近世日本語
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17世紀の初め、日本の政治の中心地は、京都や大坂といった上方から、江戸幕府が本拠地と定めた江戸に移行したが、文化・経済は引き続き上方が中心地で、言語面でも現代の近畿方言の元となる上方語が最も影響力のある方言であった。その後、江戸幕府の安定に伴って文化・経済の中心も上方から江戸へ移行し、江戸時代後期には現代の東京方言の元となる江戸言葉が影響力を持つようになった。
江戸幕府の下で経済が成長し、都市部では町人文化や出版文化が成立・発達した。浮世絵や浄瑠璃、歌舞伎、文楽や落語、俳諧などといった新たな芸術が芽吹くとともに、浮世草子に始まり洒落本や滑稽本、人情本や草双紙などといった大衆向けの文学が新たに発展していった。江戸で発展した大衆本は、総称して戯作もしくは(江戸)地本と呼ばれる。この時代に活躍した代表的な文学者としては、井原西鶴(浮世草子、人形浄瑠璃、俳諧)や近松門左衛門(浄瑠璃及び歌舞伎)、松尾芭蕉(俳諧)、式亭三馬(浮世絵)、山東京伝(浮世絵及び戯作者)が挙げられる。
音韻
母音体系
母音は以下の5つであった。
- ア列: /a/: [a]
- イ列: /i/: [i]
- ウ列: /u/: [ɯ]
- エ列: /e/: [e]
- オ列: /o/: [o]
中世日本語においては、語頭の「え(/e/)」と「お(/o/)」はそれぞれ半母音の[j]および[w]を伴って実現していたが、18世紀の中頃には、それぞれ半母音を伴うことなく発音されるようになった[4]。
合拗音と直音の合流
→「日本語 § 外来の音韻」、および「ゎ」を参照