夢遊病者の死
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あらすじ
夢遊病者の彦太郎は、知らず知らずに盗みを繰り返し、奉行先から暇を出される。十数年ぶりに戻った実家では、M伯爵の元で働く父親との仲がこじれる一方だ。ある日、父親が変死する。彦太郎は、伯爵邸の玄関へ駈けつけて、一人の書生に事の次第を告げた。伯爵家からの電話によって間もなく警察がやってきて、検視の結果、死因が鈍器の打撃による脳震盪と判明した。彦太郎は、夢遊病のせいで自分がやったと思い込み、その場から逃走する。暫くして彦太郎は警官に確保されるが、警官の腕に抱かれたまま息を引きとった。
彦太郎の逃亡中、現場検証中の警察に伯爵家の書生の一人が、自分が犯人だと自白してきた。昨日、伯爵邸三階の大広間で晩餐があり、片付け中に絨氈につまずいて倒れた。そのはずみに部屋の隅に置いてあった花瓶台を倒し、台の上の装飾用の花氷が、開けてあった窓から飛び出した。そして、たまたま窓の外にいた父親にぶつかったのだった。書生は良心の呵責に耐え兼ね、自首したのだった。こうして事件は解決したが、真犯人ではない彦太郎が何故逃亡したのかは誰にもわからないのだった。