ヴェネツィア: 昇天祭の日のサン・マルコ湾

From Wikipedia, the free encyclopedia

製作年1740年ごろ
寸法121.9 cm × 182.8 cm (48.0 in × 72.0 in)
『ヴェネツィア: 昇天祭の日のサン・マルコ湾』
イタリア語: Il bacino di San Marco nel giorno dell'Ascensione
英語: Venice: The Basin of San Marco on Ascension Day
作者カナレット
製作年1740年ごろ
種類キャンバス上に油彩
寸法121.9 cm × 182.8 cm (48.0 in × 72.0 in)
所蔵ナショナル・ギャラリーロンドン

ヴェネツィア: 昇天祭の日のサン・マルコ湾』(ヴェネツィア: しょうてんさいのひのサン・マルコわん、: Il bacino di San Marco nel giorno dell'Ascensione: Venice: The Basin of San Marco on Ascension Day)は、18世紀イタリアの画家カナレットが1740年ごろ、キャンバス上に油彩で制作した風景画である。最初の所有者はわかっていないが、1867年までにランカシャー (イングランド) のホーンビー城英語版 にあったリーズ公爵家のコレクションに入っていた。以降、イングランドに残ったこの絵画は1929年に第2代レヴェルストーク男爵英語版から遺贈されて以来[1]、ロンドンのナショナル・ギャラリーに所蔵されている[1]。同じく、ナショナル・ギャラリーに所蔵されている『カナル・グランデのレガッタ[2]の対作品である[1]

カナレットは、1725年までに「ヴェドゥータ」 (都市景観画) の専門家になっていた。彼がヴェネツィアを描いた絵画はグランド・ツアーに出かけた上流階級イギリス人子弟の間で非常な人気を博し[3]、彼らが帰国する際にはヴェネツィアの絵葉書、お土産代わりに購入された[4]。現在、イギリスには、彼の故郷ヴェネツィアを含むイタリア全土にあるよりも多くのカナレットの作品が所蔵されている[3]

作品

本作と対作品の『カナル・グランデのレガッタ』は、カナレットが富裕な旅行者のために描いたヴェネツィアとその水上で行われた盛大な祝祭を表す最も見事な作品のうちに数えられる[2]

カナレット『カナル・グランデのレガッタ』 (1740年ごろ)、ナショナル・ギャラリー (ロンドン)

この絵画は、イエス・キリスト昇天祭の日にヴェネツィアで行われる海との婚礼の祭典英語版が始まろうとしている場面を表している[1]。前景左端では黄色い日傘を持っている男がサン・マルコ湾のツアーを行っており、乗客に河岸で開かれているイベントを指し示している。前景には色彩豊かな衣服を纏った人々を乗せた舟が巧みに配置され、鑑賞者の視線は赤い屋根と金色の彫物で装飾された、ヴェネツィア共和国の立派な船ブチェンタウロの方に導かれる[1]

ブチェンタウロのデッキは人々で混みあっている。共和国の高官や外国の大使たちの行列がピンク色と白色の正面が見えるドゥカーレ宮殿の前を通り過ぎ、ブチェンタウロの方に向かっている。群衆の中に見える金色の傘はドージェ (共和国総督) のものである。祭典中にドージェが乗るブチェンタウロは沖へと漕ぎ出され、そこでドージェはヴェネツィアと海との婚礼を象徴する指輪を海に投げ込むのである。この長い伝統はアドリア海におけるヴェネツィアの海上的覇権の祝い行事として始まったもので、キリストの昇天を記念する昇天祭における最大のイベントになった[1]

カナレット『昇天祭の日のブチェンタウロの帰航』 (1745-1750年ごろ)、カタルーニャ美術館 (ティッセン=ボルネミッサ美術館から寄託)、バルセロナ

伝統的なゴンドラ (船) と金色のパレード用船舶がブチェンタウロを取り囲んでいる。舟の乗客はこの一大光景を見るために陽光の中、座るか立ち、あるいは縞模様のある天蓋の下で陽光を避けている。ヴェネツィアの毎年恒例のカーニバルで伝統的に身に着けられる白い仮面と黒い外套姿の人々もいる。カナレットは、この熱心な観衆を非常な精確さで表している。混雑した舟の人物たちは、絵具の点で慎重に表されている遠くの群衆と混ざる。近づいて見ると、ドゥカーレ宮殿のバルコニー沿いと奥の鐘楼の上にはもっと多くの観衆が見える。こうした細部の表現は、期待と興奮の感覚が伝えられるのに役立っている。人々のどよめき、櫂が水を打つ音、停泊する舟同士がぶつかり合う音が想像できるのである[1]

なお、カナレットは、『昇天祭の日のブチェンタウロの帰航』 (カタルーニャ美術館バルセロナ) でブチェンタウロがドゥカーレ宮殿へ戻る場面も描いている[5][6]

脚注

参考文献

外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI