目隠し鬼 (ゴヤ)
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| スペイン語: La gallina ciega 英語: Blind Man's Buff | |
| 作者 | フランシスコ・デ・ゴヤ |
|---|---|
| 製作年 | 1788年 |
| 種類 | キャンバスに油彩 |
| 寸法 | 269 cm × 350 cm (106 in × 140 in) |
| 所蔵 | プラド美術館、マドリード |
『目隠し鬼』(めかくしおに、西: La gallina ciega, 英: Blind Man's Buffは、18-19世紀のスペインの巨匠フランシスコ・デ・ゴヤが1788年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。エル・パルド王宮内の王女たちの寝室に飾られる予定であった一連のタピストリー用下絵のうちの1枚として描かれた[1]が、本作はそれら下絵のうち完成した唯一のものとなっている[1][2][3]。1870年にマドリードの王宮から移されて以来[1][3]、プラド美術館に所蔵されている[1][3]。

エル・パルド王宮内の王女たちの寝室を飾るタピストリーのために、ゴヤは本作以外にも下絵を描く予定であったが、そのうちの1点『サン・イシドロの牧場』 (プラド美術館) は、油彩スケッチとしてしか描かれていない[4]。本作にも、準備用の油彩スケッチ (プラド美術館) が存在する[2]。そのスケッチと本作との間にはいくつかの相違が見られ、ゴヤは本作でタピストリー制作に配慮して、スケッチを簡略にしている[1]。たとえば、ゴヤは、中央奥の女性の背後左側にいた若い女性を除去した[3]。また、スケッチは正方形で、空がより大きな役割を与えられいるが、本作では横長になり、人物群に焦点が当てられている[1]。


この絵画に描かれている目隠し鬼の遊びは本来、スペインでは「スプーン遊び」と呼ばれていた。目隠しをされた者が、スペイン語でクチャロン (cucharón) と呼ばれる[2]大きな木のスプーンで触れる相手を探したからである[3]。18世紀には人気のある遊びで、ジャン=オノレ・フラゴナールの『目隠し鬼』 (トレド美術館、米国オハイオ州) に見られるように、しばしばロココ時代の絵画の主題となっている[3]。
本作では、上流階級に属すると思われる5組のカップルが当時の貴族の間で流行していた「マホ (majo)」と「マハ (maja)」 (アンダルシア地方の民族衣装を着た男女) の装いで、目隠し鬼に興じている。こうした主題は常に、男女の奔放な恋愛という含みを持っていた。実際、研究者は、この絵画が恋愛を示唆していると考えている[2]。ジャニス・トムリンソン (Janis A. Tomlinson) は、目隠しをされている男性が仲間たちの中に囚われており、盲目の恋の比喩であるという解釈をしている[1]。一方、男性がキューピッドのよう目隠しをして、愛の矢で射るように大きなスプーンで相手に触れるのも、やはり恋愛を示唆すると思われる[2]。なお、本作は、明らかに『マンサナーレス河岸での踊り』 (プラド美術館) と類似している。両作品とも、同じ場所に設定され、同じ余興と遊びを描写しているからである[1]。