エティハド航空
アラブ首長国連邦の航空会社
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概要
アブダビ首長国出身の、UAE第2代大統領ハリーファ・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーンによって、2003年7月に設立。アブダビ首長国のフラッグ・キャリアであり[3]、ドバイ首長国のエミレーツ航空と並んで、UAEを代表する航空会社である。エティハド航空、エミレーツ航空、カタール航空は、「中東エアライン御三家」と呼ばれる。エミレーツ同様に3大航空連合には加盟していないが、アライアンスの枠を超えた多種多様なコードシェアで各航空会社と提携している。
イギリスのスカイトラックス社による航空会社の格付けで、実質最高評価の「ザ・ワールド・ファイブ・スター・エアラインズ」(The World's 5-Star Airlines) の認定を過去に得ていたが[4]、2019年5月に4スターエアラインに格付けが変更され[5]、2025年12月現在も4スターの格付けを維持している[6]。
ハブ空港のザイード国際空港を中心に、中東やアフリカなどのほか、アジア各地やヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカ、オセアニアなど世界各地に路線を展開している。
2003年11月に商業運航を開始してから、潤沢なオイルマネーを背景に新規機材を投入し、2006年6月まで1か月に1路線ずつ開設していた。2004年には5機のボーイング777-300ERと24機のエアバス機(4機のA380を含む)の総額80億ドルに及ぶ機材発注を行った。
なお同社設立までは、アブダビ首長国がバーレーンやオマーンとともに出資して運航していたガルフ・エアが同国のフラッグ・キャリアであったが、当社設立に伴いアブダビ首長国は2005年にガルフ・エアへの出資を取りやめた。
M&Aによる拡大
2010年代に入ってからはM&Aによる拡大路線を取り、2014年時点で以下の航空会社に出資していた。ヴァージン・オーストラリア以外はほぼ経営権を握り、事実上の傘下企業となったが、経営難によりその後傘下から外れるなど2023年末時点で、エティハドは保有株式を売却し、これら全てから撤退している。
- セーシェル航空(
セーシェル共和国)- 2012年に株式の40%を取得。2021年5月に株式40%をセーシェル政府に売却。 - エア・セルビア(
セルビア)- 2013年8月に株式の49%を取得。2023年5月13日、セルビア政府はエティハドから株式を買い戻し、エア・セルビアの株式100%の取得を完了したと発表した[7]。 - ヴァージン・オーストラリア(
オーストラリア)- 2014年5月に出資比率を21.24%に引き上げた[8]が、2020年4月に経営破綻。 - アリタリア-イタリア航空(
イタリア)- 2014年8月に株式の49%を取得した[9]が、2017年5月に経営破綻し傘下から事実上離脱。
アリタリアの2017年5月経営破綻に加え、同年10月には提携先のエア・ベルリン、同年12月にはダーウィン・エアライン、さらに2019年4月にはジェットエアウェイズが運航を停止するなど、傘下企業の中には経営が厳しいものも多く、それらに足を引っ張られる形でエティハドの連結業績も2016年・2017年の2年間で34億ドル(約3800億円)の損失を出し業績不振に陥っていた[10]。このため従来ライバルと見られていたエミレーツ航空との協力関係強化に走っており、操縦士の2社兼業を認めるなどの施策を打ち出している[10]。
機材
エティハド航空が発注したボーイング製航空機の顧客番号(カスタマーコード)はFXで、航空機の形式名は777-3FXER、777-FFXとなる。
運用機材
| 機種 | 保有数 | 発注数 | 座席数 | 備考 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| R | F | C | Y | 計 | ||||
| エアバスA320-200 | 16 | - | - | - | 16 | 120 | 136 | |
| 8 | 150 | 158 | ||||||
| エアバスA320neo | 1 | - | - | - | 8 | 168 | 176 | |
| エアバスA321-200 | 9 | - | - | - | 8 | 188 | 196 | |
| エアバスA321neo | 6 | - | - | - | 16 | 182 | 198 | バンブー・エアウェイズからの移管機材[14] |
| 8 | 200 | 208 | ||||||
| 215 | 223 | |||||||
| エアバスA321LR | 11 | 19[15][16] | - | 2 | 14 | 144 | 160 | |
| エアバスA330-900 | - | 15[17] | 未定 | 2027年より導入予定 | ||||
| エアバスA350-1000 | 10 | 17[18][17] | - | - | 44 | 327 | 371 | |
| エアバスA380-800 | 9 | - | 2 | 9 | 70 | 405 | 486 | 2027年までにうち2機復帰予定[19] |
| ボーイング777-300ER | 9 | - | - | 8 | 40 | 280 | 328 | |
| - | 340 | 380 | ||||||
| 28 | 384 | 412 | ||||||
| ボーイング777-8 | - | 8[20] | 未定 | |||||
| ボーイング777-9 | - | 17[20] | 未定 | |||||
| ボーイング787-9 | 37 | 4[21] | - | 8 | 28 | 190 | 226 | |
| - | 262 | 290 | ||||||
| 32 | 271 | 303 | ||||||
| ボーイング787-10 | 10 | 20[21] | - | - | 32 | 295 | 327 | |
| 貨物用機材 | ||||||||
| エアバスA350F | - | 10[22][17] | 貨物 | |||||
| ボーイング777F | 5 | - | 貨物 | |||||
| 計 | 123 | 110 | ||||||
- エアバスA320-200
- エアバスA321-200
- エアバスA321neo(20周年記念塗装)
- エアバスA350-1000
- エアバスA380-800
- ボーイング777-300ER
- ボーイング777F
- ボーイング787-9
- ボーイング787-10
- ボーイング787-10(グリーンライナー)
退役機材
- エアバスA300-600R/600RF
- エアバスA310-300F
- エアバスA319-100
- エアバスA330-200/200F/300
- エアバスA340-300/500/600
- ボーイング747-400F
- ボーイング747-8F
- ボーイング767-300ER
- ボーイング777-200LR
- マクドネル・ダグラス MD-11F
- エアバスA300-600RF
- エアバスA319-100
- エアバスA330-200
- エアバスA330-200F
- エアバスA330-300
- エアバスA340-300
- エアバスA340-500
- エアバスA340-600
- ボーイング747-400F
- ボーイング747-8F
- ボーイング767-300ER
- ボーイング777-200LR
就航都市
日本との関係
日本への運航便
| 便名 | 路線 | 機材 | ※コードシェア | 備考 | |
|---|---|---|---|---|---|
| EY800/801 | アブダビ | 東京/成田 | NH | 2026年6月18日より、世界最大の旅客機エアバスA380を投入 | |
| EY814/815 | 大阪/関西 | ボーイング787-9 | MS、NH | ||
※コードシェア
日本との歴史
- 2010年2月2日、名古屋-北京経由-アブダビ線を就航を週5便で運航開始した[34]。
- 2010年3月28日から、成田-アブダビ線を運航開始した[34]。
- 東日本大震災を受けて、2011年3月17日から3月22日まで、成田-アブダビ便を名古屋経由、名古屋-アブダビ便は直行で運航した。
- 2016年12月1日、エアバスA340-600を使用していた成田-アブダビ線の機材をボーイング787-9に変更[35]。
- 2020年2月から、名古屋-北京-アブダビ線の名古屋-北京区間を運休した[36]。
- 2023年10月1日、関西-アブダビ線に新規就航した。
- 2024年1月16日から、東京/成田-アブダビ線に、最新鋭のエアバスA350-1000型機を投入した[37]。
- 2025年冬ダイヤにおいて、大阪/関西-アブダビ線を期間運休[38]。
- 2026年6月18日より、東京/成田-アブダビ線に世界最大の旅客機エアバスA380型機を投入[39]。
日本向けサービス
日本路線では、ファーストクラスとビジネスクラスでは懐石料理を提供し、全便に日本語を話せる客室乗務員が乗務するほか、日本語のエンターテイメントプログラム、特別な機内食メニューなどオーダーメイドのサービスを提供している。
サービス
長距離路線ではファーストクラス(ファーストスイートもしくはファーストアパートメント)、ビジネスクラス(ビジネス・ステューディオ)、エコノミークラス(エコノミースマートシート)の3クラス制で、短中距離路線はビジネスクラスとエコノミークラスの2クラス制である。なお、エアバスA380のみファーストクラスより上級の「ザ・レジデンス」を2席用意している。「ザ・レジデンス」は座席を設けた個室の「リビングルーム」の他に専用のベッドルーム、バスルームを配したものとなっている[40]。
2009年8月から投入した新ファーストクラスは個室タイプで、室内は全長2 m・幅75.6 cmのフルフラットベッドになる大型シートを採用。シートはイタリアのポルトローナ・フラウ社製を使用するなどインテリアにもこだわり、個室の入り口もアラビア風のドアで演出。その他、マッサージ機能やパソコン・iPod・イーサネットケーブルなどのソケットが設置される。
上位クラスでは、テレビ・ラジオや600時間以上の映画、ゲームを楽しめるAVOD(オーディオ・ビデオ・オン・デマンド)エンターテインメント機付きの23インチワイドスクリーンLCD、専用ワードローブ、ミニバーを設置している。新ファーストクラスはエアバスA340-600に12席を設置した。2011年から、機内エンターテイメント (IFE) を提供するパナソニック アビオニクスと10年間にわたるIFEシステム独占供給の契約を締結[41]。2011年からボーイング777-300ERやエアバスA380に同社製IFEシステムのeX2を、エアバスA350 XWB受領後には最新のeX3シリーズをそれぞれ搭載している。
マイレージ・プログラムの Etihad Guest は、ニュージーランド航空、アリタリア-イタリア航空、全日本空輸、アメリカン航空、アシアナ航空、バンコク・エアウェイズ、ブリュッセル航空、ジェットエアウェイズ、オマーン航空、ニュージーランドのヴァージン・オーストラリア、スリランカ航空、ウクライナ国際航空、V オーストラリア、ヴァージン・オーストラリアと提携している。
エティハド航空パートナーズ
2014年10月には独自の航空連合として「Etihad Airways Partners」を立ち上げた[42]。系列のダーウィン・エアライン、エア・セルビア、セーシェル航空に加えてエア・ベルリン、ジェットエアウェイズが参加しているが、一方でヴァージン・オーストラリアは参加を見送っている[42]。
現在のメンバー
かつてのメンバー
エア・ベルリン(倒産、元ワンワールドメンバー)
ジェットエアウェイズ(倒産)
ダーウィン・エアライン(アドリア航空に売却されたのち、倒産)
アリタリア-イタリア航空(運航終了、元スカイチームメンバー)
提携航空会社
エティハド航空は、下記航空会社と提携を行っている[43]。
フリークエントフライヤー・パートナー
エア・カナダ(スターアライアンス)
エア・ヨーロッパ(スカイチーム)
エールフランス(スカイチーム)
ニュージーランド航空(スターアライアンス)
エア・セルビア
全日本空輸(スターアライアンス)
アメリカン航空(ワンワールド)
アシアナ航空(スターアライアンス)
アズールブラジル航空
ブリュッセル航空(スターアライアンス)
中国東方航空(スカイチーム)
エル・アル航空
ガルーダ・インドネシア航空(スカイチーム)
ガルフ・エア
海南航空
ジェットブルー航空
KLMオランダ航空(スカイチーム)
マレーシア航空(ワンワールド)
オマーン航空(ワンワールド)
ロイヤル・エア・モロッコ(ワンワールド)
サウディア(スカイチーム)

スカンジナビア航空(スカイチーム)
スリランカ航空(ワンワールド)
TAPポルトガル航空(スターアライアンス)
ベトナム航空(スカイチーム)
コードシェア・パートナー
ACPレイル・インターナショナル(非航空会社)
エア・アラビア
エア・カナダ(スターアライアンス)
エア・ヨーロッパ(スカイチーム)
ニュージーランド航空(スターアライアンス)
エア・セルビア
セーシェル航空
アカサ・エア
全日本空輸(スターアライアンス)
アシアナ航空(スターアライアンス)
アビアンカ航空(スターアライアンス)
バンコク・エアウェイズ
バティック・エア
ブリュッセル航空(スターアライアンス)
中国東方航空(スカイチーム)
中国南方航空
ドイツ鉄道(非航空会社)
エジプト航空(スターアライアンス)
エル・アル航空
エチオピア航空(スターアライアンス)
フライナス
ガルーダ・インドネシア航空(スカイチーム)
ガルフ・エア
ITAエアウェイズ
ジェットブルー航空
クウェート航空
ルフトハンザドイツ航空(スターアライアンス)
ミドル・イースト航空(スカイチーム)
オマーン航空(ワンワールド)
ロイヤル・エア・モロッコ(ワンワールド)
ロイヤル・ヨルダン航空(ワンワールド)

スカンジナビア航空(スカイチーム)
サウディア(スカイチーム)
スカイ・エクスプレス
スリランカ航空(ワンワールド)
スイス インターナショナル エアラインズ(スターアライアンス)
TAPポルトガル航空(スターアライアンス)
ターキッシュ エアラインズ(スターアライアンス)
受賞歴
- 2004、2005、2006年:World’s Leading New Airline (11th,12th,13th World Travel Awards)
- 2006、2007年:World’s Leading Flatbed Seat (13th,14th World Travel Awards)
- 2007年:World’s leading travel television commercial (14th World Travel Awards)
- 2009年:World’s leading Airline (World Travel Awards 2009)
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2007年と2008年初期において、F1世界選手権に参戦するスパイカーF1チームとその後継であるフォース・インディアチームのメインスポンサーとなっていた。しかし、フォース・インディアのオーナーとなったビジェイ・マリヤの所有するキングフィッシャー航空とのバッティングを回避するため、2008年開幕戦からはスクーデリア・フェラーリのスポンサーとなっており、マシンのリアウィング後ろ側にロゴが配されている。2009年から開催されているF1アブダビグランプリではタイトル・スポンサーとなった。
イングランドプレミアリーグのチェルシーFCのオフィシャルエアラインであった。2010-11シーズンより同じくプレミアリーグのマンチェスター・シティFCの胸スポンサーを務めており、2011年7月には本拠地のシティ・オブ・マンチェスター・スタジアムの命名権を獲得し「エティハド・スタジアム」と称している。その他ニューヨーク・シティFC、メルボルン・シティFC、ユーロリーグ、インディアン・プレミアリーグのムンバイ・インディアンズ、アル・アインFC、世界バドミントン連盟、ムバダラ・アブダビ・オープン、アブダビHSBC選手権のオフィシャルエアラインとして指定されている。またオーストラリア・メルボルンの競技場ドックランズ・スタジアムの命名権を獲得し、「エティハド・スタジアム」(上述のスタジアムとは別)と称している。
2015年には資本提携関係にあるアリタリア-イタリア航空と協同でミラノEXPO2015特別塗装機(エアバスA330)を運航しており、2月にはエティハド航空定期便にこの特別塗装機が投入され、愛知万博10周年記念イベント開催中の中部国際空港に飛来し、万博開催都市同士の交流がなされた。なお同博覧会では両者の共同で「アリタリア・エティハド・パビリオン」として出展している。