橋才路
- 演 - 柄本時生[33][34][122]
- 「山橋薬舗」の店主。当時の松江では珍しい西洋医学の薬品や、ビールなどの西洋由来の物品を扱う。
- 店の秘密の扉の先で「山橋西洋料理店」を営んでおり、自らシェフとして腕を振るっている。
- 2階では勉強したい大人たちが集まる秘密のサロン「白鳥倶楽部」を開いている。
- 中村守道
- 演 - 酒井大成[31][32]
- 旧松江藩士族の青年。トキの最初の見合い相手。お互いの第一印象は良かったものの、中村家側が松野家の武士らしさを重んじすぎる家風を敬遠して破談となる。
- 中村弥七
- 演 - 菰池剛史[123]
- 守道の父。松野家との見合いの席で、勘右衛門や司之介の風貌に戸惑う。
- 谷川原
- 演 - 岡部ひろき[124]
- トキやサワが通っていた小学校の先生[117]。
- 金成初右衛門
- 演 - 田中穂先[125]
- 司之介が城勤めだった時の知り合いで、ウサギの商売を司之介にもちかけた男。
- 当初は商売を広げ、「金で成り上がった初めての右衛門」を自称していた。ウサギバブル崩壊後に自身も負債を抱え、トキは彼がどこかへ連れ去られるのを目撃している。
松野家に関わる人々
- 森山善太郎
- 演 - 岩谷健司[29]
- 松野家に借金の取り立てに来る借金取り。強面だが根は優しい。
- たびたび「トキを遊女にさせる」と言って松野家の面々を脅していたが結局言葉通りにはしなかった。
- 明治23年時点では故人となっている。
- 森山銭太郎
- 演 - 前原瑞樹[29]
- 松野家の借金の取り立てを行っていた森山善太郎の息子。父の急死により家業を継ぎ、二代目として松野家への取り立てを担当するようになった[126]。口癖は「だらくそが」。
- 当初は厳しく取り立てる姿勢を見せていたが、次第に松野家の人々と交流を持つようになる。
- 借金を全額完済した際には、松野家で開催された完済祝いのパーティーに父の位牌を持参して出席。かつての敵対関係を超え、食事を共にしてその門出を祝った[127]。
- 上野タツ
- 演 - 朝加真由美[30]
- 上野久作と新作の祖母。松江の外れで一人で暮らしている[128]。
- 孫の様子を見に来るうち、勘右衛門の話し相手となり、のちに夫婦となる。
- 上野久作
- 演 - 立野空侑[129][130](幼少期:住田将太[130][131])
- 勘右衛門にくっ付いて武士の真似をする子ども。
- 上野新作
- 演 - 上山就暉[129][130](幼少期:前田拓澄[130][131])
- 久作の弟。
- 永見剣造(ながみ けんぞう)
- 演 - 大西信満[37][38]
- 人力車夫。錦織の紹介で、ヘブンの通勤時の送り迎えを請け負うようになる。極度の口下手で「不器用ですけん」が口癖。
- 当初は異国人であるヘブンに対し戸惑いを見せていたが、ヘブンの純粋な人柄に触れ、良き理解者となっていく[132]。
- 松野家が町の人々から激しいバッシングを受けた際には、落ち込むトキに対し「人の噂も七十五日」と励まし、数少ない一家の味方として支えた[133]。
- 松野家が松江を離れた後も、ともに熊本に移住する。しかし松江に妻子を置いてきたことを知ったヘブンより分厚い恩給を渡され、「クビ」という名目で松江へ帰るよう告げられる。
花田旅館
- 花田平太
- 演 - 生瀬勝久[30]
- ヘブンが松江で最初に滞在していた旅館の主人。
- 異国人を歓迎する気はなかったが、ヘブンが旅館を気に入ってしまったため、迎え入れることになる。
- 仕事は真面目だが愚痴が多く、「ヘブンには理解できないだろう」と日本語で文句をこぼしている。
- 最終的にはヘブンと折り合いが悪くなり、ヘブンが出て行くことになる。
- 花田ツル
- 演 - 池谷のぶえ[30]
- 女将。
- トキにとっては織物工場退職の後、しじみ売りをしていた頃にしじみを買ってもらっていた相手。
- トキがヘブンの女中となってからも、トキの仕事に協力している。
- ウメ
- 演 - 野内まる[30]
- 花田旅館の女中。ヘブンが来た当初は眼病を患っており、片目を失明しているヘブンの同情を買った。
- ヘブンが旅館を出た決め手は、平太がウメを医者に診せなかったことに対してヘブンが激怒したためである。
- ヘブンが一軒家を借りた後も、食事を運ぶためにヘブン宅に出入りし、トキには女中の仕事を教える。
松江中学
- 錦織丈
- 演 - 杉田雷麟[33][134]
- 錦織友一の弟。ヘブンの教え子。
- ヘブンが松江を離れた後は、正木とともに熊本第五高等中学校の予科に入学し、書生としてヘブン家に身を寄せる[135]。
- 約10年後のトキたちが東京移住時は、帝大の研究室に在籍。
- 正木清一
- 演 - 日高由起刀[33][136]
- ヘブンの教え子。「大盤石の再来」と目される秀才。
- ヘブンとトキを大雄寺に案内し、ヘブンが怪談に興味を持つきっかけを作る。
- ヘブンが松江を離れた後は、錦織丈とともに熊本第五高等中学校の予科に入学し、書生としてヘブン家に身を寄せる[135]。
- 小谷春夫
- 演 - 下川恭平[33][137]
- ヘブンの教え子。ヘブンの家に招かれた際にトキの顔に惚れ、松野家の人々やサワの協力を得てトキとの交流を図る。
- 伝承や古い習俗には興味がない。トキに合わせるため怪談を読んだものの、苦手意識は拭えなかった。
- 怪談の名所・清光院でトキの振る舞いを見るうちに想いが冷め、「トキが自分に好意を持っている」という勘違い[138]の上でトキに別れを告げる。
- しじみ汁が苦手。
- 錦織がその場にいることに気付かず、彼の英語の授業を「つまらない」と評した。
- 庄田多吉(しょうだ たきち)
- 演 - 濱正悟[35][36][139]
- 錦織友一の友人で、松江中学時代の同級生。錦織との仲は悪くないが、天才で名高い「大盤石」こと錦織に引け目を感じ、自虐として「半分弱」を称している。
- 東京で錦織と同じ日に教員試験を受け、その際にトキや銀二郎とも知り合う。試験は合格し、帝大を卒業して東京の中学で英語教師となる。
- 錦織に松江中学校長就任の話が持ち上がった時に、後任の英語教師候補として松江に呼び戻されるが、一度は断る。しかし、サワと知り合って、松江中学での就職を決意してプロポーズするも、自立を目指すサワに断られてしまう。
- 生徒達に、ヘブンが松江を去ることと、自身が松江中学の校長に就任することを告げる。
- トキたちが熊本に移住したのち、松江中学の校長に就任し、サワに再度プロポーズして夫婦となる。
江藤家とその関係者
- 江藤安宗(えとう やすむね)
- 演 - 佐野史郎[23][140]
- 島根県知事。出雲弁を話す生粋の島根人。
- 「島根を一流の県にする」ことをモットーとし、ヘブンを松江中学の英語教師として招く。
- 江藤リヨ(えとう リヨ)
- 演 - 北香那[31][32][141]
- 安宗の娘。東京の女学校出身で、英語が堪能なお嬢様。
- 先進的な西洋文化への憧れを持つ一方、地元の風習や伝統には興味がない。
- 西洋人ヘブンとの結婚を熱望するが両親に猛反対され、ヘブン本人にも振り向かれず失恋してしまう。
- 江藤ルイ
- 演 - 木全昌子
- 安宗の妻でリヨの母。
- 古田
- 演 - 松木賢三
- 江藤の秘書。
- 松浦
- 演 - 瀧沢修[142]
- リヨの執事兼お付き。リヨの私的な動向やヘブンへのプロポーズ計画などを新聞記者の梶谷にリークしていた[143][144]。
松江の人々
- 梶谷吾郎
- 演 - 岩崎う大(かもめんたる)[30]
- 新聞社「松江新報」の記者。記事を針小棒大に書く傾向がある。
- ヘブンとは簡単な英語で会話ができ、たびたび取材に訪れる。
- やがて市民がヘブンやトキたち一家に高い関心を持っていることに気付き、「ヘブン先生日録」の連載を始めて大評判を呼ぶ。トキたち松野家も一躍時の人となるが、ある記事が松野家への差別・誹謗中傷につながってしまう。
- 住職[145]
- 演 - 伊武雅刀[37][38][146]
- 「大雄寺」の住職。ヘブンとトキに大雄寺に伝わる怪談「水飴を買う女」を語る。
- 住職
- 演 - 湯浅崇[147]
- 破れ寺に身を寄せるタエと三之丞に食事を与える。
- 福間(ふくま)
- 演 - ヒロウエノ[120][148]
- なみを身請けした男性。なみ曰く「愛とお金だけはある」。
- 土江(つちえ)
- 演 - 重岡漠[149][150]
- 「白鳥俱楽部」で土木技師を目指して勉強をしている。
- 門脇(かどわき)
- 演 - 吉田庸[149][150]
- 「白鳥俱楽部」で弁護士試験の勉強をしている。
- 原田
- 演 - 滝本圭
- 司之介が働く松牛舎牛乳の社長。三之丞から社長として雇ってくれと直談判されるが追い返す。
- 松牛舎牛乳の従業員
- 演 - 小日向悠
- 司之介が働く松牛舎牛乳の従業員。
- 社長
- 演 - 火野蜂三
- 三之丞が「社長を務めさせてほしい」と直談判に行った先の社長。「雨清水家なんて誰も覚えていない」と追い払う。
- 勝部
- 演 - 吉田正幸[151][152]
- 松江市役所の職員。
東京
熊本の人々
- ラン
- 演 - 蓮佛美沙子[39][40]
- ヘブンの同僚教師・ロバートの妻。英語が堪能。
- ロバート・ミラー
- 演 - ジョー・トレメイン
- ヘブンの同僚教師でランの夫。熊本第五高等中学校の英語教師。
- 作山(さくやま)
- 演 - 橋本淳[39][40]
- ヘブンの同僚で、熊本第五高等中学校の英語教師。
- 右田
- 演 - 八田浩司[154]
- 熊本第五高等中学校の教頭。
- クマ
- 演 - 夏目透羽[39][40]
- 熊本に移住した後にヘブンが雇った松野家の女中。身寄りがなく、トキたちとともに東京に移住する。
- 「高い給金をもらっている」からと献身的に働くが、クマが頑張りすぎるため、トキやフミは暇になってしまう。
- 荒金九州男(あらがね くすお)
- 演 - 夙川アトム[39][40][155]
- 熊本の商売人。見るからに怪しそうな風貌で、大言を吐く。
- 隠居生活に飽いた司之介に「小豆相場が必ず跳ね上がる」と持ち掛け、司之介は家から大金を持ち出して荒金に託す。
- 店主
- 演 - 松岡達
- 司之介と荒金が会っていた喫茶店の店主[155]。
- 吉野イセ(よしの イセ)
- 演 - 芋生悠[39][40][156]
- 熊本の田舎に住む女性。身内を次々に亡くし、周囲から「呪われている」と言われるようになり、本人も迷信深くなる。
- ヘブンたちの前で、自らの呪いの原因とされる「人形の墓」の言い伝えを語る。
- 村上茂吉(むらかみ もきち)
- 演 - 緒方晋[157]
- イセを「呪われている」と忌み嫌う。
- 黒田
- 演 - 安井順平[158]
- 道で具合が悪くなったトキを丈と正木が運び込んだ医院の名医。
- トキを診察し、祝福する。
- 薮井(やぶい)
- 演 - DAIGO[159]
- 松野家に呼ばれてトキを診察するが誤診した町医者。
- 蛇と蛙からは「ヤブ医者」と呼ばれている。
- タカ
- 演 - 村岡希美[160]
- ミラー家の女中。トキに滋養たっぷりのハーベストスープを作ってくれた。
- ムツ
- 演 - 原ふき子[161]
- トキの出産に立ち会う産婆。
- 宮原、松永
- 演 - 神谷圭介、小出圭祐[162][152]
- 熊本市役所の職員。
アメリカ
- イライザ・ベルズランド
- 演 - シャーロット・ケイト・フォックス[28]
- ヘブンが来日前まで勤めていた、アメリカ・ニューオーリンズの新聞社の同僚。ヘブンに日本行きを勧めた人物。
- ヘブンの想い人であったと思われ、ヘブンは松江最初の家で書斎の机に彼女の写真を置いていた(ただしフォトフレームは普段伏せられていた)。またヘブンは来日後ずっとイライザに手紙を出し続けている。
- ヘブンが他人に心を開けないことを知っており、彼との距離を詰めるために来日。2人で暖かい国に行って滞在記を書こうと誘ったが、彼の心が既にトキにあると悟り1人帰国した。
- AERA DIGITALやPRESIDENT Onlineは、エリザベス・ビスランドがモデルだと報じている[163][164]。
- マーサ
- 演 - ミーシャ・ブルックス[165][166]
- ヘブンがシンシナティで新聞記者をしていた時に出会い、結婚していた相手。
- ヘブンの下宿先で下働きをしていた。ヘブンが有色人種差別に巻き込まれたことで心を病み、別れる。
- 宿屋の主人
- 演 - チャールズ・グラバー[166]
- ヘブンがシンシナティで下宿していた宿の主人。
- 牧師
- 演 - ドミニク・アーリー[166]
- ヘブンとマーサの結婚に立ち会う。
- 下宿の同居人
- 演 - ダニエル・コリンズ[166]
声の出演
スタッフ
- 作 - ふじきみつ彦[1]
- 音楽 - 牛尾憲輔[47]
- 主題歌 - ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」[45][46]
- 副音声解説 - 山崎健太郎(英語セリフ部分ボイスオーバー兼任)[168]
- 英語セリフ部分ボイスオーバー - 木村はるか
- 英語セリフ部分ボイスオーバー - 西地修哉[169]
- 土曜日『ばけばけ「第〇週」』ナレーション - 北郷三穂子(NHK大阪アナウンサー)
- タイトル写真 - 川島小鳥
- タイトルロゴ - 西澤和樹
- 資料提供 - 小泉凡、宮澤文雄、大森一輝、横山和輝、竹下修子[98]、小泉八雲記念館、松江歴史館、八雲会、正調関乃五本松節保存会、新聞博物館、郵政博物館
- 撮影協力 - 島根県(松江市、出雲市)、熊本県(熊本市)、松江フィルムコミッション協議会、島根フィルムコミッションネットワーク、滋賀ロケーションオフィス、大阪芸術大学、大阪市立クラフトパーク、京都市メディア支援センター、出雲大社、甲賀ロケーション推進協議会、くまもとシティ・フィルムオフィス、京都亀岡フィルムコミッション
- 時代・風俗考証 - 刑部芳則
- 松江風俗考証 - 藤岡大拙
- 出雲ことば指導 - 多々納斉、松島彩
- 鳥取ことば指導 - 宇仁菅真[注 9]
- 熊本ことば指導 - 梅原勇輝
- 英語指導 - 塩屋孔章、ネイサン・ベリー、米倉リエナ
- 所作指導 - 藤間豊宏
- 料理指導 - 広里貴子
- 英字指導 - 前田祐加
- 眼科指導 - 大路正人、川村肇
- 怪談ばなし指導 - 玉田玉秀斎[注 10]
- 茶道指導 - 有澤一男
- 三味線指導(タエ)・琴指導 - 菊央雄司
- 三味線指導(遊郭) - 長江浩子
- アクション指導 - 中村健人、奥深山新[170][171]
- 日本画指導 - 諫山恵実[87]
- 相撲指導 - 萩野孝生
- 医事指導 - 矢木崇善
- 書道指導 - 今口鷺外
- 絵画指導 - 苅谷昌江
- 華道指導 - 神前光園
- 謡曲指導 - 小笠原由祠
- 結婚式所作指導 - 岡村直樹
- 法要指導 - 株橋祐史
- 手品指導 - キタノ大地
- 仏事指導 - 丈徳
- 軍事所作指導 - 越康広
- そろばん指導 - 木下和真
- 助産指導 - 前田利子
- ほら貝指導 - 林龍沁
- 制作統括 - 橋爪國臣[1][4]
- プロデューサー - 田島彰洋[4]、鈴木航[4]、川野秀昭[22]、奈良橋陽子、田中陽児[22]
- 美術 - 山内浩幹、淀裕矢、向理沙、有本弘、和田岳秋
- 技術 - 増田徹、備中正幸、酒井俊史
- 音響効果 - 松本有加、巽浩悦、吉田直矢
- 撮影 - 岩崎亮、関照男
- 照明 - 根来伴承、大西弘憲、武井美晴
- 音声 - 吉竹淳樹、稲垣雄二、大成友二、安河内裕斗
- 映像技術 - 前田惇徳、原幸介、山下健、日野維乃、若嶋なな
- カラーグレーディング - 原幸介、前田惇徳、山下健、日野維乃、若嶋なな
- VFX - 西垣友貴、神戸大樹、山田茂人、北昌規、眞弓敬司
- CG - 大西智子、空閑卓海、佐藤望、田邉亮哉、大関聡
- 美術進行 - 鴫原広起、古市百人、澤幸樹、大塚良子、厚朴美紗子、毛尾喜泰
- 装置 - 佐藤千織、坂口大吾、山中宏華、澤井洸、平松康、吉田隆広、衣川紗生、大島櫻子
- 造園 - 堤正和、宮崎昭徳
- 装飾 - 津村政幸、横田浩之、長洲史雅、萬浪隆史、三好勇作、石井千尋、三村つかさ、田中美紅
- 特殊効果 - 奥村陵、宮崎真有
- 衣装 - 横山智和、鍛本美佐子、中村みのり、石川カンナ
- メイク - 堀洋子、正田早百合、秋山直美、櫻井安里紗
- 持道具 - 楠正由貴、森上陽子、髙屋友里
- かつら - 松本誠也、丹羽峯子、山崎浩彦、粟野洋子
- 特殊メイク - 江川悦子、権田日和
- 特殊メイク協力 - 荒井律子、大谷美咲、山崎佳子
- 助監督 - 小林直毅、小島東洋、田中陽児、早川優介、岡本拓大、後藤怜亜、大野陽平、小峰陸矢、上野香織、佐伯木乃実、畝岡歩未、増田愛海、野曽原明香、中元芽生、佐々木俊、石名遥、木村修、松岡一史
- 制作担当 - 木村晴治、長岡しのぶ、本田良太、森岡あゆみ、片山哲治、齋藤明日香、竹本航、荻野里美、德岡美紀、奥山温子
- 取材 - 川野秀昭、鈴木航、岡本拓大、小峰陸矢
- 編集 - 藤澤加奈子
- 記録 - 木本裕美
- 演出 - 村橋直樹[4]、泉並敬眞[4]、松岡一史[4]、小島東洋[28]、小林直毅[28]
- 制作・著作 - NHK大阪放送局[1]
オープニング
ポスタービジュアルも担当した写真家の川島小鳥が撮った写真を使い「静止画」で構成されている[172][173]。
トキとヘブンが結婚した後の、ふたりが松江を散歩している1日というコンセプトで、ドラマに寄り添った主題歌なのでその曲をゆっくり聴けるようにとの意図がある[172][173]。
2025年12月26日の第65回(第13週その5)は、本編のラストシーン直前に、いつもの「静止画」はない白いバックに、タイトルとサブタイトルと出演者などのクレジットのみが主題歌とともに放送された[68][174]。
2026年3月24日の第122回(第25週その2)の雨清水八雲の最期が描かれた回は、オープニングと主題歌のない異例な放送で、本編の冒頭にタイトルと最後に出演者を表記する特別な演出となった[175]。
3月27日の第125回の最終回(第25週その5)は最終回仕様のエンディングで、本編最終にほぼフルサイズの主題歌と特別仕様のオープニングタイトルバックを放送したのち、ラストシーンが初回の冒頭に繋がる劇的な演出となった[176]。
放送日程
- サブタイトルは、通称「ヘブン言葉」[177]。
- 登場する怪談や伝説の数字は、登場する第○回の略。
| 週 | 回 | 放送日 | サブタイトル | 演出 | 登場する怪談や伝説 | 週平均視聴率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2025年 | ||||||
| 1 | 1 - 5 | 9月29日 - 10月3日 | ブシムスメ、ウラメシ。 | 村橋直樹 | 耳なし芳一(1) 丑の刻参り(1) 鏡の池(5) | 15.5%[178] |
| 2 | 6 - 10 | 10月6日 - 10月10日 | ムコ、モラウ、ムズカシ。 | 源助柱(7) 清光院の松風(7)[179] | 14.8%[180] | |
| 3 | 11 - 15 | 10月13日 - 10月17日 | ヨーコソ、マツノケヘ。 | 泉並敬眞 | 鳥取の布団(11) | 14.7%[181] |
| 4 | 16 - 20 | 10月20日 - 10月24日 | フタリ、クラス、シマスカ? | 松岡一史 | 牡丹灯籠(16) | 15.2%[182] |
| 5 | 21 - 25 | 10月27日 - 10月31日 | ワタシ、ヘブン。 マツエ、モ、ヘブン。 | 村橋直樹 | 天狗(21) 天岩戸 (25) | 15.4%[183] |
| 6 | 26 - 30 | 11月3日 - 11月7日 | ドコ、モ、ジゴク。 | 泉並敬眞 | 14.9%[184] | |
| 7 | 31 - 35 | 11月10日 - 11月14日 | オトキサン、ジョチュウ、OK? | 村橋直樹 | 15.7%[185] | |
| 8 | 36 - 40 | 11月17日 - 11月21日 | クビノ、カワ、イチマイ。 | 松岡一史 | 藁人形(40) | 15.9%[186] |
| 9 | 41 - 45 | 11月24日 - 11月28日 | スキップ、ト、ウグイス。 | 泉並敬眞 | 大亀伝説(41) 城山稲荷神社(45) | 15.7%[187] |
| 10 | 46 - 50 | 12月1日 - 12月5日 | トオリ、スガリ。 | 松岡一史 | 15.8%[188] | |
| 11 | 51 - 55 | 12月8日 - 12月12日 | ガンバレ、オジョウサマ。 | 小島東洋 | 百度参り(52) 金縛り(55) | 15.7%[189] |
| 12 | 56 - 60 | 12月15日 - 12月19日 | カイダン、ネガイマス。 | 泉並敬眞 | お祓い(56) 水飴を買う女(57) 子捨ての話(59) | 15.8%[190] |
| 13 | 61 - 65 | 12月22日 - 12月26日 | サンポ、シマショウカ。 | 村橋直樹 | 小豆研ぎ橋(61) | |
| 2025年12月29日 - 2026年1月2日:年末年始の放送休止期間 | ||||||
| 2026年 | ||||||
| 14 | 66 - 70 | 1月5日 - 1月9日 | カゾク、ナル、イイデスカ? | 村橋直樹 | 15.6%[191] | |
| 15 | 71 - 75 | 1月12日 - 1月16日 | マツノケ、ヤリカタ。 | 泉並敬眞 | 15.3%[192] | |
| 16 | 76 - 80 | 1月19日 - 1月23日 | カワ、ノ、ムコウ。 | 松岡一史 | 15.5%[193] | |
| 17 | 81 - 85 | 1月26日 - 1月30日 | ナント、イウカ。 | 小林直毅 | 15.4%[194] | |
| 18 | 86 - 90 | 2月2日 - 2月6日 | マツエ、スバラシ。 | 泉並敬眞 | 松江城の人柱伝説(90) | 14.2%[195] |
| 19 | 91 - 95 | 2月9日 - 2月13日 | ワカレル、シマス。 | 村橋直樹 | 15.0%[196] | |
| 熊本編 | ||||||
| 20 | 96 - 100 | 2月16日 - 2月20日 | アンタ、ガタ、ドコサ。 | 小林直毅 | 15.2%[197] | |
| 21 | 101 - 105 | 2月23日 - 2月27日 | カク、ノ、ヒト。 | 小島東洋 | 人形の墓(104) | 14.4%[198] |
| 22 | 106 - 110 | 3月2日 - 3月6日 | アタラシ、ノ、ジンセイ。 | 小林直毅 | 14.7%[199] | |
| 23 | 111 - 115 | 3月9日 - 3月13日 | ゴブサタ、ニシコオリサン。 | 村橋直樹 | 14.7%[200] | |
| 東京編 | ||||||
| 24 | 116 - 120 | 3月16日 - 3月20日 | カイダン、カク、シマス。 | 泉並敬眞 | むじな、ろくろ首 葬られた秘密、雪女[注 11] | 14.8%[203] |
| 25〈終〉 | 121 - 125 | 3月23日 - 3月27日 | ウラメシ、ケド、スバラシ。 | 村橋直樹 | 15.1%[204] | |
| 期間平均視聴率:15.2%[204](ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム) | ||||||
放送時間変更
総集編
2026年1月2日 8時30分 - 9時58分にNHK総合とBSP4Kで総集編 前編が放送された[207]。
視聴率
作品の評価
木俣冬は、これまでの朝ドラとはかなり違った意欲作であったと評している。松江の朝や宍道湖の夕日、錦織の悲劇やトキとヘブンの別れなどの絵作りが秀でており、そういう絵を見て想像が膨らみ妄想を誘い、また「虫の声」も効果的であった[210]。
舞台では使うが映画やドラマではあまり使わない、あちらとこちらで別の話をしているという手法など、「なにげない日常を描く」ということが挑戦だったのではないかとしている[210]。
堀井憲一郎も、松江の宍道湖の夕景の「たそがれどき」や幾度も描かれた「圧倒的な夕焼け」が素晴らしく、怪談を語る時はロウソクの火だけの「夜」や「たそがれどき」を丁寧に描いていると評している[211]。
また、「ばけばけ」の時代にあったであろう事件や戦争が徹底して描かれない、時間が動かない完全なホームドラマであり、ここまでのホームドラマだった朝ドラは珍しいとしている[211]。
ドラマの影響
イベントおよび関連番組

- 2025年11月1日 『ばけばけ』特集in大阪(NHK大阪ホール) - 髙石あかり、トミー・バストウ 出演[214][215][216]
- 土スタ(NHK総合)で公開生中継された。
- 2025年11月2日 BK大感謝祭2025「ばけばけ」トークショー
- 2026年2月21日『ばけばけ』特集in島根「ばけばけ『島根にセンキョー!大感謝スペシャル』」(出雲市民会館) - 髙石あかり、岡部たかし 出演[219][220]
- 土スタ(NHK総合)で公開生中継された。
- 2026年3月16日 連続テレビ小説『ばけばけ』スペシャルトークイベント[221][222]
- in BK(NHK大阪ホール) - 髙石あかり、トミー・バストウ、寛一郎、さとうほなみ、濱正悟、前原瑞樹、野内まる、池谷のぶえ、佐野史郎 出演
- in 松江(島根県立美術館ホール) - 北川景子、板垣李光人 出演
- 『ばけばけ』スペシャルトークショー(NHK総合)が2026年3月20日に、45分の拡大版(NHK総合〈関西地域・中国地域向け〉)が3月21日に放送された。
イベント
関連番組
- うたコン(2025年8月26日、NHK総合) - ハンバート ハンバートが主題歌を初披露、髙石あかり、トミー・バストウ 出演[225][226]
- 小泉八雲のおもかげ ばけばけトミー・バストウが巡るアイルランドとニューオーリンズ(2025年11月3日、NHK総合)[227][228]
- 歴史探偵「ばけばけ」コラボ 小泉八雲とセツ (2025年12月3日、NHK総合) - 髙石あかり、トミー・バストウ 出演[229][230]
- ばけばけ 小泉八雲の怪談(2025年12月16日 - 、NHK総合〈大阪局〉) - 小泉八雲の怪談を佐野史郎、円井わん、濱正悟が朗読[231][232][233]
- 土スタ『ばけばけ』特集(2025年12月27日、NHK総合) - 寛一郎 出演[234][235]
- ジゴク?スバラシ!ばけばけ大学(2026年2月7日、NHK熊本放送局、NHK総合〈九州沖縄地方〉) - ゆめっち、芋生悠、小泉凡 出演[236][237][238]
- ミニベロ出会い旅「ばけばけ」の熊本へ 岡部たかし(2026年2月7日、NHK熊本放送局、NHK総合〈九州沖縄地方〉) - 岡部たかし 出演[239][240][238]
- ハンバートハンバートと「笑ったり転んだり」を語ったり♪(2025年2月23日、NHK総合〈大阪局〉) - ハンバートハンバート、阿佐ヶ谷姉妹、岩崎う大 出演[241]
スピンオフドラマ
本編終了後の3月30日 - 4月2日の4日間 23時 - 23時25分にNHK総合で、脚本は大池容子、花田旅館を訪れる怪しげな来客夫婦・誠 役に葉山奨之と紬 役に山谷花純を新たな出演者として加え、スピンオフドラマ2作品とインタビューなど(ドラマ:15分、インタビューかトーク:10分)が後述の日程で放送された[242][243]。
放送内容(スピンオフドラマ)
- 第1回・第2回「オサワ、スイーッチョン。」 - トキたち一家が熊本に転居した後のサワと庄田の物語
- 出演 - 円井わん、濱正悟、柄本時生、野内まる、重岡漠、吉田庸、河井青葉、髙石あかり、トミー・バストウ、吉沢亮
- その他の放送内容 - 髙石あかりのインタビュー(第1回)、トミー・バストウのインタビュー(第2回)
- 第3回・第4回「オウメサン、オカミ、シマス。」 - ウメが急遽花田旅館の一日女将を務める物語
- 出演 - 野内まる、岩崎う大、葉山奨之、山谷花純、髙石あかり、トミー・バストウ、池谷のぶえ
- その他の放送内容 - 円井わん・濱正悟・野内まるのトーク(第3回・第4回)
スタッフ(スピンオフドラマ)
- 作 - 大池容子
- 脚本監修 - ふじきみつ彦
- 音楽 - 牛尾憲輔
- タイトルロゴ - 西澤和樹
- 資料提供 - 小泉凡、宮澤文雄、小泉八雲記念館、松江歴史館、八雲会
- 撮影協力 - 島根県(松江市)、松江フィルムコミッション協議会、島根フィルムコミッションネットワーク、滋賀ロケーションオフィス
- 時代・風俗考証 - 刑部芳則
- 松江風俗考証 - 藤岡大拙
- 出雲ことば指導 - 多々納斉、松島彩
- 京ことば指導 - 堀部由加里
- 所作指導 - 藤間豊宏
- 料理指導 - 広里貴子
- 英語指導 - 米倉リエナ、塩屋孔章
- 眼科指導 - 川村肇
- 書道指導 - 今口鷺外
- 手品指導 - 魔ほうの愛華
- 制作統括 - 橋爪國臣
- プロデューサー - 田島彰洋、鈴木航
- 美術 - 山内浩幹、向理沙
- 技術 - 備中正幸、酒井俊史
- 音響効果 - 吉田直矢、巽浩悦
- 撮影 - 関照男、中川友莉恵
- 照明 - 大西弘憲、武井美晴
- 音声 - 大成友二
- 映像技術 - 原幸介、山下健
- カラーグレーディング - 前田惇徳
- VFX - 神戸大樹、西垣友貴
- CG - 北昌規、大西智子
- 美術進行 - 鴫原広起、澤幸樹
- 装置 - 佐藤千織
- 造園 - 堤正和
- 装飾 - 津村政幸、横田浩之
- 特殊効果 - 奥村陵、宮崎真有
- 衣装 - 横山智和、鍛本美佐子
- メイク - 堀洋子、正田早百合
- 持道具 - 楠正由貴、森上陽子
- かつら - 松本誠也、丹波峯子
- 特殊メイク協力 - 荒井律子、大谷美咲
- 助監督 - 岡本拓大、小峰陸矢
- 制作担当 - 木村晴治、本田良太
- 取材 - 川野秀昭
- 編集 - 藤澤加奈子
- 記録 - 木本裕美
- 演出 - 小島東洋、小林直毅
- 制作・著作 - NHK大阪放送局
放送日程(スピンオフドラマ)
| 回 | 放送日 | タイトル | 編 | 演出 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 3月30日 | オサワ、スイーッチョン。 主人公:サワ(円井わん) | 前編 | 小島東洋 |
| 2 | 3月31日 | 後編 | ||
| 3 | 4月1日 | オウメサン、オカミ、シマス。 主人公:ウメ(野内まる) | 前編 | 小林直毅 |
| 4 | 4月2日 | 後編 |
関連商品
- ドラマガイド(NHK出版、作・ふじきみつ彦、監修・NHKドラマ制作班、編・NHK出版)
- 連続テレビ小説 ばけばけ Part1(2025年9月22日、ISBN 978-4-14-923614-8)
- 連続テレビ小説 ばけばけ Part2(2026年1月29日、ISBN 978-4-14-923615-5)
- NHK出版オリジナル楽譜シリーズ(作詞・作曲 佐藤良成)
- 連続テレビ小説 ばけばけ 笑ったり転んだり(2025年11月8日、ISBN 978-4-14-055459-3)
- 連続テレビ小説「ばけばけ」オリジナル・サウンドトラック
- Vol. 1 (2025年11月26日発売)
- Vol. 2 (2026年3月4日発売)
- 連続テレビ小説 ばけばけ 完全版 ブルーレイ、DVD BOX