暗黒星
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あらすじ
麻布の古い大洋館に住む伊志田家。そこで誰かが何かを企んでいるという予感を感じたために明智小五郎に相談を持ちかけていた伊志田家の子息、一郎が、ついに、明智への電話中に何者かに襲われるという事件が起こる。明智はすぐにかけつけ、邸内に出現した賊を追うが、とり逃がす。明智は医師に化けて伊志田邸に入り警戒にあたる。すると夜、円塔の窓から誰かが懐中電灯を使い、外と連絡しているらしき様子が見える。明智が確認しに行ってみるとそれは一郎の姉綾子だった。しかし綾子は父鉄造の前でそんなことはしていないと否定する。ふたたび賊が出現し、一郎の義母(当主鉄造の後妻)君代が風呂場で射殺される。明智も撃たれて入院を余儀なくされ、そのあいだに今度は一郎の妹鞠子が射殺される。そのさいの仕掛けが綾子と鞠子の部屋を仕切る壁の中にあったため、綾子が疑われだす。次に、また何者かによって円塔から外への合図が送られた夜、見張りをしていた明智の助手小林少年の目の前で、塀を乗り越え伊志田邸に入ってきた男が、窓越しに邸内の誰かと話したのち、射殺されるという事件が起こる。男は近くに住む印刷工場の会計係の若者であった。同時に物置で一郎が麻酔薬をかがされて倒れているのが見つかり、綾子は行方不明となる。刑事の捜査によって、綾子はひとりタクシーに乗り、駅前の安宿に泊まったのち消息を絶ったことが判明。いよいよ嫌疑は綾子にかかっていく。次に当主鉄造と一郎が行方不明になるが、一郎は庭の古井戸の底で見つかる。そしてまたも賊があらわれる。刑事たちが追うと、館の抜け道から地下の広い穴蔵まで逃れたその賊とは明智であった。その地下の穴蔵には、磔にされた鉄造と綾子がいた。賊はその部屋を水責めにしてふたりを殺すつもりだったのだ。一郎と刑事たちの前で、明智は、近くに居ても気づかないゆえに暗黒星と名づけていた真犯人を指摘する。