ポンテホス侯爵夫人
From Wikipedia, the free encyclopedia
| スペイン語: La marquesa de Pontejos 英語: The Marquesa de Pontejos | |
| 作者 | フランシスコ・デ・ゴヤ |
|---|---|
| 製作年 | 1786年ごろ |
| 種類 | キャンバス上に油彩 |
| 寸法 | 210.3 cm × 127 cm (82.8 in × 50 in) |
| 所蔵 | ナショナル・ギャラリー、ワシントン |
『ポンテホス侯爵夫人』(ポンテホスこうしゃくふじん、西: La marquesa de Pontejos, 英: The Marquesa de Pontejos)[1][2]、または『マリアナ・デ・ポンテホス・デ・サンドバル、ポンテホス侯爵夫人』(マリアナ・デ・ポンテホス・デ・サンドバル、ポンテホスこうしゃくふじん、西: Mariana de Pontejos de Sandoval, Marchioness of Pontejos)[3]は、18 - 19世紀のスペインの巨匠フランシスコ・デ・ゴヤが画業初期の1786年ごろ、キャンバス上に油彩で制作した肖像画である。1937年にアメリカ人実業家アンドリュー・メロンのコレクションから寄贈されて以来、ワシントン・ナショナル・ギャラリーに所蔵されている[1][2][3]。
本作は、モデルの女性ポンテホス侯爵夫人マリアナ (1762-1834年) が1786年にフランシスコ・アントニオ・モニニョ・イ・レドンド (Francisco Antonio Moñino y Redondo) と結婚した年に描かれたと思われる[1][3]。彼は、ポルトガル大使を務め、ゴヤが描いたフロリダブランカ伯爵の兄弟であった。ポンテホス侯爵夫人はマドリードのカレラ・デ・サン・ヘロニモ (Carrera de San Jerónimo) の宮殿に居住していたが、1820年にパリに亡命している[3]。

侯爵夫人は、シフォン、ピンク色のリボン、花で飾られた貴族的な灰色のドレスを身に着け、ハイヒールの靴を履いて立っている。ゴヤはこのドレスを非常に詳細に描いており、見事に描かれたシフォンの襞にその努力の跡を残している。髪粉をつけた印象的な鬘の上には、クリーム色の帽子が載っている[3]。手に持っているのはカーネーションの花である[1]。夫人の顔はあまり表情が見られないが、繊細に表現されている。彼女の手前にいる犬は、軽い筆致で写実的に描かれている[3]。この犬 (パグ[2]) は忠実さの象徴である[3]。
背景に理想的な風景が見えるこの肖像画は、フランスとイギリスの肖像画の影響を示している[3]。ゴヤは、エングレービングを通してしかイギリスのトマス・ゲインズバラやジョシュア・レノルズの肖像画を知らなかったが、彼らから優雅さと贅沢さの印象を伝えることを学んだ[2]。ちなみに、侯爵夫人の帽子は、ゲインズバラの肖像画にしばしば見られるものである[1]。一方、絵画の薄色の色調はスペイン絵画におけるロココ様式の最期の段階を示しているが、全体の銀色がかった灰色の色調は同時にディエゴ・ベラスケスを想起させる。ゴヤは、ベラスケスの絵画を熱心に学び、その複製を描いた[1]。