エリザベス女王杯

日本中央競馬会(JRA)が主催する中央競馬の重賞競走 From Wikipedia, the free encyclopedia

エリザベス女王杯(エリザベスじょおうはい、Queen Elizabeth II Cup(2012年まではQueen Elizabeth II Commemorative Cup))は、日本中央競馬会(JRA)が京都競馬場で施行する中央競馬重賞競走GI)である。

開催国 日本の旗 日本
競馬場 京都競馬場
創設 1976年11月21日
概要 エリザベス女王杯 Queen Elizabeth II Cup, 開催国 ...
エリザベス女王杯
Queen Elizabeth II Cup[1]
第47回エリザベス女王杯(2022年11月13日)
優勝馬:ジェラルディーナ
鞍上:クリスチャン・デムーロ
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 京都競馬場
創設 1976年11月21日
2025年の情報
距離 芝2200m
格付け GI
賞金 1着賞金1億5000万円
出走条件 サラ系3歳以上牝馬(国際)(指定)
負担重量 定量(3歳54kg、4歳以上56kg)
出典 [2][3]
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正賞はエリザベス女王杯、京都府知事賞、日本馬主協会連合会会長賞[2][3]

概要

第33回優勝馬リトルアマポーラ
第36回優勝馬スノーフェアリー
第38回優勝馬メイショウマンボ
第39回優勝馬ラキシス
第40回優勝馬マリアライト
第41回優勝馬クイーンズリング
第44回優勝馬ラッキーライラック

1970年から1975年まで京都競馬場の芝2400mで行われていた4歳(現3歳)牝馬限定の重賞「ビクトリアカップ」が本競走の前身で、中央競馬における4歳牝馬三冠競走の最終戦に位置づけられていた[4][5][6]

1975年にエリザベス2世が来日したことを記念し、1976年に「エリザベス女王杯」が創設[5][6]。距離や競走条件はビクトリアカップを踏襲したが、回次は新たに第1回とされた[5][6]。以来1995年まで、京都競馬場の芝2400mで4歳牝馬限定競走として施行していた[5]

1996年に牝馬競走体系が見直され、本競走の競走条件が「4歳牝馬」から「4歳以上牝馬」に変更、あわせて施行距離も芝2200mに短縮され、さらに同年からは本競走に代わる4歳牝馬三冠の最終戦として「秋華賞」が新設された。これにより、本競走は牝馬三冠路線を歩んできた4歳(現3歳)牝馬と古馬牝馬の実績馬が集い、女王を争うレースへと位置づけが大きく変わった[6]

1995年から指定交流競走として行われ、所定の成績をあげた地方競馬所属馬も出走が認められるようになった[6]。1999年からは外国馬も出走可能な国際競走に指定[6]、2008年から2025年まではジャパン・オータムインターナショナルのひとつとして行われるようになった[6]

2012年には英国王室と縁の深い関係を持つレースであることから、一般的にイギリス連邦以外では許可されないエリザベス女王即位60年記念「ダイヤモンドジュビリー」を日本で実施することについて特別に許可が下り、「エリザベス女王即位60年記念」の副題がつけられた[6]。さらに従来は「Queen Elizabeth II Commemorative Cup」としていた欧文表記も、バッキンガム宮殿から特別の許可が下りたため2013年の第38回から「Queen Elizabeth II Cup」に改められた[1]

2022年はエリザベス女王即位70周年(プラチナジュビリー)を記念し、グレートブリティッシュ・レーシング・インターナショナル(GBRI)より世界各国で行われるエリザベス女王の名前を付したレースに記念品が贈られることとなり、本競走の優勝馬主にも記念品を贈呈することが発表された[7]。なお、同時に予定していた「エリザベス女王即位70年記念」の副題付与は、同年9月8日に女王が崩御したため取りやめとなった[8]

また当競走からホープフルステークス(有馬記念の年もある)まで中央競馬では毎週G1開催が続く。

競走条件

以下の内容は、2025年現在[2][3]のもの。

出走資格:サラ系3歳以上牝馬(出走可能頭数:最大18頭)

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(出走資格のある馬のみ)
  • 外国調教馬(優先出走[9]

負担重量:定量(3歳54kg、4歳以上56kg)

  • 第1 - 20回は55kg[6]

出馬投票を行った馬のうち優先出走権を持つ馬から優先して割り当て、その他の馬は「通算収得賞金」+「過去1年間の収得賞金」+「過去2年間のGI(JpnI)競走の収得賞金」の総計が多い順に出走できる。

優先出走権

外国馬、およびレーティング順位の上位5頭(2026年からは上位10頭[10]、106ポンド以上)は優先出走が認められる。

JRA所属馬は、同年に行われる下表の競走で1着となった馬に優先出走権が与えられる[11]

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競走名競馬場距離
アイルランドトロフィーGII日本の旗東京競馬場芝1800m
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地方競馬所属馬の出走権

地方競馬所属馬は同年に行われる下表の競走のいずれかで2着以内に入着すると、優先出走権が与えられる[12][9]

さらに見る 競走名, 格 ...
競走名競馬場距離
京都大賞典GII日本の旗京都競馬場芝2400m
アイルランドトロフィーGII日本の旗東京競馬場芝1800m
秋華賞GI日本の旗京都競馬場芝2000m
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上記のほか、以下の条件のいずれかに該当する馬にも出走資格が与えられる[6]

  • JRAで施行するGI競走(2歳GI競走は除く)の優勝馬
  • 指定された外国の国際G1競走(2歳G1競走は除く)の優勝馬
  • 地方競馬指定交流競走のGI・JpnI競走(2歳GI・JpnI競走は除く)の優勝馬

賞金

2025年の1着賞金は1億5000万円で、以下2着5200万円、3着3300万円、4着2000万円、5着1300万円[2][3]

褒賞金制度

ジャパン・オータムインターナショナルに含まれるようになった2008年より、指定された外国の競走に優勝した馬が同年の本競走で優勝した場合は優勝賞金に加え褒賞金を交付している(2025年をもって休止)。

2024年現在の指定競走と金額は以下の通り[13]

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歴史

年表

  • 1976年 - 4歳(現3歳)牝馬限定の重賞競走として創設、京都競馬場の芝2400mで施行。
  • 1984年 - グレード制施行によりGI[注 1]に格付け。
  • 1996年
    • 出走資格を「4歳牝馬」から「4歳以上牝馬」に変更。
    • 施行距離を芝2200mに変更。
  • 1999年 - 国際競走に指定。
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走資格が「4歳以上牝馬」から「3歳以上牝馬」に変更。
  • 2008年 - ジャパン・オータムインターナショナルシリーズに指定(2025年まで)。
  • 2012年
    • 出走馬選定方法が変わり、レーティング上位5頭に優先出走を認める。
    • 「エリザベス女王即位60年記念」の副題をつけて施行。
  • 2013年 - 競走名の欧文表記を「Queen Elizabeth II Cup」に変更[1]
  • 2014年 - トライアル制を確立し、指定された競走の1着馬に優先出走を認める。
  • 2020年 - 京都競馬場整備工事に伴い、阪神競馬場で施行(2021年・2022年も同様)。
  • 2022年 - 「エリザベス女王即位70年記念」の副題を付して施行予定だったが、同年9月8日にエリザベス女王が崩御したことに伴い、副題付与を行わず施行された[14]

歴代優勝馬

コース種別の記載がない距離は、芝コースを表す。

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

競走条件は第20回まで「4歳牝馬」、第21回から第25回は「4歳以上牝馬」、第26回以降は「3歳以上牝馬」。

中央所属馬の表記は「JRA」としている。外国馬の所属表記は調教国の出典が明記されているもののみ表記し、検証できないものは空欄とした。

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回数施行日競馬場距離優勝馬性齢所属タイム優勝騎手管理調教師馬主単勝オッズ単勝人気1着本賞金
第1回1976年11月21日京都2400mディアマンテ牝3JRA2:28.5松田幸春稲葉幸夫佐藤弘嘉20.5[15]83300万円
第2回1977年11月20日京都2400mインターグロリア牝3JRA2:28.7福永洋一柳田次男松岡正雄8.633500万円
第3回1978年11月19日京都2400mリードスワロー牝3JRA2:29.1武邦彦服部正利熊本芳雄5.813600万円
第4回1979年11月18日阪神2400mミスカブラヤ牝3JRA2:32.6岡部幸雄西塚十勝(有)鏑矢7.52
第5回1980年11月16日京都2400mハギノトップレディ牝3JRA2:27.9伊藤清章伊藤修司日隈広吉8.034000万円
第6回1981年11月15日京都2400mアグネステスコ牝3JRA2:28.1西浦勝一久保道雄渡辺孝男8.544400万円
第7回1982年11月21日京都2400mビクトリアクラウン牝3JRA2:29.2嶋田功稲葉幸夫飯田正3.424700万円
第8回1983年11月20日京都2400mロンググレイス牝3JRA2:30.1河内洋小林稔中井長一4.614900万円
GIに格付け
第9回1984年11月4日京都2400mキョウワサンダー牝3JRA2:28.4樋口弘吉岡八郎浅川吉男68.2145000万円
第10回1985年11月3日京都2400mリワードウイング牝3JRA2:26.8内田国夫鶴留明雄宮崎忠比古18.765200万円
第11回1986年11月2日京都2400mメジロラモーヌ牝3JRA2:29.1河内洋奥平真治(有)メジロ牧場1.315400万円
第12回1987年11月15日京都2400mタレンティドガール牝3JRA2:29.3蛯沢誠治栗田博憲飯田政子12.345800万円
第13回1988年11月13日京都2400mミヤマポピー牝3JRA2:27.2松田幸春松田由太郎大宮良吾13.366300万円
第14回1989年11月12日京都2400mサンドピアリス牝3JRA2:28.8岸滋彦吉永忍(株)ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン430.6207000万円
第15回1990年11月11日京都2400mキョウエイタップ牝3JRA2:25.5横山典弘稗田研二松岡正雄13.687500万円
第16回1991年11月10日京都2400mリンデンリリー牝3JRA2:29.6岡潤一郎野元昭林田秋利2.418200万円
第17回1992年11月15日京都2400mタケノベルベット牝3JRA2:27.1藤田伸二小林稔武岡大佶91.3178800万円
第18回1993年11月14日京都2400mホクトベガ牝3JRA2:24.9加藤和宏中野隆良金森森商事(株)30.49
第19回1994年11月13日京都2400mヒシアマゾン牝3JRA2:24.3中舘英二中野隆良阿部雅一郎1.81
第20回1995年11月12日京都2400mサクラキャンドル牝3JRA2:27.2小島太境勝太郎(株)さくらコマース26.5108900万円
第21回1996年11月10日京都2200mダンスパートナー牝4JRA2:14.3四位洋文白井寿昭吉田勝己2.411億円
第22回1997年11月9日京都2200mエリモシック牝4JRA2:12.5的場均沖芳夫山本慎一8.83
第23回1998年11月15日京都2200mメジロドーベル牝4JRA2:12.8吉田豊大久保洋吉メジロ商事(株)4.62
第24回1999年11月14日京都2200mメジロドーベル牝5JRA2:13.5吉田豊大久保洋吉メジロ商事(株)3.92
第25回2000年11月12日京都2200mファレノプシス牝5JRA2:12.8松永幹夫浜田光正(有)ノースヒルズマネジメント6.43
第26回2001年11月11日京都2200mトゥザヴィクトリー牝5JRA2:11.2武豊池江泰郎金子真人5.94
第27回2002年11月10日京都2200mファインモーション牝3JRA2:13.2武豊伊藤雄二伏木田達男1.21
第28回2003年11月16日京都2200mアドマイヤグルーヴ牝3JRA2:11.8武豊橋田満近藤利一3.62
第29回2004年11月14日京都2200mアドマイヤグルーヴ牝4JRA2:13.6武豊橋田満近藤利一3.32
第30回2005年11月13日京都2200mスイープトウショウ牝4JRA2:12.5池添謙一鶴留明雄トウショウ産業(株)2.82
第31回2006年11月12日京都2200mフサイチパンドラ[注 2]牝3JRA2:11.6福永祐一白井寿昭関口房朗26.279000万円
国際GIに格付け
第32回2007年11月11日京都2200mダイワスカーレット牝3JRA2:11.9安藤勝己松田国英大城敬三1.919000万円
第33回2008年11月16日京都2200mリトルアマポーラ牝3JRA2:12.1C.ルメール長浜博之(有)社台レースホース13.24
第34回2009年11月15日京都2200mクィーンスプマンテ牝5JRA2:13.6田中博康小島茂之(株)グリーンファーム77.111
第35回2010年11月14日京都2200mスノーフェアリー牝3GBR2:12.5R.ムーアE.ダンロップアナモイン社8.54
第36回2011年11月13日京都2200mスノーフェアリー牝4GBR2:11.6R.ムーアE.ダンロップアナモイン社2.71
第37回2012年11月11日京都2200mレインボーダリア牝5JRA2:16.3柴田善臣二ノ宮敬宇田中由子23.07
第38回2013年11月10日京都2200mメイショウマンボ牝3JRA2:16.6武幸四郎飯田明弘松本好雄3.92
第39回2014年11月16日京都2200mラキシス牝4JRA2:12.3川田将雅角居勝彦大島昌也6.83
第40回2015年11月15日京都2200mマリアライト牝4JRA2:14.9蛯名正義久保田貴士(有)キャロットファーム15.26
第41回2016年11月13日京都2200mクイーンズリング牝4JRA2:12.9M.デムーロ吉村圭司吉田千津6.139300万円
第42回2017年11月12日京都2200mモズカッチャン牝3JRA2:14.3M.デムーロ鮫島一歩(株)キャピタル・システム7.75
第43回2018年11月11日京都2200mリスグラシュー牝4JRA2:13.1J.モレイラ矢作芳人(有)キャロットファーム4.731億500万円
第44回2019年11月10日京都2200mラッキーライラック牝4JRA2:14.1C.スミヨン松永幹夫(有)サンデーレーシング5.43
第45回2020年11月15日阪神2200mラッキーライラック牝5JRA2:10.3C.ルメール松永幹夫(有)サンデーレーシング3.31
第46回2021年11月14日阪神2200mアカイイト牝4JRA2:12.1幸英明中竹和也岡浩二64.910
第47回2022年11月13日阪神2200mジェラルディーナ牝4JRA2:13.0C.デムーロ斉藤崇史(有)サンデーレーシング8.141億3000万円
第48回2023年11月12日京都2200mブレイディヴェーグ牝3JRA2:12.6C.ルメール宮田敬介(有)サンデーレーシング2.41
第49回2024年11月10日京都2200mスタニングローズ牝5JRA2:11.1C.デムーロ高野友和(有)サンデーレーシング9.53
第50回2025年11月16日京都2200mレガレイラ牝4JRA2:11.0戸崎圭太木村哲也(有)サンデーレーシング2.31
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エリザベス女王杯の記録

  • レースレコード - 2:11.0(第50回優勝馬レガレイラ)[6][注 3]
    • 優勝タイム最遅記録 - 2:16.6(第38回優勝馬 メイショウマンボ)
  • 最年長優勝馬 - 5歳
    • メジロドーベル(第24回)、ファレノプシス(第25回)、トゥザヴィクトリー(第26回)、クィーンスプマンテ(第34回)、レインボーダリア(第37回)、ラッキーライラック(第45回)、スタニングローズ(第49回)
  • 最多優勝馬 - 2勝
    • メジロドーベル(第23回・第24回)、アドマイヤグルーヴ(第28回・第29回)、スノーフェアリー(第35回・第36回)、ラッキーライラック(第44回・第45回)
  • 最多優勝騎手 - 4勝
    • 武豊(第26-29回)
  • 最多優勝調教師 - 2勝
    • 稲葉幸夫(第1回・第7回)、小林稔(第8回・第17回)、鶴留明雄(第10回・第30回)、中野隆良(第18回・第19回)、白井寿昭(第21回・第31回)、大久保洋吉(第23回・第24回)、橋田満(第28回・第29回)、E.ダンロップ(第35回・第36回)、松永幹夫(第44回・第45回)
  • 最多優勝馬主 - 6勝
    • (有)サンデーレーシング(第44回・第45回・第47回〜第50回)[注 4]
  • 最多勝利種牡馬 - 5勝
  • 最年少勝利騎手 - 岸滋彦(19歳11ヶ月8日)
  • 最年長勝利騎手 -
  • 親子制覇
    • なし

[注 5]

  • 姉妹制覇
    • なし

[注 6]

  • 騎手・調教師の両方で優勝
    • 松永幹夫(第25回、第44回・第45回)

外国調教馬の成績

関連項目

  • ビクトリアカップ - 前身の競走
  • 秋華賞 - 本競走に代わって1996年に創設された3歳牝馬三冠最終戦
  • ヴィクトリアマイル - 春の古馬牝馬女王決定戦
  • サンドリンガム賞 (Prix de Sandringham) - フランスのG2戦。フランスオークス(ディアヌ賞)の前哨戦、リラ賞として行われていたが1972年にエリザベス女王がロンシャン競馬場の観戦に訪れた際にエリザベス女王杯 (Coupe de Sa Majesté la Reine Elizabeth) と改名された[17][18]。のちに、エリザベス女王が所有する王室牧場にちなんでサンドリンガム賞と改称された[19]

脚注

外部リンク

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