クマルビ神話
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| 1905年 | フーゴー・ウィンクラーがボアズキョイの発掘を開始。 |
| 1915年 | ベドジフ・フロズニーがヒッタイト語の解読に成功。インド・ヨーロッパ語族と確認。 |
| 1916年 | ドイツオリエント学会が『ボアスキョイ出土の楔形文字文書』 KBo を発刊開始。2015年までに計70巻。 |
| 1921年 | ベルリン国立博物館が『ボアスキョイ出土の楔形文字資料』 KUBを発刊開始。 1990年に60巻で終了。 |
| 1945年 | ハンス・ギュターボック が、KUB33巻(1943年)からクマルビ神話の「天上の覇権」「ウルリクムミ」を翻訳。神名はフルリ語由来と推定し、またヘシオドス「神統記」との類似性を指摘[注 1]。 |
| 1951-2年 | ギュターボック、 「ウルリクムミ」を改訳出版[3]。 |
| 1971年 | エマニュエル・ラロシェが、ヒッタイト文書を内容別に整理したヒッタイト文書カタログ (CTH)を発行[4]。 CTH321-370が神話。 |
| 1990年 | ハリー・ホフナーが発見されたヒッタイト神話のほとんどを英訳[5]。(1998年第2版) |
内容
以下の5つの歌を1995年にLebrunが「クマルビ神話集」と呼んだ[6]。
天上の覇権/クマルビの歌/出現の歌[注 2] (CTH344)
KUB33.120 I[注 3]
最初はアラルが天上の王者だった。 9年後、アヌがアラルを打ち破った。 アヌの9年目にクマルビが挑戦し、アヌの局所を噛み切った。 その時クマルビはアヌの精 を飲んだため、天候神をはらんだ。
KUB33.120 II
クマルビは天候神に対抗する子がほしいとアヤ(エア)に相談。 クマルビから天候神が生まれた。
KUB33.120 III(KUB36.31で補足)
天候神はクマルビに挑戦する。 (後半部は欠落)
KUB33.120 IV(KUB33.119で補足)
クマルビが吐き出した精 から「大地」が2人の男児を出産。
ラマの歌 (CTH343)
KUB36.2など。 クマルビとエアはラマを王座につける。 ラマが9年間神々の王となる。 その後ラマは天候神に負けたらしい。
銀の歌 (CTH364)
KUB33.115など。 人の子「銀」は父がクマルビであると知る。 「銀」は神々の王となった。 その後は不明。
ヘダムムの歌 (CTH348)
KBo26.72など。 クマルビは大食の海竜ヘダムムを生む。 愛の女神イシュタルは、ヘダムムに酒を飲ませて誘惑する。 その後は不明だが、おそらくヘダムムは殺された。
ウルリクムミの歌 (CTH345)
1 (CTH345.I[注 4].1) KUB33.102、KUB33.98など
クマルビと「岩」の間に岩の子、ウルリクムミが生まれた。
2 (CTH345.I.2) KUB36.12など
女神イシュタルはウルリクムミを誘惑しようとしたが、ウルリクムミは動じない。 天候神はウルリクムミに戦いを挑む。
3 (CTH345.I.3) ほぼKUB33.106
天候神はウルリクムミを倒す方法をエアに相談。 太古、天地を切り離した鋸でウルリクムミの足を切れとエアが助言。 (結末は欠損)