大暗室

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大暗室』(だいあんしつ)は、江戸川乱歩が発表したスリラー探偵小説

1936年(昭和11年)12月から1939年(昭和13年)6月まで、『キング』に掲載された。乱歩の連載小説のうちでは最も長くつづいた。乱歩曰く、「おそろしく大時代的な善玉悪玉の冒険小説で、涙香の『厳窟王』にルパンの手法をまぜたようなものを狙った」。また、エドガー・アラン・ポー陥穽と振子から着想を得ている[1]

ポプラ社の「少年探偵団シリーズ」では、子供向けに氷川瓏[2]が代作しているが、主役を原典には登場しない明智小五郎に、敵役が途中から怪人二十面相を名乗りだすように改変されている。そのため二十面相が残虐非道な殺人者として描れているが、作中で小林少年が「君はいつから怪人二十面相になったんだい」と問いかけていることから、別人の可能性を示唆している[3]

あらすじ

明治43年。有明友定男爵、大曾根五郎、召使いの久留須左門の三人は台湾からの帰りに嵐に会い、漂流する。有明男爵は財産と妻の京子を大曾根に譲る遺言状を残す。だが陸地が見え、奇跡的に助かりそうになったとき、大曾根は有明男爵と久留須を殺害する。

大正3年。京子を妻として有明家を乗っ取った大曾根は、有明男爵の遺児・友之助を、京子が目を離した隙に池に落として殺害する。だが、友之助は間一髪で生きていた久留須に救出される。悪事がばれた大曾根は、屋敷に火を放ち実子・竜次を連れて姿を消す。屋敷は火事で燃え落ち、京子は死亡し、久留須は大火傷を負う。

それから約20年後の昭和X年。大曾根竜次は東京を火焔の渦巻で燃やし尽くし、地上の栄華を極める事を友之助に宣言する。こうして、正義の騎士・友之助と悪魔の申し子・竜次の異父兄弟による凄惨な戦いの火蓋が切って落とされた。

主要登場人物

有明友之助
主人公の青年で、正義の騎士を名乗る。竜次の異父兄。
大曾根竜次
渦巻の賊で、悪魔の申し子。友之助の異父弟。
有明友定
友之助の父で男爵。大曾根五郎に殺害される。
大曾根五郎
竜次の父。有明男爵を殺害し、有明の財産を乗っ取る。
有明京子
友之助と竜次の母。有明男爵殺害の真相を知られたため、大曾根五郎に殺害される。
久留須左門
有明友定、友之助父子の忠実な僕。幾度となく友之助を助ける。
星野真弓
友之助の恋人。竜次に誘拐される。
花菱ラン子
レビュー団の人気女優。竜次に狙われる。

収録作品

脚注

外部リンク

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