砂漠の若き洗礼者ヨハネ
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| スペイン語: San Juan Bautista niño en el desierto 英語: Saint John the Baptist in the Desert | |
| 作者 | フランシスコ・デ・ゴヤ |
|---|---|
| 製作年 | 1810-1812年 |
| 種類 | キャンバスに油彩 |
| 寸法 | 112 cm × 82 cm (44 in × 32 in) |
| 所蔵 | プラド美術館、マドリード |
『砂漠の若き洗礼者ヨハネ』(さばくのわかきせんれいしゃヨハネ、西: San Juan Bautista niño en el desierto, 英: Saint John the Baptist in the Desert)は、18-19世紀のスペインの巨匠フランシスコ・デ・ゴヤが1810-1812年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。2003年以来、マドリードのプラド美術館に所蔵されている[1][2][3]。本作は、同時にプラド美術館に収蔵された『大天使ラファエルとトビアス』および『聖家族』とともに古い資料にはあったものの、19世紀から行方不明とされていた[3]。作品は2000年にロンドンのルカ・バローニ (Luca Baroni) 画廊に登場した後、スペイン政府によって金融機関カハ・マドリードのノンリコースローンとしてプラド美術館のために購入された[1]。

ゴヤは、洗礼者ヨハネを青年として表している。洗礼者ヨハネの主題は、スペインではバロック期以来、非常に一般的なものであった[1]。本作のヨハネは「ECCE AGNUS [DEI] (見よ、神の子羊)」[2][3]と書かれた旗を携えており[1][2][3]、岩の上に腰かけつつ、上を見上げている。イエス・キリストの将来の受難に思いをはせているのかもしれない[1][3]。
場面の岩場は隠者を表す場面としてよく使われるものである[3]が、研究者マヌエラ・メナ (Manuel Mena) によれば、ゴヤが用いている構図は、イタリア・バロック期の巨匠グイド・レーニのものに最も近いということである[2]。実際、従来のスペイン絵画であれば、ヨハネは幼児として描かれるのが常であったが、ゴヤはイタリア美術に着想を得て、剛健で逞しい肉体を持つ若者として描いている[3]。


本作の保存状態は良く、ゴヤの描法を完全に見て取ることができる。ゴヤは、カディスのサンタ・クエバ祈祷所用連作で人物の肌を表現するのに緑色のタッチを用いたが、それらの作品の色調は祈禱所の薄暗がりと周囲の光のために溶け合っている。ゴヤは本作のヨハネの身体にも同様の緑色のタッチを用いており、本作も薄暗い祈祷所か礼拝堂のような場所にあったものと考えられる[2]。
作品の保存状態の良さはゴヤの円熟期の技法の結果であり[1]、様式的にスペイン独立戦争時代にあたる1808-1812年ごろに制作された作品と一致する[2]。いずれにしても、ゴヤの妻ホセファ・バイエウ (Josefa Bayeu) が1812年に死去した際に作られた彼女の財産目録以前に描かれたことは確かである[2]。
なお、ホセファ・バイエウが1812年に他界した後の1812-1814年に、彼女の財産はゴヤと夫妻の息子ハビエル (Javier) の間で分割されている。ハビエルに相続された絵画には、目録番号の後に「X」という印が付けられた。本作は、ゴヤの死後にハビエルによって売却されたに違いない[2]。