近鉄1010系電車

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製造所 近畿車輛
種車 920系
製造年 1972年
近鉄1010系電車
名古屋線を走る1010系
基本情報
運用者 近畿日本鉄道
製造所 近畿車輛
種車 920系
製造年 1972年
改造年 1987年 - 1989年
改造数 5編成15両
投入先 名古屋線
主要諸元
編成 3両編成[1]
軌間 1,435 mm
電気方式 直流1,500 V
最高運転速度 名古屋線:110 km/h
湯の山線・鈴鹿線:80 km/h
自重 Mc車・M車:41.0 t [2]
Tc車:35.0 t [2]
全長 20,720 mm[2][3]
全幅 2,800 mm[2][3]
全高 M車 4,150 mm[2][3]
Tc車 4,017 mm[2][3]
台車 Mc・M車:KD-74[2][3]
Tc車:KD-32E/KD-42A/ND-8A[3]→KD-51H
主電動機 三菱電機MB-3020E[2][3]
主電動機出力 132 kW × 4[2][3]
駆動方式 WNドライブ
歯車比 5.47 (82:15) [2]
制御方式 界磁位相制御
制御装置 日立製作所製MMC-HTR-20E[2][3]
制動装置 回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキ(HSC-R)[2][3]
保安装置 近鉄型ATS列車選別装置列車無線装置
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1010系電車(1010けいでんしゃ)は、近畿日本鉄道(近鉄)が1987年に導入した名古屋線向け一般車両(通勤形電車)である。当初は京都線920系として1972年に登場し、1987年の名古屋線への転属の際に1010系に改番された[3][4]

京都線時代については近鉄920系電車を参照のこと。

前身の京都線920系(1986年)

京都・奈良線系統では旧型車の置き換えと輸送力増強を目的に旧型吊り掛け駆動車の機器類を流用した920系1972年に登場し、新造車8400系と同様の車体を搭載して3両編成5本が製造された。1982年からの冷房化の際に高性能車に改造され、制御方式も抵抗制御から界磁位相制御に変更された[5]

920系は京都線系統での3両編成運用の減少のため1987年より全5編成が名古屋線へ転属することとなり、同様に機器流用の旧型車から高性能車に改造されて性能の類似していた1000系に続く形で1010系に改称された[6]

編成

編成は920系時代と同じく3両編成である。電算記号はT(10番台)[7]

近鉄名古屋
伊勢中川
Tc
ク1110形
M
モ1060形
Mc
モ1010形

構造

車体

車体は京都・奈良線用8400系に準じた4扉ロングシートの幅広車体である。京都線車両を出自とするため、全線共通仕様の車体を持つVVVFインバータ制御車が投入されるまでは名古屋線車両で唯一幅2800 mmの裾絞り車体を持っていた。920系の高性能化改造時に前面方向幕が設置されている。

主要機器

920系時代の1982年より冷房化と高性能化が行われ、同様に高性能化された1000系と近い性能になった。名古屋線転属の際には主幹制御器の交換が行われたほか、当時の奈良・京都線系統では連結器高さが800mmと低かったため、これを880 mmに変更する工事が行われている[5]

制御方式は界磁位相制御で、制御装置は8000系の省エネ改造に伴う1C8M化で発生したものを搭載した[5]。主電動機は特急車10100系ビスタカー」の廃車発生品を流用したMB-3020で、主電動機出力を特急車時代の125 kWから132 kWに増強して搭載した[5]

改造

車体更新

1992年から1993年にかけて全編成に車体側面の方向幕設置を中心とする車体更新が行われた[4]

ク1110形の台車交換

前述の車体更新後に全編成、後述のB更新・ワンマン運転対応改造時に1012F・1013F・1015Fにク1110形の台車交換が行われた[8]奈良線の廃車発生品の金属ばね台車KD-51Hや空気ばね台車KD-64Aに交換されている[8]

B更新・ワンマン化改造

2006年7月から2014年9月にかけて1012F・1013F・1015F・モ1060形モ1066(元モ1064)に車体の内外装材交換を中心とする2回目の車体更新(B更新)とワンマン運転対応改造が高安検修センターにて行われた[9][10][8][11]

車体連結部の転落防止幌設置

後年、B更新施工・未施工およびワンマン運転対応・非対応を問わずに全編成に車体連結部の転落防止幌設置が行われた[9][10]

火災事故復旧と中間車転用・改番

1010系1016F(2023年)

1012Fは2008年8月12日に鈴鹿線三日市駅で停車中、復旧後の2011年1月2日に同一区間を走行中にモ1060形モ1062の床下から発煙する列車火災事故近鉄鈴鹿線三日市駅構内列車火災事故)で被災しており、一旦塩浜検修車庫に留置された。1012Fは1014Fと共に五位堂検修車庫に自力回送され、中間車転用と1016Fへの改番を経て、2013年11月30日から営業運転に復帰した[6][12][13]

名古屋寄りからク1112 + モ1064 + モ1012に組み替え[12]、ク1110形ク1112はク1116、モ1060形モ1064はモ1066、モ1010形モ1012はモ1016に改番が行われ[12]、1016F(電算記号:T16[12])となった[7]。両先頭車は1012F時代にB更新とワンマン化が行われていたが、中間車のモ1066はB更新とワンマン化が行われていなかったため、先頭車と中間車で内外装材の異なる3両編成となっていた[12]

余剰となったク1110形ク1114・モ1010形モ1014・モ1060形モ1062は一旦高安検車区に留置された[12]

奈良線8600系への編入

8600系サ8177(2015年)

2014年9月にモ1060形モ1062が電装解除の上でサ8177に改番が行われ、車齢の高いサ8167(元8000系モ8000形モ8059(近鉄奈良線爆破事件の被災車両))を置き換えるため、8600系8617Fに編入された[6]。これにより、同車は920系時代に運用された奈良・京都線系統に再入線することとなった[6]。置き換えられたサ8167は元8000系モ8000形モ8059で、1972年に奈良線の菖蒲池駅付近で発生した爆破事件の被災車両であった。

サ8177(元1010系モ1010形モ1062(近鉄鈴鹿線三日市駅構内列車火災事故の被災車両))は1012F時代に車体連結部の転落防止幌設置が行われたため、他の8600系T車とは前後逆の窓配置かつ車体断面の異なる4両固定編成となった[14]

運用

名古屋線の準急普通列車を中心に[3][11][6]、平日早朝の山田線鳥羽線の普通列車(車掌乗務)でも運用されている。ワンマン運転対応編成は上記運用のほかに湯の山線・鈴鹿線でも運用されている[11][6]

2024年10月現在ではサ8177(元1010系モ1010形モ1062(近鉄鈴鹿線三日市駅構内列車火災事故の被災車両))[15]・ク1110形ク1114・モ1010形モ1014以外に1010系として廃車された車両は発生しておらず、1011F・1013F・1015F・1016Fの12両が明星検車区に配置されている[16]

編成一覧

  B更新出場 ワンマン対応 廃車
1011F 未施工 非対応[3] 運用中
1012F 2006年7月[9] 対応済[9] 中間車のみ2024年9月
1013F 2007年8月[10] 対応済[3][6][10] 運用中
1014F 中間車のみ2014年9月 中間車のみ対応済[3][6] 両先頭車のみ2013年12月
1015F 2006年9月[9] 対応済[3][6][9] 運用中
1016F 施工済 対応済[3][6][9] 運用中

参考文献

  • 諸河久・山辺誠『日本の私鉄 近鉄2』(カラーブックス)、保育社、1998年。ISBN 4-586-50905-8
  • 日本の私鉄「近畿日本鉄道」p.84・p.85 (著者・編者 広岡友紀、出版・発行 毎日新聞社 2012年) ISBN 978-4-620-32003-8
  • 『近畿日本鉄道完全データ』 p.58・p.59 (発行 メディアックス 2012年) ISBN 9784862013934
  • 飯島厳・藤井信夫・井上広和『復刻版 私鉄の車両13 近畿日本鉄道II 通勤車他』ネコ・パブリッシング、2002年(原版は保育社、1986年)。ISBN 4-87366-296-6
  • 『私鉄車両年鑑2012』 16p (発行 イカロス出版 2012年)ISBN 978-4-86320-549-9
  • 三好好三『近鉄電車 大軌デボ1形から「しまかぜ」「青の交響曲」まで100年余りの電車のすべて』(JTBキャンブックス)、JTBパブリッシング、2016年。ISBN 978-4-533-11435-9
  • 交友社鉄道ファン
    • 付録小冊子「大手私鉄車両ファイル 車両配置表&車両データバンク」2007年9月・2008年9月・2013年8月 - 2015年8月・2019年8月発行号
    • 2018年2月号 Vol.58/通巻682号 柴田東吾「機器流用車の現状 大手私鉄後編」p.88 - p.93
  • 三木理史「私鉄車両めぐり 148 近畿日本鉄道」『鉄道ピクトリアル』1992年12月臨時増刊号、電気車研究会。pp.227-265

脚注

関連項目

外部リンク

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